真保裕一のサスペンス小説「ホワイトアウト」に出てくる「奥遠和ダム」のモデル「奥只見」に行ってみようと言う事になり、仕事を終えての金夜出発にする事に。
「ホワイトアウト」は「真保裕一」のサスペンス小説で、日本最大のダムを占拠したテロリストから仲間の人質を救うべく立ち上がったダム運転員の活躍を描いていて、織田裕二主演で映画化もされた。
映画では富山県の黒部ダムなどが使用されたが、小説の中に出てくる地図は奥只見ダム周辺らしく、冬に閉鎖をしてしまうと言うスキー場の周りはどんな環境なのか興味があった。
おそらくアップダウンが激しくタイトなコーナーの連続で楽しめるだろう。
ただ何より景色がいいのだろういう期待を持った。
いつも通り、首都高の箱崎PAに集合して出発。
とりあえず今夜行けるトコまで行ってみようと言う事で、箱崎から首都高6号向島線で、乗ってきた駒形ICを過ぎ、堀切JCTから中央環状線に入る。
江北JCTで首都高川口線に入り、東北道に入る。
途中、佐野SAで宇都宮泊を決定し、ビバークできる健康ランドを探す。
鹿沼ICで降りて宇都宮駅方向に進む。
宇都宮は高速からアクセスが悪いといつも思う。
宇都宮の「ザ・グランドスパ南大門(栃木県宇都宮市今泉)」に到着。
ここはJR宇都宮駅からも徒歩10分くらい。
とりあえずひとっ風呂浴びる。
露天は、源泉掛け流しの湯や、上下2段の熱めとぬるめのお湯の温泉岩風呂、TV付きの露天があり、
内湯は、温泉と、炭酸泉、寝湯などがあった。
サウナは遠赤外線サウナがとても広く、庭園が見える。熱波(ロウリュウ)もやっているようだ。
あとスチームサウナがある。
ここは水風呂が水温別に2つあり、深くて大きいので、火照った体を一気に冷やせる。
レストランは座敷とテーブルの大きいファミレスみたいなトコと宴会場、バー、、関連だと思うが焼肉南大門が入っているようだ。
途中の佐野SAで買った栃木名物「レモン牛乳」「栃木の餃子ポテチ」。
前夜祭を終了し、締めのお風呂に入りに行く途中、ゲームコーナーにトランポリンなどがあり、遊びに興じる酔ったツレ。。。
誰もいなかったのが救いだ。。。
風呂後、2カ所あるレストルームのうち、フラットになる男性専用ルームで寝る事にする。
翌朝。
起床してひとっ風呂浴びて、支度して出発。
宇都宮餃子の人気店「みんみん」に寄ってみるが移転したようだ。
こちらも宇都宮餃子の人気店「正嗣(まさし)」こちらは営業時間前だったので、両方ともあきらめる。
宇都宮市内での朝食をあきらめ、下道をけっこう走り「宇都宮IC」から東北自動車道を北進する。
宇都宮は高速からアクセスが悪いといつも思う。
最初の「上河内SA」で朝食にする。
宇都宮餃子広場は、宇都宮市内にある人気店の餃子を日替わりでチョイスして食べ比べができる。
色々種類が食べたいので、今日は、幸楽・鵜の木・餃子会館・豚嘻嘻をチョイス。
量が多いのでドリンクのレモン牛乳だけで、白飯などは頼まなかった。(成長したな〜)
東北道の「西那須野塩原」で降りて、塩原方面へ。
R400で、千本松牧場や、以前キャンプした塩原グリーンビレッジを過ぎ、日塩もみじラインを横目に進み、鬼怒川から来るR121会津西街道(日光街道)に入り北上し、少しだけ会津電鉄と平行して走る。
「会津西街道 道の駅たじま」に寄る。(福島県南会津郡南会津町糸沢)
空気でふくらませるでかい花嫁衣装のオブジェがあった。
800年以上の歴史がある会津田島祇園祭では花嫁姿の女性が練り歩く「七行器(ななほかい)行列」が有名らしくそのオブジェだそうだ。
新鮮な野菜などの産直販売が充実していたが、GP800そんなに積めないし、今日帰る訳ではないのであきらめる。
「裁ちそば」の幟を見かけたので行ってみると、スタンド蕎麦店(桧枝岐の裁ちそば 奈良屋)があり、どうやら名物らしいので、それのノーマルとけんちんを頼む。
のした蕎麦を折らずに広げた状態で重ねて切るらしいが、その蕎麦の切り方が、布を裁つ姿に似ているので「裁ちそば」と呼ばれるらしい。
有名なのが「桧枝岐(ひのえまた)らしい。
群馬県の片品でも「裁ちそば」を食べた記憶がある。
麺は「裁ちそば」だけあって乱切りも混じるが、けっこう太めのまさに田舎蕎麦だ。
R121(日光街道)を北上し、左折しR352に入り尾瀬方面へ向かう。
群馬側から尾瀬に行った事はあるが、福島側から尾瀬に向かうルートは初めてだ。
途中、左側に「前沢曲家(まえさわまがりや)集落」があったので寄ってみる事に。(南会津郡南会津町前沢)
「曲り家」とは家が上から見るとL字形に建てられていて、馬屋が一緒になっている。
今で言うと車庫が母屋とつながってる感じ。
岩手の遠野などでもこの「曲り屋」を見たことがある。
案内板を見ると「雪深い奥会津地方特有では労働力として馬や牛と同じ屋根の下で家族同様の生活を営んで来たなごり」と書かれている。
牛や馬が大切な家族だったんだなと思う。
この曲家資料館では、民具の展示、いろりを囲んだ空間、太い大黒柱や梁など、100年もの風雪に耐えた暮しの知恵を見る事が出来る。
曲家資料館以外は実際に人が住んでいるようで生活臭が感じられる。
明治40年に集落全体が大火で焼失し、再建に約1年をかけて、この統一的な景観美になったそうだ。
現在でもほとんどの民家が茅葺屋根で当時の景観を保っている。
大内宿などで見られるようなお土産屋や蕎麦屋などの観光用店もないので、まさにタイムスリップした感じになる。
スイカを冷やしてる風景は今はなかなかお目にかかれない。
隣にある「そば処曲家」に入る。(南会津郡南会津町前沢)
ここは移築した民家の茅葺屋根の曲家で蕎麦が食える。
お腹が空いてないので、ざるそばと天ざるを頼む。
けっこう芸能人の色紙が飾ってあった。(やはり「まいうー」の石ちゃんも来ていた)
店内から眺められる舘岩川の風景はとても良かった。
どんツキを左折し同じR352沼田街道に入る。
右折するとR401で、先には会津高原や只見線などがある。
やはり尾瀬が世界的に有名な観光地なので、道の整備が良くできていて走りやすい。
途中、タイトな峠的なとこもあるが、道はの状態はいいので気持ちよく走れる。
が、しかし!
左折すると尾瀬方面を左折しないで直進するのだが、尾瀬入口が過ぎたら道が悪くなる。
そこからが冬期閉鎖になる「樹海ライン」と言うらしい。(1年の半分は雪で覆われてるらしい)
以前は新潟側から福島県境までは二輪車通行止めだったが2006年に解除されたそうだ。
県境が近づき、県境と平行して走る区間から先は急カーブの連続した1〜1.5車線程度で、路面も良くないし、狭いし、奥只見湖近辺は断崖絶壁で、アップダウンのあるつづら折りが永遠と続き、先へ進まない。
道路はところどころ沢の水が道路上を川になって流れる「洗い越し」があり、特にコーナー付近にあり、水が流れてたりする。
雨量が多くなると通行止めになるらしい。
「洗い越し」とは、川に橋を架けずに。道路と交差している川を道路で横断する構造の事だ。
ナビを見てると、福島の檜枝岐村のR401の尾瀬との分岐点から、新潟側の大湯温泉までは、奥只見湖畔の谷越えと、「枝折峠(しおりとうげ)」越えの屈曲などで、行ったり戻ったりしていて、かなり迂回させられてる感じだ。
この区間は70km以上あるが、奥只見湖の遊覧船が発着する銀山平付近以外に集落は無かった。
これでは峠道と言うより、バイクにとってはまさに酷道だ。
ガードレールのない断崖絶壁を走る区間もあり、登りも下りもコーナーも全然楽しくない。と言うより、ずーっと緊張しっぱなしだった。
こんな「沢水注意 段差注意」の看板がいたるところにある。
ただ、山の上から眺める奥只見湖(銀山湖)は日本とは思えないまさに秘境といった感じで絶景だった。
色んな川から水が流れ込むので、丸い湖ではなく大木の根っこのような形をしている。
この奥只見ダムがテロリストに占拠されて、ダム破壊による下流の20万世帯とダムの人質をたてに政府に50億円要求すし、主人公が活躍する訳だが、景色がでかすぎてイメージが余りわかなかった。
唯一、バイクが停められそうなスポットを通り過ぎてしまっていたため撮影は出来ず。
鷹の巣公衆トイレで休憩&休憩。
ここらへんは鷹の巣集落跡だそうで、今は廃村で定住者はいないらしい。
「銀山平」に到着。
ここから紅葉の時などは奥只見湖へ向けて遊覧船が発着するらしい。
標高が高いからか、日が落ちてきてずいぶん寒くなってきた。
銀山平から旧道のR352樹海ラインか、「奥只見シルバーライン」で新潟方面なら大湯温泉の先まで行ける。
シルバーラインを逆に行くと、奥只見ダムや奥只見丸山スキー場に行ける。
この奥只見丸山スキー場が冬期閉鎖するスキー場だ。
しかし「奥只見シルバーライン」は二輪通行不可だ。
と言う事はバイクではダムやスキー場に行けない事に気付き少し残念がる。
(本音では早く峠を越えて、温かい風呂に入って、町のネオンが見たい )
「奥只見シルバーライン」は「奥只見ダム」建設のための工事用道路だったのが観光用道路として解放だれたらしい。
大トンネルが有名で、全長22.6kmのうち18.1kmがトンネルで、合計19本のトンネルが連続しているらしい。
このトンネルは普通のトンネルと違い、素堀の部分があったり、湧水がいたるところから出ていて、さらに交差点がトンネル内に設けられているなど、特徴的だそうだ。
この水のせいで二輪は通行不可らしい。
(ちなみに「ホワイトアウト」では「奥只見シルバーライン」は犯人グループに爆破され崩落)
それで仕方なく?「転落事故多し!初心者はシルバーラインへ」と標識があるR352へ進む・・・
途中の枝折峠付近から見る越後山脈、三国山脈などの越後三山一帯の山々。
その景色にしばし息をのみながら休憩。
越後三山とは八海山、中ノ岳、越後駒ヶ岳で古くから修験道の聖地で、特に八海山が中枢で、お酒でも有名。
大湯温泉街を過ぎ、自分たちが走っているるR352が、奥只見ダムからくるシルバーラインとが合流する地点。
昔の有料道路の名残りか、高速のインターチェンジっぽい。
自分たちが走ってきた「枝折峠」方面に掲げられている案内表示板。
R352は「5km先より 急カーブ連続24km」と表示されてる。。。
ここからは真っ直ぐな道で、芋川温泉、湯ノ谷を過ぎて、小出ICから関越道に入り南下する。
塩沢石打SAで休憩しながら今夜の宿を探す。
ここは魚沼産コシヒカリのおにぎりがある。
外の売店でも売ってるのだが、具が入っているので、純粋にお米の味を楽しみたいので、いつもは中のカウンターに置いてある塩おにぎりを買う。
越後湯沢の「シャーレゆざわ」の予約が取れたので向かう。(新潟県南魚沼郡湯沢町土樽)
ここは別荘用のリゾートマンションも兼ねてるらしい。
スタッフもハイシーズンじゃないので、スタッフのおじさんは、スタッフというより愛想の良い管理人さんと言った感じ。
「シャーレゆざわ」にチェックインする。
ここは岩原(いわっぱら)スキー場の目の前だ。
部屋はベッド2つに、4.5畳の和室スペースがある。
涼しいからかウインドファンが窓に付いてる。
押し入れに布団もあるので、大勢でも泊まれるのだろう。
さっそくひとっ風呂浴びる。
源泉100%循環かけ流し?との事だが、サウナもあり、24時間入れるのが嬉しい。
ただ、窓?があるのだが景色が見える訳じゃなく、大きな配管とスポーツジムが見えたような・・・
夜飯は「越後湯沢駅」近辺に行こうと決めていたので、締めのラーメンでのオススメをスタッフのおじさんに聞いたところ、「どさん子」がいいとの事。
「おいおい、札幌ラーメンのチェンー店じゃないか。わざわざ湯沢まで来てそんなのありえない」と思い、
「いや、地元のラーメン屋で〜」と聞くが、やはり「どさん子」だとの事。
これは聞く人を間違えたなと思い、夜飯に出発する事にする。
ちょうど女性のスタッフが上がりの時間だから越後湯沢駅まで乗せていってくれるとの事。
旅行に来て、こういう人情に触れられると嬉しい。
駅まで送ってもらう車中で、この女性スタッフにもおオススメのラーメン屋を聞いたところ「どさん子」だとの事。
「いや、チェーン店じゃなくて、湯沢のラーメンと言うか、ご当地っぽいラーメンが食べたいんで」と言ったところ、やはり「どさん子」だとのこと。
ツレも含め「湯沢にはご当地ラーメンがないのか?」「新潟ラーメンみたいのあるのかな?」「でも冬にはたくさんスキー客が来るリゾート地なわけだから、あるんじゃないの?」などと話していたが、女性スタッフは「「どさん子」なら間違いないよ。とにかく美味しいから」との事。
そんなこんなで越後湯沢駅に着き、駅前を散策し「越後や」と言う居酒屋に入る。
ちょっとモダンな和風居酒屋だ。(南魚沼郡湯沢町湯沢)
テーブル席に案内された。暖簾がかかっていて半個室のような感じだ。
日本海が近いので、刺身は、おけ盛りお刺身(鮪、甘海老、帆立、タコ、イカなどの桶盛り)と、富山沖ホタルイカの沖漬け、佐渡産のもずく酢などを頼む。
山も近いので、舞茸の天ぷらと舞茸とベーコンのオーブン焼き頼む。この舞茸は「雪国まいたけ」だそうだ。
揚げ物として、栃尾の名物「栃尾の油揚げ(納豆入)」を頼む。
あと、疲労回復してパワーを付けるために馬刺しを頼む。
この怪獣みたいなグロテスクな魚が「幻魚(ゲンゲ、ゲンギョ)」の干物。
富山や新潟、秋田で食べられている魚だそうだ。
身は寒天の様なプルプルした食感で、けっこう旨い。
海藻(ふのり)がつなぎの新潟名産「へぎそば」で締める。
幟があったので撮影。
「湊屋藤助」は、安政2年(1855年)創業、越後湯沢の地酒「白瀧」「上善如水」の「白瀧酒造」から発売されている。
米所は日本酒も旨い。
天日干しの稲と案山子(かかし)のオブジェ。
定番の駅巡りをする。何人か地元っぽい人にラーメン屋を聞くが「どさん子」がオススメとの事。
近辺にラーメン屋はないようだ。
今までのツーリングでは全国チェーンのお店に入った事はないが、意を決して「どさん子」に入る。(南魚沼郡湯沢町湯沢)
オープンキッチンとカウンター、奥に座敷があるようだ。
地元の人でけっこう混雑していた。
中には奥の座敷で宴会をしているファミリーちっくな人たちもいた。
メニューも豊富で、ラーメン屋と言うよりは町の中華料理屋さんか居酒屋さんと言う感じ。
「ピリ辛ねぎチャーシュー」をアテにビールを飲む。ビールを頼むとモヤシが付いてくる。
オススメの「ネギ味噌ラーメン(辛醤入り)」「わかめラーメン(コーントッピング)」を頼む。
ラーメンも美味しいし、店の雰囲気も良くいし、仕事は早いし、結果、来て正解だった。
けっこうハマルる味だった。
地元の人の声は信じなくてはいけないなと反省した。
ホテルに帰って、風呂に入ってよくストレッチして就寝。