【割高】ハンモック

「お客さん！あと440足りません!」
100均で110ﾘﾗをお皿に乗せた僕に
店員が意味不明なことを言った。

(1品100ﾘﾗなのが100均だろうが)
(何言ってんの？この人...)

「お金ここに置きましたよ？」
僕は苛立ちを抑えながらそう言った。

「こちらの商品は550ﾘﾗですが...」
「え？」
「550ﾘﾗです」
「ぁ...そぅですか...」
僕は渋々100均でこんなものに550ﾘﾗを支払うはめになった。

この手の商売を
「詐欺」と言うのだろう。

僕は、貨物車の頭上空間に安ネットを張りたかった。
100ﾘﾗで張りたかった。

(Häagen-Dazs食べた方が良かった...)
そう、僕は強く後悔していた。

広げてもお得感はない。
チープさが際立つクオリティ。
(300なら分かるがこれが500とは...)
更に強い後悔の念が押し寄せ、
僕はとても暗い気持ちになった。
(うまい棒50本買えば良かった...)

天井材とプラスチックカバーの間にフックをぶら下げ、その四方にこのチープなネットを張った。
提供価値に満足しない場合に
人は不満が募る。

高値で掴まされた後悔...
投資に対する低いリターン...

失望は絶望に変わった。

強度確認のため、ペットボトルとリアカメラを乗せて1時間位走った。
付根のフックが心許ないが、意外にも外れることなく無事に運搬できた。

(こんなの、これで十分だわ...)
僕はリアハッチを閉めて、嫌な記憶を封印した。


ω

その日は、闇米を買った。
30kg×4袋。

これが3ヶ月も持つことなく確実に消化されていく。

米を積んで走ると紫貨物車は喜ぶ。
(荷物を積んでくれてメルシー)

僕は、少し
貨物車孝行できて良かったと感じた。


٩(ˊᗜˋ*)و