僕は今回の震災、それと同時に起きた原発事故とあわせて、我々日本人の考え方や価値観に対しても、ある種のターニングポイントとなってもおかしくない出来事ではないかと思っています。
そして、数多くのいたましい悲劇があり、僕は毎日、新聞を読んでいて、家族を亡くした人たちの記事を読むたび、思わず慟哭してしまいそうな感情に捉われます。
それなのに、このような出来事でさえ、ネットやマスメディア上、自らの政治的主張に利用しようとする人が多く、嘆かわしくみています。
僕は単純に傍若無人な振る舞いが嫌いなので、ここ最近、そんな風潮に竿をさしてみてるつもりでいます。
隣国について、ネット上で溢れている非難の声とは少し違った視点のニュースがあったのでご紹介してみます。
憎み合っていても、誰も幸せになりませんからね。
いずれも
「極めて異例」だそうです。
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【ロシア】
日本支援へ北方領「即時返還を」 ロシア大衆紙がコラム
【モスクワ共同】「クリール諸島(千島列島)の四島を今すぐ、無条件で日本に返さなければならない」―。ロシア大衆紙モスコフスキー・コムソモーレツは18日、東日本大震災に見舞われた日本人の悲しみを和らげ、日本への同情を示すため北方四島を返還すべきだと主張する異例のコラムを掲載した。
メドベージェフ大統領の昨年11月の国後島訪問以来、ロシアは現地での軍備増強を指示するなど日本へのけん制を強めていたが、大震災発生後にそうした動きは影を潜めていた。同紙の記事は被災した日本を支援すべきだとのロシア社会の雰囲気を反映している。
筆者は同紙政治評論員のユリヤ・カリーニナさん。日本には北方領土返還を求める法的権利はないとし「私も、日本が順調だった時には返還に反対だった」と心情を明かした。
その上で「しかし大地震と津波が全てを変えた。破滅的被害の前では(ロシアの)国益など小さいことだ」と指摘。広大なロシアのほんの一部にすぎない北方四島を日本に慈善目的で引き渡すことが「それほど惜しいだろうか」と問い掛けている。
コラムは、ロシアが北方領土を返還すれば、政治家が個人的野心のため軍備を拡張し国々が小さな利益を奪い合った「古い時代」に決別し、より人間的な「新しい時代」に進む最初の好例となるだろうと結んでいる。
【韓国】
日本への義援金、史上最高の200億ウォン超
大韓赤十字社に寄せられた日本の巨大地震への義援金がすでに200億ウォンを超え、災害募金としてはこれまでの最高額となりました。
大韓赤十字社が28日、発表したところによりますと、東北関東大震災への義援金は、26日までに213億2800万ウォンが集まり、すでに200億ウォンを超えました。
これは、大韓赤十字社に寄せられた災害募金としては史上最高額です。
これまでの最高額は2005年8月にアメリカの南東部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」の際、4カ月間に集めた193億6000万ウォンでした。
大韓赤十字社に寄せられた東北関東大震災への義援金は、地震発生後4日目の14日から始まり、16日には59億ウォンが集まるなど一日平均で15億ウォンが寄せられたことになります。
大韓赤十字社は、15日以降これまでに合わせて800万ドルの義援金を日本赤十字社に送っています。
【中国】
胡錦濤主席が犠牲者弔問のため日本大使館を異例の訪問
中国の胡錦涛国家主席は18日午後、日本で発生した大地震による犠牲者の弔問のため日本大使館を訪れ、丹羽宇一郎大使と会談した。中国の国家主席が大使館を訪問するのは極めて異例だ。中国国際放送局が報じた。
胡錦涛主席は中国政府と国民を代表して、丹羽大使および日本国民に心からのお見舞いの意を、また犠牲者に対して深い哀悼の意を表わしたうえで、「日中国は一衣帯水の友好隣国である。われわれは、日本国民が地震で受けた苦しみを自分のことのように感じている。中国政府と国民は日本への救援を積極的に行っているが、今後も日本に対して必要な援助を提供したい。日本国民が一日も早く困難を克服してもとの暮らしを再建するよう希望している」と述べた。
丹羽大使は、「地震発生後、中国政府は日本に物資援助を提供し、国際救援隊を派遣した。また、中国の人びとの多くがお見舞いの言葉を送ってくれた。日本は国際社会の支援のもとで救援活動を展開しており、日本政府は在日中国人の安全確保に全力を尽くしている」と述べた。
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ロシアのメディアが北方領土返還と主張したのは初めてだそうですね。
なお、
参考までに北方四島の面積6000平方キロに対して、在日米軍基地の面積は324,696平方キロだそうです。
この数字を見てどう感じられますか?
韓国の義援金ですが、8日現在で約363億ウォンに達しているそうです。(韓国赤十字社分のみ)
記事にある、「カトリーナ」の時は4ヶ月で193億ウォン、今回は1ヶ月未満ですから、圧倒的な違いですね。
一方、
アメリカの義援金は震災発生後4日時点の比較で、ハイチ地震比で1/6、カトリーナ比で1/4以下しか集まらなかったんだそうです。
誤解なきように言っておくと、僕の世代は雑誌ポパイに代表されるようなアメリカ文化全盛の時代で育っていて、ハリウッドにニューシネマ、アメリカンポップスにロック、ジャズにスタンダードにフォークにC&W、アメリカ文学にアメカジやアイビー、食べ物飲み物に至るまで、多大な影響を受けてます。
冷戦が終わってアメリカが変わってしまったのと、そもそも我々が情報統制されてた(GHQの占領政策)って面に気付いたのもあって、最近客観的に考えられるようになりましたけど。
中国のこの件について詳しく触れてある
記事を見かけましたが、相当に本気な様子です。
どうでしょう?
情報の見方を変えるだけで、ずいぶん印象が変わるはずです。
あと、これはまた機会があれば書きたいと思ってますが、「中国が反日」との印象報道について、
Wikipediaにもありますが、「中国人が一番嫌いな国は韓国であり、日本は「好き」「嫌い」双方の設問で上位に入る愛憎半ばする関心の高い国といえる。」
「2009年末の人民日報系の国際情報紙『環球時報』の世論調査では15〜20歳の若年層では「最も好きな国」の1位に日本を挙げている。国民全体でも「最も好きな国」「最も行きたい国」の区分で、日本は5位、3位に入っている。」
僕も3年ほど前までは、ほとんどのみなさんと同様に反日の国だと思ってましたが、何度も中国に出張し、現地の人と接する内に上のアンケートが実態だと解ってきました。
八十后、九十后と言われる若い世代に至っては、僕なんかよりはるかに日本のアニメやアイドルを知ってますし、日本のブランドを信奉してますから、本当にマスコミの印象報道って、、と感じさせられます。