普段使いにしている(していた)タイヤの簡単なレビューなどしていきたいと思います。
尚、フィーリングには個人差がありますので、必ずしもレビューの内容と合致しない場合があります。(逃げ口上)
【2021/5/29】
3Rを追加しました。
【2021/4/21】
GP-5を追加しました。
【2021/2/15】
NF63、NR78を追加しました。
【2022/10/1】
NF37、NR41を追加しました。
○ミシュラン
全体的な傾向としてコンパウンドは硬め、ビードも硬いです。
着脱に悪戦苦闘する事と思いますが、やがてその剛性感の虜になる事うけあい。
・Pilot Street
ライフ ★★★★☆
直進安定性 ★★★☆☆
ドライグリップ ★★★★★
ウエットグリップ ★★★★☆
ダートグリップ ★☆☆☆☆
スノーグリップ ?
コストパフォーマンス ★★★★☆
総評 ★★★★★
ミシュランから発売された新しいモデルです、チューブ・チューブレス両対応。
小排気量用では珍しい、スポーティーなパターンです。
前後では回転方向の指示が逆になる事に注意です。
グリップに関しては申し分ありません、街乗り用としてはむしろオーバースペックです。
高いグリップの割に最高速や燃費は殆ど変わらず、不思議な感じです。
特筆すべきはタイヤの暖まる速度、本当に一瞬で暖まります。
そのお陰か、ウエッティーな路面でも安心して寝かし込む事ができます。
速度を上げられない状況でも安定した性能を発揮してくれます。
ビードとサイドウォールはそこそこ硬め、組付けも難しく乗り味も硬いです。
その代わり剛性は高めらしく、荷重を掛けてもヨレる感じがありません。
かといって硬いタイヤにありがちな跳ねるような感じはなく、路面に吸い付くようです。
どんな急なコーナーも安全確実にクリアでき、どこまでも寝かせられそうな感覚さえあります。
フィーリングに関しては上々と言えるでしょう、だいぶ好印象です。
ライフに関しては何とも言えませんが、恐らく期待できます。
交換後300km程度走行し、それなりに攻め込みましたが、まだヒゲとバリが取れない状態です。
宣伝文句の通り、街乗りからツーリングまでオールマイティーにこなしてくれそうなタイヤです。
【7/25追記】
走行距離500kmを超えた辺りでようやくヒゲが抜け始めました。
やはり、ライフはかなり長めと見て良さそうです。
【11/14追記】
4000km以上走行し、ある程度摩耗も進んできたため評価を改めたいと思います。
ライフ ★★★★★
直進安定性 ★★★☆☆
ドライグリップ ★★★★★
ウエットグリップ ★★★★☆
ダートグリップ ★☆☆☆☆
スノーグリップ ☆☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
総評 ★★★★★
舗装路ではBT390に匹敵するグリップながら、既存のどんなタイヤをも凌駕するロングライフ。
気温が氷点下近くの寒い日であっても硬くならず、初期から安定したグリップを発揮してくれます。
カブが履ける中では、まさに至高のオンロードタイヤと言えるのではないでしょうか。
・M35
ライフ ★★★★★
直進安定性 ★☆☆☆☆
ドライグリップ ★★★☆☆
ウエットグリップ ★★★☆☆
ダートグリップ ★★★☆☆
スノーグリップ ★☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★★
総評 ★★★★☆
同社のライナップ中最もリーズナブルで入手性の良いタイヤです。
最近になってパターンにマイナーチェンジが加えられましたが、自分が使用したタイヤはマイナー以前のものになります。
コンパウンドは硬めながら日本の気候の下でもひび割れにくく、ライフは長いです。
断面形状は真円に近く、寝かしこむまでもなく自分から寝ていくような感覚です。
接地抵抗も少ないので、燃費向上や最高速アップが期待できます。
前後に履くと高速域でふらつきますので、扇型のワイドタイヤをリア履きにするとコントローラブルになります。
絶対的なグリップは一般的なロード用タイヤとは比較になりませんが、特筆すべきはその独特なパターンの優秀さです。
パフォーマンスを引き出すキモは荷重移動にあり、的確なブレーキングとリーンを使用すれば驚く程安定した接地感が得られます。
これができれば、ありとあらゆる路面のコンディションでほぼ一定のグリップを維持してくれます。
特に、荒れた舗装路での安定感は同価格帯のタイヤの追随を許しません。
オールマイティーに使え、ツーリングでは頼もしい存在となってくれるでしょう。
ただし過信は禁物、当然ですがあまりに条件が悪いと対応しきれません。
あくまでも慎重な運転を心掛ける事が前提です。
尚、自分は現在これを常用しているため数本をストックしていますが、某所でマイナー前の古いモデルが2000円せずに叩き売られていました。サイズは2.25/17のみとなります。
比較的簡単に見つけられると思いますので、在庫がなくならないうちに是非。
・M45
ライフ ★★★☆☆
直進安定性 ★★★☆☆
ドライグリップ ★★★★☆
ウエットグリップ ★★☆☆☆
ダートグリップ ★☆☆☆☆
スノーグリップ ☆☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★☆☆
総評 ★★★☆☆
M35と比較してブロックが大きめのタイヤです。
入手性もそこまで悪くはありませんが、価格設定は高め。
断面形状は扇型となっていますが、寝かし込みもそこまで重くはなく、寝かせようと思っただけ寝てくれます。
特筆すべきは直進安定性の高さで、多少横風を受けたくらいではふらつきません。
舗装路でのグリップは悪くないのですが、センター減りしやすくひび割れも早いので、運転によってはライフが短めです。
普段からしっかりと寝かし込むような運転をしている方には良いと思われます。
良く言えば基本を押さえた、悪く言えば特徴のない凡庸なタイヤと言えます。
アスファルト以外の路面や砂利の乗ったような場所では危ない思いをするかもしれません。
ウエット性能はそこまで悪くはありませんが、やはり過信は禁物です。
・M62
ライフ ★★☆☆☆
直進安定性 ★★★★☆
ドライグリップ ★★★★☆
ウエットグリップ ★★★☆☆
ダートグリップ ★★★☆☆
スノーグリップ ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
総評 ★★☆☆☆
オフロード用タイヤのようなパターンを取り入れたタイヤです。
ミシュランのタイヤにしては全体的に柔らかく、グリップは総じて高めです。
M35と同じくオールマイティーに、しかもM35よりも安定感があります。
これだけ書くと良いこと尽くめに思えますが、幾つかどうにもならない欠点もあります。
まずは、コンパウンドの柔らかさからくるライフの短さがあります。
普通のロード用タイヤのような感覚で使っているとブロックの前後の偏摩耗が激しく、微細な振動に悩まされる事になります。
また、他のタイヤに比して非常に寝かし込みづらく、必然的にセンター摩耗が進行しやすくなります。
トータルで見た場合、旨味のある期間が短く、非常に短命に終わる可能性があります。
また、燃費や最高速にもかなりの悪影響があります。
デュアルパーパスという触れ込みの通り走破性は高い思いますが、ライフの短さは如何ともし難いものがあります。
○メッツラー
スポーツタイヤをメインに製造する、二輪界隈では有名なタイヤメーカーです。
最近になって小型車用のチューブレスタイヤが追加されましたので導入してみました。
・SPORTEC STREET
ライフ ★★★★☆
直進安定性 ★★★☆☆
ドライグリップ ★★★★★
ウエットグリップ ★★★★☆
ダートグリップ ★★☆☆☆
スノーグリップ ☆☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
総評 ★★★★☆
同社からはカブ系に適合するモデルが出ておらず長らく縁がありませんでしたが、最近になって履けるサイズのものが追加されました。
HP上では「スポーツ」なる系統にカテゴライズされており、舗装路におけるグリップを重視した設計となっている事が伺えます。
回転方向が前後で異なっている、いかにも現代的なパターンのタイヤです。
自分は70/90-17をチョイスしましたが、前後共用のはずがフロント専用となっていました。
しかしながら、カタログ上では前後共用との表示、マイナーチェンジ等あったのでしょうか。
リヤに履く場合は左右反転させて履くような形になりそうですが、詳細不明。
実走してみた限りでは変な撓みなどは一切なく、路面の状況をダイレクトに伝えてきます。
硬めのコンパウンドのようですが、路面への食いつきが悪いといった事はなく、グリップに関してはオーバースペックすぎるくらい。
ミシュランのPilotStreetが比較的柔らかめなコンパウンドであるのに対し、SPORTEC STREETは好対照です。
最初はそのあまりの硬さに戸惑うでしょうが、そのうち高い剛性にも慣れ、安心して荷重を掛ける事ができるようになるでしょう。
ウエットな路面であっても変わらぬ安心感で、しっかり操作を受け入れてくれます。
それから、やはりというか、欧州メーカーにありがちな全体的にカッチカチ(ミシュランより酷いくらい)なタイヤですが、履き替えはさほど難しくはありませんでした。
タイヤレバーを3本駆使することが素早く確実に作業するコツです、2本では厳しいかも。
○IRC(井上ゴム)
四輪では耳慣れないメーカーです。
小型車に純正採用が多く、二輪界隈では有名。
ビジネスバイク用から本格的なスポーツ用まで多数のラインナップ。
・SN12
ライフ ★☆☆☆☆
直進安定性 ★★★☆☆
ドライグリップ ★★☆☆☆
ウエットグリップ ★★★★☆
ダートグリップ ★★★★☆
スノーグリップ ★★★★☆
アイスグリップ ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
総評 ★★★☆☆
IRCの小型車向けスノータイヤ、画像右になります。
冬タイヤになりますので雪上・氷上のレビューをメインとさせて頂きます。
断面形状は画像で見るよりも角ばった印象です。
元々倒しこむようなものではないのでコーナリングは重め。
少し無理をするとズルズルと滑りだします。
ブロックにはサイプが走っており、氷上性能もそれなりに確保されている事を感じさせます。
新雪・柔らかい圧雪・シャーベットでのグリップは申し分なし。ただし硬い圧雪ではやはり不安感あり。
ミラーバーンではあっさり転倒(ヘタクソ)、20km/h程度での走行がやっとです。
硬い圧雪・氷上ではやはりスパイクに分があるでしょう。
雪上性能はもちろんのこと、驚くべきはグラベル・マッドにおける性能の高さです。
オフロードタイヤに引けをとらないグリップを誇り、特に泥濘の中では抜群のトラクションを発揮します。
パターンやコンパウンドの質がオフロードタイヤに近いためかと思われますが、下手なタイヤよりグリップは高そうです。
惜しむらくはライフの短さ、ドライでの運用が多いと一瞬で消えます。
しかし、どのような路面状況でも比較的安心して乗れるので、安心感とのトレードオフと考えれば…
・NF63/NR78
ライフ ★★★☆☆
直進安定性 ★★★★☆
ドライグリップ ★★★★☆
ウエットグリップ ★★★★☆
ダートグリップ ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
総評 ★★★★☆
IRCの小型車向けタイヤです。
ラインナップは60〜80幅の17インチのみとなっている事から、新型のカブ系をターゲットにしている事が伺えます。
今回はホイール幅にジャストフィットする70/90-17と80/90-17をチョイス。
このタイヤを選んだ経緯ですが、安価でそこそこグリップの良いツーリングタイヤという条件でタイヤを探していたところ目に付きました。
スポーツタイヤのように溝だけだとかブロックが大きすぎたりといったトレッド剛性を重視したもの、バリバリのオフタイヤなどは除外。
ブロックが程々に細かく、ヘビーウエットやオフロードも比較的楽にこなせるといった条件。
ツーリングではどのような路面状況に出くわすか分かりませんので、極端にシチュエーションを選ぶタイヤは避けたかったという事情があります。
国内メーカーのタイヤらしく全体的に柔らかな構造となっています。
空気を完全に抜けば手で着脱出来る程度には柔らかいので、履き替えには全く難儀しませんでした。
気になるのがサイドウォール剛性ですが、やはりというか程々に撓むような感覚はあります。
挙動が読みやすく全く不快なものではありませんし、むしろ積極的に押しつぶせば接地感が増して快適に走れます。
トレッド剛性は高く、高速域での安定性もグリップも必要十分といったところだと思います。
ライフの面ですが、コンパウンドが柔らかめであるが故か減りが早い気がします。
センター付近の接地面積を大きく取るようなパターン構成となっているのですが、これが災いして偏摩耗が進みやすいタイプであるとも言えると思います。
綺麗に使い切るのはなかなか難しそうです。
【2021/4/21 追記】
ライフ ★★☆☆☆
直進安定性 ★★★★☆
ドライグリップ ★★★★☆
ウエットグリップ ★★★★☆
ダートグリップ ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
総評 ★★★☆☆
およそ5000km時点でNR78が終了しました。
フロントも概ね半分程度減っているようですので10000kmも走れば寿命を迎えるものと思われます。
舗装路でのグリップは文句なし、直線でもコーナーでも安定したパフォーマンスを発揮しており、柔らかさのおかげかフラットダートもどうにかこなせるといった具合。
減りの早さが予想以上でしたが、価格とグリップを考慮すると諦めもつくでしょうか。
【2022/10/1 追記】
リヤを履き替えているためレビュー対象がNF63のみとなります。
何故かNF63だけ非常にライフが長いですね、1年半は使いましたが全く減りませんでした。
減り方としてはリヤ2本消費するうちにNF63が1本といった程度になります。
長期使用して硬くなった感はありますがグリップもそこそこ、攻めた走りをしなければ全く問題のないレベルのものです。
右側が先になくなったため、乗り方の癖が強く出るタイヤだなぁという印象があります。
最近増えてきたテレスコサスのカブには非常によくマッチする特性だと思います。
・GP-5
ライフ ★★★☆☆
直進安定性 ★★★★☆
ドライグリップ ★★★★☆
ウエットグリップ ★★★☆☆
ダートグリップ ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
総評 ★★★☆☆
IRCの小型車向けデュアルパーパスタイヤです。
サイズは80/90-17のみ、どうやらクロスカブ・ハンターカブ125用を標榜しているようです。
トレッド面の感触は柔らかで、サイドウォールは剛性が高くしっかりとした印象です。
ブロックの面積を大きく取ることでブロック剛性を稼ぎ、一方でグルーブを広くしてダートグリップを稼ぐようなモダンな設計であることが見て取れます。
おかげで、舗装路の高速セクションや荒れた路面でも一貫して安定した走行フィーリングが得られます。
倒し込んでもオンロードタイヤと変わりなく、ズルズルとアウトに膨らむ感覚もありません。
これはクラシックなデュアルパーパスタイヤに特有のトラクターパターンやキャラメルパターンと大きく異なる点です。
問題があるとすれば価格の高さでしょう、一本5000円近くもします。
それに付随する形で減りの早さも気になってきます。
新品時の感触のみで判断していますので、ライフについては摩耗が進んだ時点で再レビューしたいと思います。
【2021/5/22 追記】
ライフ ★★☆☆☆
直進安定性 ★★☆☆☆
ドライグリップ ★★★★☆
ウエットグリップ ★★★☆☆
ダートグリップ ★★★★☆
コストパフォーマンス ★☆☆☆☆
総評 ★★☆☆☆
3000km程度走行しましたが、およそ半分程度に減りました。
オフロード性能に振りすぎるあまりライフが短くなってしまったというような具合で、ミシュランのM62を彷彿とさせる減り方です。
ブロックが偏磨耗する点もそっくりで、これにより直進安定性が損なわれます。
いわゆる「おいしい時期」を過ぎてしまった感じ。
最後まで安定した性能を期待していましたが、比較的高価なだけに残念な終わり方と言えます。
・3R
ライフ ★★★★☆
直進安定性 ★★★☆☆
ドライグリップ ★★★☆☆
ウエットグリップ ★★★☆☆
ダートグリップ ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
総評 ★★★☆☆
IRCの小型車向けデュアルパーパスタイヤです。
サイズは2.75-17のみ、CT110をメインターゲットに据えているようです。
推奨リム幅は1.40〜1.60程度になると思われますが、今回は1.85のリムに装着してのレビューとなります。
トレッド面の柔らかさは各種ビジネスタイヤと同等です。
デュアルパーパスといえばライフが気になりますが、ゴムの質と硬さからそれほど極端な減り方はしないと思われます。
ブロックの小ささと溝の深さからロードでのグリップに不安を覚え、慎重な運転を心掛けていましたが杞憂に終わりました。
SN12のようにズルズル滑り出すというような事もなく、しっかりと路面を捉えている感触があります。
この点に関しては期待以上でした。
肝心のダートグリップですが、扁平の大きさとパターンのおかげか期待通りの結果と言えます。
本格的なオフロードタイヤほどのグリップは望むべくもありませんが、どのような路面でも安心して走る事ができそうです。
・NF37/NR41
ライフ ★★☆☆☆
直進安定性 ★★★☆☆
ドライグリップ ★★★★☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
総評 ★★★☆☆
まずはフロントのみのレビュー、NF63からの履き替えです。
IRCから発売されているスポーティーなパターンのタイヤです。
一皮剥くと粘着するような感触が強いコンパウンドが表れます。
直進でフラついたりといった問題もなく倒し込みもスムーズ、急激な姿勢の変化が少なくコントローラブルです。
どこまで倒していってもどっしり受け止めてくれそうな信頼感があります。
これはNR41にも期待ができそうです。
不満があるとすれば価格が4500円程度と比較的高めであること、ライフが短そうであるということでしょうか。
履き替えたばかりでウエットなどは評価できていませんのでまた後日追記したいと思います。
【2022/10/9 追記】
ライフ ★★☆☆☆
直進安定性 ★★☆☆☆
ドライグリップ ★★★★☆
ウエットグリップ ★★★☆☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
総評 ★★★☆☆
ウエットで運用する機会に恵まれましたので再レビューです。
グルーブの形状が効いているのか、ヘビーウエットでもハイドロが起きる事もありませんでした。
逆に、セミウエットでツルっといってしまいそうな場面でも普通に倒し込んでいける安定感があります。
また、問題らしい問題にもぶつかりました。
路面の縦のギャップ、例えば厚めの白線等に対して非常にナーバスな反応を示すという点が気になります。
他のどのタイヤでも問題ないのに、このタイヤではハンドルをグイッと持っていかれ転倒しそうになる、そんな挙動をします。
横のギャップに対しては特に問題は起きていません。
○DUNLOP
二輪・四輪共にメジャーなメーカー。
ビジネスからスポーツまで幅広く展開しており入手性も良いです。
スタッドレスタイヤのライフの長さに定評があります。
・D502
ライフ ★★★★★
直進安定性 ★★★★☆
ドライグリップ ★★★☆☆
ウエットグリップ ★★★☆☆
ダートグリップ ★★★☆☆
スノーグリップ ★★★☆☆
アイスグリップ ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★☆☆
総評 ★★★☆☆
ダンロップのビジネスバイク用スノータイヤ。
冬タイヤになりますので雪上・氷上のレビューをメインとさせて頂きます。
断面形状は見た通りの角ばり具合、全く倒せません。
車体を寝かせずにリーンインで曲がるのが原則です。
ブロックは細かく、サイプも刻まれています。
ゴムは柔らかいですが、あまり氷雪・ウエット向きのコンパウンドではないように感じました。
ゴムの質ではなくパターンでグリップするタイプのようです。
特性は想像がつくと思いますが、ある時点からいきなり滑りだすので新雪の上でも無理はできません。
氷上・硬い圧雪は意外にもSN12と同程度、慎重にならなければいけないことに変わりはありませんが。
特筆すべきはそのライフ、恐ろしいほど全く減りません。
1シーズン使用してもヒゲが抜けないほど、ある意味不安になります。
殆ど雪が降らないが稀にドカッと降る、そんな地域では重宝されそうです。
【2022/12/17 追記】
まとまった量の雪が降ったので半分程度に減った状態で走りに出てきました。
気温は-2℃程、割と暖かい方で雪質は若干重ためです。
結果はというと普通に走れてしまいました、やはりある程度雪の量がないとグリップを発揮できないようです。
既に踏み固められた場所では全くグリップしないため雪の深い場所を選んで走りました。
なお、前後とも2.25幅だったのでサイズアップでどうなるのか気になるところです。
○BRIDGESTONE
四輪ではメジャーですが、二輪は果たして…
ホンダの原付に純正採用されている事が多いようです。
・BT390
ライフ ★★★☆☆
直進安定性 ★★★★☆
ドライグリップ ★★★★★
ウエットグリップ ★★★★☆
ダートグリップ ★☆☆☆☆
スノーグリップ ☆☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
総評 ★★★★★
ブリヂストンのハイグリップバイアスです。
ノーマルのカブに履く事のできる、現状唯一のリアルスポーツタイヤと言えるでしょう。
その操縦特性は恐ろしくコントローラブルで軽快です。
高速域でふらつくような事もなく、かといってコーナーで寝かしづらいという事もありません。
少しサイドウォールが柔らか目かなという感じもしますが、全体的に非常に完成度の高い作りになっています。
その中でも驚いたのは、予想以上にライフが長かった事です。
トレッド面を触った感じではかなり柔らかく、すぐ終わるだろうなーと思っていたのですが、大きな間違いでした。
結局、M45に肉迫するくらいのライフを発揮してくれました。これは嬉しい誤算です。
惜しむらくは、サイズの選択肢が殆ど無い事でしょうか。
現状、17インチでは2.50/17のみとなっております。
リム幅が最低1.40は無いと厳しいものがあります。
自分のカブは前後ともCL50の1.40ホイールに履き替えていますが、正直なところ不足だと思います。
推奨は1.60となっておりますので、パフォーマンスを最大限に活かしたい場合は組み換えが必要かもしれません。
また、日常から常用するにあたって注意点があります。
このタイヤはスポーツタイヤという性質上、無駄な肉をギリギリまで削って軽量に作られています。
そのため、トレッドが摩耗し切ると即座にカーカスコードが露出してきます。
このカーカス層の厚みも他のタイヤに比して全くといって良い程無いため、最悪はバーストの危険があります。
この点をよく了解した上で使用する必要があるでしょう。
○PIRELLI
四輪ではそこそこメジャーなのではないでしょうか
日本国内での評価はあまり芳しくないかも…?
・City Demon
ライフ ★★☆☆☆
直進安定性 ★★★☆☆
ドライグリップ ★★★☆☆
ウエットグリップ ★★★☆☆
ダートグリップ ★★☆☆☆
スノーグリップ ★☆☆☆☆
コストパフォーマンス ★★☆☆☆
総評 ★☆☆☆☆
ピレリの小型車向けタイヤです。
回転方向指定に加え前後指定があり、2本一組で売られている事が殆どです。
バイク用品店には比較的よく置いてあるのを見かけます。
全体的に硬く作られており、コンパウンドも硬めです。
ライフは長いのではないかと思いきや、そこに罠がありました。
硬化の早さも然ることながら、ひび割れの発生が非常に早いです。
摩耗はしづらいのですが、すぐ使い物にならなくなるのが目に見えています。
明らかに日本の気候に合っておらず、改善が求められます。
またこのタイヤ、グリップを失った時の挙動が非常にナーバスです。
よって、タイヤが冷えきっている時やパニックブレーキには注意が必要です。
謳い文句の通り、ウエットグリップはそれなりに良いだけに惜しいところですね。