×親父
○大山風
どうでもよー。
外で雷が鳴っています。さっき近くに落ちました。
安全な室内から見ている分にはキレイダナーとかスゴイオトダナーで済むんですが。
徒歩やチャリ乗ってる時,しかも付近に待避所がない場合だと一気に脅威です。
斜め上空の積乱雲内で雲放電しているのを見上げつつダッシュするしかありません。
ところで,皆さんはこんな話を聞いたことがありませんか。
「自動車は雷に打たれても大丈夫」
定説のように言われているけど,ほんまかいな。
確かに,自動車に雷が直撃しても乗員に影響はないと言われています。
電流は車体表面を通りサスペンションとタイヤ経由で地面に流れ,乗員には辿り着きません。
詳しくはファラデーケージとか静電シールドとかで調べてもらえればいいと思います。
あまりにも外板の近くにいるとその限りではありませんが,今時のクルマなら大丈夫でしょう。
オープンカーは……ご愁傷様です。
まぁオープンカーで雷雨の中を無理に疾走はしないでしょう,普通の人なら。
が,この流れでは,自動車自体がどうなるかについては不問に付されている気がします。
なんとなく「人間が平気ならクルマも平気だろ。飛行機だって大丈夫そうだし」と思ってませんか。
必ずではありませんが,車両そのものは何らかのダメージを追うと思っておいた方がいいです。
ちょっと焦げるくらいから自走不能なレベルまで,その程度は様々ですが。
(※飛行機が基本的に無事なのはサイズの問題。たまに損傷もするよ)
例えばタイヤ。
雷の電流はタイヤから地面に流れると先ほど言いました。
この時,高圧の大電流の通過によってタイヤが過熱し,バーストに至る場合があります。
1本だけならどうにかなりますが,エネルギー量を考えると数本逝くと考えるのが妥当でしょう。
そうなると,もはや舵もブレーキも全く効きません。慣性で移動する鉄のカゴに早変わりです。
破けたタイヤの抵抗で減速していくとはいえ,自分の意志での停止は諦めるしかありません。
あとは各種電子部品。
外板の容量を超えるレベルの電流が入れば,内部の電装品に行くこともなくはありません。
オシャカになる可能性があるものとしては,とりあえずエンジン。
運が良くてもストール。タイミングや流れどころが悪いとブローすることも。
それと灯火類。夜道で死んだらお手上げです。
パワステやブレーキサーボ……はバーストしてる時点で関係ないか。
電装品の中でもっとも致命的なのがエアバッグ類です。
車体外周部に存在するセンサーや,車体中心にあるエアバッグECU。
あとはそれら検知機器類と,エアバッグそのものに電力を供給する電源(エンジンorバッテリー)。
これらもれなく電気作動式です。どれか1つでも死んだらエアバッグは開きません。
(※流れで言っとくと,エンジンOFFだとエアバッグ開かないから,普段の停車中も注意な)
当然シートベルトのプリテンショナも動きません。リトラクタのロック機構だけが頼り。
走行中にこうなったら,もう両手をハンドルに突っ張って耐えるしかありません。
これら全てが,高速道路上で起こったとしたらまさに大惨事です。
舵もブレーキも効かない真っ暗な棺桶の中で,緩衝材抜きの人体耐久試験をする羽目になります。
どんなに屈強な人間でも普通に死ぬレベル。胸より上バッキバキだろうな……。
というわけで,雷が鳴り始めたら,自動車は雷が当たっても大丈夫だぁなどと油断しないように。
当たりそうと思ったら速やかに安全な屋内へ避難するのが基本です。高速道路では即PAへ。
仮に上記のような損傷がなくても,一時的な難聴や失明により事故に至る場合もありますしね。
あとはびっくりして操作ミスするとか。直撃の音はすごいですからね~。
ちなみに。
雷は高いところに落ちるっていうのも不正確な説明ですので注意。
雷雲に近い方が電気を流しやすくて雷が落ちやすいのは事実ですが,あくまで落ちやすいだけ。
うまいことイオンの通り道ができていたりすると,建物無視で地面に落ちることもありますから。
空港のエプロンや海面に落ちる映像がYoutubeに転がってるので,興味があればどうぞ。
そういえば,走行中のクルマは,様々な摩擦によりプラスに帯電するってトヨタが言ってたっけ。
そして雷はその特性上,プラスに帯電するものに落ちやすかったような。
というわけで,平地を高速で走っている時は特に気をつけましょうね~。
……
謎動画の告知よりこっちを昼間に上げるべきだったよなぁ。