シャガール展（と絵画購入について）

　近くの美術館でヤってるシャガール展に行ってきました。




　仕事の関係で、美術展の招待券を頂けることが時々ありますが、なんにも活用しないのも気が引けるので、近場で都合がついた時には行くようにしてます。

　今回の展覧会は、すべてリトグラフ（石版画）でした。　
　シャガールについてはもともと版画も数多く手がけていた量産作家なので、作品数も多く出回っています。



　シャガールと聞くと、１枚の絵が数千万円もすると思ってる方がいるかと思いますが、リトグラフであれば、その限りではありません。
　リトグラフについては、“本物”の定義が時代とともに変わっているので、意見が分かれるところですが、シリアルナンバー付きの本物でも、数十万円で購入できる作品があります。

　ただし、そのような市場で出回っている作品については、投資性はまったくありません。
　画廊やバイヤーは、買い値の何倍もの値を上乗せして価格設定してるので、もともとかなり割高な価格で販売されています。流動性の少ない絵画という性質上、仕方ないものですが、一般に名の知れた作家でも、「絵が購入時より高く売れる」というのは、都市伝説に近いものがあります。

　また画廊が保管している作品ならまだしも、湿度と温度が一定に保たれていない一般家庭で展示（保管）している状態であれば、数年で絵の具の変色や紙のよれが生じ、買い取り価格は更に下げられます。　保管設備や費用を考えても投資という目的では割に合わないことがすぐに分かります。

　絵画購入は、あくまで個人で楽しみたい方と、付き合い（笑）で。