
オレのGPS暦というか、年がばれそうだけど、使ってきたヨット用航海計器はロランCからだったりして、というか、1級取ったとき試験の船に積んであったのは、ロランAだったようなだし、あとSATNAVなんてのもあったりして、まあ、それだけ長いことこの手の計器を見て使ってきたけど、ヨットレースで使える、特にインショアのソーセージで使えるやつって、ひとつも無かった。と断言できる。(もちろんオフショアでは、十分役に立ちます)
どうして使えないか。
理由は簡単。最近のクルーザーレースは、上下レースだと、ほぼレース前に本部艇には、マークまでの距離方位を表示してくれる。たとえば、上マークが10度1.2Mだとして、その地点を目的地に設定すればいいだけなので、簡単そうに見えるが、これが出来ない。
なぜなら、現在地から何度何マイルという目的地の設定方法がないのだ。これが出来れば苦労は無いが、出来ない。仕方が無いから、プロッタにカーソルキーを出して、そのカーソルまでの距離方位はわかるから、そのカーソルを目的の距離方位の場所に設定する、と言う方法もあるが、基点となる現在地、つまり船の位置を下マークにとどめておかなければならない。現実的に、下マークで止まってもらうのは、ほぼ無理でしょ?
もちろん、下マークを目的地に設定しておいて、下マークまでの距離方位を出しておく、と言う使い方もあるけど、どちらかと言うと、実際のレースでは、下マークより上マークまでの距離方位が欲しいわけで、あまり実用的ではない。
BlueNavigatorなら、かんたん
スタート前コミッティが下マークを打ったら、まずそのポジションを取りに行く。船を出来るだけマークに近づけてもらって、ボタンをタップして、下マークの位置を記憶させる。あとは、本部艇に出ている距離方位を入力してやると、上マークの位置を計算して、上マークまでの距離方位を表示してくれる。
さらに、レース中、下マークが変更になった場合は、上マークを回った後、新しい距離方位を入力してやれば、これまた自動的に下マークまでの距離方位を計算してくれる。もちろん、上マークが変更になっても同様。
あと、2分ぐらいしかレグ無いよー
そして、圧倒的に便利と言うか、専用アプリならではなのが、レイラインまでの距離を計算して、そのレイラインまでの所要時間を現在の速度から計算してくれること。たとえば、スターボで伸ばしてるとき、反対は10分ぐらい、こっちのレグは後2分ぐらいしか残ってない、なんてことがわかる。
もちろん、現在のスタンドアロン版では、反対タックの角度を計算してくれないので、その時々の角度を入力してやらないといけないし、そもそも、その反対タックの角度は長年の経験といい加減さで入力するわけで、当たるも八卦、当たらぬも八卦ともいえるが、大雑把でもいいから、残り時間わかった方が便利と思う。
ハイクアウトしながら、ナビゲーション
使っている端末はIS04という、防水端末。もちろん手のひらサイズ。当然のことながら、チャートテーブルの前に座ったり、GPSを覗き込んだり、といった面倒なこと無しに、ハイクアウトしながら、「あと、2分ぐらいしかレグ無いよー」と、言ったり出来る。これ重要!
しかも、アクションでなんかするときは、ポケットに端末押し込んで、おっけ。
そういえば、コミッティが下マーク打って位置取りに行ったとき、SLEDとSWINGの大型艇が、相次いでマークに来て、それと思しき人がタブレット端末操作してたけど、たぶんマークの位置取りに来てるように見えた。向こうはアフターガードで専任だろうけど、中小型艇では、そうそう無職というわけにも行かないので、何かしらの仕事が割り当てられるけど、そういう場合は、ああいう大きなタブレットはかえって邪魔だと思うな。何でも大きけりゃ、ではなく、スマホは中小型艇のサイズにあった端末だと言える。それに、IS04なら中古で5000円もしないので、万が一液晶割ったり落としたりしても、ダメージ少ないし。
電池の持ちは良好
今回の3日間のレースは、毎日3レースが予定されていた。1レース1時間半として、4,5時間は電池が持ってもらわないといけないわけで、そのために用意したのは、端末2台(電池はそれぞれ1個)+予備電池1個。つまり電池的には3個用意して、毎レース交換しても大丈夫なようにしてみた。(というかレース中はたぶん交換できるような時間が取れないと思う)
とりあえず今回は、ディスプレイが生きている間だけGPSを動かして、画面が無いときはGPSを止める、という省エネモードで運用してみた。この場合GPSは、ホットスタートとなるようで、電源ボタンを押してたいていは1秒ほどでポジションフィックス、たまに10秒ほどかかる、といった具合。常時画面を見続けているわけでもないのと、目の前にマークがあれば、必要ない(特に下マークへ向かっているときは)ので、意外と使っている時間は短いのかもしれない。そのため、朝満充電しておけば電池は一日の間交換しないで良かった。
どちらかというと、電池大食いのandroid端末は、こういう使い方にして、航跡等は別途長時間記録できるドングルなどを用意するのが良い模様。
KYC専用かな???
調子はなかなか良いとはいえ、現在の仕様では、下マークを基準に上マークの位置を予測するわけで、これは、専用のマークボートとスタッフがいるKYCだからこそ、できる業ともいえる。KYCでは、ホントどんぴしゃの位置にちゃんとマークがあるからこそ、こういうアプリが成り立つともいえる。これが他のところのレースだと、本当に「おおよそ」の距離方位になることもあると思うので、他所でも使えるかは、実は???なのだ。
まあ、オレの場合はほぼKYCでしかレースしないから、これで十分なんだけどね。
最後に画面とメニューを見てもらうと、どんな感じがわかるかな?
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Posted at
2012/10/12 00:28:31