カラーユニバーサルデザインの話

きょうは県立大学の講堂でカラーユニバーサルデザイン「色覚バリアフリー」～誰にも伝わる色の世界～という講座がありました。講師はＣＵＤＯ(カラーユニバーサルデザイン機構)の伊賀公一氏です。

きっかけは昨年、クライアントから「色覚異常の方にも配慮して欲しい」という依頼があり、調べていくうちにＣＵＤＯにたどり着き、伊賀氏に打診をしたのが始まりでした。結局、一緒に仕事をさせていただくことは叶わなかったのですが、取引先のデザイナーから今回の特別講座の存在を聞き、受講してきました。

内容は色という重要な情報を一部認識できない方（色弱者・いろじゃくしゃ）の存在、色弱者の方が見るとこの様に見えるという例を用いて、一般色覚者に認知してもらおうという活動の一環だったと思います。

まず、色弱者という呼称についてですが、昔は色盲という言葉で括られ、色をまったく認識できないという誤認に基づき、結果的に差別を招いたという話です。色覚異常や色覚障害についても、正しく表現されていないということを科学的、論理的に説明をされていました。色弱者にもパターンがあり、遺伝子のタイプによって決まるので治療はできないため、「異常」や「障害」ではなく、交通弱者のように色弱者なんだということです。パターン分けについても色を認識する、目の網膜にある錐体（すいたい）と杆体（かんたい）という細胞の話と図解にまで及び、錐体には
Ｌ（長波長の赤い光に対して反応の強い錐体）、
Ｍ（中波長の緑）、
Ｓ（短波長の青）
があって、そのいずれかがない場合に、一般の方と色の見え方が違ってくるというものです。

そして、ユニバーサルデザインとバリアフリーの話ですが、色弱者の方に判別困難な色を排しようという話ではありません。一般の色覚者も色弱者にもみんなに大切な情報が伝わる配色やデザインを用いようということで、法令化や企業の意識も徐々に後押ししてくれるようになったきたとのことです。

伊賀氏の講演からでも、その戦いの日々の一端が垣間見えることがありました。

個人的に今回の講演で得たことは、色と色を縁取りで区切るだけでも違う、グレースケールで判別できないものはダメ、説明は科学的にわかりやすく、活動によって誰も困る人がでないことが大事だということです。

終わりに、講演ではビジュアルも使って非常にわかりやすく説明していただいたのですが、僕の拙い文章力では説明は困難で、この一段下に踏み込んだ感想にも言及する術を持ちません。ご覧いただきありがとうございました。