そろそろ学業に追い込まれているATSUです。。。
さて前回書いた
マフラーの音質について考えるの続きですが・・・
まず前回のブログの最後に「高音を獲得することができます」と書きましたが、アドバイスを貰ったり考え直してみると難しいかも?と言うことを先にお詫びいたしますm(--)m
ただ実践されている方(というかショップ?)がいらっしゃったので、参考にしつつ考察してみます。
その方法とは音の位相をずらして波長を変えれば良いのでは?という発想でした。

図1
音は上図のように波で表すことが出来ます。Hzが高い音と言うのはこの波がだんだん狭くなって(周波数が上がって)1秒あたりの山の数が増えて行きます。
てことは周波と周波の間にもう一つ周波を入れ込めれば(山を増やせば)倍の周波数になるかも?という発想でした。

図2
図にするとこんな感じ。
黒い基本周波の間に位相をずらしてピンク色の周波を混ぜたら周波数が細かくなるのではないかと言う物でした。
4気筒の6,000回転時は1サイクルで2回爆発するので12,000回/min爆発することになります。
これを秒に直すと200Hzの基本周波数が出ていることになります。(倍音や構造による音変化は考えないことにします)
で、調べてみると同じことを考えていらっしゃるこちらの
ブログの方が計算した結果、この場合約90cm長さをずらして集合させると上記の位相をずらした音を作ることが出来るらしいです。
図にするとこんな感じ。位相転移式マフラーと命名。

図3
図だとなってませんが、触媒後分岐して片方のパイプを90cm長くさせて合流させれば図2のように6,000回転時に位相をずらした音を発するマフラーが出来るらしいです。
・・・ただもうお気づきの方いらっしゃると思いますが、位相をずらして図2のようにやると打ち消しあって
Sound side様より
この様に相殺してしまって、理論的には高音が得られるどころか消音されてしまいます(泣)
でも逆を返せばフルストレートマフラーであっても消音できることになったり?
ただ現実は管構造や倍音成分によって音は変化するのでそんな単純な話ではありません。
以下NSXの排気音を例に聞き比べてみると分かるかも?
<object width="425" height="355">
</object>
クラッチ滑ってますがNSXって良い音しますね!(ちなみに一台目のヤツがノーマルにマフラーだけ付けた車のようなのでそれと比較してみてください。三台目とかだとエキマニ入ってるみたいなのでめっちゃいい音してます♪)
このメーカーさんのマフラーは所謂フルストレートマフラーです。グラスウールが出口にいますがそれ以外は絞りもない構造です。
この音を基準に次の動画を聞くと違いが分かるかもしれません。
<object width="425" height="355">
</object>
こちらのマフラーは図3の様に途中分岐させて長さを位相が上手いことズレる長さで合流させたマフラー。
個人的主観の感想としてはあまり違いは感じられないですが、高音域の倍音が増幅されたような音がしているように感じます。理論的には相殺されるハズなのに何故音が出るのか・・・。
その部分については上記したSound side様で、
>空気の振動である音はあらゆる方向に拡散していくので、完全な打ち消しが起こらないであろうことは想像がつくと思います。
更には空間的に位相をずらした場合、低音成分が打ち消されかつ全体的に「ホワーン」としたぼやけた音(?)の様にに人間の耳には聞こえるらしいです。勿論メイン音源と位相音源の発生位置関係(分岐させたパイプの集合部)によって人間の耳に聞こえる音の印象は随分変わるようですので技術次第だとは思いますが。。。
このようなマフラーを作ると前回のブログで求めた極論の「高音を作り出す」程まではいかないにしても、「低音成分だけ消し、高音を残したマフラー作り出す」と言う意味では一つの方法なのかもしれません。動画を聞く限りでは本当に車検通過するぐらい消音できているのか疑問が残りますが・・・。
他に現在出ている車検対応マフラーの形としてサクラムマフラー等に代表される倍音倍増機構、前回のブログで教えていただいた多段膨張式のFFBマフラーなどがあるようです。色々な種類がありますね!
そんなこんなで結局某V10の素晴らしい音がする車のエンジン開発したメーカーの音楽家の方にお話を聞くと、吸気(インマニ)からエンジン、そして排気全てを管楽器として設計できたからこそ、高い音域を獲得出来たみたいです。なので今回のようにマフラー側だけではどうしても限界があるようです・・・。
色々見てみましたが難しい世界ですね・・・
今回はあくまで「音」を追及した考察でしたが、実際マフラーには「排気効率」も求められてきます。その点において今回の位相転移式マフラーは排気脈動などを考えるとどうなんでしょうか?また倍音倍増機構、多段膨張式の排気効率は??
もし脈動や流速などを理解できれば、どんな構造のマフラーがどのような特性になるか考えた上で選んだり造ったりすることができそうです。
なので音の探求は今後も続けますが、そのうち効率についての考察もしてみますかね!
その時は前にちょろっと紹介したあのマフラーを研究材料にしてみたいと思います。
※2018年8月4日追記
グラスウール構造を変更させ、排気流速(音速)を確保したらどのぐらい音質が変わるのか
実験してみましたのでよかったらご覧下さい。
※2019年8月30日追記
マフラーサウンド、音質を良くするにはどうしたら良いのか。あるマフラーを例に
続きの考察をしてみました。
Posted at 2012/09/05 14:34:58 | |
トラックバック(0) |
考察 | 日記