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2014年01月25日 イイね!

インジェクタはえらい

インジェクタはえらい












スミマセン、最近内田樹が面白くてどうもね。昨今の思想家においては非常に客観視の出来る人だな、と、個人的には思っています。


CL1といえばなんだかSRⅡをキモくしたような純正のレカロ(コレ↑)なんですが、純正とはいえレカロはレカロです。侮れません。全く腰にダメージがないためついつい週末は長時間ドライブしてしまいます。おかげさまで月曜日になってから腰が破壊されていることに気づき昨日まで寝たきりを余儀なくされたH-TECです。どうも。


今回、本当はこの
クラストップレベルの出力性能と環境性能を両立した直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」を新開発


昨年末に発表されたホンダの新エンジンの話をしたかったんですけど、あーだこーだと帰着する到達点が見当たらないのと、何をアジェンダとして論じるべきかがわからなくなってきたのでやめます。笑 
逆にこれってどーなのよって話がある人がいたら書いてほしいなと。

んで、今回も相変わらず大した意味のない、そんなに長くない(予定の)お話で。


直噴直噴って、最近じゃ全く珍しくなくなりましたけど、私がエンジン学び始めた頃は直噴ってすげーなってイメージでした。
一般的に理論空燃費といえば1:15と言われていますが、希薄燃料(リーンバーン)においては1:60とかで燃焼してるんですよね。最近のリーンバーンがどのくらいなのかはよく知りませんが…。

それもこれも、全てはスワール制御やら噴射制御やらっていうシステムが非常に発達してきたおかげなのですが、そもそもなんでリーンバーンでの燃焼が可能なんだってばよ?っていう基本的な理論、おさらいしてみたいと思います。そして私が声を大にして言いたいこと、述べたいと思います。


まず前述のとおり理論空燃費というのは1:15と言われていますが、あくまでもこれは燃焼が均一燃焼された場合の話です。実際のシリンダ内ではプラグが着火してから火炎伝播するまでのタイムラグがあるわけで、初爆から伝播までの間には燃え切らない燃料がかなりの量残っています。
そうすると、ピストンの速度が上がれば上がるほど燃料の無駄(=生ガスの排気)は大きくなりますよね。そこで吸気量を増やして充填圧と流速を高めるのがバルブオーバーラップという概念。VTECの根本はここにありますね。
しかし、いくら吸入量を変えたとて、混合気を均質化してから吸気してる以上火炎の伝播速度が変わらなければ燃えない燃料は必ず出てくる。さらに充填効率が上がれば上がるほど筒内の圧力や温度は上昇するので、プレイグニッションしやすくなる。さすがにそこまではオーバーラップ機構だけじゃ管理できないよね。って話になってきます。

この問題を解決しようと思うと主に、①火炎が最初に出来上がる部分で重点的に爆発させる。そして、②燃焼後の筒内温度をできるだけ下げる。というテーマが浮かび上がってきます。

そこでまず考え出されたのが、ピストンに穴を開けて強制的にスワール流を作り出し、そこだけに混合気を充填させるという機構。いっときはてっぺんが妙な形状のピストンがたくさん開発された時期もありましたね。しかし後にこれはリーンバーンという概念を世に大きく提唱した機構でもあります。(違ったかも…)

さらに研究は進み、今度はインジェクタの噴射能力およびシステムを見直すことで、燃料の希薄化、またさらに緻密な燃料制御が図られるようになります。何を隠そうH22Aエンジンもその過渡を経てきたということは@HONDAISMせんせーのブログを読んでいただいてもわかります。

さて、エンジンがこれらの要素を兼ね備える時代になり、燃焼の制御というものは、アイドル時はリーンバーン、高回転時は高充填高濃度噴射といったように、回転域と負荷域に応じてさまざまな燃焼方法が組み合わされるようになりました。

しかし低燃費化への飽くなき探究はまだまだ続きます。より燃焼効率を上げるには、もっと燃料の噴射圧力を高め、もっと火炎伝播のロスを減らさねばなりません。
それにはできるだけ噴射時間を切り詰め、なおかつ大容量での噴射が求められます。


時は少し前、ディーゼルエンジンでも似たような開発がなされていました。ディーゼルを勉強した人ならおわかりかと思いますが、ディーゼルエンジンにおいても燃料の噴射遅れというのはノッキングを起こす要因となったりします。さらに引火点の低い軽油は、圧縮と筒内温度の管理というものが非常にシビアだったりもします。
引火点の関係上、筒内噴射という概念が早くからあったディーゼルにおいては、「いかに圧縮圧を上げられるか。」言い換えると「燃焼室圧力に耐えうるインジェクタを開発できるか。」というのが課題となっていたのです。

そこで開発されたのがコモンレールです。

まあ、そもそもインジェクションポンプという機構自体化石のようなものですからコモンレールもそう珍しい技術ではないのですが、この開発はクリーンディーゼルが世を席巻する大きな足掛かりとなったのです。


さて、ガソリンエンジンの話に戻ります。もう結論は明白なんですが先にも述べたように、より素早く大容量で噴射するには要するに筒内噴射が一番の近道だ。と、エンジン屋さんは気づいていたわけですね。
しかしどうして、電磁ソレノイドを備えた大掛かりなインジェクタをプラグの隣にぶっ込むというのもなかなか簡単な話ではありません。まして「これまで散々吸排気ポートの形状を研究したし狭角バルブとか作ったし、いまどきDOHCも複雑な機構になってきてるし、そんなの入らないよ!」と技術者たちは泣きます。

そんな折にカールスラントのエンジン屋さんは気づきます。

「カムシャフトとか邪魔だし、やめよう。」と。

そんなこんなが(?)あって開発されたのがバルブトロニックってわけです。ドイツ人、嘘つかないね。

まあ…バルブトロニックの是非についてはさておいて(あれはあれで結構問題があったりするので…)時代は過ぎ、かつてあれほどエンジン屋を悩ませていたインジェクタもようやく小型化できるようになりました。

そんなこんなの苦節を乗り越えて、直噴エンジンというのはやっと世の中に生み出されたわけですね。随分概観してますけども。


というわけで、ここ数年のエンジン開発、特に燃費競争における技術競争において、ハイパワーでコンパクトなインジェクタがいかに大きな役割を成しているか、つまり、インジェクタの開発を語らずして燃費競争は語れない。というのが私の持論であります。インジェクタは偉いんです。


整備の勉強をしていたころは「クルマ」という全体像から俯瞰することが多く、むしろそうしないと解決できない故障探求なんかもあるわけですが、製造業に就いて様々な開発に鑑みてみると、こういったパーツひとつひとつをクローズアップして「すごいなあ…。」とか、思うようになった気がします。

だから、

だからさ…

モーターショー行きたかったんだよう…

メーカーじゃなくてパーツ屋さんが見たかったんだよ…。マーレジャパンからウチの部品とか出展してたはずなのに…。


次回こそは、モーターショーもオートサロンも計画して行こう。


えっと最後に…コレはあくまで私の弱小メモリな脳内のキヲクを引っ張り出して理論を書いてます。「違うよ!」というご指摘は随時受け付けておりますので悪しからず…。

ではもいもい。
Posted at 2014/01/25 23:52:02 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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「愛車紹介アップしましたー。もうちょっとちゃんとした写真撮ったりパーツ組み込んだりしてアップデートしたいですが。」
何シテル?   01/23 12:06
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