
商品レビューで紹介しましたカロッツエリア・サイバーナビ900シリーズ(今回は2016年型のCW900)を取り付けてみて、そして使ってみて感じたこと、そこが知りたかった情報…など一部になりますが紹介させていただこうと思います。
<まずは交換取付から>
ちなみに、裏面形状はこのようになっており、旧ZH0999Wのように直に出ている配線類はないようです。
また、電源類、各信号類、TV、ラジオアンテナ、そのほか基本的な配線類は従来モデルと一緒ながらカメラ入力やCS類は違っていますのでたとえばZHシリーズからの交換だと少しだけ違いはあります。
さて、実際に当SAIに取り付けるにあったっては、当機器は本体とAVコードGPSアンテナとTVアンテナ、マイクなどは標準で付属するものの、今回必要としている下記5点は別売になっていますので別途そろえる必要があります。

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①電源コード(RD-N001) 以前から同メーカー共通のもので流用可能。
②ステアリングスイッチコード(KJ-Y101SC)※車種にあったもの(20P/28P)
③ラジオアンテナ変換 ※トヨタ純正品が意外と安い
※上記①②③は個別にそろえなくともセットになったキットRD-Y101DKがカロッツエリア正規品で販売されていますのでそちらを購入。
④バックカメラRCA変換入力(RD-C200)※当方の場合、カメラはRCAピン出力のためこちらを使用
⑤ピンプラグ⇔RCA変換コード(CD-VRM200)※AV入力がピンプラグだけのため必要です。なおこちらは社外品で安いものが多々ありますのでそちらで十分、ただ配置違いもあり要注意
…これらが不足していますので別途取りそろえる必要があります。
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<取り付ける>
当たり前ではありますが、既存のイクリプス配線類はすべて違いますので残念ながらほとんど全部引き直しになります。とは言っても、主要な信号類やオプション類の配線はダッシュ裏まで来ていますので特に難所はありません。
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①②電源その他信号類コード:10P/6P/5Pに差し込むだけ。
※ただし、カタカタ異音防止に写真のようなエプトシーラー3mm厚の物をカプラーに巻いておくことにします。

これはあると何かと便利なものです(50cm角で¥1,000弱)
③ラジオアンテナ変換:アンテナコントロール端子の接続を忘れないよう注意
④そして当車のカメラ類は既存の「アルパインフロントカメラ」&「純正バックカメラ」をアルパインカメラ電源変換キットKCX-200BでコントロールしてRCA出力しているため、そのRCA映像出力を「RD-C200」にて変換し接続。
フロントカメラは右上のスイッチ(赤丸部:青イルミのスイッチ)ON/OFFでナビ画面に映し出されるようにしています(3種ビュー切り替えも可能)。
⑤ は既存のアルパインDVDチャンジャ―使用にあたって必要になったものですが通常の変換コードピン配列の場合、ピンは赤⇔黄色の入れ替えが必要でした(ちなみに間違えても映像が出ないだけで壊れることはありません)。
⦿GPSアンテナ:これは元々(イクリプスやトヨタ標準仕様のガラス貼りが嫌いだったため)トヨタ純正の置型を流用、ダッシュ内蔵にて使っていたのですが、今回も同パータンにてカロ標準品に入替え設置。
⦿TVアンテナ:こちらもイクリプスに適合する社外品(パナソニック用のもの)4本/4枚を流用していた事情から、既存のそのパナソニック・アンテナコード端子(VR1端子)→これをカロッツエリア(HF201S端子)変換コードによって端子変換すれば簡単だったのですが、これが意外と高くつきますのであえて面倒でも確実な配線の引き替えし、フィルムアンテナはそのまま(既存のパナソニック製を)流用する事にしました。
これでも感度は十分◎良好です。付属の3本線のサイバーナビ専用フィルムアンテナは緊急用に取っておくことにします。
※この時、どの向きが正解なのか迷われることがあろうかと思われますが、写真のように端子内の金属接地面のコード側の方(先端側でない方)がアース側(太いフィルム線側)で、先端側がフィルムの細い線側に接地するような方向で貼り付けると良いようです。
※現行型のフィルムアンテナはほとんどの場合左側のような仕様になっていますが、少し前の型では写真(右)のように向きが逆になっている場合がありますのでよく観察されると良いと思います。
〇その他、マイク、USBコードは特に問題なく普通に交換しました。
以上で配線は完了。連動ETCやクルーズスカウター等のないモデルのため配線はそれだけです。
箇条書きにすると大変そうですが、すでにややこしいオプション類の配線はダッシュ裏まで出ていますので実際にはかんたんにあっさり短時間で交換完了してしまいました。
それでも結果12本の配線(電源類、GPSアンテナ、AVコード、ラジオアンテナ、TVアンテナ4本、USB、前後カメラ、マイク、ステリモ)がナビに接続されることになりますので忘れないよう確認しておきます。
<いざ使ってみる>
ナビ交換は想定通り簡単にできたのですが、問題はこの後、細かい設定やめんどうな手続きやアップデートが待っている事でしょうか。
まずはその各設定をすべく電源を入れてみますと、

このような画面になります。「カロッツェリア」→「読み込み中」となります。初回だけでなくACC/ON毎にそうなり、また起動時間も意外と長いため手違いで常時電源が切れているのかと疑いましたよ。この「CAR NAVIGATION Loading...」画面は精神的に良くないです。
※ただ、バックカメラ映像はエンジン(ACC)スイッチが入ればすぐにナビ起動中でも即映りますので、まあ特に問題ないかと思われます。
と、それはさておきさっさと各設定から各登録手続を済ませておきます。初回スタート時の
「マイセットアップ画面」から入るとスムーズに進みます。
以下は絶対必要な設定内容ですが
◆Bluetooth設定:当たり前ながら感度も良好ですんなり完了。
◆ミュージッククルーズチャンネル:この機能がこの機器のキモになると思うのですが、

<初回手続きは結構面倒で...2機目からはどうなる?少々わかりづらく>
これが初回手続きが意外と面倒だったりするのですが、当方、幸い他の車でMCCを使っている状況でMCCチャンネルのIDを持っていますので、その登録時のID、パスワードにてログインし、いったん当機器のMCCチャンネルを立ち上げればそれだけでOK。以降は当車でも他車でも再ログイン不要で即起動OKでした。
これらは他のスマホからでもMCCアプリをインストールさえすればそのまま使えるもので、その作動条件関連の仕組みがいまいち理解しづらい面もあるのですが、とりあえず難なく完了。
なお、MCCは今回の16モデルからMCC2になっていてずっと使いやすく多機能になっています。
<ミュージッククルーズチャンネルを使ってみて>
この機能、一見興味をそそるありがたそうな新機能ですが、実際に使ってみるとその選択肢のあまりの少なさや偏った志向(特定のアーティスト優先みたいな...)、制限(曲飛ばしが5回までとなっているなどの制限)に誰もが不足を感じる事でしょう。
聴きたい曲が思うように出ず曲飛ばし、そして5回飛ばし制限によって、以降は意に反した曲ばかり流れしばし我慢の時...が続き、もういいわ...となってしまいOFFに、
これら機能はまだまだ未完成で発展途上の段階にあるようです。それでもMCC→MCC2になって、いくらか選択肢が増え少しはましになっていますが。
※ちなみに、しばらく後に気付いた事...、
①実はこの初期Ver.MCC、実質的にはもう終わっていて...。
②このMCC初期ver.の方ですが、2015~2016年前後の期間に生産されたサイバーナビ限定サービスでMCC2になった現在、もはや終了寸前と見ていいと思います。かといって無責任にも止める訳にも行きませんから「まだ一応(MCC2でない方の)MCCの方も継続してサービスやっています」状態で多くは望めないのだと判断しました。そして、苦肉の策として下記③↓↓のような対応もしているのだと思います。
③MCC2でないただのMCC初期タイプの場合、MCC視聴中にスマホ側でMCC2に接続すれば(スマホにMCC2をダウンロードし、そのスマホ側でMCC→MCC2に切り替えれば)、MCC2を再正できます。ただこの時、ナビ画面は初期Ver.MCC画面のまま止まった状態になり、曲目やジャケット、歌詞といったとことはナビ画面には出ませんのでスマホで確認するしかありません。また、各操作(曲選び、飛ばしなど)もスマホで操作するしかなくナビ側からの操作はできません。
④あと、上記5回制限について=一度スマホのBluetooth接続を切って再接続すれば新たに5回飛ばしできるようになる裏技に気づきました。
<MCCは音がいまいち...>
ところで、こちらMCC(MCC2含む)、音は良くないです。普通に聴けば結構まともな音が出ているかのように思えなくもないのですが、良く聴き込むと超高音/超低音は全く出ていませんので曲によっては表現力が(特に超低音の方が出ないため迫力や表現力が)まるでありません。何といいますか、スマホ系統の音とでも言いましょうか、少なくともサブウーファーが担う帯域は出ておらず(サブウーファーの)活躍する場面はほとんどありません。
<MCC総合評価>
不思議なもので、最初は「こんなもんいらんわ」と思っていたこの機能、今は新譜やジャンル別曲サーチに活躍していて、ないと困る機能になってしまいました。
結論的には、まあ過大な期待はしないで普通に考えるとそれなりの音は出ますしそれなりには楽しめますので◎というところでしょうか。特にスマホ世代の方たちには受けると思います。
MCC2であればスマホ単体でも楽しめますし上記再生パターンも少し変わって便利になったようですから。
◆ステアリングリモコン:こちらはトヨタに設定するだけ
★ただ、ここで重大な発見というか見落としがありました。実は、音楽再生時、今回から長押しで「アルバムチェンジ上下」ではなく「早送り、巻き戻し」になってしまったのですね。これはいただけません。カロッツエリアでなければならなかった理由の一つにステリモでトラックアップダウンだけでなくアルバムチェンジャができるという事があったのですが、知らないうちにとんでもない変更してくれたものです。これならいらないです。
…と思っていましたが、さすがはカロッツエリア、幸いスマートコマンダーなるリモコンならアルバムチェンジできるようでほっと一安心です。
※その際は写真のように「Tag」でなく「File」側を選んでおかないとできませんのでお間違いのないよう。
◆スマートコマンダーの設定:手順に沿って進めて行くだけ、設定は至ってかんたん。
実は、この機能が少ないというか少な過ぎるため「こんなものいらんわ」、とばかりコンソールに転がしていたのですが、

上記事情から(アルバムチェンジなどで)必要になり、これをいざ写真位置に設置してみますと、

これがなかなかどうして非常に使いやすく便利なのです。しかも赤外線リモコンでなくBluetoothリモコンですからどこに設置しても反応するという便利なものです。
ただ、上記のようにステリモ+α程度の機能限定ですから多くは望めません。アルバムチェンジのためだけに使っていて他はおまけ程度に利用しているといった現状で、スティックで「希望の項目選定」→「決定」と行きたいところですがそうは行きません。この辺りをどうにかしてもらいたいところですね。
◆カメラ:設定「リアカメラあり」にするだけ、そしてガイド線の設定。これが旧式ではけっこう面倒だったりしたのですが、今回からはこのように4点を上下左右するだけで合わせることができるようになりましたのでかなり楽になりました。
◆TV、ラジオの設定:あらかじめ本機に登録済みの自車位置付近の放送局(エアプリセット)...云々で特に何も設定することなく映りますので何もしていません(親切な設計)。あまりTVもラジオも視聴しませんし...。

気のせいか画質もZH0999より鮮明になったように思えます。地デジは写真のようにキレイです。
◆ユーザー登録:これをしないと何も始まりません。2020年までの無料更新もできません。
これは「マイセットアップ画面」の最後頃に出てくるユーザー登録項目のところでQRコードが出てきますのでそれを読み取り、あとは画面指示に従って進めばかんたんに進みます。
※いたずら登録等により「すでに登録済み...」となってしまってもこのQRコードで問題なく登録へと進めます。
◆アップデート:最新のプログラムや地図データを更新
PCにてユーザー登録画面から更新データをダウンロードしSDに落とし、ナビの上段SDスロット(ふたで隠れている地図でない方側)に挿入、あとは自動で更新。
※時間にゆとりのある時でないとダウンロードから更新まですごく時間がかかります。最速でも準備から終了まで一時間以上はみておかないといけませんので要注意!!
◆オーディオ設定:ナビを交換したとき一番のネックになるのがこれです。サブウーファーがあるとさらにやっかいです。あらゆる聴覚環境にて試聴しながら最善のポイントを見つけ出すのにはおそらく数週間かかることでしょう。
ちなみに個人的に必要そうに思えるのは下記数点ですが、

その中で、理論に反するかもしれませんがウーファー単独でのタイムアライメント補正機能が欲しかったように思えなくもないですがまあこれだけの補正機能があれば十分でしょうか。
★また今回からオートボリューム(速度感応ボリューム)が省かれているようで、、これ気に入って使っていたのですが残念。
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そしていざ設定にかかりまして、ふと気が付いた事ですが、
まず第一にこれまでなかった★
「ラウドネス」項目があるのに驚きました。そしてさらに驚いた事に、これがなかなか素晴らしく絶妙の3段階チューニングになっていて、ただ単に適当に低高音増強させただけのものではなく、かなり精密に練り込まれているようで何と絶妙なセッティングになっている事でしょうか。
さらに
「サウンドレトリバー」(圧縮音楽の音質補正機能)もかなり精巧にできていて、なかなかの出来ではないですか。
これまで他で体験したこの機能は(特に他社のものは見せかけの機能で全く実用的でないものばかりで)むしろ音が粗く歪みっぽくなるだけで使ったことがないのですが、今回ばかりはその素晴らしい出来に少し使ってみようかと思うようになりました。これは他に類を見ない素晴らしい出来だと思います、今のところ。
「イコライザー」の方もすごく正確です。これまで(特に他社のものは)記載の周波数やその増減もあいまいで下手にいじりすぎると正常なところも悪影響を受け、訳のわからないピークやディップを発生させ終いにはおさまりがつかなくなったりするものですが、今回は正確で干渉が少なくなるような内容になっていますので大いに活躍しそうです。

…というようなことで、
画質においては特筆すべき点は見当たりませんが、こと音質面に関していえばさすがはサイバーと言わざるを得ません。各設定調整に対して正確に音質が変化追従するのです。そして最終的に調整がうまく決まればパイオニアらしい鮮明で密度の高いより最高の音になります。これそこがサイバーナビでなければならない最大のポインだと思うのです。
最初はそうでもなかった(というか、どうかすると無責任な多くの素人判断的前評判に惑わされ期待薄だった)のですがいざ使ってみるとだんだんと良さがわかってきて、どこかパイオニアの意地を見せてもらったような気がした今回です。
話が長くなりましたが、
今回の機器、音質調整は「メニュー」から入らなくとも「AV画面右(赤丸部)」からいきなり設定に入れます。

ただ、サブウーファー設置のための
<カットオフ調整>、これがなんとフリック操作等による調整個所が多くなっていますので微妙な調整は慣れないと難しいかも、、
MSV(SDオーディオ、ビデオ)
この時、前記のようにステリモ長押しは早送り(戻し)でアルバムチェンジが出来なくなりましたが、かろうじてスマートコマンダーでアルバムチェンジ操作は可能ですので救われました。

(「File」の時可能、「Tag」の時は×)
また、この「File」選択時は、PCのようにファイルを開けて進めます。
さらに「tag」選択時は

アーティストやアルバム絞り込みでのオールリピート、ファイルリピート、ホルダーリピート、選んだリピート再生の範囲内でランダム再生...などなど多岐にわたる方法で楽しめます。
ややこしい部分も多々ありますが、譲れない部分(音楽再生へのこだわり)は継承されており最初に感じたサイバーナビの衰退感、アルパイン化、ケンウッド化、、これは勘違いだったことがわかり安心しました。これこそサイバーナビでなければならない重要なポイントなのです。
これでいったん終了しますが、まだまだ後編へと続きますので...
それにしても、しつこいようですがフロントカメラ入力は残してほしかったですね。その機能は安全ですごく便利で...、日ごろとても重宝していただけに...。