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2017年08月18日 イイね!

Silly-Go-Round ~~~跨川鉄道橋Compilation(2017夏)編~~~



久しぶりに(※)動画撮ってみた。(※オートテスト関係は除く)


Q. なんだこれ
A. わかんないや(撮った本人にも)




川は,命の水を運ぶライフライン。
鉄道は,人々を運ぶライフライン。
その2つが交わるところにはドラマがある。

……的なことを撮影企画時に考えていたわけではないですが(ぇ)
ただ単に「川を渡る鉄道橋ってなんかいいよね」ぐらいのノリで撮ってみただけ。
幸い蒲郡線だけで良いポイントが複数あったので,沿って走りながらカメラを置いてみました。
僅か5箇所で動画1本分になったのは助かった。これ以上の遠隔地はもうこの夏では無理。
てか裏でほったらかしてある別のコンピレーションはいつ完成するのか。

実は動画の仕上がりからは想像つかないくらい手間がかかっていたりする作品。
撮影も編集も,これまでの車載動画の10倍くらいは時間かかったような。
まぁ編集というより音の修正作業に近かったんですけどね。機材が良ければ不要な作業……。
ショボい撮影機材とフリーの編集ソフトじゃこれが限界かなぁ。
でも,ここに資金を投入したからって,そんなに動画撮るかっていうと,ね。

というか,2017Summerって……もうやるかも分からないのに。
タイトル欄が寂しいからって適当につけるんじゃなかった。




道中ついでで撮ってきた写真も。


今回は壁紙サイズにしてみた。




大した枚数はないけど保管


昨日は天気良かったのに,今日はまた曇天かorz



Posted at 2017/08/18 10:08:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | [日記]ドライブ | 日記
2017年08月16日 イイね!

旧東名ノススメ



旧東名……皆さん最近通っているだろうか。
特に静岡中央部には用のない,御殿場以東と愛知以西をひとっ飛びで移動する人たち。
なんとなく成り行きで新東名を通っているのではないだろうか。


新東名は,基本的には旧東名よりも快適な道路を目指して建設されているはずである。
距離が短い,道幅が広い,全線100km/h制限,勾配が緩やか,カーブも緩やか。
路面が綺麗というのもあるだろうが,これは運用開始時期の差もあるのでなんともいえないか。
今回の本筋とは関係ないが,PAの豪華さも優位点だ。トイレの綺麗さは死活問題である(ぇ)。
総括すれば,新東名は旧東名よりも疲れなくて燃費の良いルートということができる。

しかし,実際のところはどうだろうか。
新東名に乗り始めた頃から,私はなんとなくピンとこなかった。
どうも旧東名より燃費が悪くて疲れる気がしたのだ。
その印象は,ミラージュに乗り換えてから一層強くなっていった。

もっとも,昨年4月のLIVE GALAXYを最後に,私は高速で燃費を気にすることを止めている。
それと引き換えに,自分にとって心地いいペースで,極力疲れないよう走ることにした。
その結果,最近ではだいたいどの都市間高速を走っても同じような燃費になる。
なので,今更どっちが燃費が良くて疲れないかは,検証しようとしても私にはできない。

……ということに,走りきってから気づいたが後の祭りだった。
上記を検証しようとして,帰省の帰りに御殿場JCTを直進して旧東名を使ってみたのである。
燃費は,いつもと同じように走ったからだろう,結局いつもと同じくらいだった(渋滞分やや悪い)。
御殿場JCT以降の値は若干いい気もするが,新東名側の正確な値がないので感覚論にすぎない。
疲れの方も同様だ。どっちにしろ疲れないように走ってしまうからよく分からない。
そもそも定量評価できないものを比較することに無理があったと思う。




ただ,である。
そうはいっても,私は未だに「旧東名の方が燃費が良くて疲れない」論者である。
改めて旧東名を通ってみた体感も含め,そう思えるポイントをいくつか紹介する。
オススメ対象に当てはまる人は,無理に新東名を通らず旧東名に切り替えてはいかがだろう。


まず一番大きいのが路線の起伏だ。
新東名を走っていて「勾配が緩いはずなのにやけに上っている気がする」ことはないだろうか。
実はその感覚は正しい。新東名はほぼ上ってばかりの道路なのだ。
新東名は勾配を緩やかにするよう設計した結果,その弊害として坂自体が長い。
ダラダラ上ってダラダラ下るのを延々と繰り返すため,エネルギーロスが大きいのである。
要するに速度維持が難しいのだ。ここには上りか下りか分かりづらいことも手伝っている。
何も考えていないと,進入100km/h,頂上70km/h,下りきっても80km/h,なんてことがざらにある。
(エネルギー保存? 地を這う運動体では各種抵抗の関係でほぼ成立しないんだなぁこれが)

一方で旧東名。
走ってみると分かるが,旧東名は新東名に比べて平地が多く,淡々と走れる区間が長い。
そして起伏は,大した高低差ではないか,ガッと上ってガッと下りるかのいずれか。
こうした構造は,現実的にはエネルギーロスが小さく燃費に有利な傾向となる。
上りが急ということは,目で見て分かりやすいということでもあり,予備加速がしやすい。
そして上りで多少踏んでも,急な下りの重力加速でそれなりに速度を取り戻せる。
新東名レベルの緩い下り勾配ではこうはいかない。各種抵抗が重力を上回って加速してくれない。
旧東名くらいの勾配があって初めて,位置エネルギーは運動エネルギーになってくれるのだ。

この違いは,とりわけ出力に余裕のない車種(ミラージュもそう)で顕著に効いてくる。
100km/h定地走行でいっぱいいっぱいの車種は,新東名は使わない方が無難だ。
新東名の上り坂でアクセルの踏み足し量が多い,またはエンジン回転がいちいち跳ね上がる。
このようなクルマに乗っている場合は,いっそ旧東名を通った方が楽なように思う。
逆に余力のあるクルマは,新東名をちょい調整で走りきれるため気にならないかもしれない。
燃費もあまり変わりないと思う,FTO乗ってた時の経験からすると。


次に風の影響。
通ったことのある人は分かると思うが,新東名の山間風は時に乱気流レベルになる。
前面および側面投影面積の大きい車種,重量の軽い車種にとっては深刻な脅威だ。
油断していると車線の端から端まで飛ばされることもある。
(前に目の前を走っていたトラックが急にのたうち回って肝を冷やした事がある)
そのくせ鯉のぼりがろくに設置されていないから,どれだけ吹いているかが見えない。
正直疲れる。有効な対策パーツがないか探してみたが,今のところ決定打がない。
このあたりは旧東名の方が圧倒的に楽だ。台風でも来ない限り何事もない。
大部分が真っ平らな市街地を通過していることが大きいのだろうと思う。


さらに,これは推測だが,路面の摩擦。
目に見えない勾配を勘違いしているのかもしれないが,新東名の路面はμが高い気がする。
新東名の設計速度は名目上120km/hだが,実際は140km/hを担保した構造になっている。
道路構造令にないこの速度を担保するため,路面にもひと工夫ある可能性はある。
そのために摩擦を強めた分,タイヤの摩擦抵抗が大きいのではないだろうか。
(※実際にサーキットなどでは一般道より高μな舗装がなされている例があります)
ちょっと明言できないので,また今度確認してみようと思う。
エアモニのタイヤ温度測定を使えば何か分かるかもしれないと考えている。


走行性能に関わる構造差だけでも,旧東名の方がいいと思える点はこれだけある。
まとめると,軽自動車,サブBセグ車,ミニバンなんかは旧東名の通行を推奨する。
P.W.Rの悪いクルマには,エンジンがショボかった頃からある道路の方が優しい。
あとはアクセルでの速度コントロールの難しいクルマも旧東名の方がいいかもしれない。
たとえパワーがあっても,勾配に対してアクセルをピタッと合わせられないと燃費には厳しい。
それに,アレコレ考えて神経使わないと燃費が出ないクルマは疲れるものだ。

それから,車種がどうではないが,ノロノロ走る人たちには是非とも旧東名に行ってほしい。
特に新東名を80km/h以下で走っている層,トラックに追い越しかけられるような人。
そんな速度で走るなら,一部80制限の旧東名でいいだろうに。
あまりに速度差があると事故の原因になることを頭の片隅に置いといてほしい。

あとは,トンネルが苦手な人。それとライトを点ける脳ミソのない連中。
調べて驚いたが,新東名のトンネル本数は旧東名の5倍もある。個々の距離も圧倒的に長い。
トンネルが疲れるという人は旧東名を通った方がいいかもしれない。この差はさすがに大きい。
(ちなみに私はこの感覚がよく分からない。大和トンネルで失速する心理がさっぱり理解できない)
旧東名のトンネルというと暗いイメージがあるが,実際のところ視認性は特に悪くなかった。
トンネル自体があまり広くないのと,ライトの配置間隔がちょうどいいのだと思う。
新東名のチラチラするライトよりも目に優しい感じがして,私は旧の方が好きだ。




今回の調査結果と提言は以上である。
いかがだっただろう。今度は旧東名を通ってみようと思ってもらえただろうか。
あのPAに寄りたい!などがなければ,無理に新東名を通るメリットはないと思う。
御殿場JCTでドキドキしながら左に逸れるくらいなら,大人しく直進しよう。

それに旧東名のPAだって,このところ改修工事が入って綺麗になってきているようだ。
昨日駒門PAに入ろうとして,PAが消滅していると思ったら,1km先に移転していて焦った。
さすがに新規開設だけあって綺麗だった。機会があったら寄ってみるといいと思う。
……まぁ,あのデザインされ過ぎなトイレはどうにかしてほしいが。


え? 連休始まる前に言え?
うん,まぁ,この前のビューティフル観劇の帰りに検証すりゃよかったんだけどねぇ。



2017年08月11日 イイね!

A05A 能力向上改修 Two Way Coat



先日レスポンスにこんな記事が。
貼る空力パーツの次は,塗る空力パーツと来たもんだ。
ロキソニンか。

紹介されているのは,埼玉の小鴨商事が開発した新しいコーティング剤「Two Way Coat(TWC)」。
このコーティング剤をボディに塗布すると,撥水効果,そして静電気除去効果が得られるそうで。
この静電気除去効果によって,レースカーのタイムが上がったのだそうです。

このコート剤の役割というか目的は,トヨタのアルミテープと同じものだと思っていいでしょう。
昔なら「オカルトくせー」で切られていたこの手のアイテムも,トヨタのお陰で市民権を得ましたね。
というか,記事の下の方にある「あるメーカーのトークショー」って多分トヨタだよね。
テープに飽き足らず塗装にも手を出そうとするトヨタもすごいが,真に受けて作る方も作る方である。

その効果を実演したものが,記事の最下段に埋め込まれている動画です。
アクリルの瓶に入った発泡スチロールの玉が,コーティングによって壁につかなくなっています。
しかも,外側にコート剤を塗ると内側の玉が剥がれて落ちる……除電してるんですね。
トヨタテープは実験済みでどうなるかも分かっているので,これは期待できそうだ。




つーことで買ってみた。


実演ではスプレータイプですが,なんとなく新しく出た方のローションタイプを買ってみました。
スプレータイプだと風がある日の洗車では飛び散ってしまうんじゃないかな~と思って。
……まぁ,これが思わぬ計算違いだったのですが。
ちなみにどちらのタイプも内容量・価格ともに同じでした。


さて,天候がだいぶ不安定な日でしたが,とりあえず朝から施工開始。
今回は初回ということで,意味ありそうなところはとりあえず塗っていくスタイルを取りました。
ホイールキャップ(両面)に,


ホイールとスプラッシュシールドとショックアブソーバー,


あとは普通にボディ外板です。
なおホイールは,車両外側の面にのみ塗布。裏面は汚すぎてダメだった(クリーナー買ってこよ)。
スプラッシュシールドは試しです。ホイールハウス内空間の除電が出来るかできないか。
ショックは半ばお守りです。これで動きが多少マイルドになるはず。

まずは洗車をして表面の汚れや油を落としましょう。ここは普段と変わりません。
そうして綺麗になったところに,マイクロファイバークロスでTWCを塗り広げていきます。
「ボトルはよく振ってから」と説明書にはあります。除電成分が沈殿しやすいとか。
やってるとすぐ忘れますね~。あんまり振らずにやっちゃったけど,ちゃんと塗れてたかな。
あと多分ですけど,これ濡れクロスに染み込ませて塗るんでしょうね。説明書にはないけど。
今頃気づきました,ミスりましたね。道理で全然薬液が伸びないと思った。
で,勢い余って使いまくった結果,こんなことに。

左が今日使ったあと,右が新品。
減りすぎイイィィィッッッ!!
ボトル1本で5回分と聞いていたのに,軽く4回分くらい使ってしまってますね。
こういう私みたいなお馬鹿さんは,無理せずスプレータイプを買った方が間違いないと思います。

トータルの作業時間はというと,洗車やらホイールの脱着やら含めて2時間ほどでしょうか。
だいたいホイールキャップで計30分,ホイールとハウス内で計1時間かかりました。
最後のボディは30分ほどでしたが,これは途中で雨が降ってきてダッシュでやったため。
やや塗布が雑だったかもしれませんが,雨滴で薬液が伸びてやりやすかった((^^;
次回以降もホイールを脱着してまでやるかは,今回の施工の経過観察の上で考えます。
大体3~4ヶ月はもつそうです。撥水がなくなってきたら次の施工の目安だそうです。


さて,施工が終わって試走です。
冷静にレビューするため,片付けてトイレ行ってお茶飲んで休んでから出発。

まず,風切り音がかなり小さくなっているのが分かりました。
前はビュービューやかましかった速度域でも,「遠くで鳴いている蝉の声かな?」という程度。
これは他の使用者の人たちも効果として挙げていたので,私の気のせいではないと思います。
本当にうるせぇ領域では今日は走ってないので,その辺は関東帰る時にでも評価しましょう。

次に,クルマがかなり真っ直ぐ走るようになりました。
銅テープ貼った時と同様に,荒れた路面で前後のタイヤが踊っている感覚がなくなっています。
横風に吹かれた時や大型車の横を通る時のふらつきも減りました。
何より,操舵角が一発でスパッと決まる。操舵中のタイヤの動揺がないから安心して行けます。
最大の静電気発生源であるタイヤのすぐ近くから除電するようにしたからでしょうかね。
……あれ,てことは,コラムの銅テープ錆びてるのか?

ショックに塗った効果は,気のせいか分かりませんが,減衰が弱くなったように感じます。
液が突っ張らずスムーズにストローク出来るようになったのか?
ちょっとこの辺はなんとも言えないです。気温にも影響を受けるところですし(今日は暑い)。

公式が謳っているホコリ等の付着防止。
これは今のところ分からないので,また高速乗った時や山行った時にでも評価してみます。
だって,あんだけ頑張って洗車した直後に汚れるようなことしたくないじゃない。
……まぁ,現在外からすごい雨音してるけど。


価格は写真にあったとおりで,100ml入で\1,800です。これで普通車5回分。
この価格をどう考えるかは人によって分かれるところのような気がします。
コート剤と考えると高いと感じるかも。スマートミストが約3倍入って同じ値段ですからね。
まぁでも,塗る空力パーツだと思えばそんなでもない気もしてきますが。
1回で3~4ヶ月維持できるから,1本で1年ちょい。10年乗るとすると\18,000。
3Mの導電性テープを買いまくるよりは安上がりなんじゃないかなぁ?

という感じで,なかなかいいです、このTWC。
全体としてはトヨタテープより気軽にできるんじゃないでしょうか。
ただ洗車した後に塗り込むだけですからね。塗った後の乾拭きもいりませんし。
日々の軽いメンテナンスで高い走行性能が維持できるなんて,安上がりじゃありませんか。

試してみたい方はこちらからどうぞ~。
こちらからっつってもフローが書いてあるだけで,注文はメールですけどね。



Posted at 2017/08/11 16:29:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | [日記]チューニング考察 | 日記
2017年08月10日 イイね!

マツダの「3種のジン技」



マツダが発表した新型エンジンが話題になっている(大浜さんのテンションが急上昇してて草)。
その名も「SKYACTIV-X」……Xという厨二臭さがなんともたまらない。
まぁこのXは,戦闘機にもよくある試作コードみたいなものだと思うので,正式名はまた別だろう。

このSKIACTIV-Xの正体は,一般的にはHCCIと呼称される形式のエンジンだ。
世の中一般でないものを一般的というのも語弊があるが,理論としては別に新しいものでもない。
ついでにいえば,HCCIの研究に取り組んでいたのはマツダだけではない。
単にマツダ以外が,別の技術を持っていたり金と頭が足りなかったりで挫折しただけである。
より厳密な話をすると,マツダが発表したのは,HCCIの発展型または改良型といえるタイプだ。
技術的な課題をクリアした実用型といってもいいだろう。


このHCCIのことを,メディアでは「ガソリンとディーゼルを合わせたようなもの」と紹介している。
本質的にはそのいずれとも異なるものであるが,大雑把なイメージとしては間違っていない。
HCCIを知る前に,まずはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの仕組みについて復習しておく。
一部の理屈については,前々回掲載の記事を参照していただければ幸いである。
正直タイミングが良くてびっくりしている。

まずはガソリンエンジンのサイクルを順に追っていこう。なるべく分かり易くを心がける。
①吸気行程
  ガソリンエンジンにおいて取り入れるのは,燃料と空気の混合気だ。
  この時の燃料濃度は,あとの燃焼の便を考えて,理想的とされる比率より基本やや多めである。
②圧縮行程
  ①で取り入れた混合気を圧縮し,温度と密度を上げて着火に備える。
  あまり圧縮しすぎると,圧縮熱で混合気が自己着火してしまうためほどほどにする。
  この自己着火(プレイグニションまたはノッキングと呼ぶ)が起きるとエンジンが壊れることもある。
③燃焼工程
  ②で圧縮した混合気に,点火プラグの火花で火を点け燃焼を開始させる。
  混合気の燃焼に伴う膨張によってピストンを押し下げ,動力とする。
  この時,混合気の燃焼は(僅かだが)時間をかけて,プラグを中心に放射状に広がっていく。
  これによりHCやNOxなどが発生することもあるが,ディーゼルに比べれば量は絶対的に少ない。
④排気行程
  今回の文脈では特に説明することもないので省略。

続いてディーゼルエンジンのサイクルである。
①吸気行程
  ディーゼルエンジンにおいては,燃料を含まないただの空気のみを取り込む。
②圧縮行程
  ①で取り入れた空気を圧縮し加熱する(燃料の発火点より上の温度まで加熱される)。
  原理の違いを考えれば当然だが,圧縮比は基本的にガソリンエンジンより高い。
  最近流行りの低圧縮比ディーゼル(マツダで14.0)でも高圧縮比ガソリンより高い(せいぜい12.0)。
  圧縮するのが空気だけなので,高圧縮比でもノッキングの心配はない。
③燃焼工程
  ②で圧縮して高温となった空気に,インジェクターから燃料を噴射する。
  発火点を超えた温度の空気に触れた燃料は,順次発火し膨張していく。
  順次発火となるため,燃焼が不均一とならざるを得ず,NOxやPMなどの発生が避けられない。
  一般的にガソリンエンジンよりも排気が汚いエンジンとされ,各種の処理装置で対応している。
④排気行程
  今回の文脈では特に説明することもないので省略。大事でもないのに2度(ry

圧縮比とは,吸い込んだ気体をどれだけ圧縮するかの値だ。
同時に燃焼した混合気がどれだけ膨張できるかという値でもある。
この値が大きいほど,燃料からエネルギーを取り出しやすく,かつ動力に変換しやすい。
ただし大きくしたらしたで,ガソリン/ディーゼルそれぞれ問題が発生する。


さて,こうした内容を踏まえた上で,いよいよHCCIの話に辿り着く。
HCCIとは,Homogeneous Charge Compression Ignitionの略だ。
日本語では予混合圧縮着火……記事によって表記ゆれ多し。
その仕組みは以下の通りだ。ほとんど読んで字のごとくだといっていい。
①吸気行程
  ガソリンエンジンと同様に,燃料と空気の混合気を取り入れる。
  ただし燃料濃度はガソリンエンジンと比較して薄く,理想的な比率で混合することができる。
  理論上はそれよりもさらに薄くすることも可能とされる(リーンバーン=希薄燃焼)。
②圧縮行程
  ①で取り入れた混合気を圧縮し加熱する。
  圧縮比は,ガソリンエンジンはもちろんディーゼルエンジンよりも高いとされる。
  昔どこかで20.0とか見たような見なかったような……とりあえずすごく高い。
  目標は「圧縮後の温度が混合気の発火点に至るところ」。
③燃焼工程
  ②で圧縮された混合気が,ピストンが一番上に来たところで自然発火する。
  発火は混合気全体でほぼ同時に開始するため,原理的には均一燃焼となる。
④排気行程
  (ry

HCCIでは,これまでのガソリンエンジンで忌み嫌われてきた混合気の自然発火を動力とする。
ものすごく乱暴な説明をすれば「ノッキングで動くエンジン」ということができる。
なお,この原理の上ではディーゼル燃料でも成立はするが,普通はガソリンを使う。
燃料の揮発性の高さゆえに,軽油よりガソリンの方が緻密な混合気を作れるためだ。

この方式の何がそんなにいいのか。
いっぱいあるからこそこれだけ騒がれているわけで,ひとまず仕組みの上から順に見ていこう。

まずはリーンバーンができること。
これまでの火花点火のガソリンエンジンでも,リーンバーンに挑戦した例は数多い。
三菱の黒歴史GDIを始め,その頃の直噴ガソリン勢は果敢にこれに挑み,悉く煤まみれになった。
極度に希薄化された燃料混合気は,プラグの火花ごときでは燃えてくれなかったのだ。
それに対しHCCIでは,断熱圧縮によって混合気そのものの温度を発火点にまで持っていく。
発火点に到達した燃料は,周りにたんまりある酸素と結合して元気に燃えてくれる。
これまでエスプレッソやレギュラーでしか動かなかったのが,アメリカンで動くようになったのだ。

次に,圧縮比を従来より大幅に上げられること。
ノッキングを避けるために上げられなかった圧縮比も,それを動力とするなら話は逆になる。
前述の通り,圧縮比を高めれば高めるほど,内燃機関としては高効率になる。
加えていえば,高圧縮比化することによりリーンバーンでも十分なパワーを出すことができる。

最後に,排ガス規制物質の排出量を大幅に減らすことが出来ること。
③のところで書いたとおり,混合気は全体が同時に発火点に達するため,一斉に燃える。
その結果,不均一燃焼に起因して発生するNOxやPMなどの発生量が大きく抑えられる。
リーンバーン化されていればCO2の排出量も低減可能と,排ガス性能が非常にいいのだ。
そして,複雑怪奇な後処理機構を積まなくていいので重量を抑えられるオマケつき。


HCCIは,内燃機関としては理想の形であることから,自動車メーカー各社も熱心に研究はした。
にもかかわらず,世に出てくるまで長かったということは,問題というか課題も重かったということ。

HCCIは,本質的にはいつ混合気が燃え始めるかわからない方式でもある。
全ては燃料のみぞ知る……ではないが,十分なお膳立てをしないと燃焼タイミングが合わない。
気温,気圧,ガソリンの質,エンジン部品のバランス……少しでも狂えば狙い通りに燃えない。
気温と気圧くらいならどうにかなるが,ガソリンの質はどうだろう。エンジンの摩耗は?
極端な話,レギュラー指定なんて摩訶不思議なラベルが貼られてもおかしくないのだ。
ひどいとENEOSに限るとか。流石に冗談だが。

まだある。稼動範囲が狭いのだ。
ノッキングについて思い出してみよう。
ハイオク指定の高圧縮比エンジンにレギュラーを入れてぶん回すと,ノッキングでオシャカになる。
しかし,比較的低回転だけで走る分にはノッキングは起こらないか起きづらい。
断熱圧縮された空気の温度は,圧縮比と,圧縮速度に依存するためだ。
この2つの条件がピッタリ合って,燃焼室の温度が混合気の発火点を超えるとノッキングが起きる。
HCCIの場合,ピストン上死点で温度キッチリになるような,圧縮比×速度下でしか稼働できない。
そして,その領域は回転数全体の中でも狭い範囲にしかなかった。
回転の上下変動が激しい自動車用エンジンとしては致命的な欠点だといえる。

メーカー各社とも,そんなことにはすぐに気づいた。
気づいて,どうしてもHCCIで稼働できない領域は,従来通りプラグ点火で動かそうと試みた。
考えてみて欲しい。
圧縮比20.0で自然発火させるリーンバーンと,11.0で火花点火させるストイキ~リッチバーン。
そんな滑らかに都合よくシフトチェンジできるものではない。というよりできなかった。
多くのメーカーがここで挫折して,「内燃機関は終わり」と捨て台詞を吐きHVだEVだに走ったのだ。


が,マツダはそれを乗り越えて,点火プラグ補助型のHCCIエンジンを発表してきた。
詳しい技術は謎に包まれているから,ここからはほぼ私の想像になる。
その点を踏まえて読んでいただきたい。
あとから「アイツの言ってたことガセじゃねぇか」と言われても知らないのであしからず。

まず大前提として,マツダは制限のあるHCCI領域を,どの回転域に合わせてくるか。
これはもう異論もないだろう。低~中回転域に決まっている。
どこのバカが,燃費が飛躍的に向上する技術のスイートスポットを高回転に合わせるのか。
中域より下はHCCI,上もできるだけ頑張りつつ,限界を超えたらプラグで,というところだろう。
とはいえ,低~中といっても広い。そのスイートスポットをどう広げるのか。

先程,HCCIは圧縮比×速度によって稼動域に制約があると書いた。
速度の方はどうにもならないが,圧縮比を可変できる技術はすでにある。
アトキンソンサイクルまたはミラーサイクルにおける,吸気バルブ遅閉じの術だ。
圧縮行程の頭部分まで吸気バルブを開け続けることで,混合気をインテークへ一部逃がす。
これにより実質的な圧縮比が低下して圧縮圧力が減少し,圧縮にエネルギーを食われない。
しかも燃焼する際には数値上の圧縮比分キッチリ膨張できるため,エネルギー効率がいい。
……長くなったが,要するに吸気バルブを遅閉じすれば,圧縮比は下げることが出来る。
これを使って適応領域を広げたのではないだろうか。

「高回転域で吸気吹き戻しなんかしたらトルク不足でストールするんじゃねーの?」
と思った人もいるかもしれない。バルブ遅閉じは基本的にトルクダウンに繋がる。
しかしここがHCCIのいいところで,最終的な温度さえ合っていれば燃料の多少に影響されない。
高回転域では,バルブを遅閉じする代わりに,混合気の燃料濃度を上げることで埋め合わせる。
もとがリーンバーンなら,酸素は掃いて捨てるほどいる。少々燃料が増えても問題はない。
ただし,あまり雑に増量をすると,吹き戻りでインテークがベタベタになるが……。

さらに高回転では,この調子で燃料を濃くしつつ,バルブタイミングをどんどん遅閉じにしていく。
またアクセル開度に対しても,全開付近では混合割合はストイキ~ややリッチになるようにする。
それらにつれて,必要になる少し手前から,上死点ちょい遅くらいでのプラグ点火を始めておく。
おそらくなのだが,HCCIとプラグ点火では,音か何かが違うと思うのだ。
それを検知して,今のはプラグで点いたな?と思ったら切り替えるとか。
ディーゼル音低減技術を入れてくるようなメーカーだけに,やってきそうな気がするのだが。
……え? 逆切り替えはどうするのかって?
考えてみて欲しい。高回転高負荷から低回転低負荷にアクセル踏みながら移行するだろうか。
アクセルを抜くか,せめて緩めるだろう。その一瞬で燃料カットして切り替えればいい。
マツダの燃料噴射制御があればそのくらい出来るでしょう,たぶん。

ちなみに,上記の話の中からスロットルバルブの制御は綺麗に省いてある。
というのは,HCCIエンジンにスロットルバルブはいらないだろうと思ったからだ。
HCCIの原理を考えれば,吸い込んできた空気に必要な分だけ燃料を噴けばそれで終いだ。
ならば,わざわざスロットルバルブを設けて吸気量を調整する必要がない。ディーゼルと一緒だ。
出力制御は燃料噴射とバルブタイミング,あとプラグのON/OFFで行ければ無駄がないと思う。

まぁ,今パッと考えた程度だとこんな感じで思いついた。合っているかは知らない。
妄想働かせて疲れたので,残りは軽く行こう。
吸気温度,これはおそらくクールドEGR等で制御してくると思われる。
エンジンの摩耗……現実問題,そんなにすり減っていくとも思えないけど。
燃料の質……おっと,これは問題だ。

途上国を除いても,燃料のオクタン価問題は残念ながらついて回る。
欧州ではレギュラー指定される向こうの大衆車が,日本でハイオク指定される件だ。
これは日米と欧州で未だに相容れない。なぜかは知らないが。
ともかく,HCCIは今までのエンジン以上にオクタン価にうるさいと思われる。
少なくとも日米仕様と欧州仕様の2種類のエンジンができることになる。
……と思ったが,よく考えたら今のSKYACTIV-Gの時点であったわ,この類別。
ならきっと大した問題にはならないだろう。以上,終了。


さて,こうして三種の神器ならぬ"3種のジン技"を得たマツダ。
トヨタとの資本業務提携の上で,これまで以上に先進国重視の戦略になるだろうと思われる。
具体的には,既にブランドイメージが確立済みの欧州と,CX-9で本腰を入れる米国だ。
ここに申し訳程度の国内を加えれば,マツダの標榜する「世界シェア2%」は達成できるだろう。

特に,欧州においてこのHCCIエンジンは重要だ。
欧州はディーゼル偏重の市場として知られているが,その理由は低燃費ただ一点だ。
日本のように軽油が安いからではない(あちらはほぼ同額)。
逆に考えれば,ディーゼルより燃費がいいガソリン車が出れば普通に乗り換えてくれる。
そういうガソリン車がないからディーゼル市場になったわけで,まさにブルーオーシャンだ。
しかも,今年9月から施行されるEURO6の後期規制も追い風となる可能性が高い。
既存のディーゼルがNOxで,直噴ガソリンがPMでヒイヒイ言い始める中,HCCIなら何処吹く風。
販売台数規模によっては,排ガスの余剰枠を売ることも可能かもしれない。
売り出し方と初期品質にかかっているところだが,夢が広がる話ではある。

そして,こうして得たあぶく銭で何をするか。
トヨタとの資本業務提携下における,米国のZEV対応技術または車種の共同開発だろう。
マツダはビークルダイナミクスについては長者でも,電気関係にはほぼ門外漢だ。
世界のトヨタと電動車両の共同開発で渡り合うのに,金があるに越したことはない。
新しいことを始めてどれだけのものが仕上がるかは,結局のところ金だ。先行研究開発費。
金をかけたからいいというものではないが,そこの金をケチっていいものはできない。

なんとなくそれなりに仕上がった電動車両がどうも多い気がするこの頃。
ビークルダイナミクスの鬼がガチで作ってくる電動車両がそのようなものか,興味はある。
その前座かもしれないが,新型エンジンには同じくらいの夢があると思っている。


まぁ,こんな感じで妄想が広がるくらいには,個人的にはビッグニュースでしたとさ。
……こんなクソ真面目でヘビーな記事を書くキャラだったっけか,俺。



2017年08月07日 イイね!

最近のマイブームは位置依存型サスペンション



國政氏のブログで,シトロエンの新型ダンパーが取り上げられていました。
写真のキーワードから検索に行ったら,豪州シトロエンのチャンネルでそれらしきものを発見。

一応本部の公式ムービーだと思っていいでしょう。
2018年型C5に搭載される新手の位置依存型ダンパー機構の紹介ですね。

位置依存型ダンパーとは,読んで字のごとく,ストロークに応じて減衰が変化するダンパーです。
フランス車はこの手の位置依存型ダンパーを積極的に使っているイメージがなんとなくあります。
ルノーのHCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)とかもそうだし。
日本では純正採用の話は聞いたことないですが,アフターならTEINの一部サスキットに採用あり。

先のHCCでは,ダンパーの中に小さなサブダンパーが仕込まれた構造をしています。
サスペンションが一定以上縮むと,このサブダンパーが圧縮されて追加の減衰力を発生します。
言ってみれば,サブダンパーがバンプストッパーのような役割をするわけです。
バンプストッパーと違うのは,縮むエネルギーを受け止めたあとの反発がないこと。
これにより,ジャンプ後の着地のような大入力のあとでもサスペンションが一発で収まります。
ラリーカーなんかでは結構前からある機構のようです。

で,今回のシトロエンのダンパー。
こちらは,ダンパーがストロークするに従って,オイルが通れる穴を順次閉じていくという方法。
機構的にはダンパーinダンパーのルノーより古典的な気もしますが,この順次閉じが斬新ポイント。
まず,微小ストローク域では減衰力はごくごく僅かであるようです。
そこからストロークするに従ってじわじわ減衰が上がっていくと。伸びも縮みも。
これによって,小さなギャップはやり過ごしつつも,大きな入力はしっかり受け止められるようです。
正直「こんな複雑な機構で大丈夫? すぐ壊れちゃわない?」と心配になってしまいますが。
昔からサスペンションに定評のあるシトロエン,こだわりの逸品のようです。

動画内では,カントリーロードを走る車内のお茶の揺れ方でその威力を示しております。
旧型サスペンションと比較すると,なんかびっくりするぐらい水面が揺れません。
新東名走ったってもうちょい揺れるだろって思ってしまいます。
まぁここに貼った動画のお茶はCGですが……他の動画では実物が映されていたりします。
"Progressive Hydraulic Cushions"でググると他の解説動画が多数ヒットします。
ぶっちゃけ「ホンマに走って撮ったのかよ?」と疑ってしまう揺れなさ。

いやぁ,こういうのを見ると試してみたくなるっすね~。
別にシトロエンのじゃなくてもいいから,この手の位置依存型ダンパーを試してみたい。
今のサスに特に不満はないんだけど……強いて言えば大きく縮んだあとの収まりがもうひとつ。
まぁ性能云々というより「飽きてきちゃった」って感じなのかもしれないけど。
TEINさん,早いとこ新ダンパーのラインナップを拡充してくれないですかね?
今更のように古いクルマのネジ式車高調なんか作ってないで……。



Posted at 2017/08/07 22:31:40 | コメント(1) | トラックバック(1) | [日記]チューニング考察 | 日記

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