※辛口注意※
「カワイイふりしてあの娘~割とやるもんだね~と♪」
市原悦子さんが出演していらっしゃった、デュエット(ストーリア)のCM。
その後継車というべきこの初代パッソも、
「パッソ♪プチプチプチトヨタ~♪」
というテーマソングCMが記憶に新しいところ。
そんなプチトヨタが代車でやってまいりまして。
丁度出かける用事があったので、バイパスや山坂道を転がしてみようという魂胆。
本日のパートナー、パッソの1000ccモデル。グレードは恐らくX。
H20年登録・走行3万キロ強。まぁ新車みたいなもんですね。
この初代パッソ。個人的には好きなデザイン。
プレーンかつオーソドックスながら、程よくカッコカワイイ。
デュエットのような独創性はないものの、反面ヘンテコリンでもない。
飽きの来ないベーシックカーとしてよく出来たエクステリアだと思います。
さて、キーレスで開錠し、乗り込んでみる。
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・・・・・・・・・・・・・・
あ~
シートが・・・良くないです。体にフィットしない。
肩から背中中ほどまで、シートから浮く。ヘッドレストのせい?
んでクッションがもうボヨンボヨン。トランポリンみたい。
何ていうか、懐かしい感じ。昔のセダンってこんな感じの座面だった気がする。
気を取り直し、しげしげとインテリアを眺める。
うん、こりゃナカナカ。イイじゃないですか。
決して高級ではないけど(当たり前)、
ポップで洒落っ気のあるデザイン。
配色やメーターのデザインが、安っぽいのに惨めじゃない。
よく廉価グレードだとタコメーターのとこ黒い何かで蓋してあって、
無理やり感満載の時計や燃料計が押し込まれてたりするあれとは大違い。
オモチャっぽいけど、それが似合ってて「こういうのもアリ!」と思える。
特にメーター。非常に見やすい。

どでかいスピードメーター。正面に時計と燃料計。
一番よく見るものが集約されていて、非常に効率的かつオシャレ。
僕としてはタコがないのは寂しいけど、このクルマに関しては「そんなモンいらんだろ」ってなもんで。
シートポジションを合わせ、ふと後ろはどんなもんじゃいと気になって。
後部スペースを覗いてみれば、アラアラ意外に広いじゃないの!
最近の車の車内を見るたび、一体どういうカラクリなのか不思議になります。
さてさて、座って見てるだけじゃどうしようもないので、イグニッションをひねる。
キュルル・・・ウォン。という咆哮は、
まさに軽自動車のソレ。
このへんは3気筒、まぁ気になるかと言われると・・・どうでもいい(笑)
タントと似たようなL字型コラムシフトをDに入れ、左足でサイドブレーキを解除。
砂利の駐車場から動き出す。さてさて。その印象は?
ステアリング:軽い。ものっすごく軽い。
サスペンション:柔らかい。ものっすごく柔らかい。
おまけに
シート:柔らかい。ものっすご以下略
路面のせいで車が揺れ。柔らかいシートでさらに揺れ。手を置くステアもつられて揺れ。
なんというか、
ぷにょんぷにょんしたクルマという印象です。
なるほど、
プチトマトっぽいかと言われると、そうなのかも(ヲイ)
先日試乗したデミオとは全く違う。良し悪しではなく、ベクトルが違いすぎる。
シャキッとした快活なクルマが好きな人は、数メートルでしかめっ面になるかもしれない。
さて、この白いプチトマト。その走りっぷりはいかに?
結論から言うと、おおよそ【ダイレクト・レスポンス】とは対極にあるクルマ。
加速は可もなく不可もなく。~70km/h程度なら過不足なく走ってくれる。
「みゅお~・・・・ぉぉひゅうぅぅおおおお・・・・ん」ってな感じの、
何というか軽自動車のAT車の奏でる謎のあの演奏が聞こえてくる。
あれ何なんですかね?ローギアのうなり?普通車はしないんだけど・・・。
パッソのATは軽のものと同じと聞いたことがあったような・・・?
走り出しても相変わらずステアが軽い。多少重くはなるものの、やっぱり軽い。
路面が悪いと所在無さげに右往左往するのはいかがなものか。
乗り心地はこれまた可もなく不可もなく。微振動の収まりが多少悪いのは気になるものの、
まぁ軽よりは質感の良い走りをしてくれる。パワーも軽NAよりは【多少】ある感じ。
加えて横幅が軽よりずっと広いので、座り心地は割と良い。・・・シートはアレですが。
でもこのシート、不思議とそんなに疲れない(1時間弱程度なら)
個人的にいただけなかったのが、トランスミッション。
この4AT、まことに忙しない。シフトアップに限っては。
おそらく燃費対策なのだろうが、結構踏み込んでもお構い無しにシフトアップ。
反面、加速しようと踏み込んでも、しれっと変速をサボる。
で、オイオイ!とさらに踏み込むと、「・・・仕方ないなぁ、もう」とばかりにワーンとシフトダウン。
でもって、シフトダウンしてエンジンが吼えるも、車は前に進まない。
アレレレ?と戸惑っていると、忘れた頃に加速が追いついてくる(つっても2秒くらい?)
普段CVTやMTの車に乗っているからかもしれないが、どうにもこれには慣れない。
一昔前のこのクラス。3ATで当たり前!だった事を考えると、まぁいいかと思えてくる・・・?
さてさて、色々言ったものの、このクルマ。まことに運転しやすい。
小さいから当然といえばそれまでだけれど、これは重要ですぞ。
小回りはかなり効くし、ミラーも見やすい。フレンドリーなクルマである。
が。
信号待ちで停まる。Dのままブレーキを踏んでいると、
ハンドルからメーターからシートから挙句Aピラーまで、
プルプル震えるのはどういう了見だ!?
不思議なことにA/Cをオンにするとマシになる。回転数の問題?
50km/h程度で流しているときも、ヴーンという微振動がステアとシートから伝わってくる。
3年オチの3万キロ。慣らしが終わったくらいでしょう?
なのに何故10年オチの軽みたいなバイブレーションが襲ってくるのか!?
いくら3気筒だからって、こりゃちとあんまりですぜ、トヨタさん。
いや、ダイハツさんと言うべきか?まぁどっちでもよろしい。
これには流石に閉口します。
1300ccの4気筒ならこんなことないんでしょうが、それならヴィッツをえらゲフンゲフン
ダイハツの軽でもこんなにプルプルせんぞ?それが1000ccになるとこうなる不思議。
シティコミューターとしては優れたこのクルマ。
でもその街中で頻繁にプルプルしてちゃ、ねぇ・・・。
このまま印象悪くサヨナラするのも心苦しく。
じゃあ山坂道はいかがなもんでぃ!?ってな具合に白いプチトマトは山に向かってエッホエッホ。
やはり1000cc。登りはキツイ。わーーーーーーーん!と唸る唸る。
んで少しでも右足を緩めると、待ってましたとシフトアップ。アレレと失速。
こいつめ!とシフトをセカンドへ叩き込む。わーーーん!と吼える、吼える。
お・・・!?
加速をサボる4ATをセカンドに緊縛・・・もとい、固定すると。
ナカナカどうして、元気よく走ってくれるではありませんか!
足はやっぱり柔らかくて、ロールしながらガードレールの方に吸い寄せられるのはちと怖い。
でもそれはこの手のクルマ。そういうもんだと割り切れば、右へ左へクイクイとナカナカ楽しくもあり。
ふと「MTで足固めれば・・・面白そう」と考えてしまうのはカーキチの持病でしょうか?
そういう人はブーンX4とかパッソTRDを選べ!っつーことですね。失礼!
山坂道を走ると、いつも思うのは「車は軽さだよなぁ」ということ。
軽い車をローパワーで引っ張りながら登る。下りはヒラヒラと舞い降りる。
軽けりゃ多少のことは気にならなくなる不思議。気がつくと楽しんでました。
計100kmほど乗り回した感想。
かわいいスニーカー、プチトマト君。
プルプルしなけりゃ楽しいクルマ!
個体差なのかな?そうだといいのだけれど。
現行モデルでは改善されていることを望みます・・・。