
新型(V37)スカイラインが発売されてから,さすがに気になっていたので,意を決して試乗させていただくことにしました。
ハイブリッドの350GTと,メルセデスベンツ製2.0ターボを搭載した200GT-tの2種類,いずれもtype Pで試乗いたしました。距離的にはあまり長くない,いわゆる普通のディーラー試乗です。先月は日産レンタカーで3時間のレンタル企画があったのですが,結局それはかないませんでした。
・外装(共通)
エクステリアは,写真で見たときは「なんとも品のない感じだな」と思ったものですが,さすがに実物はエッジが効いていて,それなりにかっこよく見えました。実寸も含めて「大型化」したな,という印象があります。全幅が1820mmは,V35クーペ(1815mm)と同じレベルで,アルファ159(1828mm)との間だし,新型レクサスISも1810mmですから揃ってこんなものでしょう。リアのデザインがマークXみたいで,個性を感じにくく,多少気になりました。
・内装(共通)
ショールームではベースグレードを見ましたが,シート素材の違い程度で,全般的に個人的には好みにあう内装でした。2つの液晶ディスプレイも,たしかに下段の反応速度に少し難があるものの,グラフィックは好印象でした。ステアリングのさわり心地もよかったし,特に文句はありません。電子のウィンカー音がこれまでの日産統一のものから,フーガと同じものになり,フーガのウィンカー音にY50当初から好印象を持っていた私としてはうれしい限りでした。フィニッシャーは3種類あるようですが,どれもあまり派手過ぎず,ベースのものでも十分に納得できそうでした。
運転席の座った感じは「サイズのわりにはあまり広くないな」という印象でした。フーガと大して変わらない全幅で,広さに期待もあったのですが,スポーツセダンの感覚を残したのか,BMWの3シリーズに合わせて囲まれ感を重視したのか,平均程度という感じ。普段乗っているケイマンの運転席と同じくらいか,それより少し囲まれ感を強く感じたくらいです。
・運転してみて(共通)
実際に少し狭い感じのする道路も走りましたが,存外運転しやすいと感じました。着座位置も違和感がなかったし,見づらいケイマンが相手では悪いですが,ドアミラーの形状も走行位置を的確に情報として伝えてくれたので,リラックスして運転することができました。「運転しにくいクルマを操ってこそ」などと,ついつい粋がってしまう前世代的な私には,運転が容易すぎてかえってマイナスかも(笑)。日産があまり上手ではない気がするメーター類も今回はわりと印象が良く,メーターの中心にある液晶のグラフィックも結構凝っていて,「いいクルマだな」と思いました。
車体の剛性感は,同時に乗り比べさせてもらったフーガ250GTよりさらに一段上で,一体感・凝縮感のある走りが楽しめました。レクサスISも運転者・同乗者ともに納得の行く「よいボディだな」と思ったのですが,(同時に乗り比べたわけではないからはっきりはいえませんが)遜色ないと感じました。揺れが少なく,おさまりもよく,こちらも「いいクルマ」に乗っているということを実感しました。
・350GT(ハイブリッド)
ハイブリッドであるほかに,カメラを多用した安全装置やアクティブレーンコントロール,さらにアダプティブステアリングと,新機軸満載の350GT。その分,値段も超高級の部類ですが…。
以前Realizeさんのフーガハイブリッドを運転させていただいたので,ある程度予想はついていましたが,静粛性もさることながら,かなりの速度でもモーターのみで走れるのがすごいですし,7速ATとのマッチングも違和感がありませんでした。スピードはもちろん文句なし。重量がかなりあるにも関わらず「速い」という印象が残りました。しかも静かにスピードが上がっていくのは,さすがに最新のクルマだなと感心しきり。余談ですが,私はトヨタ・レクサスについている,あの大型のメーターが気に入らないので(最近はSPORTモードで回転計になるように変わりましたが),日産は回転計がいつも出ているところが好きです。
一般道の試乗だったのでステアリングとアクティブレーンコントロールがあまり試せなかったのが残念。特に後者は高速道路での微調整を軽減するというふれこみが個人的には興味満点だったので,できれば長時間高速道路で乗ってみたいです。ステアリングの設定は何度か変えて乗りました。走行モードとは独立にステアリングだけ変えられるので,私は別に普段スポーツモードみたいな走りはいらないけど,ステアリングは少し重くてクイックなほうがよいから,そういう私向きだなと思いました。ということで,33・35と乗り継いだ私は「これは欲しい」と思ったのですが(汗),速さの代償にハイオク指定・燃費17.8が引っかかります。今だってハイオクだからいいんですけどガソリン下がらないかな。レギュラー・燃費23.2のIS300hも乗ってあまり不足を感じなかっただけに(すいません走りがおとなしくて)私には過剰な印象もありました。ケイマン乗っていて何を言うかという話ですが…。
・200GT-t(2リッター・ターボエンジン)
メルセデスベンツ製4気筒エンジンを積んだモデルで,アダプティブステアリングは省かれます。ハイブリッドの直後なのか,かなりエンジンの存在を感じます。ベンツというと,エンジンがすごく静か,という印象がありましたが,予想したよりはエンジン音が入ってきました。350GTが静かすぎるだけでしょうか,でも合わせて乗ったフーガ250GT(V6)と比べても感じたくらいです。このあたりは,旧来からのスポーツセダンの感覚に近いですが,低回転からターボが効くので,感覚的には2500cc強くらいで,350GTほど先進性は感じない一方で,エンジンとの一体感で言えば安心できます。この程度の2Lターボエンジンを日産では作れないのか,という意味では残念な気もしましたが,単体で乗る分には素直ないいクルマだと思い6気筒でなくとも不満は感じない仕上がりでした。ただ,価格はもう少し下がってほしいと思ったのも確か。フーガ250GTとほとんどかぶっているので,助手席や後部座席に乗る人の身になれば,そちらのほうが好ましいだろうと思いました(運転する分には200GT-tのほうが楽しいと思いますが)。このあたりはディーラーさんが頑張って値引いてくれればいいのかな(^^;
V35から始まった新しいスカイライン。ブラッシュアップをはかってバランスよく出来上がったV36で一応の完成を見たかと思いましたが,先進技術を採用し,新たなステージを目指したV37は,価格帯を含めまた批判の対象になるだろう(汗)という印象はぬぐいきれませんが,V36をまた無難にブラッシュアップしたのではしかたない,という攻めの姿勢にはスカイラインファンとして共感できる部分もあります。なんだかんだ言っても,次期愛車の筆頭候補ですね。個人的にはベースグレードでもパドルシフト欲しいんですけど。(長文失礼しました)
ブログ一覧 |
Automobiles | 日記
Posted at
2014/07/13 23:08:18