
日本コロンビア(DENON)製CDプレイヤーDCD-3500の調子が悪くなって来ました。2月始め位からキュルキュルと異音が出て途中で読み込まなくなり再生が出来なくなりました。
3月に入って今度はトレイの引き込みが出来なくなりました。5mm位手前で引き込みを止めてしまいます。
2重の障害で全く再生が出来なくなりました。ネットで調べるとメーカーは修理を止めたと言う事です。理由は交換用パーツが無いという理由です。
このままこの名器を塵に出すか?と思ったのですが、その前にDIYで修理をする事に!
発売 1988年6月
価格 \208,000
重量 19Kg
仕様もハイスペックで当時として名機でした。
購入してから30年経ちますが今まで故障は全く無かったので流石に名機と言えども30年経てば何処か不具合が出ても可笑しくはありません。
今まで何も障害が無かったことの方が不思議です。
修理はトレイが正常に動作しない事には先へ進められないので先ずトレイの修理から始めます。
トレイの出し入れが不調な主な原因はベルトです。2本あります。
モーターでトレイをスライドさせています。ベルトを2本使って2段階に減速をして強力なトルクを得ています。
トレイの真ん中のからモーターの軸と中継軸が見えます。先ずはこの
ベルトを交換します。
このベルトが現用品です。
交換用としてNETで購入したベルトです。
交換用のベルトは細くて頼りない感じがします。
現用品は良く見るとたいした痛みも無いので、再使用してみます。
以前フロントガラスの日よけをガラスに固定する時吸盤を使っていましたが、これをお湯に漬けて再使用した事を思いだしました。
今回もお湯の出番です。70度位のお湯に10分位漬けて再使用します。
2本目のベルトは前面パネルを外してトレイの裏側から見ると見えます。
この短いべるとが2本目のベルトです。
復活したベルト再使用して、さらにスライドする時の摩擦軽減の為スライドする部分の樹脂部にシリコングリスを塗りました。手で押してもスムーズに感じます。
シリコングリス塗布とベルト交換(再仕様)でスムーズにトレイが動く様になりました。お湯の効果は凄いです。
トレイの動きが良くなったので、CDディスクは正規の位置にセットできる様になりましたが、相変わらずキュルキュルと異音が出てディスクは止まって再生できません。結局トレイ全体を外すことになりました。
赤い丸の接続を外します。赤、白、黒のコネクタ、フラットケーブル2本のコネクタ、フレキシブルケーブルのコネクタを外してトレイから来る配線を全て外します。ねじを7本外してピックアップとスピンドルモーターが付いているトレイ本体を後部に引き出します。
その前にCD挿入口の蓋を外しておきます。
トレイ本体を外し、CDを出し入れするトレイを分解して、トレイ本体を見てみます。
トレイ本体の表側です。ピックアップとスピンドルモーターの軸が見えます。
スライド機構を動かす短いベルトも見えます。
基板を外します。ピックアップのスライド部分の清掃とグリスアップをします。
ピックアップの部分が見えないので3本のビスでモーターのコイル取り付け板を取ります。
スピンドルモーターのコイルが出てきました。このモーターの電流を切り換えて
磁力を次々切り換えることでターンテーブルを回転させます。
所謂ダイレクトドライブモーターです。
スピンドルモーターはCDの外周と内周では回転数を変えないといけないので正確にCPUで制御されています。
なかなかたいしたものだと感心しながら、清掃、レールの周りにグリスアップしてこれで終わりと思い組み立てを始めておや?・・・
初めて気がついたのですが、コイルを取り付けるとき、いやにモーターの軸がぐらぐら動くことに気が付きました。振動対策なのかな?と思いながらモーターの軸を見るとモーターを取り付けている2本のビスが浮いています。
何だこれは!!! モーターの軸がこれではデータは読み込めないはずです。
キュルキュル異音発生して擦れまくっていたのはこれが原因です。
しかしどうしてビスが浮いてくるんだろう? 大事なスピンドルの軸です。ネジロックもしないで30年間経ったんです。
取り付けビスが1~2回転緩んでいます。いやいや原因が分かってほっとしたのとビックリしたのと複雑な気持ちです。でも原因が分かってよかったです。
原因が分かったのすが、この軸のCDキャッチ部が取れないのです。軸に止めるための穴が開いているのですが回す術がないのです。マイナス、プラス、6角レンチなどいろいろ試したのですが、いづれも駄目でした。
取り付けた方法を知りたいです。結局細いプラスドライバーで何とか斜めから締めました。隙間にネジロックで処理をしました。
組み上げて動作を確認しましたが、トレイの動きは極めてスムーズで、擦れる異音も全く聴こえません、静かなCDプレーヤーに戻りました。
トレイ部分が無くなったプレイヤーの内部です。
もの凄く贅沢な造りです。電源部はデジタル部とアナログ部に完全に分離されています。
アナログ部の電子回路部は左右独立しています。デジタル信号処理部もアナログ部とは基板自体が分離されています。
デジタルのピックアップ部は4個のスプリングで浮かして振動対策をしています。
スプリングで浮かしていた部分ですが2箇所軸が破損していました。
1個は書道用の小筆が丁度良い寸法なのでそれをカットして代用品にしました。
組み上げ時にさらにもう一個破損しました。結局代替品は2個になりました。
組み上げてから再度動作確認しました。トレイの動きも極めてスムーズです。
また擦れる異音も全く聴こえません、静かなプレーヤーになりました。
これからまた暫くは安心して使用できます。
電解コンデンサーの交換を時期を見て行いたいお思います。
2023.03.15 追加
ターンテーブルを外すことが出来たので追加します。
ターンテ-ブルをモーターの軸から外したので取り付けベースからターンテーブルの表面までの寸法を計測しておきます。13mmでした。
ターンテーブルを外してターンテーブルを取り付けているネジを確りと増し締めできました。ターンテーブルはT4のドライバーで外すことが出来ました。
6角ネジ、プラスネジなどいろいろ試したのですが、結局T4トルクスドライバーで外すことが出来ました。メデタシめでたしです!!!。