このクルマを見た時は画期的なクルマが出たなと思いました。
バネットラルゴウミボウズは、オーテックが作ったラルゴの特装車です。ラルゴのカタログの最後に載っていてとても楽しそうな雰囲気を醸していますが、キャンピングカーのような扱いのものでした。そのウミボウズもラルゴのマイナーチェンジのたびに進化(というより変化)していきました。
※カタログでは、「ベースキャンピングカー」と謳っています。こんな言葉は無いと思いますが、キャンピングカーとは呼べないのでこういうあいまいな言い方にしたような気もします。
そもそも自分もウミボウズが3種類あったという事も今まで気づきませんでした。その上、ネットをほじくっていくとなんともうひとつの変種が見つかったのです❗️(川口隊長風)
ウミボウズとヤマアラシ
これはオーテックが作ったラルゴの変種(特装車)の名前です。
これらの古いクルマの事を調べようとネット記事を漁るといろんな情報が出てきます。
とてもありがたいのですが、よく見るとクルマ雑誌のライターが書いた記事にも間違っている情報が結構あります。
これは本当の事を知っているだけにモヤモヤします。
だから自分の知っている情報を出すのも全く無意味な事では無いと思います。
何十年も前の事なので、今の若い人が調べても結構抜けや間違いがあっても仕方ない事でしょう。
なお、今までこの名前の意味を考えたことが無かったのですが、両方とも妖怪の名前だとの事でした。
ウミボウズの方は自分の持っているカタログでは発売時期によって3種類確認できました。(部分的な色の違い)
最初のタイプはマイナーチェンジ前のものでサイドのカラーがゴールド
次はマイナーチェンジ後でサイドのカラーはグリーンがかったブルー、その後はイエローになりました。(※この型だけブルー/イエロイッシュグリーン/ホワイトと車体色が明記されている)
内装ではシートとサイドトリム(ドアの内張)の色が変わりました。全体的にはブルーです。
1代目 一部がベージュ
2代目 一部がホワイト ※これだけなぜかヘッドレストが穴明きタイプになっている。
3代目 一部がイエロー
※背もたれに専用のマーク?のようなものが付いています。
※1代目と2代目まではオーテック扱い、3代目は標準型と同じ扱いになっています。
残念ながら全てのカタログを持っているわけではありませんので他にもあるかはわかりませんがネット検索でも確認したところではこの3種類だけだったと思います。
※ウミボウズには3種類(3世代)あると書きましたが、なぜかもうひとつ謎のカラーのものをネット上で見つけました。そう言えば当時もこの写真を見た記憶がありましたがその時はなぜこのカラーがあるのかまでは深く考えませんでした。上中下に分かれているボディカラーの中央が白のものです。下半身と大型カンガルーバーの色はシルバーになり、ホイールとスカート類の色は標準型のままのようです。ウミボウズの人数はカップルなので二代目(1989年)に相当する時期になります。試作品だったのでしょうか?気になります。
ウミボウズの変遷
最初(一代目)はひとりでしたが、
二代目は彼女ができてカップルになり、三代目では遂に子供ができました。
名前から想像がつく通り、ウミボウズはマリンレジャーを想定した装備がありました。
デリカで言うとシャモニーに当たると思いますがシャモニーはスキーなどのウインタースポーツを想定しているのにたいし、マリンスポーツ(夏のレジャーシーン)に焦点を合わせた感じの雰囲気です。
ハデなルックスと楽しそうな内装に心が動きましたが、自分で買うか?となると話は別で、これ一台をずっと乗り続けるのはちょっとキツいので買う選択肢からは外れました。
でも当時は街でよく見かけてちょっと羨ましく思ったものです。
※ウミボウズのタイヤは標準型より1サイズ太い205/65になり、オールシーズンではない事をこのカタログで知りました。
ヤマアラシはラルゴの後期に発売されたオフロード系のテイストです。
こっちはデリカ4駆にキャリアやラダーを付けた正統派オフローダーのドレスアップ例のような雰囲気です。
これはウミボウズと違ってひとつのモデルで終わりましたがワイルドでダークな雰囲気がデリカ的で良かったです。しかし気持ちはガソリンターボの4駆に移っていたのでこれも選択肢になりませんでした。
※ヤマアラシのタイヤはウミボウズより更に太い215/70になり、高性能4WD用と書いてありますが、なぜか銘柄は書いてありません。(クルージング系の2WDはわざわざポテンザと書かれているので気になります。)
自分の記憶を紐解くと、その時乗っていたクルマを買い替えるタイミングで2代目ラルゴの存在を知り、カタログをもらってこの4駆ちょっとイイなと思い、しかし2駆の方にしかガソリンターボがないのを見て、4駆にもこういう高性能版があったらもっといいのに…とだんだんのめり込んでいきました。
そうして具体的に買う気持ちになっていたところにマイナーチェンジの情報が入り、なんと私が想像していた4駆のガソリンターボが出たのです。しかも変更点は他にもいろいろあり、中でも大きなものは4駆がパートタイムからフルタイムになった事です。
パートタイム時代でも、他のワンボックスよりは進んだ副変速機を持たない走行中でも4駆にできるタイプでした。(デリカは副変速機付きで走行中の4駆切り替えは不可)
フルタイムの良いところはカーブを曲がる時に前と後ろの車輪の回転差をうまく吸収して滑らかに走れることのようでした。両方を乗って比べたわけではありませんが、フルタイム4駆の走りは確かに滑らかでした。
しかし常時4駆という事は燃費には少し悪い影響があるのではないかとも思いましたが、これも乗って比べて無いのでわかりません。
ともかくフルタイム4WDというのはこの時点では進んだ4駆だったのです。
もうひとつは、ガソリンターボ車がクルージングシリーズとして独自の顔を与えられた事です。(それ以外はサルーンシリーズになった)
一目で違いが分かるスポーティな顔になって、ますますガソリンターボ欲しい度が上がりました。
室内でもクルージングシリーズは3本スポークステアリングやホワイトメーターが与えられ、ファミリーカーのイメージをスポーティなイメージに変えてクルージングシリーズを選ぶ動機になりました。
メーカーが最初からスポーティな味付けにしてくれたので後から自分で手を加える必要を感じなかったのでそのまま乗ってました。オプションで付けたのはスキーなどでの着替えのためのカーテン(手動式)くらいのものでした。
更に使い勝手の面でも改良が加えられました。
マイナーチェンジ前の4駆は、初めはラダーフレームのせいでスペアタイヤを床下に吊るすことが出来ず、仕方なく室内の床にデーン❗️と置いていました。(雑誌の写真参照)
そのため、平らなはずの床にタイヤがボコっと出っ張って他の荷物を積むのに非常に邪魔でした。
しかしマイナーチェンジ前の途中からはその対策としてスペアタイヤの上の床面を木の板で覆って二重床にしたのです。(座面の下)
スペアタイヤの無い所は空洞なので、私の場合、冬のふたり分のスキー板と靴などはそこに差し込む感じで収納してました。2駆と比べてスペアタイヤの分だけ荷室は確実に狭くなっているのですが、スキーなどの濡れたものをしまうのに二重床は便利でした。キャンプの時などは床上にまず大物を乗せて床下には汚れ物をしまうなどの事ができてむしろ便利でした。
しかし、ただでさえ重い4駆が二重床を追加した事で更に重くなったのですから燃費や動力性能には悪影響があったはずです。
また、この二重床の構造はタイヤを挟んだ両脇にスチール製の骨組みに厚いベニヤ板のような黒く塗られた板をボルトで止めたものでした。
ずいぶんおおらかというか雑な仕組みだなと思っていましたがある時ふとタイヤの隙間にも空きスペースがあるはずと思いつきました。というのはこの仕組みがとても大雑把な造りで空いている部分も板で塞がれていたのです。そこで両脇の端っこの三角部分をノコギリで切ってみると工具などの収納にピッタリのスペースがありました。フタを閉めれば元通りのフラットな床になるので我ながらグッドアイデアだと自画自賛しました。
その事で改めてこのボードはずいぶん大雑把な構造だなと思いました。
その辺が気になるところでしたが、実際に走った印象は重さや鈍さはあまり感じる事はなく、ターボの効く領域(60キロ以上くらい)では気持ちいい加速で乗っていて楽しかったです。
たった1800ccのエンジンで1.7トンものクルマを軽々走らせるのはさすがターボだと思いました。
2000ccガソリン車や2000ccディーゼルターボ車だったらどうだったかの比較はできませんが結果的に1800ccガソリンターボ車にして良かったと思いました。
2駆との重さの差はギア比の変更で対応したようです。
正式名称
ライバル車のデリカもタウンエースもエンジンはなぜか2000ccガソリンか2000ccディーゼルターボだった。
ラルゴだけが2輪駆動車に1800ccガソリンターボがあった。
その後マイナーチェンジした時4輪駆動車にも1800ccガソリンターボが出た。
このクラスでガソリンターボがあるのはラルゴだけだったからそれも決め手になった。(と言っても120psだから大したパワーでは無いが)
他のクルマに乗った事は無いが、60キロを越えたあたりからのガソリンターボの加速は気持ち良かった。
試乗記でも2000ccガソリンや2000ccディーゼルターボは非力と書かれているからガソリンターボにしてホントに良かったと思う。
フロントマスクや内装(メーターとハンドル)もガソリンターボ専用のスポーティな雰囲気のデザインで更に買う気をそそった。
※ラルゴでは、上り坂の時エアコンを切って走っていた記憶があります。平坦な道でもエアコンをつけるとパワーがガクっと落ちるのがわかりました。急ぐ時は平らな道でも出だしから60キロくらいになるまではエアコンを切っていたような気がします。それ以上はターボが効くので気持ち良かったです。ガソリンターボでも1.7トンもある重量にいくらターボとはいえたった1800ccのエンジンではやはりキツかったのでしょう。300キロ(30の間違いでは無い)軽い2駆だったらもっと軽く走ったと思います。
ただタイヤハウスを黒い樹脂で覆ったのではなく、ラダーフレーム構造にして地上高を上げタイヤ径を大きくし、それに伴い車内乗り込み用のステップまで付けたところが見掛け倒しではなく本気が感じられて好きでした。
やり方はデリカを見倣ったものだと思いますがデリカと違うのは、デリカは4駆自体が本格的な機構を持っていたのに対し、ラルゴは生活4駆に割り切ったメカなのに脚周りはデリカ的に凝ったところにあります。
他の4駆でここまでやっているものを見たことがありません。
実際雪道では頼もしく、ルックスにもタフな感じが表れていました。
ラゲッジルーム
基本の2輪駆動車はごく普通にスペアタイヤが後部の床下に吊り下げ式で固定されている。
これに対し4駆はラダーフレーム構造にしたせいでその場所にスペアタイヤが収められなくなった。そのため室内に収納することになり3座席目のシートの下に置かれることになった。最初は剥き出しで置いていたので(カバーはしてあるが)座席を畳んだ時は荷室にデーンとタイヤが置かれて非常に邪魔だったはずである。
そこで途中でタイヤの上に3座席目から後ろの室内全部を覆うボード(木製)が追加された。骨組みはスチール製で重い荷物を積んでもいいようにとても丈夫な作りだった。ボードの上にはカーペット敷かれバックドアを開けた状態ではその部分が隠れるよう垂れ下がる折り返し部分があった。全体として非常にしっかりした造りで人が乗ってもビクともしないのは良かったがその分重かったはずである。4駆のシステムだけでも重いのにスーパーパノラマルーフでプラス60キロの重量増の上にこの二重床の追加である。
この二重床構造はスペアタイヤが荷室に置かれている事の不便さと体裁の悪さを隠す一石二鳥の方法とも言えるが、もともとは荷室に邪魔なスペアタイヤ自体が無かったのだから本格的なラダーフレーム付き4駆にするための弊害でもあった。
よく、クルマに乗る時は少しでも燃料を節約するためになるべく余計な荷物を下ろしてくださいと言われるのにそれを嘲笑うようなラルゴ4駆の重量はいかがなものか❓と思っていた。
4駆自体がその常識に反するものだし、本格的な造りにするほど重装備になってますます矛盾が大きくなってしまう。
頭ではそう思っていたが、実際のラルゴの走りや乗り心地はとても良かった。
二代目初期型のパノラマルーフに対してマイナーチェンジ後は「超」が付くパノラマルーフになりました。しかし、ガラス面積がドーン!と増えた分重量も重くなって、パノラマルーフ無しに比べて初期型→50キロ増からマイナーチェンジ後→60キロ増になってしまいました。
60キロと言えば大人がひとり屋根にへばりついているようなものです。
そう考えると車体のバランスも大丈夫か?と心配になりますが乗っていて不安になった事はありませんでした。
クルマ全体の重量がとても重いからだと思いますがもしそんな危なっかしい感じがしたらとても落ち着いて乗ってなどいられなかったでしょう。
ただでさえ4駆化で重心が7センチも高くなった上に屋根も重くなったのにとても安定感があったのはある意味凄い事だと思います。
このパノラマルーフは前と真ん中と後ろの3つのパートに分かれていて、前はチルトアップ、真ん中はスライド、後ろははめ殺しになっています。前と真ん中は内側にスライド式のシャッターがあり、後ろは左右に分かれた脱着式のカバーが付いていました。ガラス面は側面まで回り込んでいるので、スライド部分を開けた時の爽快感は凄かったです。
マイナーチェンジ前のパノラマルーフは極普通の前チルトアップ、後ろスライドの小さいタイプだったので、この違いはとても大きかったです。
クルージングシリーズでは最上級グレードのグランドクルージングには標準装備されていましたがスーパークルージングは設定のあるものと無いものもありました。だからパノラマルーフ無しにすれば値段も安いし重さも軽くなるので迷いましたがこれがあると無いとではもの凄い違いなので結局付いている方にしました。
多分無しを選んだら後で悔やんだのでは無いかと思います。
スーパークルージングの2列目の座席は左の1人掛けで右の2人掛けがピッタリ並んで3人乗りです。
左のシートは背もたれを前に倒すとテーブルになります。また180度回転して後ろ向きにもできます。(三列目と対座)
右のシートは全方向に90度ずつ回転することができます。左に向けるとテーブルを使えます。右に向けると、窓越しに外が見えます。後ろに向けると三列目と対座になります。
だから左右のシートを両方とも後ろに向ければ、2列目と三列目が全部対座になります。
当時は気にしてなかったので改めてカタログを見て今さらわかったのですが、ラルゴスーパークルージングのオーディオは1DINのチューナー付きアンプと、スピーカーはフロントドアとリアは荷室後方にツーウェイ(ツィーター+ウーハー)のものが付いていた事がわかりました。
前のクルマ(スカイライン)の時はオーディオレス車だったので、ちょうど出たばかりのソニーのカーコンポを買って汗だくになって自分でコンソールを外しアンプ類、荷室の内張りを剥がしてリアスピーカーを四苦八苦して取り付けたのですが、(確かダッシュボード両脇の足元に下向きにショボいスピーカーがついていた)
ラルゴは最初から基本的なアンプと4スピーカーが標準装備でついていたのでとりあえずこれでいいやという気分になってしまったのです。
そういうわけでクルマのオーディオに対する興味を失っていて、今頃資料を見直してわかりました。だから音もそこそこ出ていればいいやくらいの感じでした。大昔の標準装備のオーディオだからそんなにイイ音がするわけがありませんが、それにしても今乗っているキューブの標準装備のスピーカーの音は立派なものだと思います。多分ナビ内蔵のアンプもそこそこいいものを使っているのだと思います。(パナソニック製)
上級グレードのグランドクルージングはチューナー付きアンプがダイバーシティ内蔵になりました。ダイバーシティという言葉は最近あまり聞きませんが確かクラリオンが開発した当時の最先端の技術で複数のアンテナでラジオを受信するのでよりクリアな音で聴けるというものでした。
多分ラルゴのオーディオもクラリオンだったのではないかと思います。
アンプの位置は当時のクルマとしては一般的なインパネ中央の下の方でした。1DINが縦にふたつで2段のスペースがあり、そのうちの一段についていました。
今ならナビを付けたいので助手席グローブボックス上にディスプレイが付けられそうなスペースがあります。本体は1DIN部分に付けられそうです。
カタログによると、初期型(マイナーチェンジ前)のオーディオのオプションはCDではなくカセットでした。
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