8/15(水) day 7
朝起きて午前中限定で精一杯別府温泉を堪能しようと竹瓦温泉に向かう。海のそばにある伝統ある公衆浴場だ。そのついでに朝食を済まそうと思っていたが、温泉までの約15分ほど、どこも朝食を食べられそうなところは開いていない。海沿いのファミレスでさえ朝9時からだった。
仕方なく温泉に向かう。道後温泉のアレを小さくした感じ?(道後温泉行ったことないので)雰囲気はさすがに良い。こうちゃんと男湯に入ると先客が2名。6時から開いているにしてはこんなものか。
風呂は本当に古い造りで、壁に蛇口とか気の利いたものは一切無い。鏡が2枚貼ってあるだけで、体を洗いたいなら浴槽のそばでお好きにというスタイル。
湯温はすこし高め。ちょっと2才の子どもが入れる温度ではなかったので、縁に座って足湯的な浸かり方をしていたら、こうちゃんの悪戯心が爆発し、気がつくと、ハゲじいさんの頭に洗面器をカポっとかぶせて大笑いしていた。
「すすすいません〜〜!!!」
あわててこうちゃんを制して平謝り。
「いいよいいよ〜 ぼく温泉好きなの〜」と気に留めず笑うハゲ。地元のヤクザとかじゃなくてよかった。
期せずして半身浴的な温泉になったため、体がポッカポカで全然汗が引かず、しばらく広間部分でくつろいでいた。9時から始まる砂むし目当ての観光客が数人やってきた。もう砂むしをやっている時間はないので、温泉を退散。ゴミゴミした路地をホテルに戻っていくと、温泉客相手のキャバクラや風俗がけっこうたくさん並んでいた。なるほどいかにも古い温泉地らしい。指宿にもこういう一面はあったのだろうか。
ホテルで腕時計を温泉に忘れたことに気づき、あとで取りに寄ることにして、まずは朝食でさっきみた海沿いのファミレスに向かった。同じような家族連れがまっていたかのように開店直後のファミレスに大勢いた。
ところで九州の温泉地や観光地はどこも中国人韓国人が半分以上なことに驚いた。いまや彼らがメインの客なのかもしれない。
温泉で腕時計を回収し、地獄めぐりに向かった。
強烈な日差しと熱気にあてられて地獄巡りはすごいことになっていた。おまけに観光客の半数以上は中国人。ライラライラとアリスのチャンピオンばりにせわしなく行き交う、小金もってそうな中国人たちがキヤノンやニコンのどでかい一眼レフをあちこち構えてバシャバシャ写真を撮りまくっている。
3つほどの地獄を見て時間切れ。臼杵の港から船に乗らねばならない。さっさと高速にのって別府をあとにした。
途中、こうちゃんが腹を減らさないように、パンとバナナを仕入れようと地元のスーパーに寄った。出口でやり過ごそうとみていたクルマが、思いの外スピードが遅く、先に出られるかなと思い、アクセルを踏んだとき、嫌な音が左後ろから聞こえてきた。
ガッ! ザザザ・・ ガッコン!!!
・・・・完全に擦ってる音じゃん。いまの完全に擦ったんじゃん・・・・
こんな交通量の少ないところで、こんな当て方をするなんて、普段じゃあり得ないミスだが、やっぱり疲れが溜まっていたのか、今考えても妙な距離感、操作感だった気がする。
その通り、左後方のドアから少し、ザリザリと擦っていた。
(ああああ、あと一日というところでやっちまったか・・・・)
もう考えないようにして、こうちゃん用のバナナを1本囓りながら12時丁度に港についた。乗車の手続きで並んでいると、クルマの乗船手続きに車検証が要るなんて聞いてないとごねるおっさんが1人いた。車検証クルマにおいてない人っているんだなと横目で手続きを済ませ、車内で乗船を待った。
12時半、定刻通り出港。2時間半の船旅なのでけっこう休めるなと思っていたら2等客室は満席。これで休息できるだろうかと不安になるが、出港したあとはなぜかぽつぽつと空間が空き、横になることができた。
佐田岬がみえてからデッキに出てみると、ものすごい日差しは相変わらずで海風と汗でベタベタになった。
「うみだ〜〜〜」(池も湖も全部「うみ」)
と驚喜するこうちゃんだったが、風の強さにあふあふと慌てふためいていた。
臼杵の港を降りたのはちょうど15時。夕日を背に東へ向かうことになった。一度走った松山自動車道の一車線走行だが、勝手が分かっているぶん多少は気楽だった。クルコンを設定してのんびり走る。
途中で日が暮れ、四国を出るのは辛いなということになり、淡路島のどこかで一泊を決める。PAで休憩がてらホテルを探す。iPadで宿を探すのもなんか慣れたもんです。そこで見つけたのが淡路プリンスホテル。名前からして品川プリンスホテルばりの豪華なでかいホテルを想像する。場所も海沿いだし。それが罠だとも知らず。
電話をかけると空いて御座いますとのこと。こりゃよかったとナビに登録して、洲本ICを目指す。
ホテルに着いたのは21時半。・・・あれ、これプリンスホテル?
そこに建っていたのは、まったくもってビジネスホテル然とした四角い建物。ネーミング気張りすぎ。とはいえ一晩の宿をいただければ結構。
そんなホテルだったが、我々と似たような飛び込み客が何家族かいて、フロント受付が軽く混雑するという妙な光景になっていた。きっと彼らも名前に引かれてやってきたのだろう。
粛々と宿帳に記入してツインベッドに身を投げ出す。一見バーテンのようなフロントの親父が目の前のスーパーが22時半くらいまでやってると言われて出てみたが、22時閉店とのことで、その隣のコンビニで缶ビールを買い込む。その駐車場でグレーのシトロエンのC4が駐まっていた。シトロエンなんてそんなに見ないので仲間意識たっぷり。
ホコリの積もったエアコンを気にしつつ眠りに落ちる。
8/16(木) 最終日
朝起きるとビールも飲みかけのまま。350ml飲むまもなく寝たらしい。
さあとうとう旅も終わり。最終日のロングドライブ。朝焼けの洲本港を横目に再び高速道路に乗る。
朝食は淡路SA。淡路大橋と海を見ながらモーニングセットを食べる。今日もこうちゃんは朝から食欲旺盛。無茶かなと思いながら出た旅だったけど、小さな体でよく頑張ってくれたもんだ。
ウエイトレスの女の子がハキハキしていたとても好印象だった。関西弁が心地良い。

淡路SAのレストランからみた港町

淡路大橋
淡路大橋を渡って神戸大阪を抜けてなんとか午前中に名古屋を抜けたい。復路はナビが交通状況を勘案したのか、名神高速を選択してきた。おかげで特に渋滞もなく、無事名古屋を抜け中央道に乗れた。内津峠あたりで眠気がピークになり、しばらく仮眠することに決定。妻と子はSAにあったアスレチックで遊んでいた。

内津峠SAにあった木製の遊び場
気力快復、クルマも少なくとても快適なペースでどんどん東へ走る。気をつけないと日本警察機構の構成員に呼び止められそうなくらいだ。諏訪SAまで何もなく過ぎ、しばらく休憩。ここまでくると日常的に山梨エリアを徘徊している身としては非常に身近で、帰ってきたなという気持ちになる。
途中であらわれて先導してくださったパトカーに、こうちゃんが大反応。
「トミカ! トミカ!!」
トミカだねえ〜〜と両親。
渋滞情報をみると案の所、小仏あたりで渋滞。晩飯時に帰れたらいいという気持ちでのんびり走る。長旅で重要なのは急がないことだ。方角さえ合っていれば絶対に着くくらいの気持ちでいくのがいい。余裕をもっていろいろ楽しめる。もちろんそうとばかり言ってられないときもあるが、基本的にそういうスタンスでいると精神的に随分変わってくる。
同じ街灯のない自動車専用道路でもよく知っている中央道だと怖くない。頭の中に地図があるところはそこをなぞるだけだからだろう。勾配やカーブの位置もだいたい判ってるから、どれくらいのアクセルワークでいけばいいのかという心配がない。この旅で一番の渋滞がこの小仏トンネル手前の渋滞だった。クリープしないピカソは渋滞時には普通のオートマ車ほど楽ちんではないのを痛感する。あ、でもマニュアル感覚が好きなのでこれでいいんですが。
八王子に入り、東京のにおいをかぎながら帰ってきたなああああと感慨に耽る。
やっぱり一週間のクルマの旅は楽じゃない。楽じゃないが電車の旅とは違った愉しさがある。クルマじゃないといけないところがいっぱいだ。
自宅の最寄りのファミレスで最後の晩飯を食べ、無事帰宅。
お風呂に入り、こうちゃんの第一声。
「おれかけ、ぶーぶー!」(お出かけ)
さすがにもう勘弁してくれ。(^^;)
(了)
次回の更新時にガスや有料道路などのデータだします。
総額どれくらいだったのか・・・