コーティング屋さんや中古車クリーニング専業店の方のマネをして自分なりにそろえてみた15点セットで、これから激しくなる黄砂への対策、特に凹凸の奥深くまでしみ込んでしまった黄砂への対応策に、と思いまして掲載させていただきました。
※これらは世界を変えるようなすごいものではなく、どこにでもあるありふれたものの中から使えそうなもの、またちょっとした工夫ですごく使いやすく便利なものになる、といったものの特集です。あまりたいしたものではありませんのであまり過大に期待せずご覧ください。
①全体用洗車大型スポンジ・ソフト(角を鋭角に切ったもの)
②細部、下部洗浄用、薄小型スポンジ(角を鋭角に切ったもの)
③虫、ピッチ取り洗浄用クロス(50cm角ファイバークロスを織り込んで10×5cmに縫ったもの)
④洗車ブラシ(柄30度曲げ加工品)
⑤柄付きホイール洗浄スポンジ(柄45度曲げ加工品)
⑥柄付き下回りピッチ洗浄除去用ファイバーたわし
⑦細部洗浄ブラシモール際用(柄30度曲げ&ヒネリ加工品)
⑧細部洗浄ブラシ全般用(柄30度曲げ加工品)
⑨プラ無垢洗浄用(柄30度曲げ加工品)
⑩隙間洗浄用ヘラ
⑪全体用ふき取りクロス
⑫細部/全体兼用ユニセーム
⑬腕抜き
⑭薄手手袋
⑮前掛け
-----------
これらずっと愛用して使っております。良さそうな気がするのと実際に使える便利なものとは違うものですが、こちらは老舗プロの長年の経験から生み出されたいずれも合理的で使える用品の物まね用品類になります。
----------------
それぞれの用途、使い方は下記のようになります。
①全体用洗車大型スポンジ・ソフト(角を鋭角に切ったもの)
細部や下回りを洗浄したあと、最後に全体を洗い流すのに使うスポンジです。できるだけ大き目で角を鋭角にしたものが使いやすいです。
※スポンジが四角いブロックのままだとスポンジが入りきらないところ、当たらないところが多く出てしまうものです。たとえば、バイザー裏、グリル、ドアハンドル、ナンバーP、ミラー周辺...などがそれにあたります。でもこの角がほんの少しとがった形状だとたいていの個所に難なくフィットします。

砂泥や降り積もった粉塵のカミ込みキズを極力抑えるため、裏表両面を交互に使い水をかけながら最初は下から上へ、最後は上から下へと洗浄して行くことをお勧めします。
②細部、下部洗浄用、薄小型スポンジ(角を鋭角に切ったもの)
全体を洗い流す前に、あらかじめ下回りやエアロ、グリル、ミラー、ナンバーP周辺、モール溝、バイザー内部...、といったゴチャゴチャした細部を洗浄するのに使います。

こちらも先を鋭角にしたものが便利に使えます。
※普通のスポンジをハサミで切れば好みの形状が簡単に造れます。
③虫、ピッチ取り洗浄用クロス(50cm角ファイバークロスを織り込んで10×5cmに縫ったもの)
夏場など虫が付きやすい時期に最適です。スポンジでは落ちない付着物が布系のもで洗うと過激な洗剤を使わなくとも簡単に落とせるものです。ファイバークロスを使うのは柔らかめでクッション性がありキズ防止になるほか、洗浄力にも優れているからです。

※洗剤を使いすぎると明らかに塗装面~コーティング済みでしたらその層も弱ってくるものですが、このように化学薬品によらず物理的な除去ですと劣化がより少なくて済みますので安心です。洗剤によって環境を汚染することもありません。
※ちなみに、虫類は基本的に水溶性ですので乾いた状態では取れにくいものですが、少し湿らせて時間をおくと戻って柔らかくなり除去も簡単にできるはずです。
④洗車ブラシ(柄30度曲げ加工品)
主にタイヤやタイヤハウス内~下回りの本洗浄前の下洗い用に使いますが、ボディーやホイールには細かい傷がつくため使いません。また、砂泥をかんだ大汚れでない限り通常は使いません。

この角度が付いているだけでフェンダー、タイヤとの絶妙なクリアランスが確保でき実に便利なのです。奥の方も干渉することなくブラシを入れ込みゴシゴシできます。
そのほかこれらは床マット洗いなどにも便利に使えます。
⑤柄付きホイール洗浄スポンジ(柄45度曲げ加工品)
ホイール洗浄に使います。元がワックススポンジでそれを洗浄しやすいように切り取り、加工して45度曲げさせた柄を付けたものになります。腰がありますので角ばった凹凸面の隅、細部、またその柄の角度は裏側などの洗浄に有効です。
※ただ、スポンジの特性上、傷はつきにくくはありますが洗浄力は期待できませんので、まだ傷んでいないホイールで美しさを保ちたい方むけです。

最近はこの手の角張った形状のホイールが主流でその洗浄には誰もが困っている事と思います。
ホイール内側も丸見え状態で結構汚れも目立ってしまうものですが、ここがキレイだとホイールも一段と冴えるものです。
ご覧のように内側も楽に洗浄できます。
⑥柄付き下回りピッチ洗浄除去用ナイロン(ファイバークロス)たわし
主に写真のような個所、下回りピッチ落としに使います。
車体下部はピッチでひどく汚れるものですが、そんな時便利なのがこの柄付きタワシ。フワフワッとしたモケット状ファイバークロスが装着されていますので、無理にゴシゴシしなくとも軽く洗浄するだけでピッチが取れます。傷つきが少ないので安心です。
塗装を悪化させ、環境破壊を招く恐れのある科学薬品類にやたら依存することなく、こうして物理的に安全に汚れ落としするのがまともな人間のする事です。
⑦⑧⑨各歯ブラシの違い
いずれも柄の付け根部分をライターやバーナーであぶって約30度曲げ加工したものになります。これだけで自動車用途にはかなり使いやすくなります。
※なぜ歯ブラシなのかというと、安全で種類が豊富にある事によります。ただ、用途に合った毛並みや大きさのものが案外少ないですので見つけるのに少し苦労したりします。
⑦<中央青柄>細部洗浄ブラシモール際用(柄30度曲げ&細幅&側面カット加工品)
その名の通りモール際や内部の洗浄に

モール溝にキレイに入り込みます。「固目のもの」と「柔らか目のもの」が2本あるとなお便利です。
⑧<左薄緑柄>細部洗浄ブラシ全般用(柄30度曲げ&ひねり加工品、やや大き目ソフトタイプ)

それこそ万能に使える細部用のブラシです。ホイール角奥溝、ドアヒンジ回りからすべての場面で活躍します。万能ではありますが、やや大き目のため精密な際の洗浄には向きません。
※ソフトで毛先の細くなった柔らかめのものが安全で効果的です。また加工して付けた角度や微妙なヒネリが実際の使用時に非常に有効です。
⑨<右透明白柄>プラ無垢洗浄用(柄30度曲げ、毛短カット加工品)
磨き粉をはじめとするワックス類、コーティングメンテ液、さらには黄砂類がプラ無垢部(特にミラーカバー、ワイパーカバー、バンパーモール類)にしみついて取れなくなることが良くあります。その際は、乾いた状態でブラシをかけると簡単に除去できます。その際はこういった毛足の短い腰のあるものが有効になります。
<番外ブラシ編>

一昔前まではこのような金属柄の、しかももっとハードな毛並みのもの(グリーンのもの)がつかわれていましたが、今思えばむちゃくちゃです。金属柄が干渉して、また固く長い毛並みはポイントからずれやすく目的とする個所のみならず周辺も傷だらけになるのは避けられません。
ですが、いまだに何も感じずこれらを使っている中古車クリーニング屋さんも多いと聞きます。確かに大汚れ状態の中古車洗浄においてはこちらハードブラシでないと対処できないのかもしれませんが、少なくとも我々一般ユーザー向きとは言えません。
⑩隙間洗浄用ヘラ
普通に売っている塗装用品のヘラを使いやすいように両端を切削&中央部折り曲げ加工したものになります。
とがった方はエムブレムの凹凸部洗浄に、平たい方はバンパーのスキ間などの掃除にクロスをあてて使います。柔らか目な材質のものが安全です。
⑪全体用ふき取りクロス
洗浄効果に優れ、かつソフトで抜群の吸水性が売りのクロスです。
※全体洗車後は、速やかに水気をふき取らないと、大気の汚れを吸い込んでしまいかえって汚くなってしまうばかりか水玉跡さえついてしまうケースがあります。またそうでなくとも目に見えないそれらシミのきっかけや癖を付けてしまうなど、塗装面、ガラス面問わず(速やかに水気をふき取らないと)ろくなことになりません。
特に水質が悪い(たとえば硬度の高い地下水などにおいては)ふき取りが甘いと一発で水玉跡だらけになってしまい、除去にはプロの手が必要になる、または再生不可能状態に陥りますので要注意です。
迅速に安全に切れ良く水気を拭き取るには欠かせないのがこのファイバータオルです。バスタオル級の大きさがあれば一枚で十分ですが、水を絞ることを考えると普通+α程度の大きさが無難と思われます。
⑫細部/全体兼用ユニセーム
上記以外にも根強い人気のこの「ユニセーム」もすごく役に立ちます。何せ使い込めば使い込むほど柔軟で扱いやすくなるという超耐久で、個人使用においては軽く10年以上使えます。
もちろんこの小さなクロスからは想像できない吸水力/量があって、拭き上げ時の切れも抜群で、しかも傷もがつきにくい、という優れものになります。
もちろん、サイズ的にも性質的にも水絞りが非常に楽にできますので実際の使用時には素早くストレスなく扱えます。

絶対的な吸収量は⑪のファイバータオルにかないませんが、意外と良く吸水しますし切れも抜群です。それに絞りが容易なのと隅のふき取りにおいてはこちらが完全に圧勝です。
なお、いずれも致命的な拭きキズが付きにくく安全で安心です。
※ちなみに、他にもこんなふき取りクロスがあります。

トヨタ純正のコーティングに付帯するもので、こちらも吸収性、切れ、絞りも良好です。また、クッション性のあるスポンジ状ですので、よほどのことがない限りキズが入らないというメリットもあります。濃色系には最適かと思われますが、唯一、耐久性がなくランニングコストは高価についてしまいます。
※その他、窓ふきにはこういった「窓ふき専用クロス」もあります。
これはいいです。洗剤類は一切不要で、まるでワイパーでもかけたように内窓もひと拭きでムラなくキレイになります。もちろん外窓の虫汚れなどもかんたんに除去可能で拭き跡が筋を引いて残ることがありません。
ガラス拭きにはフカフカしていない薄手のファイバークロスが最適です。
⑬腕抜き
⑭薄手手袋
⑮前掛け
なんでもない事ですがこれがあるとないとでは大違いなのです。
写真は小柄な女性でエプロン負けしてまるでペンギン状態です。また、ホースは本来傷付き防止に肩にかけるものですがいずれも気にしないでください。

このフルセット完全装備ですと、手足はもちろん衣服にも水がかかる心配が一切なくジャブジャブ水かけて、無理な中腰体位(いや体勢か)をとることもなく思い切り遠慮なくボディーにもシャワーヘッドにも近づけますので腰が痛くなることもありません。
本来、洗剤は使わず(使っても最小限で)水をかけながら洗い流して行くというのが本当の洗車、洗浄だと思います。スポンジ+洗剤で思い切りアワアワ状態にし、あとはただ水をぶっかけるというのは、汚れを伸ばしているだけで効率悪く、またキズも入りやすく、それに相当な水量ぶっかけても洗剤成分は十分に抜け切れていないはずで、時間も水道も無駄にしているにすぎません。
※洗剤でアワアワだらけになると一見キレイになりそうな気がしますが、現実的にはそういう気がするだけでその実、洗浄効果、効率は上がっていません。むしろ洗剤成分の残留蓄積による弊害の方が大きいのも現実です。
老舗のミガキ屋さんはこれ(エプロン)がないと作業にならないといいます。究極の水研ぎミガキ(レクサスなどの仕上げにあるような水をかけながら磨くという究極のミガキ)があるからだそうです。
-----------------
この中で不要なものはありませんが、しいて言うならブラシ類をはじめとする各用品に兼用できるものはあると思います。それ以外はどれが欠けても十分な洗浄はできないと思います。
<一口に洗車と言ってもこれがなかなか奥が深く...>
車の洗浄が簡単そうで難しいのは、その外装に鉄板、プラスチック、ガラス、ラバー類...と、様々なパーツが入り乱れ形状もごちゃごちゃしているからだと思います。

各部分による性質の違い、また汚れの種類も違うためそれらの適切な対処方も複雑になります。
たとえば、
・ガラス面ならはっ水ガラスなのか親水ガラスなのか、
・塗装面ではバンパーやモール、鉄板部分などの違いによる塗料性質違い、
・その他、プラ無垢、ラバーの種類の違い...
そしてこれらの各性質の違いからくる適切な対処法の違い~
さらには汚れ方の違いで言えば、
たとえば
・油性汚れ(水あか、グリスたれ、タール/グリス状ピッチ、シミ)なのか、
・水性汚れ(水あか、水滴跡付着、雨だれ、ピッチ....)なのか、
・また、付着してしまった物の性質がどうなのか(虫、ピッチ、鉄粉、樹木の汁、鳥フン...)
まだまだありますが、
それらの場面にあった対処法の違い、・・・など、あげればきりがないほど複雑で奥が深いものです。
そのあたりが食器を洗うのとは少し違って、乗って外を走らせる道具/機械である車の複雑でやっかいなところではないかと思います。
<さらにあると便利な用品>
電動歯ブラシ:傷を付けずにキレイにエムブレムなどの溝をクリーニングできます。
トラップ粘土:ザラザラ落としに有効です。

これだけはちゃんとしたメーカー品を買わないと必ず後悔します。
またまだありますが、これ以上はプロの分野になりますのでこの辺でいったん終了とさせていただきます。