先日まで読んでいた
「奪われる日本」ですが、初めて「対日投資会議」なる総理大臣が議長を務める機関の存在を知りました。
副議長はタケナカ先生です。
外資による日本への投資を促進すべく、法制、会計、税制の改正を進めると共に、外資による日本企業のM&Aに対する日本人のマイナスイメージの払拭キャンペーンや意識改革までも目的としていたそうです。
平成19年12月28日の閣議を以て廃止になったんだそうで、首相官邸のサイトにある
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/index/tousi/index.html
サイトからの公式サイトへのリンクも切れているようです。
現在では、千葉商科大学学長が座長を務める「
対日投資有識者会議」なる、民間人と欧米のビジネス人による組織に継承されているようです。
この
座長のウェブサイトによると、
「よくウィンブルドン現象やシティ現象などと言われますが、イギリスにはウィンブルドンという世界テニストーナメントがあります。大変有名なトーナメントで、世界中の人々が集まりますが、イギリスの選手は殆ど活躍していません。それでもイギリスは世界のテニスの中心といわれています。」
とありますが、対日投資(M&A)をウィンブルドンに準えるのはどうかと思います。
僕も詳しくありませんが、ウィンブルドンのオーナーや経営はイギリス人のままですよね?きっと。
それを言うなら、ウィンブルドンの経営権自体を外資が購入し、屋根付全天候型のコートに改変し、視聴率稼ぎと海外のTV放映にあわせた年4回夜間開催として、それに反対する古くからの従業員のリストラに、残った従業員のパートタイマー化を行った、とかってのが妥当でしょう。
ウィンブルドン現象を言うなら大相撲も柔道も同じですから。
充分日本は海外に開かれてますよ(笑)
「ひとつは日本でM&Aをもっと活発化するための方策です。M&Aというのは、Mergers and Acquisitions、合併吸収という英語ですが、外国の企業が日本に投資をしてくる時に日本は列島中びっしりと企業がつまっているので、何もないところに投資するというよりは、すでにある企業を買収して、それをさらに活発化させるというのが有力な方法です。このM&Aをやりやすくするために「三角合併」という方式が2年前の会社法制定の際に採択されました。この方式は諸外国の企業が日本に子会社をつくり、その子会社が親会社の株を使って日本の会社を買収するという方法です。これは制度としてはできましたが、十分に使い勝手が整理されていないので、この関連の仕組みを整備しようという目的です。」
との発言もありますが、なぜ、「すでにある企業を買収」すると「活発化させる」のかがちゃんと説明されていませんね。
例えば、すごく優秀な技術を持った会社があるが、資金がなくてそのアイデアを製品化出来ずにいる、国も自治体も金融機関も他の日本企業も全く力を貸してくれない、それを外資が救ってくれた、ような事例が沢山あるなら理解できます。
(これもそもそもおかしくて、そんな理不尽さで外資に頼らずに済むような仕組み作りをすべきでしょう。あ、それを目的としたのが、少ない資本金で会社を設立できるように会社法を改正したり、マザーズとかの証券市場の立ち上げだったように思います。)
しかしながら、NHKドラマ「ハゲタカ」でもやっていたように、サブプライムローンなどが作り出したバブルで大量の現金を手にしたウォールストリートの投資銀行が更に儲けようとして、長期の不景気によって株価低迷で苦しんでいた日本企業を安く買い叩き、時価主義のため株価に反映されていない不動産などを切り売りし、事業を解体して実態としては会社をボロボロにした上で、株価だけ上げたところで売り抜ける、なんて事をしていた訳です。
おまけに格付会社が同じ米系なのだから、きっとグルなんでしょうね、元々低く格付ておいて、事業解体してリストラすると格付を上げ、結果的に株価も上がる、みたいな。
確かに外資やM&A周辺産業(コンサルタント、アナリスト、証券会社などの金融機関など)にしてみれば市場が「活発化」するかも知れませんが、経営者やそこで働いている従業員、忠誠を尽くして、定年まで働こうと思っていた人々にとってみれば、生活自体や人生設計までも狂わされてしまいます。
ただのえげつない儲けのためだけに。
そして金儲けさえ達成できれば長居は無用、自国に戻れば良くって、信用も今後の商売もありませんから、後は野となれ山となれ、残された会社や従業員がどうなろうが関係ないのです。
と言うか、外資系金融機関の従業員自体もうモラルがなくなっていて、数年間でがっぽり稼いだらパッと辞めてるそうですから、在任中にどんな酷いことをしようが問いようがないそうですね。
新入社員でさえ年収数千万の世界だそうで。。
そして、このように日本が売られてきた、制度を崩壊させられてきたのは、阪神大震災がありながらなぜか建築基準法が変更されて、耐震偽造を招く要因になったり、医療制度見直しで現在騒がれている医療崩壊を招いたり、これから色んな問題が顕在化してくるのでしょうが、司法制度見直しによる裁判員制度、などなど沢山あり、すべて「年次改革要望書」のリクエスト通りに進んできているそうです。
ちなみに『2006年6月に発行された日米投資イニシアチブ報告書には、アメリカ政府が世界的に進めるグローバル資本主義導入の一環として日本国政府に対し「労働者の能力育成の観点から、管理、経営業務に就く従業員に関し、労働基準法による現在の労働時間制度の代わりにホワイトカラーエグゼンプション制度を導入するよう要請した」と記載』されているんだそうです。
Posted at 2009/05/14 01:22:03 | |
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