重度の狭心症で生きているのが不思議と病院の先生に言われ、体調が優れなかったため、とーっても遅くなりましたが、スバルを降りる事になったベルランゴの簡易インプレッションをスバルユーザー(エクシーガとの比較)目線で書きたいと思います。
※ 試乗前に確認したグレード:シャイン 実際に試乗したグレード :フィール

1 デザイン
(1)フロント
国産のミニバンがメッキ多様のヤンキーオラオラ系なのに対して、ベルランゴは周囲に変な圧力をかけずデザインがまとまっていてかっこいいと思います。人によってはブサ可愛いとの表現もあるので、ミニバンにありがちな毒々しい感じがないのがとても良いです。
(2)サイド

現車の第一印象は画像とはだいぶ違いなんか妙に短く、まるでチョロQのような違和感を感じます。

デザインのマッチ度から考えるとXLのロングの方が良いと思います。
ガラスエリアは商用車がベースだけに広くて視界が良いであろう事がすぐに理解できます。アクティブセーフティにおいて視界が良好な事はとても重要ですね。(平成一桁のスバルがデザインよりも優先して重要視していた事項です。)エクシーガはワゴンチックなミニバンの中でも頑張ってガラスエリアが広く取られていますが、最近のレヴォーグとかインプレッサは天井下げて圧迫感があって息苦しさを感じますし、運転していて愉しいとか安心感がないので好きになれません。(GF8ではそんな事はなかったのですが。)

サイド下方に目をやるとドアパンチ対策なのか?黒い空気入りのエアバンプと言う物が取付けられていては商用車らしさを消し去る工夫がされています。ただ、エアバンプ内にデザインでレタリングリングが3つあるのにカラーが前方しかないのは残念な感じです。
サイドウィンカーはドアミラー内蔵ウィンカーでなく、旧来のフェンダーウィンカーなのは古臭いだけでなく、周囲からの認識が遅れると言う安全性の面でマイナスです。
(3)リア

見た目のそれは完全に商用車。フロントが素晴らしいだけにとても残念です。ナンバープレートの取付位置も欧州使用しか考えてないようで、高さが足りず日本のナンバープレートを付けると出歯みたいに見え不格好です。

萎える気持ちで、よく見るとガラスの下端がサイドよりも低く設定されている事に気づきます。何処かで見たぞこの感じ。スバル乗りの古参の方ならわかるはず。

そう、初代フォレスターです。後方直後に身長70cm?の子供がいても視認できる。(ベルランゴの視認高の設定は不明ですが。)これもアクティブセーフティを強固に維持していた頃のスバルみたいです。噛めば噛むほど味が出るスルメみたいなシトロエン、昔のスバルみたいで良いなと思えてきました。
(4)インテリア
エクシーガのアイボリーセレクションから比べると豪華さがかなり下がります。

しかし、デザインや色使いで頑張っている印象なので悪くはないかなと。お偉いさんの迎車として使いたい自分としては、そこら辺にゴロゴロして見慣れたアルファードだと埋もれて話題がさらえません。エクシーガだと見慣れないためか、この高級感のイイねとよく褒められたものです。これからは埋もれないフランス車のデザイン性のイイねで話題を取り繕いたいところです。

シャイングレードの天井のモジュトップはデザインとしては良いのですが、ホコリが溜まるとみっともなくなるからマメに掃除しないといけないと思います。

センターコンソールはエアコンダクト用にあるようですが、圧迫感があってウォークスルーができなくなるため邪魔です。これは無い方が開放感もあり絶対に良いです。

ドリンクホルダーに関しては他の人のインプレッションと同じ、直径が小さくカップホルダーとしてしか使えない意味不明の設計で実用性に乏しいです。
2 視界
とても優秀で昔のスバルのようです。強いて挙げればフロントピラーの部分が太く視界を多く遮ります。実際に運転してみるとそこまで気にはなりませんでしたが、交差点の右左折で横断中の人の巻込みや2車線の交差点でのサンキュー事故に注意が必要かもしれません。
3 エンジン
1500CCなのにディーゼルなので、エクシーガのILよりも断然トルク感があって速く乗りやすいです。しかも、ディーゼル車特有のガラガラ音はほとんど気になりません。燃費も渋滞の多い所沢近郊で16km/lとの事で、エクシーガの最低6.7km/lからすると離世の感があります。1500ccと言う数字は税金対策としてもバッチリですね。1600だったら買いませんから。
4 操作性、使い勝手
(1) シフトダイヤル

他の方インプレッションにもある通り、シフトがダイヤル式なのは安全性に問題があると思います。慣れるまでは見て操作するでしょうが、慣れた頃や焦っている時など直感的に操作できないのは、プ〇〇スロケットと揶揄されるような勘違い操作から発生する事故を誘発する可能性があり注意が必要です。
(2) スライドドア
フロントリア共に重いです。リアは国産車のように電動開閉がないため、閉めるときに一旦押してから閉めるという要領を得ないと90キロ近くある力自慢の自分でも一苦労します。意外な事に正規販売しているMサイズのリアドア方がロングバージョンのXLのリアドアよりも開閉が重いです。(これは、他の人のインプレッションで誰も書いていない事項です。)
(3) バックドア

これも閉めるのに重たく感じました。しかし、ガラス部位が開閉可能であるため、普段はこちらを使えば問題ないかもしれません。
(4) 荷室
商用車ベースだけにMサイズでも十分な広さで言う事なし。XLだと3rdシートは完全に取外可能でさらに広大にできます。セカンドは3分割シートでそれぞれ倒せるのは良いと思いますが、広大なスペースを寝泊まりでも快適に有効活動するために、初代フォレスターのようにセカンドシートが真っ平らになるロック機構があれば更に良いのにと感じます。
(5) パッセンジャーシート

2列目は3分割されていますが、体重が90kgもあるような柔道家的なごっつい体系でも横幅であまり不憫を感じず普通に座れます。(リクライニングができないのはNGですが。)但しリクライニング機能がないのはなぜなのでしょうか?
5 ハンドリング
ホンダ車のようにハンドルが軽く中央付近でスバルよりも若干ルーズな印象で、しっかり感はスバルの方が上手に感じます。但し中央付近以外ではスバルに近い感じで、背が高い車である事を考慮すると素晴らしいと思います。
6 走行性能
背が高くて重いのにスイスイ、サスペンション形式から段差の乗り越えでガツンとくるのではと期待していなかったのですが、背が高いので揺り戻しがあるもののスルッとした感じでそつなくいなす素晴らしさ。更に定速走行では猫脚サスペンションと言っても良い感じです。
エクシーガを開発する時に販売サイドのスライドドア車の要求に対して、走りが悪くなるとのことでスイングドアにしたようですが、それは単にスバルに技術力がない事の詭弁でしかなかったのだとこの車を知って感じました。販売要望から察するにエクシーガがスライドドアだったらもっと多くのユーザーに選ばれ2代目が登場していた事でしょう。惜しい実に惜しい。いくらスバルが好きでも無いものは買えないのだから。スバルが客の意見を聞かない頑固なラーメン屋じゃなければエクシーガが消滅する事はなかったに違いありません。
6 しっかり感
重いから当然かもしれませんが、スバル車のドアシールで演出された冷蔵庫的な閉まり音ではなく、その車が持つ構造部材の厚み重みでドンッと来る音や、感じ取れる剛性は格段にベルランゴが上手です。
7 故障等の予備知識
8速ATはアイシン精機製、電装系統はDENSO製との事で安心して乗れると正規ディーラーのセールスから教えて頂きました。
8 総評
(1)良いと感じた事項
ア 周りを威圧しない優れたデザイン。
イ シフトレバーを除きパッシブセーフティ思想が行き届いている。
ウ クリーンディーゼル車で、震災時でも燃料確保が容易である。
エ 中途半端な1600ccではなく、1500ccであり税金を安く抑える事ができる。わずか5千円程度ですが、家の会計検査院の追求が厳しいのでこれは“かなり重要なポイント”です。
オ ガラスエリアがしっかり確保されて良好な視界と運転したい、愉しい、ワクワクすると感じる雰囲気を持っている。
カ 良好なハンドリングで乗り心地が優れている。
キ 実用燃費に優れる。
ケ 重厚感と言うか武骨さがある。(演出された物でない本物の感じが伝わってくる。)
コ 広い荷室とスライドドア
(2)改善の必要性を感じた事項
ア 開閉が大変な重たいスライドドア
(信頼性を考慮し電動式ではなく、電磁式はできませんか?)
イ シフトレバーがダイヤル式である。
(鍵式にするべき。)
ウ 寂しいリアデザイン。
(マイナーチェンジで変更するべき。)
エ サイドウィンカーがフォンダーにある。
(ドアミラーに包含するべき。)
オ まともに使えないカップホルダー
(500mlのペットボトルが入るように再設計するべきです。)
カ ドアカーテシランプはあったほうが良いです。
最後に一言
このインプレッション書いて気づいたのですが、自分はこのベルランゴに今のスバルにはないデザインよりも安全性能を重視する古き良きスバルの姿勢を重ねてしまったようです。だからスバルから降りる決心に繋がった。一年前は本当にスバルを降りるとは思いもしなかっただけに出合いとは不思議なものですね。