
さて、昨日はグッとくるフィギュアコレクション」の
シーエムズコーポレーション破産の記事を追加して2本更新したので、
今日はもういいかなぁ、、、と思ってたんですが、
正直なところフィギュアって儲かってるの?
この辺を、アレキサンドラ・スタンの音楽を交えて、
ちょっと分析&語っていこうと思います。
フィギュアの市場規模が312億円(2012)、今年度も同程度としても、
あの街角やショッピングセンターにコンビニ横にひっそりと設置してある照明写真機。
あの市場規模が920億円という事で、何時・誰が使ってるの??
という機械でさえフィギュアの3倍近く稼いでいる。
グッドスマイルカンパニーが約120億円(2012)で利益13億円で従業員は65名。
ねんどろいどは2009年時点で販売累計が100万個となっています。
ヒットした!!といわれるスケールフィギュア(10,000円以下)で5000個だそうです。
という事は定価の半分で卸していたと考えても2500万円。
大体のフィギュアは1000個~2500個という事なので、
500万~1000万ぐらいの売り上げにしかならない。
利益を1000円取っていたとしても、
単純に考えると一つのフィギュアに対して100万とか200万の純利。
海洋堂のリボルテックよつばは7万体以上生産との事。
これは1個2,000円程度なので、利益なんか数百円程度なので、
200円ぐらいと考えても純利1,500万あるぐらい。
意外と儲けの少ない業界なのかな?
と思いますが、生産の開始する半年前に予約が始まり、
その予約数の10%増しぐらいで製品を作っていけば、、、
10,000円のフィギュアを問屋からお店への卸値6,500円で、製造単価1,500円で、
利益2,000円とし流通コストや販促費や通販サイトでの宣伝費など、
コストを1,500円(固定でトータルで考える)と、
単純に500円単位で大雑把に考えますと、、、
メーカーは5,000円で問屋に卸すという事になります。
となると、生産数が、
検査ミスや初期不良・輸送時の不具合などでの交換などを考慮して、
10%上乗せして生産し1,100個で不良品が5%(55個)程度で、製造コストが165万円。
金型の金額で300万~500万(部品点数によって様々)
販売数が予約の数に対して100%の完売なら、
売り上げが500万円に対し、金型が300万+製造コスト165万。
これに輸送宣伝コスト165万追加で利益は、、、マイナス100万円。
という事は、予約の数で最低でも1920個完売しないといけない。
2500個完売してやっと200万の利益って事になる。
これじゃ、規模の小さいメーカーは現地に毎月行って、
品質チェックや品質向上の指導なんかできる予算がある訳が無い。
*あくまでも自分の経験上の概算ですので、
こんな大雑把なコストや内訳じゃないですよ。
生産を中国の企業へ発注している場合は、
発注した会社への支払いは不良品などの個数は関係なく、
日本への引渡し数なので、その辺は不良品が多くても問題ないのですが、
自社ラインや自社工場だと不良品=製造原価上昇に直結する。
不良品が毎回多くて、実質2割り増しで造って、やっと予約数と予備の在庫数なら、、、
もう造らない方がイイって事に。
円高の時はこれより状況が良く、結構儲かっていた様ですが、
今現在の材料費高騰、製造人件費高騰、円安の人民元高を考えると、
収益の悪化は一目瞭然。
だから、ねんどろいどやfigmaなどは金型流用できたり、大量に生産して元をとったり。
WAVEの様な水着だけのビーチクイーンシリーズに特化したり、
最近ではコトブキヤのキューポッシュとか有る程度顔の形が同じで、
顔のプリントや髪の毛の色違いで済むモノ、
販売個数が大量に見込める製品にシフトしていっているという今の流れ、
非常に解る様な気がします。

そう考えると、
毎日大量に予約開始されるフィギュアとかアニメのグッズ。
並みならぬ苦労があって、少しの利益って製品も大量にある訳です。
なので、うぉ!このフィギュア高すぎるだろ?ぼったくり??
何このオタクから毟りとる商法って思う前に、
ちょっとだけ、ちょっとだけで良いんです。

その10,000円の商品を買っても、ひょっとしたら自分しか買ってなくて赤字なんじゃないの?
こんなクオリティでこの価格って元取れるの??
バリがひでぇー!!でも、飾れば見えない場所だった!
おいおい新品の証である薄紙(たった5円)が付いてないのは、これ中古なの?あっエコだね!
箱の角潰れてるけど、フィギュアは無事だった!ありがとう箱とブリスター!
太ももに汚れが!塗装が少し剥げてる!!でも裏側だから大丈夫見えないよ!!
と、、、許してみましょう。
その消費者の甘さに甘えるメーカーは切り捨てる。
その甘さに厳しく次に答えてくれるメーカーを応援する。
製造原価を上昇させるようなミミッチィクレームや文句は止めましょうよ。
”過剰すぎるクオリティを消費者が求めるのをやめる”
*しょっぱい造型やだるっだるの造型を許すって意味じゃないですよ。

そう、ちょっとだけ、ほんの少しだけ許しましょう。
小さな傷や色のハミ出しや箱の凹みなんかで交換要望しない、
見えない部分の塗装で、ぎゃーぎゃーとクレーム言わない。
良いフィギュアをありがとう。
たまにはメーカーさんへ良かったよ!メールでもしてあげて下さい。
自分は、しています。