Q.「なぜ、あなたはエベレストに登りたいのか?」
A.「そこにエベレストがあるから」
有名な登山家、ジョージ・マロリーの言葉で、彼の名前は知らなくてもおそらくこの名言を知らない人はいないでしょう。
私.「急遽明日から3連休なんで、○○に行ってこようと思うんだけど…」
妻.「なんでそんなとこに行きたいの?」
私.「そこにチェックポイントがあるから(フッ、我ながらカッコいい~ッ)」
妻.「…ばっかみたい。」
私.「…orz…」
妻.「交通安全週間だから捕まらないように気を付けてね。」
ある凡人の言葉。
かみさんから了承を頂きましたので(笑)、心置きなく一人
ハイチュウハイドラの旅に出ます。
実は20日までに使いきらないとならない有給が数日残っていて、水~金が急遽連休になりました。
なので、帰りの時間を気にせず遠出ができます。
今回の目的は、廃止線と秘境駅訪問(笑)
あっ、前置きしておきますが、私、鉄道ファンではありません。
あくまでも
ハイチュウハイドラーです。
総走行予定距離600km以上
長丁場でなんで、翌朝日の出前に出発します。
では寝ますか~(実は眠れない…、まいった~)
. . .
ゴ~...
ンゴっ........
ん?
あれ?、少し明るいんですけど...
やばい! 寝過ごした!!(笑)
既に出発予定時刻を1時間以上過ぎてます。
急いで荷物を積んで出発~。

朝イチで
ヨタさんとお手振りハイタッチ。
これから仕事かな?
ご苦労さまです。
とりあえず中山峠を通って豊浦から海側に抜けるルートを目指します。
途中、定山渓にある札幌市内で取り残している最後のCPがココ

入り口と思わしき場所はまだこんな感じでした。まだまだ雪が残ってますね。
さて、寝坊したおかげてちょっと問題発生です。
実は今日行く秘境駅は本数が少ないので時間の制約があります。
もし乗り過ごすと次の列車まで数時間待ち、時間帯によっては帰りの列車待ちにまた数時間かかってしまいます。

前日の計画では、ぐるっと反時計回りに廻って、15時過ぎに秘境駅訪問の予定だったのですが、1時間以上遅れたおかげて予定の列車時刻がかなりギリギリです。
(当初は8分間の滞在予定)

もし15時06分に秘境駅へ到着する列車に間に合わなかったら、次の列車で行ってもその日は帰りの列車がありません。(>_<)
豊浦の道の駅でトイレ休憩を取り、車の中でひとり作戦会議。
時間は朝7時過ぎ。
時刻表を見ながらルート変更を決定。
まず最初に秘境駅に立ち寄る逆回りのルートならまだ余裕があります。
(本当にこの選択が正しかったのか...。)
礼文駅 0825 発
↓
小幌駅 0833 着
<43分滞在>
小幌駅 0916 発
↓
礼文駅 0929 着
駅のCPを取りながら礼文駅に向かいます。

7時40分くらいに礼文駅に到着。
ちょっと早すぎたか。(笑)
礼文駅周辺にはお店は無く、コンビニ等もかなり離れてます。
手前で何か食料を買い込んでくれば良かったか。
まあ、9時半には戻ってくるから、その後で何か買えばいいか。
(これがあとあと大きな失敗に…)
ホームに入るとすぐに反対方向へ特急が通過。
持ってきた時刻表で確認すると、どうやらスーパー北斗1号らしい。
定刻通過ですかね。
日が出ていてぽかぽか暖かいので、ホームの地べたに座って8時25分の列車を待ちます。
(ホームにはイスは無し、待合室は日が当たらないので寒い)
が〜っ!……
予定の時刻を過ぎても列車が来ません!
10分くらい過ぎたので、(礼文駅は無人なので)長万部駅に電話してみると、どうやら長万部駅の近くで電気系統の故障があって全列車停止していて、まだ復旧の見通しはない…と。
(ToT)
そのうち、保線作業員の方がやって来ました。

ホームに座りこんでいる私を見て、どこかに連絡して確認してくれました。
さすが本職、ダイヤグラムを見せていただきながら、自分の乗る列車は二つ手前の豊浦駅に止まっていて、そのあとに特急が2本待機状態。
まだ原因調査中で復旧の見通しはないが、復旧しても特急2本を先に通すので普通列車が来るのはかなりあとになるとの事。
そのあと、線路の幅とかを点検して帰っていきました。(事故とは関係ないみたい)
さてどうしよう。
諦めて先に進むか、このまま待つか。
・・・まあ、次にいつ来れるのかわからないしもう少し待つことにしました。
逐次スマホで状況を確認すると、10時過ぎ位には動きだしたようですが、まだ自分の乗る列車がいつ来るのかわかりません。
そのうち、特急が2本通過し11時11分、予定より2時間46分遅れで普通列車が到着。
いよいよ秘境駅に向かいます。
礼文駅〜礼文華トンネル
礼文華トンネル〜小幌駅
(動画は長いので、鉄道マニア以外の方は見なくていいと思います)
そして、秘境駅
「小幌」に到着。
え? そもそも何でこんな所に来たかって?
実は去年の夏、北海道のローカル局鉄道番組
「 探検!秘境駅 ~超maniac travel guide~ 」の特番で紹介されて、解説の
六角精児さんが
「秘境中の秘境」と言っていて、一度行ってみたいと思っていたのですが、先日、
みん友のこうと♪さんのブログを見て、「よし行くぞっ!」って気になり、いつ行こうかと思っていたんです。

下り、 礼文駅方向「礼文華トンネル」

上り、 静狩駅方向「新辺加牛トンネル」
小幌駅は、無人駅(昔は駅舎があって駅員もいたらしい)で周囲に民家はありません。
駅の左右はすぐトンネルで、北側は崖ではるか上方に国道があり、南側は急な斜面を降りて海、この駅へ直接通じる道路はありません。
(トンネルの手前に信号がありますが、現在はこの保守点検用に残された駅のようです)
なので、この駅に来るためには山を越えて徒歩で来るか列車で来るしかありません。
ここが秘境中の秘境と言われる由縁なのです。
(海から船で来る強者もいるらしいてすが)
駅周囲に建物がいくつかありますが、駅舎は無く保線作業の資材倉庫のようでした。
(鍵がかかって入れません)

これはトイレ?

どうやら有志の方が作ったノートと周辺の観光案内が置かれていました。
結構遠くから来ている人も多いです。

(もし無事帰れなかったら、これが最後のメッセージとなります。)
思っていたよりも、両脇のトンネルが近くて駅が非常に狭いのと、雪解けの時期だからなのか、上の沢から駅の真下を流れる川の音がうるさく(秘境=静かなイメージだった)、トンネルの奥から聞こえるはずの列車接近ブザー音がよく聞こえない程である。
あっ、ちなみにドコモの3Gは電波がありましたが、ソフトバンク3Gは全く繋がりませんでした。
(アンテナは4,5本立ってますが、「ネットワークに繋がりません」とエラーになります。仕方ないのでドコモスマホでテザリングで繋いでます)
さて、ここへ来たまでは良しとして、帰りの列車がいつ来るのかまだわかりません。
お腹すいたなぁ。
食べる物持って来てないし…。
周囲を散策しながら帰りの列車を待ちます。
待ちます、ひたすら待ちます。

通過列車を何度も見送り、心細くなりながら、約4時間後の15時14分、

ついに来た〜っ!

何とか無事、礼文駅に戻って来ました。
熊の餌にならずに済んで良かった〜。
かなり長くなったので、残りは後編へ続く。
<考察>
ハイドラで駅CPを取る場合、列車に乗って通過するパターンもあると思います。
ただ小幌駅は両脇のトンネル間が短く、特急だとおそらく2,3秒で通過してしまう(トンネル内はほぼ圏外、GPSも測位せず)ので極めて難しいと思われます。
各駅停車の列車でここで一旦停車するか、興味のある方はこの駅へ降り立つしか方法はないようです。