とある界隈ではボルトやナット、ワッシャーを変更すると静電気が取り除かれて云々という摩訶不思議なチューニングがまかり通っているようですが、そのようなチューニングの記事ではありません。
単純にボルトの形状や材質、表面処理を見直してみましょう、という内容です。
なお、使用しているのはすべて自動車メーカー純正品になります。
自動車やバイクには六角頭のボルトが多く使われています、場所は限られますが十字溝や六角穴付きなどもありますね。
その中で更にフランジ付き、フランジなしなどの形状の違いがあります。
さて、本題に入っていきましょう。
最近の車両で多く見られるようになってきた要素がある一方で消えていっている要素があります、それは何でしょう。
細かいところまで触っていると分かりますが、フランジ付きボルト・ナットの採用が非常に多くなっている事が分かります。
逆になくなっているのがワッシャー(座金)の類、特にその中でもばね座金の消滅が顕著です。
それも現在ではほぼ使われていないというのが実情ではないでしょうか、整備業を生業としている方は肌で感じておられると思います。
これにはれっきとした理由があり、ばね座金というもの自体が無用の長物だと世間に知られてきたためです。
緩み止め効果を謳って入れられる事が多かった当該部品ですが、実際には全く効果がないどころか逆効果となる事が分かってきたのです。
本当にばねの効果で緩みを止めたいと思ったら軸力を上回る反力が必要になりますが、そんなものは部品を破損させるだけで無意味。
更に、食いつきによる緩み止めも部品を傷つけるだけで相手材の強度によっては容易に緩んでしまいます。
平座金との併用などもってのほかです、何の意味もありません。
それでは、根本的にねじを緩みにくくする方法はないものか。
緩み防止の代表的なものに細目ねじなどがありますが、規格的に特殊なものになる上、山が小さくなって強度が下がります、これではいけない。
そもそもの話、緩みにくさとは軸力が発生させる摩擦力そのものになりますので、それを安定的に被締結材に伝えることが重要です。
力を安定して伝えるには円形で面積がある程度広い方がいい、だったら座金を入れるとよい。
もっと言えば、部品点数を減らす、滑る箇所を減らすという意味でも最初から座面の広いボルト・ナットを採用すればよい。
今日、フランジボルト・ナットが広く採用されている理由がもう分かりましたね。
そのような意味でもCDには懸念材料がありました。
エンジンハンガーボルトが六角頭、それも座金なしで入っています。
極めつけはナット側、最も無意味とされる平座金併用のばね座金の採用です。
これまでは渋々指示のままに組んでおり、緩んだことはありませんがどうにも気分がよろしくない。
実際、現行モデルはフランジボルト・ナットによる締結に変わっています、旧モデルからの明らかな改善策です。
ステップの固定ボルトもばね座金が組み込まれたアプセット、現行はもちろんフランジです。
この辺りを手始めに”改善”します。
改善とはいってもボルトを交換するだけ、作業自体に難しいことはありません。
気にしたのは強度区分と純正ボルトの表面処理です。
ボルトは頭に10の刻印があり、強度面では一般的なもので問題なさそう、ナットにポンチマークがなかったのが少し気がかりですが締め付けに耐えられたのでヨシ。
表面処理なのですが、ホンダの場合は純正品番末尾の数字で表面処理が変わります。
最も多用されるユニクロにはじまり三価クロメートや装飾クロムめっきなどもありますが、中でも耐食めっきと呼ばれるものが良さそうだったのでこれを採用。
おそらくですが、色味からユニクロのめっき厚を厚くしたものだと思われます。
少なくとも亜鉛系の表面処理であればアルミとの相性もよく、相手をほぼ腐食しないので良かろうという判断です。
変更したのがアッパーとロワマウント、ロワマウントは六角頭側に平座金併用です。
更に、写真はありませんがステップの固定ボルトをフランジボルトに交換。
今現在思いつく限りではこの2箇所ですが、他に問題になりそうな箇所があれば片っ端から交換していきたいと思います。
Posted at 2022/12/04 22:39:09 | |
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