
気がつけば、今年初ブログ。苦笑
今回はインサイトがかなり気に行ってしまっているので、
バイヤースガイド風のブログで紹介です。
「燃費実験車」的な軽量2シータークーペから、より実用的な5ドアモデルへと姿を変えて登場。コンセプトモデルからは、ライト部分やミラーなどの細部の変更と、タイヤ&ホイールがより現実的なサイズへと変わった程度。低めの全高と、5ナンバーサイズにこだわった全幅もそのままです。そして最大の注目の価格も、キッチリと公約を守りました。
まず最初に、サイズや排気量や価格的に考えても、プリウスと直接比較しライバル視するのは少しピント外れ…そういった意見も聞かれます。排気量が1.8Lへと拡大される3代目の新型はもちろん、1.5Lの現行型と比較しても、新型プリウス>旧型プリウス>新型インサイトという図式が成り立つように、確実にインサイトは1クラス、2クラス下のポジション。しかしながら、「ハイブリッド専用乗用モデル」と考えれば、はっきり言ってプリウスの直接的ライバルはこれまでの間不在。そう考えれば、ハイブリッドのみの5人乗りハッチバックで登場したインサイトは、その分かりやすさも含めて、ここではハッキリと「プリウスの最大のライバルカー」として考えるのが自然……現行型を引き続き併売するという販売戦略を取る予定だというトヨタ側の動きを見ても、はっきりとこのインサイトを猛烈に意識している事は明白…ということで、やはりメインは現行型プリウスを意識して比べながら、さらに同じホンダのシビックハイブリッドも含めて、この新型インサイトを紹介していこうと思います。
話を戻して、まずはスタイリングから。全長×全幅×全高×ホイールベース(mm)は、
インサイト=4390×1695×1425×2550
現プリウス=4445×1725×1490×2700
シビック=4535×1750×1435×2700
フィット=3900×1695×1525×2500
プリウスと比較すれば全長は55mmほどしか変わりませんが、ホイールベースは150mmもの差があります。ちなみにこの数値、フィットより50mm長く、奇しくも初代プリウスと同値。最近の車としては、珍しくフロントオーバーハングが長めに感じる要因はここにありそうです。またプリウスよりも65mm、セダンのシビックよりさらに10mm低い全高も、インサイトのプロポーションを決定付けている1つのポイントと言えるでしょう。
また、今回5ナンバーというサイズ枠にこだわった点については、ホンダに拍手。もちろん、大きくなりすぎたシビックとのポジション分けの問題もあったでしょうが、最大のポイントは、ベースとなるフィットとの部品の共用化。これにより、間違いなくコストダウンが図られた事は明白です。またそれだけではなく、ホンダの実用的ハイブリッドオリジナルモデルとして、このディメッションを世界統一としてグローバル展開していくことは、当然欧米からの反発は相当なものだったとは思いますが、現在の世界の自動車情勢を見る限り、空気を確実に読めたサイズ感であると言えます。むやみやたらにブクブクと大きくなりたがる昨今の新型モデルに対して、このインサイトのディメッションが、これからの時代を見据えた、国内外メーカーへの大きな布石となって欲しいと切に願います。
市販型に近づくにつれ、やはりどうしてもプリウスに似た印象になるのは致し方ないところでしょうか。フロントの造形は、オデッセイやストリームでも見られる「ホンダ顔」、サイドやリアなどは「ミニFCXクラリティ」というイメージを上手く形にしています。しかし、FCXクラリティが世間的にまだまだ認知されていない事を考えれば、このプロポーションではプリウスの模倣というイメージをもたれる事はどう見たとしても避けられません。ホンダ側は「むしろ2代目プリウスが、初代インサイトやCR-Xのマネだ」と言ってはいますが、ウィッシュ→ストリームという一件があったように、ホンダも独自性うんぬんよりも、よりベストなパッケージングを追及した結果の現れ……。逆にこの事が、ホンダがこの2代目インサイトにかける意気込みを現しているのかもしれません。
その事を除けば、5ナンバー枠にこだわっていながら、サイドビューは平板な印象はなく、特にリアドアからリアクォーターピラーにかけての、FCXクラリティに通ずるサイド~リアをギュッと絞り込むボディラインは、なかなか大胆かつ先進的な印象です。ドアカットを大胆にグッと回り込ませクォーターウインドーを廃止したのは、6ライト(フロントの三角窓を加えれば8ライト)をとるプリウスとは大きく違う点。
リアビューも、こちらもFCX似。全体的な印象はプリウスとも良く似たポジションですが、ディティールを変えることで上手く独自の印象を出そうとしています。ハイマウント部分をテールランプとつなげる処理がなされていますが、実際にブレーキを踏んだ際に点灯するのは、中央部分の範囲のみ。テールランプは一見シンプルなレイアウトにも見えますが、LEDを採用するブレーキランプの点灯パターンをライトON時には縁取り部分が、ブレーキング時には中央部分を含め全体が光るようになっていたりと、視認性を重視しつつ、さりげない演出を見せてくれるこだわりを見つけることができます。
個人的な印象としては、何度も言いますが、プリウスの模倣である事はどう考えても明白です。しかしそれを好意的に受け取るならば、直線的なラインでまとめられた「ホンダ的プリウス解釈」であるこのインサイトのスタイリングには、素直に好感がもてます。車高が低めなこともあり、プリウスよりもスポーティな印象は確実に上。またモデューロや無限のエアロを装着すれば、とてもハイブリッドモデルとは思えないほどカッコ良く決まります。このスタイリングだけで、例えハイブリッドモデルという点に興味がなくとも、購入意欲をそそられる人もいるのではないでしょうか。
もちろん、今となっては3ナンバーと肥大化してしまい、どう見てもカッコイイとは思えない理解不能なデザインの現行FD型シビックセダンの1ラインナップであるハイブリッドよりも、このインサイトのほうがはるかに先進的でスタイリッシュ、かつ魅力的。一応シビックハイブリッドも併売される…とのことですが、いずれ販売状況がどうなるかは、もうその結果は目に見えてはっきり出ると思います。
グリップ式ではなくフラップ式のドアハンドルを少し残念に思いながら、ドアを開けて運転席へと座ります。インテリアの印象は、まさしく成り立ちそのままに、シビック+フィット÷2。最近のホンダの特徴として、パッと見は少しゴチャゴチャとしていて散雑な印象を持ちますが、実際の使い勝手はなかなかのもの。左右非対称インパネによって、ややナビの位置が助手席寄りすぎている感じもありますが、視認性や操作性自体は大変よく、またハザードスイッチも非常に分かりやすいのも○。また後述しますが、この価格にして全車フルオートエアコンが標準装備されており、この操作パネルの位置操作のしやすさやスイッチの質感も十分以上。見た目の質感は決して高いほうではありませんが、実際によく手の触れるスイッチの操作感や小物入れ部分などのタッチは、イメージが共通するだけでなく実際多くのパーツを共用しているであろうフィットよりも、確実に上に感じました。価格を考えれば質感は十分以上といっても差支えはないでしょう。少し気になるといえば、中央助手席側のエアコンの吹き出し口が、運転席からは少し遠いくらいです。
ステアリングは、シビックやフィットにも採用されているのと同一品。比較的小径タイプでグリップも太く、握り自体はなかなかのもの。しかしながら、多少慣れてきたとはいえ、いかんせんこの少々グロテスクにも思えるステアリングデザインが、インテリアとの調和性を少し欠いているという印象は個人的にはまだ今でも拭えません。ちなみにベースモデルとなるGのみがウレタンで、その他のグレードは本革仕様となっています。
フィットの大きく違うのは、シビックと共通するマルチプレックスメーター。キャブフォワードのクルマにありがちな、インパネ前部分のデッドスペースを上手く利用したこの上下2段式のメーターですが、このインサイトはよりそのレイアウトを分かりやすいものに。シビックでは上メーター(アンビエントメーター)に色々な表示がありましたが、インサイトはスピード表示のみ。ガソリン計やモーターのアシストメーターは、タコメーターと一緒に下メーターのほうにまとめられました。代わりに追加されたのは、現在のドライビング状況を分かりやすく「色」の変化で表示するコーチング機能。各メーカーはエコドライブのインジケーターなどを装着していますが、ホンダはメーターパネルの色を変化させることによって、視覚的に非常に分かりやすい表示方法を採用しています。タコメーター中央のマルチインフォメーションディスプレイでも、バー表示によってエコドライブをうながすようにモニターが変化しますが、エコドライブではグリーンに…アクセルを踏み加速するとブルーに…と、色彩によってドライバーに表示するこの方式は、単純ながらもその分かりやすさと把握性の高さにおいて、今後必見すべき新たなインターフェイスの提案の1つとなりそうです。
メーターまわりは斬新なものの、他の部分…シフトレバーは通常のフロアシフトで、サイドブレーキもハンドタイプ。動かす過程から近未来感たっぷりのプリウスと比べれば、良くも悪くも一般の車と同じような印象。もちろんこれは、このインサイトのコンセプトそのものを表していると言ってもいいので、取っ付き易さという点はむしろこのインサイトの特徴として見るべきでしょう。
むしろインサイトで評価したいのは、ドライビングポジションの良さ。少し低めのアイポイントに加え、適度なホールド感を備えたシート。また、ステアリングはテレスコ&チルト調整が可能で、ラチェット式シートリフターも装着されており、ポジションの自由度や収まりの良さは、どう調節してもルーミーさが残ってしまうプリウスとは隔世の差。サイドウォークスルーが可能なプリウスのゆったり感もそれはそれで長所ですが、基本的な運転姿勢の収まりの良さは、比べるとインサイトのほうがはっきりとスポーティ。調整幅や種類が多い点は、女性ユーザーにも好印象に受け取られるはず。
少し気になるのは、後方視界。バックミラーで真後ろを見ると、こちらはプリウスと同じような、補助ガラスとなるエクストラウィンドーのおかげで、ハッチガラスとの境界ピラーさえ目障りでなければ、通常の車よりもむしろ後方視界は優れているくらい。しかしながら、リアピラーが大きく寝ているハッチバックモデルの宿命として、斜め後方の死角はかなり大きめ。プリウスはクォーターウィンドーがあるおかげで若干マシですが、インサイトは大きくリアドアのカットを引っ張ってはいるものの、ウィンドー面積自体も狭めなので、ここは購入検討される際にはぜひ一度確認する必要がありそうです。
前席ではその車高の低さというのが良い印象へと結びついていましたが、後席ではやはり若干の弊害を感じます。まずルーフ自体が低くリアへと大きく傾斜している見た目の通り、乗員性はイマイチ。思ったよりも後席の配置が前寄りなので、乗り込む際の足入れ性にも少し気を使います。乗り込んでしまえば、足元スペースはまぁまぁのゆとり。しかし、178cmの自分にはヘッドクリアランスは相当厳しい印象。もちろんルーズな姿勢で座ってしまえばあまり気にはなりませんが、ベルトを装着してキチンとした姿勢を取ると、頭は完全に当たります。また、グラスエリアがグッと絞り込まれているため、開放感という点でもイマイチ。ここは全高の違いにより、プリウスの圧勝。プリウスでも頭上付近は結構苦しいのですが、グラスエリアは広く明るい印象で、また足元スペースのゆとりも大きく違います。インサイトもコスト管理が厳しい中、キチンと中央席にも3点ベルトとヘッドレストを装着している点は評価できますが、その絶対的なシートサイズを含め、女性や子供はともかく、一般的な男性には少々窮屈な印象があるのは拭えません。またリアドアの開口部が大きくリアクォーターから開くようになっているので、狭い場所でのドアの開閉には少し注意が必要です。
反面、プリウスよりも優れていると感じたのは、ラゲッジスペース。バッテリーがあることでラゲッジフロアが高めなのはプリウスもインサイトも同じながら、インサイトのほうがよりラゲッジの高さ方向に余裕がある印象。これも、より小型化されたバッテリーシステムによる恩恵でしょう。床下収納を備えているのはプリウスも同じながら、インサイトは手前部分がさらに深くなっていてそこをサブトランクとして利用できるなど、実用性は一枚上手。リアバックドアもプリウスよりも軽く開閉可能です。
6:4の分割可倒のリアシートは、シングルフォールディングながら倒せばほぼフラットな空間が広がり、シート可倒さえできなかったシビックHVとは雲泥の差。これもハッチバックスタイルの採用とバッテリーの小型化による恩恵でしょう。初代インサイトの「土を敷きつめて家庭菜園でもしろというのか?」というような薄っぺらい空間からは想像できないほど、極めて実用的に使えるスペースとなっています。
注目のパワートレーンですが、エンジンはシビックHVと同じ1.3L。ツインプラグのi―DSIと可変バルブタイミングのVTECを融合させたi-VTECユニットで、DBWを採用し、走行状況に応じて4気筒とも気筒休止を行いポンピングロスを低減させるVCM機能をもつ点も同じ。シビックHVと異なるのは、VTECの制御を3ステージから2ステージへと変更している点。高回転域の6psを捨てて、より実用域重視のセッティングがなされている事が伺えます。
ちなみに余談ですが、すでにご存じの通り、いわゆるトヨタ方式のハイブリッドシステムとは違って、ホンダ方式のハイブリッドの考えは、あくまでエンジンが主体。基本的にはモーターはエンジンの動力源の補助という形であり、アイドルストップが行われるものの、プリウスのようにモーターのみで発進するEV走行は行われないというのはインサイトも同じ。低速クルーズ状態の時に限ってモーターのみの走行が行われます。
そのハイブリッドの肝となるIMAのニッケル水素のバッテリーは、よりコンパクト可が図られ、大量生産されるように生産性も考慮に入れるため、そのほとんどを一新。その性能は単体で16ps/8.0kgm。これは先代インサイトとシビックHVのほぼ中間。同じ排気量ながら、エンジン+モーターで発揮する性能が、シビックHVが1.8L級と謳っているのに対し、新型インサイトは1.5L級。この表現の違いが、シビックHVとインサイトの性能差を表していると言えるでしょう。
少し残念なのは、エアコンの制御。シビックHVは状況に応じて、エアコンの駆動力元をエンジンだけでなく専用のモーターを備える事で、アイドルストップ時のエアコン制御を行うデュアルスクロールコンプレッサーを採用していましたが、新型インサイトのエアコン制御は通常のベルト駆動のみ。もちろんある程度冷媒に熱容量があるため、エンジンが止まってもしばらくの間エアコンは作動しますが、夏場の渋滞路でのアイドルストップの時間には影響が出そうです。もちろんこの制御があったことに越したことはありませんが、おそらくこれも目的はコストダウン。本当に必要な部分以外は削り取って、よりコストパフォーマンスを重視したハイブリッドシステム構築を掲げた、新型インサイトの姿勢が表れている一部分と言えそうです。
組み合わされるギアボックスは当然CVT。パワーユニットの出力差を考えて、若干のローギアードが図られています。また、エンジン・CVT・エアコンの制御までを統合制御して、よりエコドライブ志向へセッティングしてくれるECONボタンを、オデッセイに続いてこのインサイトにも採用。ボタンは運転席正面右側のミラー調整スイッチパネル付近に配置され、大きく目立つグリーンのボタンは非常に分かりやすく操作性も○。多少ラフなアクセルワークをしてもクルマの挙動に大きく表れないので、当然急発進につながるような極端な動作はしないという前提の上で、ノロノロ運転状態での足の疲労低減という意味でも、上手く使えそうな装置の1つです。
また、もう1つ注目したいのが、LSグレードに装着される7速マニュアルモードとパドルシフト。フィットRSなどでお馴染みですが、ハイブリッドモデルでパドルシフトを装着するというのは、かなり異端。これも、ハイブリッドであってもスポーティさは忘れない…というホンダの姿勢の表れでしょう。こういった所から、いずれ登場するであろう、ハイブリッドスポーツであるCR-Zの姿がチラリと感じられます。
もちろん、高回転域を犠牲にしたVTECエンジンを搭載するハイブリッドモデルにパドルシフトを装着するなんて無駄……などというのは極めて安直かつ軽率な考え。有効でおいしい回転域を積極的に使え、一定速では低い回転域を維持できるCVTはその反面、全開加速時ではエンジンが高回転を常に維持してしまい忙しなく、また細かく段階的なエンジンブレーキをかけるシチュレーションは苦手。しかし、擬似的に7速を区切ったマニュアルモードを使えば、アクセル開度が大きい場面でも中回転域を有効に使え、また下りのワインディングなどではパドルシフトも相まって、よりエンジンブレーキの強弱のコントロール幅が増えます。これらを効果的に使えば、場面によってはよりスムーズかつ燃費に有利な場合も。安易にスポーティさを付属した装飾品扱いにしてしまうのはもったいない、よりエコドライブを楽しくするための有効な装備の1つと言えるでしょう。
足周りはフロント・リアともにフィットと共通。約1200kgと比較的軽めの車重もあって、ブレーキはフロントがディスク式でリアはドラム。このインサイトは軽さも大きな武器で、シビックHVよりも約80kg、プリウスよりも約70kgと大人1人分程度軽量。次期プリウスはおそらくさらにもう1人分ほど重くなることは必須でしょう。
気になる燃費性能は、10モードで30km/L。インサイトは軽量ながら、現行プリウスはもちろん、シビックHVにも僅かながら及びません。しかしより実用的なJC08モードでは26.0km/LとシビックHVを逆転し、現行プリウスとの差も確実に縮まります。
ライバルと比較すればより軽量…しかしながら、量産性とコストパフォーマンスを優先したハイブリッドモデルなので、絶対的には抜群に優れている事には変わりないものの、燃費は若干劣る……しかし、これについてもう1つ忘れてはならないのが、タイヤの話。
G、Lグレードは175幅の15インチ、LSグレードには立派な185幅の16インチタイヤが奢られていますが、どちらのタイヤ銘柄も、フィットで通常装着されるいわゆる一般的なノーマルタイヤ。プリウスやシビックHVは転がり抵抗の少ない専用エコタイヤを装着していますが、インサイトは一般車に装着されるタイヤと何ら変わりありません。もちろん、コスト面という話も当然あるでしょうが、ここがこのインサイトが、ハイブリッドモデルだからといって特別なモデルではなく、あくまで一般のクルマと同じ土台での選択肢の1つである……インサイトの基本コンセプトを物語るパーツチョイスの1つであると言えます。
最後に、そのコンセプトを最大のインパクトをもってして示すのが、価格。すでに一般ニュースの一部でも取り上げられるほど、Gグレードの189万円という価格は、ハイブリッド専用ボディをもつクルマとしてインパクトもアピール度も満点。
しかも装備内容を見ても、ドアミラーやドアハンドルがブラックだったり、いわゆる鉄ホイールむき出しだったり…といった、価格戦略のみのグレードではなく、1つ上のLグレードとの外見上の差といえばドアミラーウインカーが装着されない程度……アンテナ位置も同じで、比較的削られやすい装備であるプライバシーガラスも標準。他にも、マニュアル式ではなくフルオート式エアコンなので操作パネルももちろん同一、電動格納式ドアミラー、セキュリティアラーム、アクティブヘッドレストも標準装備……もちろん、テレスコ&チルトステアリングもラチェット式シートリフターも全グレード装備されているので、基本的な装備に関しては何ら不満なし…むしろ、通常の中間グレードくらい充実していると言ってもいいでしょう。これで189万円という価格は、はっきり言ってバーゲンプライス。落そうと思えば、さらに装備を削ってビジネスパッケージを設定してさらに価格を落とす事さえ可能!?
唯一気になる点と言えば、オーディオレス+2スピーカー状態が標準ということくらい。これも、仮にHDDナビシステムを組み込めば、自然に4スピーカーとなるので、こちらもあまり問題なし。ちなみにHDDナビを装着すると、クルマと連動してエコドライブをサポートしてくれるティーチング機能がさらに充実。リアバックモニターとETC車載器も付いてきて約25万円。もともと低価格が目玉なクルマなので難しいところですが、内容だけを考えればこの純正ナビはなかなかお勧めです。
また、複数装着状態では若干悪しき習慣が残るものの、「抱き合わせセットオプション」の制度が若干崩れ、単独で装着できるメーカーオプションが多くなったのも朗報。Gグレードでも、ディスチャージヘッドライトとセットで、車両安定装置であるVSAを装着できる点は◎。価格を抑えた低グレードでは、オプション装着する権限さえ奪ってしまうような事がよくありますが、このインサイトではそういった心配はいりません。
もっとも、Gに多くオプションを装着するよりも、いっそ1グレード上のLをチョイスしたほうが賢いかも?という考えもあるかもしれません。しかしこちらはGに加えて、ディスチャージヘッドライト、本革巻ステアリング、ラゲッジ&フットランプ、ドアミラーウインカー、前後シートアームレスト、間欠調節式ワイパー、4スピーカー…他、追加装備される程度。これで価格はGより16万円高い205万円。これを見ても分かる通り、いかにGグレードがお買い得な設定となっているかがよく分かります。ディスチャージヘッドライトはGにもオプション装着できるので、欲しい装備が数々!というわけでなければ、Gグレードで十分な内容かもしれません。
そのLの上に位置するのが、最上級モデルとなるLS。こちらは先ほどのLにさらに加えて、VSA、フロントフォグランプ、パドルシフト、16インチタイヤ&専用アルミホイール(G、Lは15インチのホイールキャップ。Lはメーカーオプションで15インチアルミホイール装着可)、フロントハーフシェイドウィンドー、パドルシフトが追加装備。価格は221万円とLより16万円高、つまりG→Lとの価格差と同一。16インチタイヤとホイールは、燃費性能を若干低下させてしまうものの、見た目のカッコよさはさらに引き立つ印象。パドルシフトは他グレードでは装着できないため、この少しスポーティな雰囲気に魅力を感じれば、このLSをチョイスするのがベストでしょう。Gより32万円高いとはいえ、それでも221万円。シビックHVやプリウスの入門グレードよりも価格面だけで言えば、まだお買い得。それだけ、このインサイトの価格設定は非常にユーザーの心をくすぐると言えるでしょう。
また、4月以降は新グリーン税制が適応となり、自動車所得税と重量税が無料に…お買い得感はさらに増します。ライバルと目されるプリウスはもちろんの事、同じメーカー内のシビックHVも当然、またこの価格だと1つ下のフィットクラスのコンパクトカーを求めるユーザー層も十分範疇に入るのでは……新車不況と言われて久しいですが、そんな中このインサイトの登場は、現状の自動車マーケットに大きな風を吹かす可能性は十分アリ!と期待していいでしょう。
絶対的な性能だけを見れば、新型プリウスには当然として、現行型プリウスにも若干劣るであろうことは明白な事実。サイズの違いも影響し、特にリアシートのスペースは、最近の優れたユーティリティを備え持つコンパクトカーに慣れていると、若干厳しいと感じてしまうのも現実です。しかしながら、個人的には、現行型プリウスがインサイトに近い価格設定で勝負してきたとしても、現時点ではハッキリと新型インサイトの方に魅力を多く感じました。さらに言えば、やっぱり新しくいい方のものを…という観点からも、3代目の新型プリウスを実際見てしまえば、2代目はすでに過去のもの…という感覚になってしまいそうな気もします。
『世の中に役立つ技術は、誰もが手にできてこそ意味がある』。
インサイトのティザーCMで何度も流されていたこの言葉を、ホンダはこのクルマで見事具現化してくれました。その価格やハイブリッドどうこうという前に、まず1台のクルマとしての魅力の高さもなかなかのもの。もちろん、実際これからステアリングを握って運転するまでは全ての評価をすることはできませんが、久々にホンダらしい魅力的な1台に出会えた…そんな率直な印象をこのインサイトには抱きました。
F1からの撤退、NSX後継車の開発中止、欧州シビックタイプRの販売延期、度重なる業績下降修正と新車販売不振…もちろんホンダだけではなく、最近日本の自動車メーカーからは、溜め息が思わず漏れてしまいそうになるニュースばかり。そんな中、この激流とも言える移り変わりの速い時代の空気と流れをキチンと読んで登場した、新型インサイト。年内に登場するであろう新型プリウスと共に、自動車界を牽引してくれる1台となってくれる事を願って止みません。
次は、フィットのハイブリッドに期待!?笑
本当にヒットして欲しいです。