
今更ですが、amazonの話を。
◆なぜamazon.co.jpではフィギュアが激安販売できるのか?
皆さんはWEBショッピングってどこを使っていますか?
この10年、自分はamazonで毎月買い物をするほど、かなり頻繁に使っております。
特にフィギュアに関しては、実店舗で購入できる機会が少なく、
予約や限定品、中古を含めて全てをamazon.co.jpで購入しています。
amazonって、実際の所どうなんだよ?
なんであんなにフィギュアが安いんだよ、って思いますよね。
(amazon.co.jpのマケプレ業者を除く)
そこで、ちょっとWIKIにも掲載されていないamazonの事を書こうと思います。
amazon.co.jpはamazon.comの小会社で、
倉庫を管理している会社で、物は販売していないと言う立場。
いわゆる出荷と入庫を管理しているウェアハウス(倉庫、倉庫業)です。
よくamazonは商品が豊富だから、巨大ショッピングモールなの?
超激安だから問屋扱いでも受けてるんだ?と思われますが、違います。
実態は倉庫屋なんです。
つまり、マケプレや家電、DVDに服、化粧品、生活雑貨、ゲームやフィギュアなどのXXXストアを含め、
全てに対してウェアハウスと言う事です。
amazonは商品を仕入れて販売している会社じゃないんですね。
フィギュアメーカーから入庫された商品を顧客のオーダーに従って、
各フィギュアメーカーの替わりに出荷していると言う事。
それに伴う手数料で儲けている会社です。
基本amazonの国内倉庫は日通や大手の物流企業が倉庫業を請け負っています。
日通の倉庫をamazon.co.jpがamazonの倉庫として使用する賃貸契約を結び、
amazon.co.jpの委託業務でウェアハウスが入庫や出庫をやっている。
ただ、そこで働いているピック(商品をピックアップする)する人は、
amazon.co.jpの下請けもしくはamazon.co.jpの人が働いていると言う感じです。
ちょっと複雑ですね。
amazonは国内の物流企業・倉庫企業から倉庫を借り、
フィギュアメーカーや販売店は、そのamazonの倉庫を借りるわけです。
普通の工場でも良くあるように、製品をガンガン生産していくと、
工場内に置き場がなくなります。
出荷に関する梱包や管理などもやっていては場所も人材も効率が悪い。
広大な製品置き場も必要になってくる。
それを自社でやるより、専門の業者に任せた方が良いってことです。
そこで、倉庫会社は、製造工場の替わりに製品を保管してり出荷したりする業務を代行してやっています。
殆どの倉庫会社は物流(トラックなどの輸送機関)も備えているので、
ちょうど良い関係になるのです。
この時、入庫に関しては費用は取りません。
出荷の時に保管料と梱包や出荷に関わる費用を工場に請求するんです。
これだと、工場は、置き場を気にしなくてもどんどん製品を造り続けれます。
稼働率が上がってコストも削減できます。
倉庫会社は費用ゼロで、どんどん入庫させて出荷されるのを待ちます。
保管しているその製品が国内、海外に出荷されると手数料と梱包に掛かった費用を請求できるので、
これでもかというぐらい入庫させます。
amazon.co.jpなどの場合、
この倉庫会社と保管や物流に関するコストは年単位契約です。
一年間にどれだけ出荷してもコストはそれ以上増えないし、
どれだけ入庫してもコストは掛かりません。
だから、ボールペン1本からでも送料無料ができるんです。

じゃ、なぜ日本の物流企業や倉庫企業はこの手法で成長できなかったの?
もしくは、amazonみたいな企業が誕生しなかったのか?
これは、amazonがネット通販企業で、IT中心で考える必要が有ります。
日本はどちらかと言うとIT発展途上国です。
日本は実態のある製造業などは得意ですが、
目に見えないサービスやコンピューターのプログラムなどIT技術には疎い。
つまり上の世代(社長にしろ部長にしろ)がそれらを理解できないから、
IT系の技術はアメリカの様に伸びないし発展もしないし、
大手メーカーからはいつまで経っても、それらを超える物も出て来ない。
amazonがここまで凄いのは、IT技術の先進的な尖がった技術力があるからです。
商品の検索、在庫管理、顧客の好みの分析、
自動価格調整、商品カタログページ、決済などほぼ全てを備えているから。
これらの革新的な優れた技術力を、昔から有る倉庫業に持ち込んだのがamazonです。
特にamazonが優れているのは、A9という商品検索システム。
顧客の買いそうな物を検索に出してくる。
これが不必要な物がダラダラと出てくる他の通販サイトと違って優れている所です。
だから、顧客の欲しい物がピンポイントで出てくる。
そっしてそのページに直ぐにたどり着いて、直ぐに注文でき、直ぐに出荷できる。
これが強みなんです。
それから、日本の物流企業や倉庫企業は、
商品の管理をバラバラに棚に置いてなんて発想は生まれない。
amazonは商品の入庫順に種類など関係なく置いていきます。
この為、時間を掛けてジャンル別、カテゴリ別に分ける手間が発生しない。
商品を適切に種類ごとに保管し、
個数や種類を正確に大量に発送する事が主な日本の倉庫企業はは企業間のやり取りが多く、
バラバラに棚に置いて、バーコードで必要な分をピックしてなんて発想は出て来ないでしょう。
これらの点が根本的に違う為、amazonが通販最強と言われる理由の一つです。
ただ、ここでamazonって異常に安いと思いませんか?
フィギュアなんかは、実店舗の半値とかで販売していて、
どうして販売できるのか、なぜ赤字にならないのか?
これです。
これがamazonの最大の謎。
なぜ、50%OFFとか75%OFFとか出来るのか?
それは商品を仕入れているからではない。
上でも書いていますが、倉庫業だからです。
つまり、フィギュアにしても家電にしても、
個人や私企業のやっているマケプレ以外は、倉庫だからです。
置いているだけ。
個人のマケプレや実店舗などの有るショップのマケプレは、
その商品を一旦そこが仕入れてamazon.co.jpの倉庫に送ります。
(FBAフルフィルメント バイ アマゾンの場合)
実店舗や独自の通販ショップで販売の場合は、メーカーが問屋に卸して、
問屋からその販売店が仕入れて、顧客に販売します。
そこから、出荷するので、安くした分は仕入れた各ショップが利幅縮小や赤字として被るわけです。
概ね仕入れ値は60%程度なので30%OFFもしたら、
amazonの手数料分で赤字になります。
でも、amazonは倉庫としてフィギュアメーカーにスペースを貸し出して、
商品を置いているだけで、(普通で言う実質的な)仕入れはしていませんので、
50%OFFで出荷してもフィギュアメーカーから手数料が入ってくるので赤字にはなりません。
極論なら90%OFFでも良いわけです。

じゃ、この定価から格安販売分の差額は誰が持ってるの?
それはフィギュアメーカーが持っているんです。
メーカーの場合工場出荷価格は定価の30%-45%です。
つまり半額セールで手っ取り早く捌いて現金を確保できれば良いやって事で、
売れ残り製品をamazonで売り抜く事ができるのです。
メーカーや大手販売店としては、自社の通販倉庫としても使用できるので、
不良在庫を抱えるよりも、amazonで安く捌いてもかなりのメリットがあるわけです。
だから、amazonは通常の価格よりもかなり安い値段で、
しかも送料込みで消費者に届けることが出来るんです。
ましてや、フィギュアメーカーは小さい所が多く、
箱が大きくかさ張って単価の高く、
商品としての旬の短い商品を大量に保管しておくスペースなどありません。
家電製品や雑貨のように売れる分を生産とか、
売れた分を生産などと言う方式は取れない。
(只、限定受注やカラバリと言う形で最近は売れた分を生産し再販売している。)
中国で大量に生産された製品は一気に港に着き、通関の為の保税倉庫に送られ、
一気に日本に陸揚げされます。
もし、フィギュアメーカーが倉庫を自前で用意していたら?
とてもじゃないけど、お金がかかって仕方ない。
チビチビと売れる分の在庫を倉庫に置いておこう、、、
それはそれで、売れ残れば残るほど、人気が長続きして地味に売れる期間が長いほど痛い。
だから、フィギュアメーカーは日本到着後すぐに各問屋やamazon.co.jpに送ります。
この場合、日通などは海外コンテナも取り扱う業者なので、
amazonの倉庫へ送る際も非常に便利です。
通関手続きもやってくれるし、物流もやってくれる、それに倉庫業までも。
◆通常の小売の場合
メーカー→問屋→二次問屋→販売店
顧客からの注文→販売店→出荷→輸送(送料は顧客持ち)→顧客に商品到着
◆amazonの場合
メーカー→amazonの倉庫
顧客からの注文→amazon→出荷(送料は無料)→顧客に商品到着
◆具体的な価格で例を挙げると、
フィギュア工場での製造原価は、
1個定価1万円のフィギュアで1000円ぐらいです。
何も服を着ていないとかビキニ系のフィギュアなら、
大きさによりますが、300円ぐらいです。
それが日本に到着すると約2倍の価格になります。
中国工場から港、港から日本までの輸送費用、
それにメーカーが支払う諸経費とキャラの権利を含めると、2000円ぐらい。
そこにメーカーの利益を上乗せし、
一次問屋へ出荷する時は、3500-4500円になります。
で、二次問屋に出荷されると、4500-5500円。
一般の小売店が仕入れる価格は、大手で6000-6500円、小規模な所で7000円前後になります。
大体小売店は定価の25%OFFで販売を始めますが、
1万円の25%OFFとなると、7500円と言う事になります。
どう頑張ってもやっぱり25%が限界、利益無視なら35%が限界と言う事なりますよね。
これがamazonの倉庫に入庫となると、
メーカー出荷額の3500-4500円で販売をして、
出荷の手数料等を10%取られても、メーカーとしては大量に捌ける分あまり痛くは無い。
この方法だと、40%OFFや50%OFFどころか、75%も可能。
フィギュアメーカーの倉庫だから、amazon.co.jpでフィギュアの激安販売が可能なんです。
フィギュアメーカーとしてもその流通量が出荷全体の40%近くを占めているので、
格安の50%とかで投売りされても仕方が無い状況。
1万体生産していれば、4000体も売りさばいてくれるし、保管もしてくれる。
フィギュアメーカーが独自で4000体分の倉庫を借りようってことなら、
その費用だけでかなりの金額になります。
でも、あまりに投げられると問屋からメーカーに苦言は入るので、
amazonと問屋どっちを重視するかはメーカー次第。

例外として、本などに関しては、amazonが仕入れている形になります。
だから、amazonは本の出版メーカーに対して、
取次店(本の卸問屋、トウハンやニッパンなど)以上に安く納品しろと迫るわけです。
電子書籍に関しても、メーカーのその取り分がamazonより少なくて、
担当者が激怒したとかいう話がありますが。
amazonの交渉のパターンとして、日本のウェアハウスと違って海外の企業なので、
『メーカーさんどうかうちに製品を入庫してください、安い手数料でやらさしてもらいますから』
という事ではなく、
『メーカーさんさぁ、大量に商品捌きたかったら、うちに納入しなよ。悪い風にはしないぜ。』的な交渉です。
商品のCMは各メーカーや販売店が勝手にやってくれるからコストゼロ。
amazon.co.jp内での広告バナーで広告料が収入として入ってくる。
製品を出荷することで保管料や出荷に伴う費用が入ってくる。
こんな美味しい事はありません。
実質amazonの製品ってキンドルぐらいしかCMを流さなかったでしょ?
赤字運営が続いていた時でも、日本各地に大型倉庫を展開してきましたよね。
(実質、賃貸契約なので、投資額はそんなに掛からない)
◆まとめると、amazon.co.jpはフィギュアメーカーの倉庫。
それも倉庫の方が立場が上の、、、
倉庫なので、50%OFFで販売しても手数料や出荷・梱包費用で収入がある。
だから、amazon.co.jpでフィギュアの激安販売が可能なんです。
メーカーも問屋に卸すような感覚で使っているから、赤字にはならないし、
商品置き場を探す手間もない。
ズバリ、倉庫から物を出荷している所に普通の小売の通販企業は太刀打ちできない。
追記:
amazon.co.jpでフィギュアの予約数が絞られる理由
*と、ここまで書きましたが、各所に推測も入っておりますので、
間違っている所もあります。
造り話程度に留めて置いてください。
*間違ってる箇所は、フーンでスルーして下さい。
*ウェアハウスには、最初に保管料や入庫に関する費用を取る所、場合もあります。