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イイね!
2014年02月27日

ゼロへのこだわり・・・ かけがえのないモノへ・・・。

ごきげんよう。



今宵は、部品の組付精度についてお話しさせていただこう。



クルマのホイールと、ハブ…。



ご存知、数本のボルト、ナットで締結されている。

小型車では主に4本及び5本。RV車では6本。古いルノー等は、3本というのもある。穴は360°を等配に、4穴では90°、5穴では72°、そして6穴では60°間隔といったところ…。

回転バランスと、同じトルクでネジを締め込んだ時に、ハブに対し平行に、きっちり付く様に考慮されている。



そこまでは良いのだが…




機械関係、加工、設計等を職とされる、若しくはされていた方々であればお分かりだろうが、どんな部品にも、寸法公差というものがある。精密機械で±0,02mmといったところか…。



シャーペンの芯の10分の1、それよりも小さい・・・。




どうでもいいような、そんな細かい事をいちいち…




その通りである。




親には昔から、『お前は小さい事をいちいち気にして、つまらんやっちゃのお!そんなんやから、デカイ人間になれやんのや…。』


恥ずかしながら今もって、周りの人に言われる事がある。

まあこれは、拙者の人間性、人格の至らぬところであって…(恥笑)




ところがこれが機械…特にクルマの高速回転に関連する部分だと、どうだろう…。



まずはエンジン。




おびただしい点数の、精密な部品の集合体である。



これくらい、いいだろう…



かも知れない。それだけならば…。



仮に、ひとつの部品が0,02mmの公差で、それが10個組合わさった物があったとしよう。公差の+寄り、-寄りの傾向にもよるが、同じ傾向であれば、0,2mmとなる。



様々な諸説がある、エンジンをはじめとする、クルマの所謂アタリ、ハズレ。


そのひとつとして、上記のようなファクターもあると、拙者は思う。



公差のイタズラ…。女神が微笑むか、地獄の業火か…。


銃器の世界でもまた然り。

ライン生産される、無作為に組み合わされた公差のイタズラ?で、1000挺に数挺、とてつもなく集弾性の良い個体が生まれてくるという・・・。



そして、パワートレーン。



先程の、ホイールとハブである。

構造にもよるが、ハブユニット、ディスクロータ間で、ひとつの当たり面。ディスクロータとホイール間で、もうひとつの当たり面…。









これが、ワイトレスベーサー等、構成数が増えれば増えるほど、交差の介入余地は多くなる。言い換えれば、各々の部品に対し、精度の高さが問われる。

因みに、とあるクルマのメンテ前に、組付け状態でディスクロータの面振れを測定したら、酷い所で、0,04mmであった。ハブユニットとロータの当たり面は、相当錆があった。これを、オイルストーンにて、修正仕上げ、更にワイトレスベーサーを平行度の出ている新品に交換後、再測定したら、面振れは0,01mmとなった。



もはや病気の世界なのかも知れない…。



そんな事して何になる…。


公道で走れるスピードは決まっている…。


レーシングカーじゃないんだ…。



周りからは揶揄されるが、機械が機械らしく、そして機械として、正しく動くように…。大事だと思う。



前述のように、時速40~50キロで走る分には、全く無視して良いだろう…。




短期的…であれば…。




その場限りの間柄であれば…。



エンジン回転数が1800rpm、5速で走行時の状態で考えてみよう。よくある条件だと思う。


この時点でのトランスミッション減速比0,761 ファイナル比4,083としたら、1800÷0,761÷4,083で、ドラシャの理論上の回転数は算出できる。約580rpm…。


装着タイヤが、205-45R17とすれば、205×45%×2で202,5mm、17インチ→431,8mm。合算して634,3mm。周長は3,14を掛けて約1,99m。


1,99mが580rpmで、分速1154m。時速に換算すると、約69km/h。


話が少し逸れたが、ドラシャが1分間に580回転するから、0,04mmの振れ…つまりハブ、ロータ、タイヤホイールを合わせた振れが、1分間に580回、ハブベアリングに対し、ストレスとなる。



これが高速になればなるほど、回数もストレスも増大する。



そして最悪、取り返しの付かない事になる…。








可能な限り、不安要素を取り除く…。




これは、企業の安全衛生活動にも共通して言える事ではないだろうか。



1対29対300の法則というのがある。


またの名は、『ハインリッヒの法則』


1つの重大災害の背後には、29の軽微な災害が存在し、その背後には300のヒヤリハット事例が存在するというもの。

事故(トラブル)をゼロにする事は難しいが、限り無くゼロへ近付ける事は可能だと思う。




クルマにしても然り。




乗る人ひとりひとり、かけがえの無い人ばかりだ。当然大切な相手も居る。家族、兄弟姉妹、友人、恋人、愛人?(^^)


そして、我々が愛するクルマ…1台1台、かけがえの無いマシーン…。


そんなかけがえの無い物へ、出来る限りの安心を…。


そして、バランスが取れたマシーンほど、操縦していて気持ちの良いものはない。




今日より素敵な笑顔の為に…




今日より確かな安心の為に…。





そんな気持ちで、クルマ弄りを続けることが出来ればと思う…。




長文お付き合い頂き、ありがとうございました。



ブログ一覧 | 日記
Posted at 2014/02/27 20:55:35

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この記事へのコメント

2014年2月27日 21:54
こんばんは。
車への愛が伝わって来ました。
以外にこのハブの精度で高速走行時にプルプルと嫌な振動が出たりしますよね。
走行に支障がなくてもテンションは下がりますからね。
コメントへの返答
2014年2月27日 22:03
今晩わ!

久々の雨ですね・・・。

そうなんですよ。

ステアリングに直接影響が出る前輪のバランスに目が行きがちですよね・・・。

些細かも知れませんが、クルマの出すサインを、見逃さずにいきたいものです・・・。
2014年2月27日 22:29
知識ありきの細かさは他人が何と言おうと間違いないと思います。
残念ながら私は車は大好きですが関連する知識を持ち合わせておりません。
ブログを拝見して自分の無知さが恥ずかしく思いました。
なので情報交換できることが私にとっては重要なファクターになります。
また色々教えて下さいね。♪

コメントへの返答
2014年2月28日 7:42
おはようございます。

細かい話にお付き合い、ありがとです♪

仲間同士共有しあい、高め合えればいいですよね!

mechiさんだって、mechiさんしか知らない、出来ない事があるはずですよ。

その人にしかないもの、その人だから出来ること…。

何かで読んだ記憶があります。

こちらこそ、また色々と教えて下さいね。
2014年2月27日 22:33
精度とはキリが無いモノですが、昔に比べて今は随分と良くなってきましたよね。
でも決して公差はゼロにはならない、、、。さらに1桁下での差を無くす戦いが始まるという。(^_^;)

もし、完璧な精度で仕上げられた道路を、完璧な精度で作られたクルマで走れたとしたら、、、

何か言葉で言い表すことの出来ない様な特別な感動を得られる気がしますね。(*^_^*)


コメントへの返答
2014年2月28日 12:36
こんにちわ!

重力…という力が存在する空間では、±ゼロは不可能だと言われてます。宇宙空間で機械加工すれば、どうなるんでしょうね…(笑)

でも将来的に、そんな凄いマシニングが出現するかも知れませんね…。

精度の折り合い、妥協もありますよね。

例えばエンジン組立…。殆どのクルマのエンジンは、現在では機械による自動組立だそうです。

この機械、凄いですが、やはり公差に巾を持たせる必要があります。当然、一基当たりのコストは低減されます。

対して、一基ずつ、熟練した職人が組み上げるエンジンもあります。ご存知ですよね。

コストは格段に跳ね上がります。但し、『パフォーマンス』『エモーション』というものを、私達に与えてくれますね。

実用との兼ね合い、用途に見合った精度など、様々ですが、キッチリと組上がった機械の音は、やはりイイ音してますよね。

2014年2月28日 0:30
こんばんは。

部品の精度と組み付け精度。
「機械が機械らしく、そして機械として、正しく動くように…」いい言葉ですね。

振動や音、いつもと違うなにかを感じとれる人、そうでない人。
多分最近はそうでない人の方が多い様に思います。
今の新しい車は、そんな事必要ないのかも知れませんが・・・。

最低限、自分の愛車の変化はくらいは、わかる人間でいたいです。

毎日、愛車と会話して楽しく乗り続けたいと思いますね。
コメントへの返答
2014年2月28日 19:44
今晩わ! 返コメ遅れましたm(__)m

ありがとうございます。


機械が音を上げそうな音をしている時・・・

何とかしてあげたい・・・って、思ってしまいますよね。


今の新しい車・・・

恐らく、精度が素晴らしく向上してて、感じにくくなっているのかも知れませんね・・・。


>最低限、自分の愛車の変化・・・

全く右に同じですよ!!


愛する=受け入れる・・・。

ヒトもクルマも・・・

喜びも痛みも・・・。



2014年3月2日 21:40
こんばんは。ご無沙汰してます。すごく興味深いお話でした。是非館でQC会議をお願い致します。
コメントへの返答
2014年3月3日 7:39
おはようございます!

お元気でしょうか…。こちらこそ、ご無沙汰しております。

なんと!館でQC会議ですか!(笑)

品質向上すれば良いですが、違う所?が向上するかも知れませんね…(^-^)
2014年8月15日 20:56
はじめまして!興味深く読ませていただきました♪
ひとつ、不良中年???さんのご意見をお聞きしたいのですがよろしいですか(汗
たとえば、ブレーキローターの流用で4穴を5穴に加工することが(あるいはその逆も)あります。
このとき、1つ目の穴を共有し、のこり4つを開ける場合が多いようです。
不思議なのは、もともとの4穴の1つ目に対しては、のこり3つの穴が90度ずつ均等にあいているので重量がバランスしていますが、5穴化のため、4つだけ開けたのでは、1つ開けていないのと同じ、これではバランスが崩れるのではないかと思います(汗
私は、例え穴どうしが接近したとしても5個開けるべき(またはそのような加工をしています)
不良中年???さんはいかがお考えでしょうか(汗

最後までお読みいただきありがとうございます。
コメントへの返答
2014年8月15日 21:37
初めまして。今晩わ。

お読みいただきありがとうございます。


難題ですね・・・(苦笑)


シビアに考えれば、まず、そのブレーキローターが使用される車種、重量まで遡って考える必要があるような気がします。

と申しますのは、1穴共用の5穴化・・・。

仰る通り、回転バランスが課題ですね。

取り敢えずこれは置いときましょう。

問題は後者です。新規に5穴化・・・。

元の4穴と振分け等配で、回転バランスは問題ないでしょう・・・。

そうです。強度です。

あと、残留応力ですね。

機械加工、製缶(溶接)加工、鋳造加工・・・。

加工によって、必ず残留応力が生じ、強度に対し、大なり小なりイタズラをします。


ローター径、肉厚、車重に対しての制動力・・・。

万全を期するのであれば、各々の車種別に、其々の車重、制動荷重等を算出して、加工するローターの強度計算をした上で、共穴で5穴化するのか、新規に5穴化するのかを判断する必要があるのではないでしょうか・・・。


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「@mitsu-34さん
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影武者?と申します…(^-^; まあ人生色々...クルマも色々...ですね...(^-^)v 懲りないプライベーターの綴りですが、よろしくお願い...

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