ラルゴの記事を書いた事で自分の昔のことを調べたい気持ちに火がついて次は最初のクルマの事を徹底的に思い出して書こうと思いました。それと40年ぶりにスピーカー取付をやった事で昔のスカイラインにソニーの当時の最新モデルを苦労して取り付けた思い出も蘇り、懐かしさもあって記録にとどめておきたくなりました。
もうどこまで思い出せるかの挑戦です。
1980年頃の事なので43年前になります。
ただ、クルマ自体より苦労して取り付けたカーステレオの方が強烈に頭に残っているのでそっちの事をより詳しく書きます。古い事なので少しは資料的価値があるのではないかと思います。私が取り付けたソニーの製品についてはあまり書かれているものが見当たらないのでその点でも貴重なのでは?とも思いました。カーオーディオの分野ではソニーは後発で、その後は撤退してしまったのでソニーのカーステレオというだけでもマイナーで珍しいと思います。
そこで取り付けた場所(コンソールボックス部)の写真を探しましたが以外と見つからないのです。クルマ自体は超有名なので外から撮った写真はいっぱいありますが内装の写真はあまり見つかりません。
しかし苦労して探したら徐々にいろいろな事がわかって来ました。
ここで役に立ったのがインターネットのサイト「ソニー坊やと呼ばれた男」です。ここに過去のソニー製品のカタログがどっさり載っているのを発見しました。そこで漁ってみると何と私が悪戦苦闘して取り付けたものと同じ機種の載ったカタログがありました。40年以上も昔の資料がキレイな状態で残されているのに感激しました。そこでサイトに連絡し、これらの写真を使わせていただく許可を頂きました。このカタログには車種ごとのフィッティングキットで取り付けた状態の写真も載っており、自分のスカイラインと同じ取り付け状態の写真もバッチリ載っています。
ソニーのカーオーディオはどちらかというとマイナーだったと思います。(パイオニアなどと比べ)だからその後撤退してしまったのだと思います。それだけにとても高性能、高機能だった製品の事がわかるこの資料は貴重です。
この写真がなかったらこれだけ詳しい記事は書けませんでした。サイト運営の方ありがとうございました。
自動車メーカーも過去のカタログをネットで見れるようにして欲しいです。今回の事でわかったのですが、特に車内各部やダッシュボードは写真があまりありません。料金をとってもいいのでデジタル版カタログとして復刻して欲しいと思います。
ウチのスカイラインは「ジャパン」と呼ばれたものの後期型です。
※初期型 昭和52年(1977)
後期型 昭和55年(1980)
外観も変更しましたが内装も少変更があってインストルパネル全体が変更になってコンソールボックスの形状も少し変わりました。
自分にとって都合が良かったのは、取り付けスペースが少し大きくなった事です。
家のオーディオでもグライコを買いましたがあまり使っていませんでした。結局は自己満足するためのアクセサリー的なものだと思います。
私の最初のクルマはスカイラインで昭和55年型のジャパンと呼ばれたTIという種類のモデルです。TIとはロングノーズで2000ccのGTに対してショートノーズで1800ccをこの型の時だけそう呼んでいました。
※この次のモデルからはロングノーズに統一されたのでロングとショートの2種類あったのはこれが最後です。
TIにしたのはGTを買うほどの余裕がなかったからですが、何を思ったのかセダンではなく「ワゴン」を買ってしまいました。ワゴンは形が違うだけでなく、足も板バネになるので理屈では走る性能もそれなりに劣るはずですが当時は他のワゴンとは違う小さいリアクォーターウィンドウがデザインのポイントでとてもスタイリッシュに見えました。
普通はこの部分も前から繋がった大きい面積のガラスになりますがスカイラインはボディパネルの一部を切り欠いてガラスをはめた感じになっています。それが荷物を運ぶライトバン(商用車)というより乗用車のカテゴリーの一種のスポーティなワゴンという印象を受けたのです。
この独特な(洒落た)スタイルが気に入ってクルマ本来の性能はあまり気にせずに買ってしまったのです。
ワゴンはリアに木目のパネルの部分がありますが、オプションでボディサイドにも木目のパネル(シール)を貼る事が出来、私もそれを貼っていました。
乗った印象はライトパンと同じ板バネとはいっても当然乗用車としての乗り心地に振ったらしく、ピョンピョン跳ねるようなこともなく、結構柔らかい足で1人乗りでも乗り心地も悪くなかったと思います。同じ形のバンの方は荷物を載せた時にちょうど良くなるようにもっと硬い足だったはずです。記憶によると、バンは空車時にはお尻が少し跳ねたように持ち上がっていました。(当時のライトバンはみんなそうだったと思う)
ただタイヤが細いのが貧弱に見えて気に入らず、太いタイヤとアルミホイールに履き替えました。(165から195。確か両方ともヨコハマのアドバン)そのせいでただでさえ重いハンドルが更に重くなって駐車の時などは大変でした。(まだパワステが付いて無かった)
それとハンドルもGTのものに付け替えました。(TI用と比べて明らかにスポーティなデザインで握りも太くなった)
それだけで大人しすぎるインパネの印象がガラッと変わったので嬉しかった記憶があります。
これはGTの内装ですが、TIのハンドルのデザインがあまりにジジ臭くてショボいのでこのハンドルにしたくてハンドルだけ買って付け替えた。
メーカー純正のラジオとカセットカーステレオが載っている。これに比べソニーのカーコンポがいかに先進的で緻密でカッコよかったかがわかる(特にグライコ💦)
※記憶によるスカイラインTI標準オーディオ
オーディオレス仕様
フロント2スピーカーのみ標準装備
ただしドアではなくインストルメントパネルの下両脇に横方向に細いスリットが開いていて斜め下(足元)を向いて付いていた
このワゴンは普通のワゴンと少し違ってリアクォーターウィンドウが小さめなものが付いています。(このひとつ前の型は窓自体がありませんでした。当時のニッサン車は後ろの窓を小さくしたものがいくつかありました。)その独特なスタイルが気にいったのです。更にボディサイドにオプションの木目調パネルを貼りました。(バックドアについているのと同じ柄)
ワゴンの木目調パネルはアメ車から来たものだと思います。
それを遡れば、西部劇の時代の幌馬車(ワゴン)だったようです。
もともとワゴンはセダンに対してレジャーにも使えるように荷台を大きくした、より贅沢なクルマとして誕生したらしいですが日本ではライトバンと兼用のボディにしたためかセダンより下に見られたようでこの時代には流行りませんでした。
その後スカイラインでもワゴンGTが出て段々ワゴンの地位が上がっていきました。
ところでこのクルマはラジオなどの付いて無い「オーディオレス」仕様だったと思います。(ダッシュボード両脇の下にスリットが開いていて、小さいスピーカーだけは付いていた)
中央のコンソールボックスは好きなオーディオをつけられるようにメクラ蓋が付いたスペースがありました。
その当時、ちょうどソニーがカーステレオ市場に本格的に参入し、「カーコンポ」を発売しました。今はコンポと言う言葉自体が死語になっていますが、もともとはコンポーネント(単品物)と言う言葉で、家庭用のセパレートステレオ(セット物)より専門的な趣味性の高いオーディオの事をこう呼んでいました。食べ物で言うと幕の内弁当とコース料理の違いのようなものです。そのスタイルをカーステレオにも応用したのがカーコンポです。
ソニーのカタログには「ソニーカーコンポーネントシステム」と書かれています。
クルマを買ったのと、この製品が出たタイミングがほぼ同時でした。
(カタログの発行日は昭和55年=1980年6月になっています)
この当時のことを調べようとネットを検索すると「ソニー坊やと呼ばれた男」というサイトを見つけました。「ソニー坊や」とはソニーのマスコットの事ですが、あまり有名にならなかったと思います。私もあまり記憶にありません。
このサイトにソニーのカタログ類が大量に掲載されていて、そこに私が使っていた機種も全部載っていたのでこうやって記事にする事ができました。
この当時の方が今よりマニアックでオーディオ的でした。家庭用オーディオのような構成になってますが家庭用と違うのは他社製品との組み合わせができない事でした。今はオーディオというよりナビの一部のような感じになって来ました。
資料を調べたら詳しい事がわかって来ました。
ソニーのカーステレオははじめ「ザ・カーステレオ」と言う素っ気ない名前が与えられていましたが(昭和55年)翌年には「マイディーン」という愛称が付けられました。(昭和55年は1980年なので42年も前です。そんな前の自分のカーステレオの事を詳しく調べられるのは感激です)
家用のオーディオと同じ考えでそれぞれの機器が別になっているのは今よりむしろ贅沢だったとも言えると思います。
カセットデッキ XK-25 ¥52,800
家庭用デッキと同じF&FヘッドとドルビーBを搭載したフラッグシップ機。オートリバース。XK-23の上位機種で後から出た。
(1版目のカタログではまだMK-23が最上機種だったはず。このカタログは多分2版目。F&Fヘッドとワウフラッターと周波性特性がMK-23より向上している。
だからこのカタログではドルビー搭載のMK-25が新発売になっている)
グラフィックイコライザー XE-9 ¥19,800
9分割グライコ
チューナー XT-22 ¥29,800
高級なデジタル機もあったがさすがに値段が高すぎるので(約2倍)アナログにした。
このチューナーはダイヤルを回して選局する方式でプリセットボタンは無かった。
家庭用チューナーもこのタイプが主だったのでむしろ本格的に感じた。
パワーアンプ XM-50 ¥19,800
出力25+25W 座席の下に設置した。
スピーカー XS-M33 ¥32,800
パワーアンプ付きスピーカー。リアスピーカーとして使用した。
背中にパワーアンプを背負っているせいか、とてもパワフルな音がした。
前面はとても堅牢な金属メッシュのスピーカーグリルが付いていて荷室の両サイドに剥き出しに付けたが荷物が当たってもビクともしないタフなボディだった。
※フロントスピーカーは標準装備でダッシュボードの両脇の斜め下向きについていたものをそのまま使った。
スピーカーマウントアダプター XA-16 ¥2,900
スピーカー後ろがパワーアンプを背負っているのでかなり出っ張っていた。そのためこのスペーサーでスペースを稼ぐため。
本来は後席の後ろの棚に付けるためのものだが、ウチのはワゴンなので荷室のサイドトリムに穴を開けて取り付けた。アダプターには斜めに角度がついているので運転席の方に向くように前斜め上方向に付けた。
XS-M33はパワーアンプを直接背中に背負っているので奥行きがとても大きい。
フィッティングキット GM-357N ¥3,500
(※昭和56年6月発行のカタログに載っている)
コンソールに取り付けるための。NEWスカイライン(54年8月)と書かれているのでちょうどスカイラインを買った頃発売されたもの。旧型の方は2段だが新型用は3段入るのでデッキとイコライザーとチューナーが全部コンソールに収まって理想的な操作性になった。
※この時はまだDIN規格ではなく、ソニー独自の少し小さいサイズだった。
(DIN規格の180×50mmに対してデッキ140×44mm、それ以外が140×35mmという特殊なサイズだった。)
※記憶によると、このキットはカナック企画のものだったと思う。
そこでカナック企画について調べてみた。この会社の製品は、カーオーディオやナビの取付キットとしてよく見るものだが、この頃の製品が最初だったと思われる。初期型(52年)は2段しか入らないが後期型(54年)は3段になった。
※トータルすると定価¥161,400になるので当時としては結構お金をかけたものだと思う。(秋葉原辺りで買ったと思うが実際には割引きがあったと思う)
この他、夜は手探りになるので機器を照らす小さい角度の変えられるライトを別のメーカーのオプション品から見つけて付けた(多分パイオニアだったと思う)
電源はシガレットから取った。
初めてのクルマだったのでカーステレオの取り付けも初めてだった。コンソールやリアサイドの内張りを剥がして加工する必要があるので戸惑いながら汗だくになって作業した。
荷室(ラゲッジ)の側壁にスピーカーを取り付けた。
位置はリアタイヤハウスの少し後ろ上方。
取り付け方法はスピーカーの後ろの出っ張りが入るよう側壁のボードに穴を開けて取り付けた。
ただ、穴を開けようとした部分には既にスピーカー取り付けを想定したミシン目が開いていたように思う。オプションでここにリアスピーカーを取り付けられるようになっていたのかも知れないと思った。
ボードとボディの間には10センチほどの隙間があった。
苦労して取り付けたシステムの音はとても良かった。カセットデッキは家庭用並みの高性能で、スピーカーは2ウェイ16センチで背中にパワーアンプを背負っているのでとてもパワフルな音だった。
次のクルマ(ラルゴ)は標準でカセットチューナー付き1DINのアンプとフロントとリアのスピーカーがついていたのをそのまま使ったので何もしなかった。標準装備のものなので音質もそこそこだったと思うが家庭を持った事もありクルマのステレオまで凝る余裕はお金も時間もなかった。
それ以降もクルマの純正オーディオをイジることは無くなった。
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