土曜日、妻と買い物がてら、、ウィーンの旧市街にある、ミノリーテン教会を訪ねた。
ここには、先週、ミラノで観た、ダビンチの「最後の晩餐」の実物大の模写が展示されている。
この模写は、1800年初め、ミラノを支配下に治めていたナポレオン1世の指示で造られたモザイク画である。
ナポレオンの死後、ハプスブルク家が引き取った。
当初、ベルベデーレ宮殿に展示する予定であったが、重さが20トンもあり、展示場所がなかったので、結局、この教会に置かれた。
ミラノの本物の絵は、キリストの足の部分は、扉を取り付けるために、切り取られているが、この模写には、足の部分も描かれている。
模写なので、書き写した際に、省略されたり、誇張されたところもあるのであろうが、1800年以降、例えば、第2次大戦中の損傷を受ける前のダビンチの「最後の晩餐」を観ることができる。
この絵は、教会の祭壇に向かって左側の壁に据え付けられていて、普段は、暗くて、反対側の窓の光が反射して見難い。
絵の近くの柱に料金箱があり、そこに、50セント入れると、数分間、照明が付くようになっている。
この写真は、照明をつけた時に撮影したものである。
本物よりも詳細で綺麗である。
モザイク画なので、色の劣化が少なく、当時の色が残っている。本物の絵の修復の際には、このモザイク画が参考に使われたと言われている。
モザイク画による模写は、元の絵をデジタル処理して、より劣化のすくない媒体(石)に記憶させたようなものである。
ナポレオンが、それを意図していたのかどうかは、わからないが、もしかしたら、このモザイク画は、光学系の記憶媒体の走りかもしれない。
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2012/11/04 15:12:28