目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
【注意】この整備記録はエラーも含めて書いています。中には重大な失敗も含まれていますので、必ず最後まで読んだ上で、あくまでも参考程度に留めて下さい。真似をされても必ず同じ結果になるとは限らないと思うので自己責任でお願いします。
さてそれでは全くの素人である僕が今回、10万円でビートにNOSを搭載するまでの記録を記していきますね(`・ω・´)
僕が入手したのは画像の「NOSのウエットショットキット」です。タイミング良く、ヤフオクで54000円で手に入れることが出来ました(´・∀・`)
NOS(ナイトロオキサイドシステム)の原理を簡単に説明すると、燃焼室にナイトロガス(N2O:エヌツーオー)=亜酸化窒素を送り込み、それに見合った燃料を増量してやることでパワーを上げるシステムです。
ナイトロ(N2O)は、燃焼室の高熱に曝されると化学反応を起こし、酸素を増やします。つまりエンジンのシリンダー内により多くの酸素を供給することができるので、空気を圧縮して送り込む過給機と同じ手法でパワーを引き出しているわけです。
更に、ナイトロガスは噴射時に超低温(-60℃)で噴射されることに加えて化学反応時にも熱を奪うため、結果的に燃焼室の温度を大きく下げることになり、異常燃焼の発生を大幅に抑え込む作用があります。
そして吸気の気体温度もガスの冷却効果に伴い大きく下がるため、気体中の酸素濃度もさらに高めるとされています。
つまりパワーを出す概念は、過給機+超強力なインタークーラーに近いと言えると思います。
【参考:NMPさん解説ナイトロオキサイドシステムとは?】
http://www.nos-nmp.com/qa.html 2
NOSのキットには「ドライショット」と「ウエットショット」の二種類があります。
●ドライショットとは、スロットルに向けてナイトロガスのみを噴射し、燃料の増量はインジェクターにて行う方式ですので、サブコンによる制御が必要になってきます。
●ウエットショットとはナイトロガスと共に燃料を混ぜてスロットルに向けて噴射する方式です。画像はウエットショットキットの小物部品のパッケージングですが、真空パックにて部品がダンボール板にまとめて固定されており、いかにも洋物製品っぽい雰囲気が漂っています(ノ∀`)
サブコンを導入する費用を削減したかったのと、短時間でサブコンを使いこなす自信が無かったので僕はこのウエットショット方式を選択しました。
装着方式で言うなら他にもスロットルボディー以後のインマニにナイトロガス噴射ノズルを気筒ごとに打ち込む「ダイレクトポート」という方式があるのですが、これは専門ショップなどが手掛ける本格志向の方式で、より精密にセットアップすることができ、パワーを引き出せるそうです。
【参考:NMPさん解説NOSの種類】
http://www.nos-nmp.com/technical1.html 3
キットにはNOSボトルを固定するためのステーが付属しています。これを使うとボトルが自然と斜めになりますが、これはボトル内の液化ガスを確実に吸い上げるための角度です。
極端に言うとボトルの内部は缶スプレーと似たような構造なので、中身が片寄ると吸い上げ不良を起こす可能性があるわけですね。
そして、取り扱い説明書が同梱されていますが、もちろん英語です(´∀`;)
書いてある意味は全部わからなくとも「挿し絵」にて取り付け方くらいは分かります。なので、「おっ、どうにか取り付け出来るんじゃね!?」と、思ってしまうのですが、分かるのはあくまでも取り付け方のみです。
問題は3章以降の「燃調セットアップ」なのです…
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さて、ビートにNOSを取り付けようと思うと必ずぶつかる「壁」
それはビートがMTREC(独立3連スロットル)である、ということです。
つまり普通の車のように一つのスロットルに向けてNOSを噴射するという構図にすることができないわけです。
プロのショップが手がけたビートの手法をネットで拝見すると、やはりダイレクトポートで仕上げてありました。ショップの代表からお話を聞くことができたのですが、やはりかなりの費用がかかっているとのことでした。(パワーも凄いらしいです)
こちらがそのNOS搭載のビート↓
http://www.nos-nmp.com/menber17.html
素人のDIYレベルでこの問題をクリアしようと試行錯誤した結果、やはり純正のエアクリボックスより手前の吸気管内でNOSを噴射し、あとは各スロットルの吸い込み加減の正確性に委ねようということにしました。
当然、エアクリフィルターより手前でNOSを噴射してしまうとフィルターで燃料が濾されてしまう(笑)ので、純正エアクリフィルターも撤廃するしかありません。
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画像の上に見えるのが、このために導入したHKSのスーパーパワーフロー(リローデッド)です。
これにより吸気管内で噴射+エアクリ以降で噴射が可能になりました。
下に見えるのは燃料タンクです。
エンジンハッチの隣りのパネルをネジ数本緩めて外すとこのような状態で燃料タンクが見えます。
NOSのウエットショットで燃料も噴射するので、当然純正の燃料ポンプでは燃料供給量が不足してくると推測し、この段階でGT-Rクラスの燃料ポンプに交換しました。←【注意】エラーです!後で出てきます。
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こちらがHKSのパワーフローに付属している金属製の配管です。
これにNOSの噴射ノズル(「フォガー」といいます)を取り付けます。
ドリルで穴を開けて…
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こんな感じ(´・∀・`)
ちなみにフォガーの取り付け位置はこの金属製の配管よりもエアクリ寄りの純正の樹脂配管でも良かったと思います。むしろガスの流れを考えるとそちらの方が効率は良さそうでした。
しかし、フォガーはNOS装着後のセットアップやメンテナンスで頻繁に触る部分なので、エンジンハッチを開ければ簡単に触れるこの位置を僕は選択しました。
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フォガーを打ち込んだパワーフローの装着画像です。
ここからエアクリボックスに向けてNOSを噴射します。
NOSは手でフォガーを持った状態で噴射すると腕ごと大きく動かされるほどの噴射圧があります。
これだけ手前で噴射しているのに噴射ボタンを押した瞬間に加速を始めるくらいです。
(ちなみにNOSが強烈な加速度の上昇をもたらす理由として、この「ラグの少なさ」という要素があります。加給機はタービンが最大効率で働く加給圧のピーク時に達するまでタービンによる最大の恩恵を受けることができませんが、NOSは噴射した瞬間から設定したパワーがプラスオンされます。これがNOSの特徴であり、同じピークパワー設定のターボ車よりも圧倒的にNOS車が速い理由です。)
エアクリボックスまでの配管のつなぎ目は純正の針金バンドではユルユルすぎます。抜けるとナイトロガスと一緒にガソリンも撒き散らしてしまって大変なことになるので、強化してやらねばなりません。
今回は純正の針金バンド用の溝にピッタリ嵌まってくれる太めのタイラップで締め上げましたが、ゆくゆくはシリコンホースと金属製のバンドで仕上げようと思ってます。
次回はフォガーの仕組みから解説していこうと思います(´・∀・`)
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