• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

Agの"屋根無し" [ウエストフィールド その他]

整備手帳

作業日:2020年2月23日

たーへるあなとみあ 第壱集 (CVH解体新書ヘッド周りイタヅラ編)

他の整備手帳を見る 他の整備手帳を見る

目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 30分以内
1
最近ウエストの情報が少ないなぁと思う今日この頃…(そもそも元から多くは無い)

SEiが発売され、ウエストフィールドジャパンが有った頃はもう30年前
チェッカーモータースでのウエストスポーツSC
ガレージシマヤからウチの屋根無しをお迎えしたのも、もう20年以上前

そりゃ時間に淘汰されてゆくわな…
タマ数が減っているのは確かでしょう

ただでさえ少ないフォード製CVHエンジンの情報は、もはや他人様の足跡をなぞるより自ら蓄積していく他無いと諦め気味ではありますが、有り難いのはインターネット検索と海外通販

20年イヂクリまわしてるうちに、今回のイタヅラが機能すれば。構成部品だけはそろそろ理想形に近い形になってきました。

ウエストフィールドのSEi SC 各モデルで搭載されているCVH1.6は、ほぼノーマルの本体にオリジナルのエキゾーストとアルミ製インマニにWEBERの40DCOEが2機掛けの構造となっております。

低速寄りのパワーバンドは、ツアラー&クルーザーとしてはとても扱い易くトルクフルではありますが、高回転での暴力的な刺激を求める方には物足りなく感じる事も有るかと…

暫く乗って、じゃ弄ろうか!となったとき

国内でのパーツ入手は絶望的

このエンジンに強いショップも無い

となると、せっかく手に入れた車の魅力も褪せてしまう…悲しい話です

絶対的なスピードを求める事は、資金と冒険を要すると思われますが…
(腰下をZETECにしてしまうZVHやターボ化 エンジンスワップ等のネタも有りはしますが)
そこまで行かなくても、1.6リッターなりに楽しく・気持ちよくということでしたら、カム交換は選択肢の一つかと思います。
(あくまで私個人の素人主観です、カム交換を推奨するものではありません。この手記の通り整備を行っても不具合が出る可能性もありますのであしからず)

ケントカム パイパーカム ニューマンカムetc. 

複数のメイクスから、ステージに合わせたカムが複数発売されております

私は周辺部品の豊富さからケントカムを使っていましたが、ポンカム的な宣伝をしておりながらポンと付けると後始末が大変でした。

他のメイクスは使用していないのて、データはありませんが、向こうのパーツは、純正を超える扱いに耐える『チューニングパーツ』ではなくスペックは立派だけど怪しい《サードパーティー製のパーツ》と割り切り、面取りとラッピングは必須かと思われます。
(追補:物によっては耐久性に難がある物も多い様です。組み付け前にタフトライド等の表面処理を行った方が良いかもしれません)

確か以前にヘッドを下ろさず、カムだけ変えるというテクニックを実践されてた方もいらっしゃったと記憶しております。
(私もやってみましたが、冷却水のリザーブを外して引き抜き可能でした)
ストリート向けのカムでしたら、整備リスクも減り、作業効率良いかもしれませんね。
ラリー レース系のオーバーラップが大きい高回転向けのカムとなると、低回転では実効圧縮が下がるので、薄手のメタルガスケットや面研等で圧縮比を上げる作業が必要になって来るかと思います。(カムのみの交換だとトルクの低下から乗りづらいエンジンになってしまう可能性が‥)
 
ヘッドを剥ぐる作業と、バルブタイミング調整の為スライドスプロケットが必須となりますが、得られる結果も大きくなりますので、トライしてみるのもありかと

しかし…
わしわ何屋だ?
(写真はKentCams CVH23 CVH33   CVH28は貰い物 吊しのままでは全て難ありw)
2
ヘッドガスケット

ある程度オーバーラップの広いカムを使う場合や、ヘッドチューン オーバーホールの場合、避けて通れないのがシリンダーヘッドの着脱。

作業の上で、CVHの難点の一つと言われる、ヘッドの剛性の低さが、鬼門になってきます

色々な条件により、歪み(歪ませ?)が出やすいのは確かです。
私も過去にヘッドを一つオシャカにしております。
 
キチンとツボを押さえておけは、特に問題は出ないと思いますが、Hanesのマニュアルや、ヘッドボルトに記載のトルクで一気に締め付けを行うと、…リスクは高いです。

ヘッドガスケットの材質やヘッド・ブロックの修正加工の有無等で条件は変わると思いますので、あくまで参考としてください。


個人的には、ベストな方法はヘッド・ブロック共に修正面研を行って、圧縮アップはメタルガスケットの厚さの加減で行えれば満点かと思いますが、フルオーバーホールでもなければ難しいですよね
純正若しくは社外純正のヘッドガスケットは、潰れ代が大きい為、締め付けには注意を要します。
(新品の状態より0.3~0.5程潰れる様です)
純正社外品は新品で1.8ミリ 潰れて1.5ミリ前後となります。
圧縮比アップを狙ってコムテックの0.51インチメタルガスケットを買いましたが、潰れた純正と0.2~0.3ミリしか変わらかったというオチがつきました。

私的には高価ではありますが、圧倒的にメタルガスケットをお勧めします。
ガスケット自体の剛性が高いので、しっかり締め付けトルクを掛けられます。

純正系も全く駄目では有りません。
水穴加工はし易いですし、価格は数分の1です(圧縮アップには面研で対応となります、メタルガスケットは硬すぎて水穴加工を断念しました トータルでは割高か?)

何を求めて、何を使うか、明確な目標を立てたい所です。

ピストン~バルブのクリアランスは、比較的余裕が有りますが、メカタペを組まないと本当の値が分からないので、一応参考までに記しておきます。
うちのはほんの少しだけバルブが大きいのを組んだりした影響もあるのであくまでも参考値です。

計算上0.5ミリ程、ヘッド面研orガスケットを薄くした状態で、
バルブリフト in12.14 ex11.63 のkentcams CVH33で、
約in1.5ミリex1.8ミリのクリアランスでした。(メカタペにてクリアランス0で、計測)

このカムは7000rpm迄で、バルブスプリングがダブルの強化品の使用を条件にしておりますので、少し極端な値かもしれません
【追補R5.2】 NEWMANCAMのステージ4カム(CVH286/416)の場合、ヘッド面研や薄いガスケットとの組み合わせで排気バルブがピストンと干渉する危険性があります。クリアランスの計測は必須です。

ノーマルスプリングの場合であればバルブサージングのリスクを考えると6500位迄にしておいた方が安全かもしれません。
因みにシングルスプリングのCVH23は6800rpm迄でした。
(アンチポンプカムフォロワーというスカスカなHLAがセット 高回転でのポンプリフト防止を狙った品と思われますが、廃盤となっており得体が知れないので油タペorメカタペとダブルスプリングで使用 本国のショップ発信データでは6500以上はメカタペ推奨)

回転馬力よりもトルクと中高回転でパンチのある仕様を目指した方が実際速いのかもしれませんし、長く付き合うなら徐々にステージを上げて行くのも有りでしょう。
3
ヘッドボルトは純正品の他にburton powerのHDやarpの強化品が有ります。

私はburtonを使っていますが、他のCVHチューンを行っていた先人の記録での純正品でのトルクも似たような感触だったようなので、 参考にはなると思います。
(ボルトをARPのスタットボルトタイプや強度の高い物に交換しても、ヘッドが硬くなる訳ではない上に、ダイレクトに力が掛かるようになりますので更に注意です)

私の場合は…
純正系ではヘッドガスケットにスプレータイプの液状ガスケット(パーマテックス等)を塗布後、1回目は10Nm、10.20.30.と10Nm増しで締める度に10分ずつインターバルをおき、50Nからは2Nずつ60N迄は問題無かったです。
(このトルクで漏れ系トラブル無し)
メタルガスケットの場合は60N以上は5Nずつ締め増して80N迄は大丈夫でした。
【追補R5.2】
メタルガスケットの場合、最近は20Nからインターバル5分で10Nずつ80N迄締めてます。

同じトルクで閉めても、ボルト毎に締める感覚が違うので、はっきり言ってトテモヤナカンジです。

通常はカムを定位置からずらして、フリーにしてからヘッドを締め付けるのが正かと思いますが、私の場合それで失敗しているので、カムを組んだ状態でスプロケットを回し、回転が重くならないのを確認しながら一本ずつ締めています。
片手スプロケット、もう片手でトルクレンチとなかなかアクロバティックな作業ですが、
ヘッドを歪めた時の苦労を考えると、大した手間ではありません。

一応ご参考までに
Hanesのマニュアルのトルクです
1回目 25Nm
2回目 55Nm
3回目 90°増締め
4回目 90°増締め
純正の塑性ボルトとはいえ…

因みにバートンのHDヘッドボルト
1回目 27Nm
2回目 54Nm
3回目 81Nm

純正ガスケットでヘッドを歪ませました
壊してしまうと、ヘッドの入手は困難ですので、くれぐれもお気をつけて
4
HLA(ラッシュアジャスタ・油タペ)
ロッカーアーム

基本的にHLA使用なエンジンですが、エスコートのRS1600i(コスワースではありませんford motorspot ドイツの開発)はメカタペだったようです。

各カムにより指定の部品がありますので、
指示に添っての選択が無難ですね。

メカタペ自体はKentCams他、出ておりますが、非常に調整はし辛いです。
メリットは、

正確にバルブタイミングが取れる

軽いのでサージング対策にもなる

タペット自体のトラブルが出にくい
(物によっては摩耗系トラブルあり 熱処理必須か?)

くらい…

確かニューマンカムはメカタペ指定
他は油タペ指定が多いと思います。

ロッカーアームの構造が、簡素(ピボットを支点に皿状のプレス製ロッカーアームがバルブと油タペで押し上げられて支持 メタルやベアリングは無く摺動部は掛け油で潤滑 安普請w)なので、膨張分の隙間を必要とするメカタペはクリアランスの管理が大変です。

写真を見ていただくのが早いかもしれません
クリアランスゼロのHLAでは問題無いですが
隙間が開く=ロッカーアームが自由に遊ぶ事になりますので、
バルブクリアランスは狭めの in 0.15mm ex 0.20mmです

【追補R5.2】NEWMANCAMの場合0.20/0.25(in/ex)指定となります。

私の場合、ピボットが溝の中で遊びがあるので、0.4mm程のスペーサーを入れてガタを殺しておりました(写真左のピボットの足の前後方向です 下記記事の項目4&5)
https://minkara.carview.co.jp/userid/1248036/car/1227202/3777876/note.aspx
5
ローラーロッカーアーム

10年程?前から、本国のpassionFord(チューニング系SNS)の連中が目を付けていたので、存在は知っておりました。
(それ以前、20年程前に在籍していたオーナーズクラブでTITAN(うろ覚え)の刻印のローラーロッカーも見ておりましたが、出所は不明)

米国 ハーランドシャープ製が手に入ります。
以前は特注品でしたが、近年定番化した模様です。
ボルト固定の北米バージョンとナット固定の欧州バージョンがありますが、私は欧州バージョンを購入しました。
特に表記はありませんが、油タペが標準と向こう(SNS)の連中が申しておりました。

実際使っての評価はまた別の機会に
(メカタペとの併用はコンディション維持がかなりシビアです 恐らく構造上の問題かと思われます お勧めはしません R7追記)

自分で言うのも何ですが、もうCVHに見えませんなw
6
個人的にはあまりお勧め出来ませんが…
CVHほか、エンジンパーツに関しては、
英国 burton powerが充実してます。
FORD type9 ミッションのパーツも有ります、クイックシフトなんかも有りますので、覗いて見るだけでも面白いと思います。
カード決算であれば国内のweb通販と手間はあまり変わりません。
(※一部HD系や材質変更された部品は、メンテナスサイクルのシビアなレース用と思われる品物もありますので選定に注意が必要です 交換した場合のデメリットも含め、他サイトや破損事例も調べてからポチりましょう)
一部ガスケットやシール、ローラーロッカーなどは、米国のsummit racing等でも購入可能です。
7
機械加工etc.

CVHのヘッドには大分種類が有るようですが、ウエストフィールドに搭載されているのはハート型燃焼室を持ったハイスワールと呼ばれる、NA後期のエンジンです(89SM~91SM迄は確認しております)
※最近ファクトリーメイドの個体か分かりませんがヘミヘッドの81SMを載せた車体をwebで見ましたよ ビックリ

覗いてしまうと気になるのが、マニホールドとポートの段差…かなりの物です  
削りたくなるのが人の心
in ex共にポート段付きも…

加工自体は新しい番号のヘッドの方が綺麗ですが、やはり段付きは段付き

アルミヘッドなので、これを機にリューターで均してしまうのも良いかと思います。
in側ポートの入り口上部はラッパ状に開いていますので、ここは均しきれません。
単体ではなく、マニホールドを取り付けた状態で、なるべくストレートに吸気が入るように削ったほうが、綺麗に仕上がりました。

バートンのパーツでは

ビックバルブ 

バルブ径はさほど変わりませんが、
形状が良く、軽量化されています。(下面座ぐりあり 圧縮は少々落ちるか?)
バルブシートは、シートカットで対応可能


バルブガイド

ブロンズ製の物もありますが、チューニングエンジンでお馴染みのリン青銅では無い模様、以前のかかりつけ医に、『向こうのチューニングヘッドとかで付いて来るけど、あっと言う間にガタがでる』と言うアドバイスを頂き、鉄製を使用しております。


タペットカバーガスケット

純正ではコルクを使用しておりますが、4mm厚のニトリルゴムシートから自作で作っております。圧倒的に漏れません
穴は100均のレザークラフト用ポンチでok


ガスケット類

大体の物は手には入ります。
 
ヘッドガスケット
カムのオイルシール
デスビのOリング
(同時点火の場合、メクラプラグ)
エキマニのガスケットはポートが四角っぽいタイプ
サーモスタットハウジングは…あったかな?
セットも有りますので必要に応じてチョイス出来ます
(腰下迄バラされる場合クランクのリヤシールは純正品の使用をお勧めします

https://minkara.carview.co.jp/userid/1248036/car/1227202/7552714/note.aspx


提供出来るネタがあれば晒して行きたいとは思いますが、チューニングに関しては素人なので、グダグダ・間違いはご容赦&プロフェッショナルの御指摘頂ければ幸いです

続編
https://minkara.carview.co.jp/userid/1248036/car/1227202/7647512/note.aspx

イイね!0件




タグ

関連整備ピックアップ

ナナコロビヤオキ(タペットアジャストスクリュー御始末)

難易度:

NEWワールド(アルミをくっつけちゃうのぜ)

難易度:

質実剛健(ただのブレーキフルード交換備忘録です)

難易度:

I❤️改造(タペットアジャストボルトその後&ボール盤魔改造)

難易度:

ETC取り付け

難易度:

0.3の違和感(シフトレバー微調整)

難易度:

関連リンク

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「あとニンニク焼きも食ったわ
ワスレテタ」
何シテル?   08/22 01:33
Agです。 車のカタチをしたウエストフィールドという名の盆栽を育てております。 とても良い子には見せられない、左道・外法・邪道なプラセボチューンを施してニ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

リンク・クリップ

4月のチバラギオフ… 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/06/27 20:02:12
ちょっとウィンカーの話  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/04/21 12:40:35
手元アイドリング調整(その2)完成 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/04/21 08:37:20

愛車一覧

ウエストフィールド その他 屋根無し (ウエストフィールド その他)
我流、邪道、素人弄りの集大成です 弄り壊しながらもDIYで楽しんでおります 整備手帳が ...
その他 自転車 その他 自転車
20インチ折りたたみアルミチャリ  ANIMATO AL20です ルック車です 軽くて良 ...
輸入車その他 ???? ender-3 pro (輸入車その他 ????)
人生初の3Dプリンター 車趣味も新たなステージに突入! さぁー ワンオフパーツ拵えま ...
トヨタ スパーキー すぱ号 (トヨタ スパーキー)
通勤下駄ちゃん後継機、親族キャリアー機能充実 しかし家族の車にオトーさんの嗜好を持ち込 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation