
ABC製作所は”A”という製品を製造。
”A”という製品をインドのIND社という企業が購入したい。
日本語わからへんし、どうしよう、、、
あっ、以前取引の有るJPN商社に訊けばええやん。
JPN総合商社は、おっしゃそれ知ってるわ。
もちろん、うちで取り扱っております。
契約して売りましょう。
JPN総合商社とIND社で契約成立。
海外のINDが、毎月2回100トン分の輸入の契約をする。
JPN総合商社がABC製作所より製品”A”を100トン購入。
そのJPN商社の子会社JPロジスティックとかJP物流サービスが運送を担当。
でもそのJPロジスティックとかJP物流サービスが運送は、
書類を左から右へ流すだけ。
製品”A”は当然ABC製作所の関連倉庫に置いてある。
でも、港は近くにありません。
製品”A”を港の倉庫まで運びます。
ABC運送が担当。
毎月100トン運びます。
月初めに100トン。
NGY倉庫でその荷物を引き取ります。
月末には海外のINDへ輸出しなければイケない。

月の中旬頃、JPN商社から出荷依頼がJPロジスに出されると、
JPロジスは、そのNGY倉庫で荷物の搬出をしている海運会社を使って、
製品”A”の輸出を開始します。
ですが、JPN商社は東京の会社なので、
まず、その地方のデカイ運送・物流系企業に依頼する。
製品”A”の輸出を大NGY物流が引き受ける。
でも、大NGY物流は、その地方におけるJPN商社みたいな物なので、
その倉庫や港への輸送などを手がける中NGY海運に頼む。
その中NGY海運は、その倉庫を管理し搬出入作業をしている、
小NGY運輸に実際の作業をしてもらう。
でも、小NGY輸送も下請けが居るので、
極小NGY運送が小NGY輸送のコンテナトレーラーを牽引し、
中NGY海運の下請けのマイクロMGY作業株式会社が、
フォークリフトやその他の人員を10名ほど出す。
でも、そのマイクロNGYで働く人は、
人材派遣のミクロサービスから来た人達。
そして、実際製品”A”が置いてある倉庫で働くミクロサービスの人達が、
一生懸命働いてくれて製品”A”はコンテナに無事に詰め込まれる。
その後、極小NGY運送のドライバーさんが、港へ運んでくれる。

で、コンテナヤードで目的地に向かう定期コンテナ船に積載されて、
21日もしない内にインド到着となる訳ですが、、、
NGYから出港したら、そのままインドって訳には行かない。
高雄か香港でコンテナを積み替え(要は鉄道で言う乗り換え)
その後、シンガポールでまた積み替えされて、インドへ。
インドのIND社の地域の国際貨物港に陸揚げされて、
其処から先は、同じ様な工程を経て、納品となる訳ですが、
IND社が商社だったら、またそこから本当にその製品”A”を使用しなければならない企業へ。
そこの倉庫に納品されて、製品”A”の移動は完了します。
ただ、取引上・決済は、港間だけで完了します。

製品”A”を欲しいと言ってたインドの会社IND。
それを売りますと言ってIND社と契約したJPN総合商社。
この物の流れの契約は表面上はIND社とJPN商社の2者だけ。
IND社が製品”A”の100トン分の金額100億円支払って、JPN商社は100億円受け取る。
たったコレだけですが、その水面下では非常に多くの多重請負的構造があります。
要は、実際に取引している両者は、他者へ投げっぱなし。
何故に、こんなにも多重に多くの企業を介してしまうのか?
実際に作業する10名の人を動かす為に、それ以上の人間が書類にハンコを押す。
その様々なハンコが押されると、どんどん中抜きされていく。

逆の海外からの場合でもほぼ同じ。
IND社の取り扱う製品”D”を購入したいって思った場合、
その製品”D”を製造しているメーカー(もっと長くなるので途中は全部略)
港について通関通って、海運コンテナ会社が、日本の通販や問屋の倉庫に納品。
通販の注文を受けたら、運送会社のドライバーが大都市圏や、
地域の中心都市の物流センターまで輸送。
そこから、各消費者の住む都市や街に運ばれて、各消費者の手元へ。
これもかなりの人手と企業を介します。
昨年は時々フィギュアの製造原価の話をしておりましたが、
製造原価と同じ金額以上に掛かる物流費。
製造国から、日本に持ってきて、
そこからさらに消費者に届けるまでの費用を入れると、
購入価格の20%~35%を物流費で占める事になる。

送料無料をやめましょうよ。
ってなると、
送料なんか通販企業やメーカーや販売者が負担しろよ!
1個につき500円って高すぎるわ!
それなら倉庫に取りに行くわ!
とか言う人が多いですが、、、
そんなに多くの中抜き企業が居るんじゃ送料高くって当たり前!
メーカーや工場(倉庫)→運送会社→消費者って単純にすればイイ事!!
これなら安くなる!!って思いますが、、、
もう良いわ全部自分で処理してやるわ!(個人輸入代行通さず)
って、なると本当に大変。
じゃぁ、海外でつくられたその服やカバンも直接海外メーカーから、
輸入商社や個人輸入代行とか使わずに、
面倒だから現地の小売店で購入ってのも無しで、
直で購入すれば??できるの??
外国語と海外の商習慣違うけど、直接取引してくださいよ。
国際電話か外国語でメールするなり連絡を取って、
商品も1個とか2個じゃなくトン単位購入なんで、責任持ってお願いしますわ。
もちろん、海外企業の指定した海外の銀行口座に振り込んでくださいね。
それから、運送時の万が一の場合の海上保険に陸上保険も掛けておく事が取引条件です。
当然、英語できますよね?生命保険会社で扱ってないので、
海上コンテナの保険会社にお客様各自で交渉して下さいよ。
あっ、ちなみに実績や取引履歴が無いと保険料率はメチャクチャ高いですがね。
ちなみに、年間何千トンと今後も継続取引があるなら別ですけど、
単発ならもっと高くなります。

あと、船の手配もお願いしますね。
どこから、どこまでの航路のどの船会社を使うのか、
どの方法で運ぶのか、
1コンテナ貸切か、分け合いか、リースのコンテナ使うのか船社の専用コンテナか。
コンテナ内を乗り合いタクシーみたいな方法で他の荷物と積み込むなら、
その製品が安全だっていう証明書の発行も依頼しておいて下さい。
もちろん、その出荷される地域の税関の許可した機関で発行された、
外国語の証明書ですよ。

通関時の輸出書類と輸入時の通関書類も自分でやるんでしょ?
フォームや記入例は各国違うので、自分で調べてくださいね。
その他取引条件色々ありますので、期日まで、
関係書類そろったら、添付して返信して下さい。
で、取引契約書を発効してください。
条件とか内容は、打ち合わせした内容で、
一文字でも違ってたら、取引は無効ですから。
これらの取引上の書類は全部外国語です。
ハイ、サインしてくださいね。

なんて、一個人じゃ無理。
結局、それらの面倒な部分を中抜き会社が一手に引き受けて、
見えないところで、各分野で分担してバーっと処理してくれる。
でもって、最終的に手元に届けてくれる人たちに送料500円が眼に見える状態になる。
消費者がいつでも購入できるように、倉庫で管理してくれるから、
クリックしただけで、商品が手元にやってくるんだって。
便利だからお金を払う。
これ当たり前の事。
便利だけど、無料にしろ。
サービスだろ?タダにしろよ。
だいぶ前のファミマを恐喝したコンビニDQNみたいな。
物やサービスはタダじゃない。
物やサービスには価値があるから、対価を支払う。
その物自体に大した価値が無くっても、
それを手元に取れる場所まで持ってきているサービスには、価値がある。
パッとしない服やカバンを購入して、
実際手にとって見ると、その服やカバンには3,000円の価値が無いなぁと思っても、
そのパッとしない服やカバンをアナタの為に手元に届けてくれたサービスには価値がある。
そう、その商品代金の中に送料無料分の費用が隠されて入ってます。
イベリコ豚の生ハム食べたって同じ。
美味かろう不味かろうが、輸送費は掛かってる。
送料無料と謳うが為に、どこかにシワ寄せが来ています。
それは回りまわって、消費者が損をしているかも知れません。

まぁ、長いけど何が言いたいかって、
送料無料はあったりめーだろとか、
送料無料じゃないと注文する気にもならないって言う人は、
自分で、倉庫まで取りにいってください。
つーのは上段回し蹴りで、
時間指定の時間をちょっと過ぎた位で、
営業所におせぇーぞの電話とか止めましょう。
24時間部屋に居るお前みたいに、暇じゃないんだよ。
というか、月に何回も来てくれる顔馴染みのドライバーさんがいたら、
暑い日には、運送会社の人に労いのジュース1本でもあげて下さいって事です。
まぁ、別に物をあげなくてもイイから、いつもアリガトウとか、声掛けてあげてください。
サインここに、フーンさらさらさらっと、はい(ボールペン返す)、バタンッ!
終始無言で、受け取って終わり、これはちょっとねと。

自分は、良くコンビニでSGWやKNYに出会うので、
その日、荷物があろうとなかろうと、
レッドブルかお茶を差し入れしています。
まぁ本当は、消費者がちゃんとサービスに対して正当な対価を支払えば、
こんな労いとか要らない。
ブラック企業の様に、安い賃金や安い価格で、
上質のサービスをなんて求める日本の捻れた感覚の消費者が居る限り、
日本では、誰もが満足できる本当のウィンウィンの関係って、
成り立たないんだろうと思います。

ちょっとぶつかったら、スミマセンとかゴメンナサイと直ぐに謝る、
何かをしてもらったら、アリガトウと直ぐに言う日本人。
サービスをしてもらったら、それは言葉ではなく、お金を支払うって事です。
商品を手元へ運んでもらうんだから、送料払う。
残業という会社に対してサービスしたら、残業代を支払って貰う。
当然の事。
それは、運送関係、通販関係だけではありません。
全ての業界で、正当な対価を支払う事を忘れています。

*一部輸入関係は、
すげー長いくだりですが、間違ってたらゴメンなさい。
*マトメたつもりですが、非常に読み難く長くてすみません。
*自分は運送ドライバーじゃないです。