前回の続きでとても思い出深いレコード店の事を書きます。ECへの入り口もこのお店でした。
僕が最初に買ったレコードはビートルズのサージェントペパーズです。
多分中1の時で、それまで何度か自転車で行った事のある自由が丘駅正面前の東光ビル(確か)の4階にありました。駅前は交番もあったような気がします。ソハラレコードの向かいは本屋があってそれだけでどこか文化的な匂いがしました。
ウチは深沢という場所で自転車で20分くらいで行けたと思います。深沢は東京の田舎という雰囲気でしたが自由が丘はその頃から垢抜けていました。駅前のロータリーの雰囲気は今でもあまり変わっていません。一誠堂という高級な時計屋も昔からあります。しかし学園通りのピーコックは最近工事のため取り壊されてしまいました。あのあたりの風景は自由が丘の印象のひとつになっていたので寂しさを感じます。あと思い出深いのは今でもある「さらしん」というお店です。その時からあったとても高級な印象のケーキの「モンブラン」のそばです。たまに買ってもらったケーキで確か白鳥のような首の部分をシュークリームにつけた「スワン」というケーキが美味しくて覚えています。今は蕎麦屋だけになってしまいましたが、遠い昔は洋食もやっていて(その時は蕎麦もやっていたかはよく覚えていません)生まれて初めてピザを食べてそのどこにもないスパイスの香りや味に感激しました。半世紀も前なので多分かなり珍しかったと思います。もちろん今のようなデリバリーピザもファミレスもコンビニも無い時代です。
このピザを知ったのは母の親戚の子が勤めていたお店だった縁からです。今でも強烈に覚えているのはピザの上に何個か乗っていた小さいミートボールの味です。これがとても独特なスパイスの味がして忘れられません。当たり前にピザが食べられるようになった今でもあの味には一度も出会ったことがありません。例えて言うと初めてコカ・コーラを飲んだ時のような強烈な「西洋」の印象です。
これはクリームを初めて知った時の記憶にも通じるもので、演歌や歌謡曲、せいぜい頑張ってグループサウンズの日本から最も遠いところにあるもの…という印象です。
ついでにもう少し飲食店の事を書いておきます。目黒の「とんき」の支店もこのそばの2階にあってとても狭いカウンターだけのお店だったと思います。味は全く一緒ですが目黒のようなにぎやかな雰囲気は無くちょっとただおとなしく食べるだけなので寂しい感じがしました。
あとロータリーに面してあったのが中華料理の「五十番」です。雑居ビルの地下の狭い店でラーメンやチャーハンなどの庶民的な料理がおいしかった記憶があります。
もう一つ忘れられないのが少し離れた飲食街にある餃子の「大連」です。
すすけた壁と薄暗い裸電球…とまるでラーメン博物館の世界そのもののような昭和丸出しの餃子専門店の焼き餃子の味は忘れられません。その店は家族4人でよく行った記憶があります。小学低学年からなのでクルマはダットサンかセドリックカスタムのあたりです。今の自由が丘じゃ考えられませんがどこにクルマを停めたんでしょう。
そこの餃子は皮が薄くて小さくて子供でも一口か二口で食べられるくらい小さいのですが皮も中身もどこにもないくらい美味かったのです。焼き色の面はパリッと薄く焦げた板状に広がっていてそこが一番おいしかったのです。しかしテーブルには醤油のほかに焼きそば用のウスターソースの容器も置いてあって僕はなぜか餃子にそのソースを付けて食べるのが大好きでした。多分ソースの方が甘味があって子供の僕には味覚が合っていたのでしょう。
そこは水餃子もあって両方頼む事もよくありました。水餃子は味のないただのお湯の中に入っていたのですが、これも抜群においしかったです。それとソース焼きそばを頼むとフルコースでお腹いっぱいでした。ソース焼きそばは肉が入ってなくてキャベツだけしか入ってないソースの味だけなのになぜかメチャクチャおいしかったのです。つまり大連は僕の中では最強でした。
…さてやっと音楽に目覚めた頃で行く前にビートルズの輸入盤フェアをやっているという情報をどこかで仕入れていて、行ってから決めようと思っていました。
サージェントのLPは4カ国の盤があってどれにしようかだいぶ悩んだと思います。
その中で何となくドイツ盤の音が良いという情報を聞いていたのでドイツ盤を買いました。
他にはオランダ(イタリアか?)やイギリスやアメリカ盤があったような気がします。
よく比較するとそれぞれホンの少しずつジャケットの質感なども違って面白いと思いました。
初めて自分で買ったレコードを帰って早速聴きました。その中で、ひとつ感じの違う曲が気になりました。インド音楽のような雰囲気だと何も知らないながら感じました。そこからジョージが好きになったのだと思います。
ソハラレコードシングル盤用紙袋
LPレコード用紙袋も数種類のデザインのものを持っていたのですが前回書いた事情でもうありません。貴重なソハラレコードの紙袋はこれ一枚になってしまいました。これが助かったのはA4サイズ以内なのでキングファイルの透明ポケットに仕舞っておく事ができたからです。LPレコード用紙袋もLPレコードと一緒にしておけばよかったのですが当たり前ですがサイズがLPレコードより一回り大きいため同じ場所に保管できずに仕方なく押し入れにしまっておいたのが失敗でした。
LPレコードというのは他のどこにもないサイズ(規格)なので収納には本当に困るものです。
Posted at 2022/01/20 07:26:49 | |
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