
この前、ウエルカムプラザに次期NSXコンセプトなるものを見に行ってきた。まだ張りぼてだったが正式販売に向けての開発が始まったとアナウンスされていた。トヨタからLFA、日産からGTRと俄にアルティメットスポーツ市場が賑わいを見せている。次はホンダだ。
次期NSXはハイブリットカーとのことだが、展示車両は張りぼてで中身はなく、今回は開発ののろしを上げたにすぎない。ここは、休日の暇を有意義に過ごす妄想の糧とさせてもらうことにしよう。
<すでに公表されている仕様>
・ハイブリットカーである。
・4WDである。
・軽量ボディである。
・V6VTEC直噴エンジンである。
・ミッドシップである。
・モータースポーツ参加が視野に入っている。
・2015年市販化
<妄想開始>
1 はじめに
ハイブリットカーが市民権を得て路上はめっきり静かになった。そのせいなのか時代なのかスポーツマフラーの快音も珍しくなり、爆音系は旧車会かスーパーカーかという感じである。「静か」は高級感もあって好感を持って受け入れられているようである。しかし、スポーツカー、特にハイエンドスーパーカーオーナーたちの会話では未だに「うるさい音」が求められているようである。
2 コンセプト
「僕たちもF1でサーキットを疾走する快感を味わいたい」
3 構想背景
F1にはそう詳しくはないのだが、どうやら2014年からF1のエンジンは「過給器付きV型6気筒」に変わるようである。回転数は15,000rpmに制限するようだがF1らしい高回転サウンドは重視するとある。1.6リットルという小排気量は過給器でフォローしながら環境対応型を模索するらしい。
4 具体的提案
・V6自然吸気3,000ccエンジン
今のホンダにターボは似合わないし、最初はなしで行こう。
過給器無しの分は排気量で補って約2倍の3.0リットル。
しかし、排気量はパワーのためと言うよりピックアップの向上を意識する。
・レッドゾーンは20,000rpm
MTGでの話題を解析すると、どうやら求められているのは「爆音」ではなく「F1のような甲高い音」。
吸排気系のサウンドチューニングで「共鳴」を利用すれば倍音の原理で高音は出せた。
しかし、これは外で聞いていた場合の音。良い音を求めている肝心のオーナーは車内で運転中なのである。
気持ちを高揚させるエンジン音はF1の車載カメラ音のようでありたい。
私はかつて3LNというヤマハの高回転バイクに乗っていたことがある。無改造で2万回転まで普通に回る「市販車」だった。ホンダのCBRほど丈夫ではないが、毎日レッドまでブン回していてもエンジンが壊れることはなかった。現行機種でもYZF-R6のレッドゾーンが1万7500回転とある。バイクに出来て車では出来ないと言うことはないだろう。市販車レベルの耐久性と両立させて実現して欲しい。
・ハイブリットのもう一つの役割
左右別モーターで4つの車輪をスポーツ的に制御するというのがホンダの指針。
わたしは、先に述べたV6エンジンの高回転型によって犠牲になる「低速トルクの補完」を提案する。
3LNもそうであったが、高回転型にすると低速トルクはとんでもなく少なく、結果ギア比も極端に下げなければならない。おかげで、発進加速が悪かったり、市街地での扱いに難が出るという弊害が出る。
F1ではないが、サーキットでフォーミュラーカーに乗る機会があったが、予想以上の低速トルクのなさで私には発進さえ困難であった。とんでもない高回転でクラッチをつながないと駄目なのである。
そこで、低速からフラットな高トルク出力を誇り多段ギアもいらないモーターに登場してもらう。
つまり、普段は完全にEV化して頂くのである。市街地は静かーに走るのでクライス○ークの静音切り替えバルブなんて目じゃないのである。
これによってエンジン本体は低回転トルクを考慮せずにすむので、超高回転型で圧倒的レスポンスが可能になると考えた。まさにF1のようなエンジンになるのである。
「爆音」でなくとも、あのサーキットのパドックでレーシング(空ぶかし)しているフォーミュラーカーのようなエンジンレスポンスがあるのならば、ドライビングプレジャーは至高のものになるはずである。
・F1パドルシフト
エンジンを保護する意味でも、シフトチェンジは完全に電子化した方がいい。
・アイドリング
F1なみに4,000~5,000rpmでアイドリング。
フルアクセル加速の場合、このアイドリングエンジン回転にギア比が追いつくまでモーター駆動し、そのあとクラッチミートしてF1エンジンが頑張る。
N(ニュートラル)の時のみアクセルでレーシングできる。
・排気バルブ
排気デバイスとしてではなく、消音目的のアクチュエータバルブは「なし」で。
欲しいのはパワーではなくて、エンジン音とエンジンレスポンスとした。
何百馬力というエンジンパワーはいつも必要なわけではなく、逆に日常では扱いづらさにつながる。たまにしか使わないのなら分業したらよい。日常の動力には発進加速にも優れオートマ状態のモータが受け持ち、ここというスポーツ走行や緊急回避には操作感満点の回して楽しい高回転型エンジンが登場するのである。
5 外装
もちろん「見た目」も重要なので頑張ってもらいたい。BMWもあのコンセプトカーのようなiシリーズを市販化するし、日本車もいつまでもおとなしい万人受けデザインで収まって欲しくないものである。サブカルチャーJAPANらしくいっそ漫画家の桂正和氏あたりにデザインは丸投げしてはどうだろうか(^^;)
映画版のデロリアンのような大げさな排気ダクトや意味不明のソナーポットがあってもいい。サイドカナートやLEDライトも欲しい。走行条件に応じて可変するエアロが流行のようだが、走行中にバリアブルに可変するものより、一気に「変身する」システムが希望。映画「タクシー」のように、市街地モードから一気にハイウエイモードに変わるのである。映画のようなばたばた感は好ましくないが、普段は大きなGTウイングはしまわれていてボタンを押すとロボットのように現れる。
そう、ホンダのアイコンには「
アシモ」があるではないか。
この可変システムにジャイロなどのヒューマロイドロボット技術が役に立つかは不明だが、細かい油圧制御は活かされると思われる。 この技術部門を持つ希有な自動車メーカーとしてアピールしない手はない。
6 さいごに
うーんまったくをもって休日の妄想は楽しい。無責任なこの企画がどなたかの琴線に触れることがあれば幸いだと思う。来年発売されるBMWのi8に負けないスポーツハイブリットカーがホンダから登場し、「ついでに」F1へのホンダ復活がなされることを願ってこの長文をお終いにしたい。最後までお付きいただいた諸兄諸君には感謝の念に尽きるものである。


Posted at 2012/02/25 11:26:24 | |
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