前回のブログからかなり間が開いてしまいました
ちなみに前のブログの冒頭
「成長型トランジスタを使用したソニー製最初期のラジオが欲しかったのですがむちゃくちゃ高いし日常使いをするにはちょっと厳しい…」
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「むちゃくちゃ高いし日常使いをするにはちょっと厳しい…」
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ああ、買ってしまいましたさ!(´∀`)
高かった!

東京通信工業製TR-63
昭和32年3月発売の6石トランジスターラジオです
世界初のポケッタブルラジオですからウォークマンやiPodのご先祖様ですね。

ケース裏にはTOKYO TSUSHIN KOGYO LIMITEDと印刷されています。
ちなみにソニーのブランド名は昭和30年に発売された国産初のトランジスターラジオTR-55から使用されていて、昭和33年の株式上場を機に東京通信工業からソニー株式会社に社名変更しています。

現状では全く音が出ませんでした(最大音量にして耳をスピーカーに押さえつけると微かに聴き取れました。トランジスタは死んでいない様子)
チューニングダイヤルと文字盤が別部品。スピーカーグリルに付いている[Sony]マークは七宝(!)です。

今ではお目にかかれない形の電子部品がてんこ盛りでハアハアしてしまいますね
現在も流通している006P積層電池はこのラジオのために開発されました。

ゲルマニウムトランジスタ
このラジオのトランジスタには型番が印刷されていないのですがこれは2T51というタイプのトランジスタです。
当時は非常に製造歩留まりが悪くまた性能にもばらつきが大きかったそうでラジオに使えるトランジスタの製造には相当苦労したそうです。他に2T52、2T63という型番のトランジスタが使われています。

コイルの隣の茶色い筒が検波用ダイオード1T23
コイルに32.4.12の印刷があるので多分32年4月製造だと思います。

温度補償用バリスタ(ゲルマニウムトランジスタは熱で特性が変わってしまうので)
テスターを当てていくと検波用ダイオードが壊れているのがわかりました。
ネットで調べると茶色い樹脂が経年で膨張収縮を繰り返しゲルマニウム結晶と針が離れてしまうそうで、ペンチで押しこめば直るというらしいですがこのダイオードは直りませんでした。

このラジオは今から57年前の部品がひとつも交換されていない歴史的価値の有るラジオなので安直な部品交換はせず端子の片方をわからないように切断し、部品はそのままにして表から見えない様に裏に新しい部品を取り付けました。
非常に狭いので干渉しないようにするのが一苦労・・・
検波用ダイオードはシリコン製を使わずガラス管式のゲルマニウムダイオード1N34を使用しました。

基板とケースの連結に木ねじが使われており、調整のため何度も取り外していたらヒビが入ってしまいました(;´Д`)
ハイインパクトスチロール製なのでプラモデル用接着剤で固定した後ネジの締め込みでこれ以上広がって割れないように細い真鍮線で巻き締めました。
しかしすごい仕組みのイヤホンジャックです。

無事大きな音で受信するようになりました(*´∀`)ノ
ちなみに防災袋に入れている9バンドラジオICF-SW23とサイズはほぼ同じ(SW23の方が5mmほど薄い)
Posted at 2014/09/18 22:05:10 | |
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