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H-TECのブログ一覧

2013年12月18日 イイね!

サイレントマイノリティ

サイレントマイノリティ










「…不愉快です。」



いい例えが思いつかずマフラーの話をまともに書きあぐねています。
どうも。
EKにもこんな時代がありました。榛名湖ですね。




アコードに乗り換える。と言ったとき、同期のクルマ乗りから

「え、なんでH-TECさんアコード?」

と言われてみたり

後輩から

「S2000という選択肢はなかったのか。」

とか言われたりしまして、なんだか溜飲が下がらないというかいろいろと引っかかってまして、今日はその幻想をぶち壊す!べく(?)、同期の車両たちといろいろなデータ比較してみたいと思います。

まず、目下同期たちの車両ですが、排気量の順に
・"オレンジの衝撃" GTO E-Z16A  (1990~)
・"グンマーのアコ"  Accord euroR CL1 (2000~)
・"鉄仮面くん"  SKYLINE RS Turbo DR-30  (1983~)
・"大日本帝国軍車両"  180SX E-RPS13 (1994~)
・"7代目ボンドカー"  Roadstar GH-NB6C (2002~)
・"ちびっくさん"  CIVIC E-EK4 (1995~)

クオテーションは仲間内での通称です。
ってことで、とりあえず私のEKも入れておきます。あと、R30スカイラインはちょっといろいろジャンル違いだから比較にならないかもだけど…。


さて、まず車重勝負
スペック重視ということで軽い順でいきますか。


1位 ボンドカー  1050kg
2位 ちびっく      1080kg
3位 鉄仮面       1195kg
4位 帝国軍       1210kg
5位 アコ            1330kg
6位 オレンジ     1730kg


これは完全にボンドカー勝利ですね。頭D的理論でいくと完全にダウンヒルのスペシャリストです。
でもいま考えてみるとさりげなく軽量化を進めていたEKも軽かったなーと。そして、あろうことか旧車の鉄仮面にCL1が負けているってのはちょっといただけない。ま、相手クーペなんだけど。(GTOは知らない。)
ちなみに、FD2の車重が1270㎏。60kgのダイエットで対等に並ぶんだけど、トルクはこっちが上で馬力は向こうが上。排気量差の範囲だけど、ここでどこまで勝負できるかってのが一応自分の中での指標ですね。


次、馬力勝負

1位 オレンジ    280ps/6000rpm
2位 アコード     220ps/7200rpm
3位 帝国          205ps/6000rpm
4位 鉄仮面      190ps/6400rpm
5位 ちびっく     170ps/7800rpm
6位 ボンドカー 125ps/6500rpm

おや、これは車重勝負がまるっきりひっくり返ったようです。ということはパワーウエイトレシオはみんな似たようなもんなのか。(GTO圧倒的に重いけどね。)
ターボはともかくとしても軒並み6000rpm付近で馬力が出てるんだけど、ホンダ勢だけ7000rpmオーバー。笑 やっぱり高回転主義は譲れないのよね。
ちなみに、ターボ勢は燃調やらブーコンやらで馬力を上げてるっぽいのでデータ値とは異なるかもしれません。アコードもハイコンプ仕様にするしかないかな…。


続いてトルク勝負

1位 オレンジ   42.5kg/2500rpm
2位 帝国軍     28.0kg/4000rpm
3位 鉄仮面     25.0kg/4400rpm
4位 アコード    22.0kg/6700rpm
5位 EK     16.0kg/7300rpm
6位 ボンド       14.5kg/5000rpm

やはりターボ勢は中回転域でトルクが出るエンジン特性。意外にもロードスターのB6エンジンは中回転でトルクが出てます。山で扱いやすいというのはこの辺にヒントがあるのかな?
そして相変わらずホンダ勢は勝負するステージがおかしいですね。高回転主義者の銘は伊達じゃないことを証明しています。(GTOはスペックだけ見てると本当にスポーツカーなのかどうか怪しい。)


次はちょっと趣向を変えてエンジンの特性比較にしてみましょうか。

Z16A
エンジン型式 6G72(ツインターボ・ツインインタークーラ)
最高出力 280ps(206kW)/6000rpm
最大トルク 42.5kg・m(416.8N・m)/2500rpm
種類 V型6気筒DOHC24バルブICツインターボ
総排気量 2972cc
内径×行程 91.1mm×76.0mm
圧縮比 8.0
過給機 IC付きツインターボ
燃料供給装置 ECI-MULTI(電子制御燃料噴射)
燃料タンク容量 75リットル
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン

CL1
エンジン型式 H22A
最高出力 220ps(162kW)/7200rpm
最大トルク 22.5kg・m(221N・m)/6700rpm
種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量 2156cc
内径×行程 87.0mm×90.7mm
圧縮比 11.0
過給機 なし
燃料供給装置 電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
燃料タンク容量 60リットル
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン

R30
総排気量(cc)1990
内径×行程(mm)89×80
圧縮比8.5
最高出力(ps/rpm)150/6000
最大トルク(kg-m/rpm)18.5/480

RPS13
エンジン型式 SR20DET
最高出力 205ps(151kW)/6000rpm
最大トルク 28.0kg・m(274.6N・m)/4000rpm
種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブICターボ
総排気量 1998cc
内径×行程 86.0mm×86.0mm
圧縮比 8.5
過給機 IC付きターボ
燃料供給装置 ニッサンEGI(ECCS)電子制御燃料噴射装置
燃料タンク容量 60リットル
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン

EK4
エンジン型式 B16A
最高出力 170ps(125kW)/7800rpm
最大トルク 16.0kg・m(156.9N・m)/7300rpm
種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量 1595cc
内径×行程 81.0mm×77.4mm
圧縮比 10.4
過給機 なし
燃料供給装置 電子燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
燃料タンク容量 45リットル
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン

NB6C
エンジン型式 B6-ZE[RS]
最高出力 125ps(92kW)/6500rpm
最大トルク 14.5kg・m(142N・m)/5000rpm
種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量 1597cc
内径×行程 78.0mm×83.6mm
圧縮比 9.4
過給機 なし
燃料供給装置 電子制御燃料噴射式
燃料タンク容量 48リットル
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン


こうやって見ると意外にもH22AとB6がロングストロークなんですね。そしてSRエンジンはスクエアストロークだったのか。
圧縮比はCL1がべらぼう高いです。当然ロングストロークってのもあるし、ホンダさんちお得意のNA戦法って感じですよね。このへんから察するとH22Aは端からVTECキラー仕込んで高回転で勝負するつもりで作ったエンジンだったのかなあなんて思っちゃったりもします。

さて次は…ギア比の比較でも入れてみようと思ったんですが、これはあんまりデータ的に面白くなかったし、第一駆動方式も違うのでやめます。


では最後、ホイールベース勝負

1位 アコード     2665mm
2位 ちびっく     2620mm
3位 鉄仮面      2615mm
4位 帝国車両  2475mm
5位 オレンジ    2470mm
6位 ボンドカー 2265mm

…ハイそうです。私が歴代KMS一ホイールベースの長い車に乗っています。(まだ引きずってる)

いやさ、私唯一のFFだからさ、コーナーなんてブレーキングと気合いさ気合い…。
それにタイヤサイズ小さいしさ、NAだしさ、トルク細いんだから回転ノってからが勝負だしさ…。
荷重移動でどうとでもなるのさ…。

でもこうやって見ると、意外と180SXよりもGTOが短いので決してGTOに負けたことを恥じるべきではないと確信しました。(キリッ


まあね、こっからは持論なんですけど…

4ドアだからなんぼのもんじゃい
って話なんですよ。
そりゃ確かに、ステージによっちゃEKのほうが速いし、ノーマルスペックならS2000のほうが数ランク上だとも思います。
でもさ、実際筑波走ってインプとかランエボとか速いじゃん?(まあちょっと運動性能違いすぎるんだけどさ)
じゃあFD2とかどうなのよ。BMWとかプジョーとかどうなのよ。セダンじゃん。っていう議論もあって。

何が言いたいかっていうと、
私としては見るからに速いクルマをドヤ顔で転がすのはあんまり趣味じゃないのです。

「え、何、大衆車じゃん…。」

と、人に思われると中の人的にはニヤニヤしちゃったりするんですよ。
で、そう思わせといてFD2やS2000をちょろっと追っかけちゃうようなクルマに仕上がったらいいなあ。なんて、夢もあったりします。

世界に目を向けてみれば、ルノーにしろアルファロメオにしろ、隠れた名車ってのはたくさんいます。その中には一見大衆車のくせに実はニュルでかっとんでるクルマだっていたりするのです。

そんなね、マイノリティへの飽くなき探究みたいなものが物心ついたころから人生の根底に流れてるような気がするんです。だから、B18Cじゃなくて、K20Aじゃなくて、F20Cでもない、H22Aなんです。
もちろんこれから先、やっぱりK20Aも乗っとくべきかなあって思って乗り換えるってこともあると思うんです。でも、それはB16Aに乗って、H22Aに乗ってからの自分じゃないといけないみたいな、そんなセオリーがどこかにあるんです。ホンダ好きとして。


だから、Everything happens for reasons. すべての出来事は必然のうちに。そうやって理由を見つけてクルマに乗っていくことが楽しいんです。


…で、マフラーのはなしを早く書きたいんだけどその前に本日届くべき例のパーツが届いてしまったためやるべき作業ができてしまいました。
なので、また気が向いたら書きます。年末までは忙しそうだから、冬休みになっちゃうかもなあ。


そろそろロンドンに帰りたいけど、フィンランドにも行きたい。
もいもい。
Posted at 2013/12/18 23:49:36 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2013年12月15日 イイね!

制服にマフラーって、いいよね。

制服にマフラーって、いいよね。









ちょっとやることが多いのにこなせていない感甚だしい師走の今日この頃。
どうも、H-TECです。


さて、パーツレビューのほうにも書きましたがこの数週間というものエキマニ・マフラー取り付けというわりかし素人な整備に、かくも格闘することになるとは思ってもおらず自分でも驚いています。
そのうえ、今回の件で大変みんカラとみん友の皆さんに助けられたというハートウォーミングな体験も感謝の意を込めて綴りたいと思いました。

つーわけで、本日のテーマは今回のエキマニ・マフラー交換にまつわる格闘物語と、それにまつわる数奇なお話ついて書いてみます。


「半年はノーマルで乗るよ。」そう公言しましたので一応は約半年(?)エンジン系に手を付けずにきましたが、やっぱりどうしても吸排気のレスポンスがなあ…と、乗っているうちに見えてきたので今回はまず排気から手をつけることにしました。

で、エキマニ・マフラーチョイスのうえで考量される要素としては
・全体のレスポンス向上
・VTEC手前での糞詰まり解消
・2本出し(格好いいから)
・音(性能関係ない。)

正直なところ、EKのレスポンスを知っているとCL1の"もっさり感"は結構ストレスだったりします。そのぶん、下のトルクが太いってのは事実なんですが。

かといって、EKほど過激に高回転に振るのも正直街乗りがめんどくさいしなあ。さらに、いい加減オトナの事情で直管ライクなマフラーとも言ってられないしなあ。
それに、はったりツインテールだけど1本出しにしたら下のトルクも犠牲になるし、何よりユーロなカンジの見た目は犠牲にしたくないしってことで、ツインテールは譲れませんでした。


そんなこんなで(端折りますが)決まったプランがエキマニ、マフラーともに無限フジツボの二択となりました。
まあ、どちらも最終的に判断する材料になったのはコストなんですが、マフラーに関しては個人的な音の好みと見た目の好みです。純正ぽくテールがスラッシュカットになってて、滑らかな音が欲しかったってだけです。


そんなわけで早速エキマニ購入。
某オクは便利ですね。程度良好品を新品2割安くらいでゲット。サクッと付けちゃうよー。と思っていたのですが…

アレ…

外れん?

いや、エキマニなんてさ、ナット外してガバっと取るだけじゃん?

そんなのは、しょっちゅう分組してる作業用車両とかレース車両の話です。これだから現場を知らない整備士はダメですね。と、自己嫌悪に。

諦めてスーパーオートバックス持って行きました。最初からそうすればよかったんだ。

そんなこんながありましてエキマニの件は一段落。エキマニの効果やその他についてはパーツレビューに詳しく載せましたのでそちらを。




さて、エキマニの効果を体感したかったため敢えてマフラーノーマルのままエキマニを換えたんですが、特性がわかってくるとやっぱりマフラー抜けたほうがいいよなあ。と思えてくるもので、予定通りフジツボのLegalisRを購入へ。

ここでまた私の個人的なわがままが発動するのですが、レガリスが静かなマフラーであることは各レビューによって調査済み。しかし、新品買ったらそれこそ消音材もバッチリ残ってて静かなんだろうなあ…つまらんなあ…。だったら、中古品でちょっと抜けてたほうが個人的には好みなんじゃないのかなあ。なんて思ってしまって、「敢えて中古の」マフラーを探しました。

しかし、さすがは人気商品だけあって某オクをもってしても無限マフラーを凌ぐ競争率。出品されてもなかなか落札できずに数週間。

そんな折にほどよく使用してありそうなマフラーを格安でゲット。
評価等を調べるために出品者様の落札一覧を眺めていると、何やらとても熱心なアコ乗りのご様子。
うーん、これはもしや、みんカラにいるのでわ…?

私のスネーク体質がついPCに手を伸ばしてしまい、何やらそれらしきユーザーを発見してしまったのをきっかけに仲良くさせていただいたのが@KuRIさんで、購入(笑)と書いた理由です。世界は狭いですね。お世話になっております。


さてさて、マフラー交換こそ楽勝な作業でしょう。と思ってサクッと片付けるつもり(2回目)でしたが、いま思えばこのサクッとこそが死亡フラグでした。

うーん、外れん。

外れないならまだしも、ボルトがなんか朽ちている…。
これは重症です。

困ったときのSAへと駆け込んだ(2回目)わけですが、これまたどうしてSA前橋のピットクルーも困った様子。何やらと聞いてみると、どうやら朽ちたナットの頭が綺麗に削れて12.5mmとかいう意味わかんないサイズになってるご様子。ナットプライヤで回しても多分スタッドボルトもろとも飛びますよ。というテンパイな宣言を告げられました。
これに似た状況がKurofune_EK4さんの奮闘記にあるので写真付きで見るとわかりやすいと思います。

提示された選択肢としては①触媒ごと下ろして交換(触媒購入)②ナット&ボルトをサンダーで飛ばして新しくボルト立て直し
さてどうしたもんか。

ボルトを立て直すのは堅実な手段の気もするけど、そこまでの整備をオートバックスに頼むのもなあ…と思ったのと、腹をくくって自分でやるだけの時間がないっていうのでちょっとネガティブ。

かと言って触媒を購入するにしてもCL1の純正なんてそう出てきません。まして、高いし。
藁にもすがる思いでみんカラのアコトルスレにて募集をかけたところ、なんと提供者が現れましてあっさり譲っていただくことに。以降仲良くさせていただいてますのが@無双さんです。お世話になっております。世界は狭いです。


そんなわけで駆け込み寺SA前橋に駆け込むこと3回目。
やっとこさ交換に至りました。今考えると触媒手に入れた時点で自分でも出来たんじゃないかと思いますが、まあいいや。
結局外した純正マフラーは触媒-センターパイプ-テールパイプのいずれの結合部分も外れず、インパクトかけてもダメだとのことだったので処分していただきました。そりゃあ11年付けっぱなしだったんだもんね。お疲れ様でした。

で、レガリスを入れてみての所感。
性能的には非常にエンジン特性に素直な印象。よくマフラーを替えると、「ある回転域帯においてはレスポンスがよくなって、代わりに犠牲になった回転域が生まれる」ってことがありますがそういうのは一切無い印象です。効率化でもう少し高回転寄りになるかなあと思っていたのですが、そんなこともない様子。エキマニでしっかり太らせた中速トルクをそのまま引き出しています。詳しい話はこれまたパーツレビューのほうで。


そしてやはり狙った通り「新品ほど静かすぎないけど直管ライクなほどうるさくはない」私好みの音量、音質です。正直な話、EKのほうでも音質には結構拘ってて、よくフルストレートのマフラーが出してるようなバリバリした音じゃなくて、管楽器みたいな滑らかな音がいいなあ。というのが好みなんですがレガリスもその類のマフラーだと思います。これは音楽的な理屈で考えると「出口に向かって径が大きくなる」といい音になるっていう原理です。(振動波やパルス云々の話はちょっと分野違いなので省きますが。)ラッパの形状を想像していただければわかりやすいですね。

そんなわけで、無事排気系チューニング完了。まあ、サーキット等で必要が生じれば5ZIGENのBORDERあたりも考えなくはないんですが、とりあえずのところはこれで修行を積みたいと思います。



しかしまったく…


いやあ…長かった!

エキマニとマフラーのためだけにこれだけのドキュメンタリーが生まれるとは正直思ってもみませんでした。純正で乗り続けるってのも恐ろしいことですね。改めて驚きました。
加えて、なかなかパーツの出てこないCL1界において譲ってくださったKuRiさん、無双さん、意見交換に付き合ってくれたKurofune_EK4さんに改めて感謝です。今回の件でみんカラやっててよかったと非常に感じました。これからもよろしくです。


さて、いつぞやに書いたベルヌーイの定理の話、マフラーの原理と特性を絡めて少し書いてみようと思っていますが、それは次回の記事で。
Posted at 2013/12/15 01:49:21 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2013年12月12日 イイね!

オイルソースを極めたいんです。私、気になります。

オイルソースを極めたいんです。私、気になります。









にゃんぱす。
オイルソースの決め手は、オリーブオイルと茹で汁のエマルジョン化です。
にんにくは少々が調子いい、H-TECです。どうも。


材料がなければ仕事はできません。そんな短絡的な理由で明日は今年最後の有給休暇もらったので少し筆を持ってみることに。自由な社風に感謝。

EK4からCL1に乗り換えて、オイル交換の時期になって初めて気づいたんですが純正オイル指定ってMILD(10W-30)なんですね。で、みなさんの意見聞いてるとどうも5W-40が多数派な意見。

EKと同じVTECなのにどうして違うのかなーとかっていう持論から、じゃあ最近流行りの低燃費0W-20とかってホントにエンジンにいいの?とかって話を絡めながら駄文長くなること必至なのですが、またまたモノ好きの方がいれば少々お付き合いください。



オイルに求められる役割っていくつかあるんですが、主なものを上げると減摩作用、冷却作用、緩衝作用、密封作用、防錆作用、清浄作用があります。とりわけこの中から一般的に関心の高い項目を選ぶなら、減摩作用、密封作用、清浄作用あたりですかね。この辺がいわゆる「フィーリング」とか、「吹け上がりの良さ」とか「燃費向上」に直結してくるからですね。

じゃあ実際のところ何がどうなったらフィーリングやら燃費が変わるんだってばよ!っていう話ですが、ま、簡単に言うと流体の粘度って抵抗ですよね。とりわけ上記の密封作用が大きくなればなるほど、抵抗が大きくなる。水を入れた注射器とハチミツを入れた注射器の重さの違いが想像できればOKです。ここまでは常識のおはなし。


こっからがホンダエンジンに関するおはなしです。(たいしたことないけど)

排気量あたりの馬力も圧縮比もそーんなに変わらないエンジンなのになぜB16AとH22Aでオイルがかわってくるのか。

おそらくですが、これはシリンダとピストンの特性に依存する部分ではないかと推察します。
ここで少しB16AとH22Aの内燃機諸元を比較してみたいと思います。

エンジン型式 H22A
種類 直列4気筒DOHC 16V
排気量 2156cc
ボア(内径) 87.0mm
ストローク(行程) 90.7mm
ボアストローク比 1.04
圧縮比 11.0











エンジン型式 B16A
種類 直列4気筒DOHC 16V
排気量 1595cc
ボア(内径) 81.0mm
ストローク(行程) 77.4mm
ボアストローク比 0.96
圧縮比 10.2











よく、「ロングストローク」だとか「ショートストローク」だとかって言いますが、上記のボア:ストロークボア<ストロークとなるものがロングストローク、逆にボア>ストロークとなるものがショートストロークということになります。これが1:1に近づいてくると、スクエアストロークなんて呼ばれたりしますね。ここまでは大丈夫でしょう。

というわけでデータをもとに定義すると、H22Aはロングストローク、B16Aはショートストロークということになります。

さて、この違いは当然エンジンの出力特性にも大きな影響を及ぼすわけですが(今日はその話は置いときますが)、これがオイル性能とどう関係するのかっていうことですね。

まずはストローク量の話からいきたいと思いますが、表を見るとH22Aが90.7mm、B16Aが77.4mmつまり、一行程あたり13.3mmの行程差があります。仮に二つのエンジンを1000回転で回したとき、二つのエンジンのストローク差は13,300mm(=13.3m)にも及ぶことになります。
一度の爆発でストロークの差がこれだけ生まれているわけですから、当然理論上H22Aの方がトルクが大きいエンジンと言えると思いますが、同時にエンジン内のしゅう動距離もそれだけ大きいということになります。直線のしゅう動距離の差ががそれだけある上にボアも大きいわけですから、しゅう動面積比となると2πr×ストロークの面積比となってきます。

さらに、このデータだけではわかりませんが、H22Aのエンジンサイズや写真などを見た限りでは恐らくH22Aのコンロッド長はB16Aのそれとさほど変わらないと思われます。となると、ストローク量が多い分連かん比が下がり、ピストンがシリンダを横方向に打撃する力が強くなります。

この事実が何を意味するかというと、まったくの同回転数で二つのエンジンを回したとき、H22Aのほうがピストンとシリンダの摩擦し合う時間が長いうえに摩擦力も強いということになります。

ここまでくると結論が見えてきますね。そう、H22Aのほうがより油膜性能が高く、なおかつ打撃から保護する性能が高いオイルが求められる。ということです。
そうすると上記にあった密封作用緩衝作用の高いオイルが必要になってきます。
油脂の専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、当然SAEグレードの高いオイルのほうが粘度が高いわけですから、油膜の力も強く、衝撃を吸収する力も大きいと言えると思います。

これがEK4とCL1のオイル粘度の違いの理由だと、個人的に推察します。


もちろんね、この論争にはいろんな落としどころがあって、例えばレース車両なんか1レースでオイル全量抜いたりピストンの精度出し直したりするよ。って話になってくれば、モストプライオリティはフリクションロスの低減や、カーボン、スラッジを極力かき落としてやるってところになってくるので一概に上記の理論が通るわけではありません。
私が学生のときは、学校のレース部がEG6でレースに出て、1レース限りのカリカリチューンだったB16Aをとにかくブン回すために0W-20を入れた…なんて話も聞いたことがあります。



さて、一通りを踏まえたうえで2つ目のテーマ、最近軒並み量販店で人気の低燃費オイル(0W-20とか)ですが、アレは本当に入れていいのかい?という話です。
結構どこも大きく売り出しているので、個人的には本当に大丈夫なのかなあと疑問に思っていたのですが、どうやらあれはオイルや自動車各メーカーの策略ってものが絡んでいるようです。

端的に言うと、粘度の低いオイルを入れて燃費走行をすれば確実に燃費は良くなります。最初に述べたようにオイルというのは基本的に抵抗ですから、抵抗がなければエンジンの能力をロスせずに引き出してやれる。という簡単なおはなしです。
メーカーはどうやらユーザーの燃費記録をモニタリングしているらしく、そのデータを取るためには低燃費オイルを推奨するようにしているかもしれない。という情報を少し聞いたことがあります。(真偽は知りませんが。)となると、当然数字に表れる低粘度オイルを勧めてくることになるでしょう。

でも、粘度の低いオイルを長期に渡って使用するとどうなるか。もうだいたいわかる話なんですが、減摩作用、緩衝作用、密封作用、洗浄作用、このあたりがどれも低下してきてしまうことになります。となれば、シリンダとピストンの引っかきによるダメージは増えますし、機密低下による混合気抜け(クランク下へのガソリン落ち)、さらに洗浄作用低下によるカーボン・スラッジの堆積…どれもエンジンに致命傷を与えかねないファクターです。

うーん、ここまで見てみると、一概にどっちがいいとも言えんなあ…と思いますが、正直なところ長く乗りたいクルマなら、目先の燃費にとらわれずに適正オイルを入れたほうがいいのかも。なんて思います。もちろん最近のミラーサイクルエンジンやそれに類する低圧縮高膨張エンジンなんかはトルクピークも低いと思うのでメーカー推奨が0W-20ならそれでいいと思うんですが、一般のオットーサイクルエンジンなんかはやっぱり5W-30あたりが普通かと思います。


最後に個人的な意見ですが、オイルってそのもの特性がそのままアクセルフィールに反映されやすい要素の一つだと思うんです。フリクションロスの少ないオイルを入れれば当然吹け上がりは良くなる。でも反面気密性は?出力は落ちてない?とか、メリットとデメリットは必ず表裏一体でついてくるものです。だから、そのフィーリングの裏に隠された事実はいかなるものか。そんなところを見極めてくのがカーライフ上級者なのかなと。

ま、そこまで試したこともそんなにないんですけどね。

前回はボディ、駆動関係の話だったので今回はエンジンの話で。
仕事がないと夜更しが過ぎますね。それでは。


※2013/12/15 追記

よーく考えてみたんですが、上記の計算にひとつ簡単な間違いがありました。1回転あたり2行程ですので、しゅう動距離差は×2となり26,600mm(=26.6m)ですね。
ま、もっとも同回転数までの到達時間はストロークが大きくなればなるほど遅くなるので同回転という前提自体がすこしロジック的すぎるんですが。

もしかすると、これだけロングストロークなのに高回転も両立させるというH22Aの特性が、H22Aユーザ間でも有名なオイル食いにつながる部分もあるのかもしれませんね。
Posted at 2013/12/12 01:32:24 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記

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