Z32 ECUのしくみ (6) 燃圧制御
1
サービス周報 第628号 (1989年7月)から抜粋です。
Z32の燃料圧力の制御条件について書かれています。
※4型以降のVG30DE車には
燃料温度高温時の制御がありません…
何でだろぉ~ 何でだろぉ~
ターボ車に比べるとエンジンルームが冷えてるから?
2
Z32では燃圧が{大気圧+3.05Kg/cm2}になるよう
プレッシャーレギュレーターが設定されています。
一定なのは加圧分で、燃圧そのものはめまぐるしく変わります。
また、パーコレーション対策のためだと思うんですが…
燃量温度センサーが
「ガソリンが高温(75℃以上)でっせ」
という状況をお知らせしてくれたときには
プレッシャーレギュレータの
インマニ圧を取ってる管をECUが閉じさせて、
パーコレーションの影響で下がってしまった燃圧を
上げさせるように働きかけるシカケが入っています。
※「ハァ?」だった人は下の方に解説を書いておいたので
そちらをドゾー
3
実際問題どんな感じでプレッシャーレギュレーターが
差圧で制御するかを図で書こう…
と思ったら、Defiの取説にイイものがあったので拝借を。
加圧する分は一定、燃圧は変動というのはこんなカンジです。
4
【よいこのための燃圧講座】
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燃圧:
燃料をインジェクターに押し込む圧力です
要はインジェクターから燃料を吹き出させる勢い
通常、インテークマニホールド気圧+3Kg/cm3
(=約3気圧の加圧)
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ECUでは、
インジェクターから燃料を吹き出す時間を制御することで
燃やすガソリンの量を制御しています。
んじゃ、吹き出す燃料の勢い(燃圧)は?
「燃やすガソリンの量はECUが制御してあるんだから
勢いはどーでもイージャン
つーことで、一定の圧力にすりゃあ…」
実はコレも制御しないとマズいのです。
というのも…こういう問題がありまして。
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インジェクターの位置は
インテークマニホールドの先の方にあって、
そこで燃料を吹き出しています。
# 以下、インテークマニホ(フォ)ールド
# のことをインマニって書きますね
さて、ここで、
ふつーの空気中(=気圧が1気圧である空気中)で
インジェクターに3Kg/cm2の燃圧をかけて
燃料を噴出させると、
1秒間に10cc出たとしましょうか。
さて問題
「気圧の低いところに行っても
1秒間に10cc出るのでしょうか?」
実は10ccより多く出ちゃいます。
周りの空気の圧力が低くなると、
インジェクターから出てくる液体の量は増えます。
# 東京湾で膨らませた風船を
# 富士山の山頂に持っていくと、
# 山頂の気圧の低い空気に
# 風船の中の空気が引っ張られて
# パンパンに膨れ上がるのと同じことです。
一方、インマニ内の圧力は
・アイドリング時…大気圧より低い負の圧力(=負圧)
・走って吸気を詰め込む…大気圧より高い正の圧力(=正圧)
という風に、状況に応じて動的に変化します。
さて、そんなインマニ付近で
一定の燃圧でインジェクターから燃料を噴射すると
・インマニ負圧の時…燃料が空気に引き込まれてより多く吹き出す
・インマニ正圧の時…燃料が押し戻されてより少なく吹き出す
という状況が起こります。
ECUは吹き出す時間を以って
燃やすガソリンの量を制御しようとしていますから
1秒間にインジェクターから吹き出す燃料の量そのものが変わると
「ヨッソー外デス」
の状況になるワケです。
しかも、動的に圧力が変わるモンですから、
センサーでイチイチ測って圧力を電子制御してたら
圧力の変化に追いつかないと来た。
そこで、大気圧とインマニ圧力の差をとって
燃圧を機械式に制御してくれる
プレッシャーレギュレーターという装置をつけて
・インマニ負圧の時…燃圧を下げる
・インマニ正圧の時…燃圧を上げる
というふうに制御させています。
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Z32では燃圧が{大気圧+3.05Kg/cm2}になるよう
プレッシャーレギュレーターが設定されています。
一定なのは加圧分で、燃圧そのものはめまぐるしく変わります。
でも1つ困ったことがありまして、
というのは…
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ガソリンの温度が高温になると
燃料パイプ内でガソリンに気泡ができちゃうのですね。
(=パーコレーションといいます)
そうなると、
インジェクターからガソリンと気泡が一緒くたに噴出してしまって
ガソリンの量が減ります。
さて、こんな状況でエンジンを掛けようとすると…
・エンジン始動時はインマニは負圧の状態ですので、
プレッシャーレギュレーターは燃圧を低くします。
・しかも実際吹き出す燃料は気泡のせいで少なめ
↓↓
・ほんのチョットしかガソリンが吹き出せないので
エンジンが掛かりにくくなる
つまり、ガソリンの温度が高温になると、
エンジンが掛かりにくい、
という現象が起こりますよー ということです。
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このために燃料温度センサー(燃温センサー)をつけて、
もしガソリンが高温(75℃以上)だったら
インマニ圧との差圧を取るんじゃなくて、
大気圧と大気圧の差圧を取って燃圧をあげさせるよう
プレッシャーレギュレータに働きかけるようになっています。
(=プレッシャーレギュレーターとインマニを繋いでいる管をふさいで直接外気にさらしてやる)
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