
アカイGX-77 BL(ブラック)は自分にとって2台目のオープンリールデッキでした。
1台目はソニーTC-6360Aという機種ですが、両方とも7号リールの4トラックでオープンリールデッキとしては小さい方のものです。ふたつの基本的な違いはソニーがワンウェイ、つまり片道走行でアカイはオートリバース機です。しかも反転速度が0.4秒と非常に早いのでほとんど音切れがない優れたメカを持っています。それと、タイマー録音に対応しているのでテープスピードを9.5cm/sにして740テープを使うと片道1時間、往復2時間の長時間録音が可能でした。これは当時性能がグングン上がって主流になりつつあったカセットテープ、カセットデッキの組み合わせにはできない芸当でした。(その上音質も上)
また、オープンリールテープにもまだ進化の余地があってその頃出たEEテープという高性能テープにも対応する最新メカを持っていました。クルマで例えればコンパクトなボディにパワフルなエンジンを載せたモデルの感じです。
アカイGX-77はそれらの長所に加えて横幅が440mmと、アンプやチューナーと同等のサイズでオーディオラックに収まるのでスペースをとらない点でもとても優れていました。ただ少し前の1977年にはパイオニアからも同じようなサイズのオープンリールデッキが出ていたので比較した上でアカイに決めました。
パイオニアのものもずっと気にはなっていましたが、ソニーのはまだ新しいしどうもいまひとつ買う決心をする決定的な動機に欠けていました。

1977年発売のパイオニアRT-701とRT-707
両者の違いはワンウェイとオートリバース。RT-701にはほかにラックマウント部分の無い
RT-701Sというモデルがあったらしい。
EIA規格のラックにマウントした状態
アカイGX-77と非常に近いコンセプトだがアカイの方が後発だけにいろいろな点で進化していた。4年も経っていれば進化の度合いは凄かったのも納得できる。それにしてもこの頃の日本のオーディオメーカーのパワーは凄かった。
翻ってクルマの4年分の進化はどうだろうか?
発売年は1981年(昭和56年)で、その年に買ったと思います。このカタログを見てもはや買わない理由がないくらい魅力的なマシンでした。
その高性能なメカも、身軽なカセットなどに比較するとどうしても扱いにくいのは否めない事で、徐々に使う頻度が少なくなって気が付くと他のオーディオは処分してこれだけが使わずに残る状態になっていました。1981年から40年くらい経ってさすがにゴム部分や油脂関係の劣化、それと電気関係も埃をかぶったりして気が付くと動かなくなっていました。そこで何軒か修理できそうなところを当たってみたのですが、オーディオ修理を謳っているお店でもオープンリールはだめだったり、アカイそのものがなくなっていたりであきらめかけたのですが、かといってこのまま手放すのか…と考えるとダメだ!という思いが更に強くなって遂に治してくれる方を見つける事が出来ました。今にして考えるとそれが最後の砦でした。
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Posted at
2022/12/29 19:20:51