
ネットを見てると、「日産リーフモニターキャンペーン(長期無料トライアル)」というのをやってた。ディーラーによって違うようだが、最大1週間ほどリーフを貸してくれるらしい。だいぶ前からやっていたキャンペーンのようだが、初めて知った。リーフには一度乗ってみたいと思っていたので、さっそくネットから申し込むと、最寄りのディーラーからすぐ連絡がきて、6日間貸してくれることになった。レンタカーでリーフを借りれば1日1万円ぐらいはするから、
6万円分である。ありがたいことです。
リーフを見た印象は、まずは「大きい」。絶対的なサイズはそうでもないかもしれんが、膨らんだデザインなので大きく見えるし、見切りが悪い。
お尻も膨らんでいる。
後ろのナンバープレートの上に、なぜか隙間があった。
バンパー下のヒレみたいなのは空気の整流だろうか。
でっぷりとした後ろ姿。ほとんど三角形だな。
ライトは意外と出っ張っている。運転席から出っ張ってる部分が少し
見えるので、目印にはなる。
充電中の運転席からの眺め。充電口のパネルを開いていると、ボンネットを開けることはできない。
急速充電中。充電口には照明がついている。後期モデルからつくようになったそうだ。
右側のオレンジ色のほうは普通充電用。なぜ一つに統一できなかったのか。
雨の日の感電が心配だったが、大丈夫らしい。
充電ガンは充電器によっていろんな形があり、取り外しがやりにくいタイプもある。
試乗車は5000キロほど走った後期のXだった。てっきりヘッドライトはLEDかHIDだと思い込んでいて、
色といい配光といい、ハロゲンそっくりだなと思っていたらハロゲンだった。バルブの遮光カバーを青く塗っている。
ウインカーやポジションも普通の電球のようだった。
電池が減ってくると、ライト類の消費電流も気になるので、全部LEDに
して欲しいところだが、エアコンを切っても余分に走れるのは数キロなので、灯火をLEDにしたところで走行距離にはほとんど関係ないんだろう。
しかし気分的にLEDを望む。
ポジションライトも薄い青に塗られている。このように、内装外装ともに
随所に青いモチーフが使われている。
ヘッドライトの配光なのだが、ハンドルを大きく回して曲がるとき、横方向への光が
非常に暗いと思った。アルトだと横にも光が漏れていて、直角に曲がるときでもある程度照らされるのだが、リーフは真っ暗で見えない。
コーナーリングライトが欲しいと思った。
タイヤはブリヂストンエコピアのEP150。エンジンがない分、ロードノイズが目立つ。路面によっては、ザーザーゴロゴロと相当騒がしい。ロードノイズは、アウトランダーPHEVのほうが静かだった。
タイヤサイズは205/55 R16。指定空気圧は250kPa(2.5kgf.cm^2)。
乗り心地は固く感じた。小さな段差を超えるときのハーシュネスは押さえられているが、特に凸凹のある踏切を斜めに超えるときなど、左右の段差に差がある道では、強く揺すぶられる。
電池を積んでて、車重が重いから固めの設定なんだろうか?重心が低くて加速もいいから、これで着座位置が低ければスポーツカーのようだ。
乗り心地が固かったので空気圧をチェックしたところ、モノタロウの空気圧計で240kPaだった。誤差や気温を考えると、きちんと点検されている。
ホイールの日産マークにも青いモチーフ。
後ろの窓をいっぱいに下げた状態。わずかに残る。
ボンネットを開けたところ。取説には「モータールーム」とあった。
ボンネットのフタは軽い。5000キロにしては意外と中が汚れていた。
空間に余裕があり、メンテがしやすそう。
12V鉛バッテリー。走行用のリチウムイオン電池とは別に、一般的な
12Vバッテリーも装備されている。この12Vバッテリーがあがると、
リチウムイオン電池が満充電でも起動(走行)不能となる。
ウォッシャー液注入口。途中でウォッシャー液が切れてしまい、
水を少し継ぎ足したのだが(普段から入れてるのは水なので)、
液のレベルがわかるよう工夫されていた。
キャップに透明のチューブがついており、その先が濡れてるかどうかで
レベルが判別できる。
日産車では普通なんだろうか?おもしろい仕組みだと思った。
余談だが、高速のPA/SAにはペットボトルの水が用意されており、
親切だ(猫避けではない)。ここは山陽道 道口PAだったと思うが、この画像を撮ろうとした瞬間、ガラスの向こう側に若い女性が急に現れた。よく見るとペットボトル置き場の向こうは女子トイレの出入口で、ガラスで透明になっているのだった。最近は女子にカメラを向けただけで「不安感を与えた」と逮捕される世の中なので、危ういところだった。
屋根のアンテナの先も青く塗られている(光らない)。
触ってみると曲がった。柔らかいんだな。
ダッシュボードの上には充電の状態を示すインジゲーターがついている。
3つあり、充電量が増えると順番に点灯していく。
3つとも光った状態で止まってるリーフがいたら、満充電になってるということ。
白い内装は明るくてよいが、すでにところどころ黒っぽく汚れ始めていた。
画像では見えにくいかもしれないが、ドア内側の手が触れる辺り、けっこう黒ずんでいる。
ドアポケットには地図がギリギリ入る。
ステアリング。ステアリングヒーターが内蔵されてる関係なのか、合皮のようである。ステアリングスイッチ類がホーンパッドの上についているため、スイッチを強く押すとホーンが鳴ってしまう。
試しにステアリングヒーターを作動させると、あっという間にステアリングがポカポカになった。
EVの鬼門は冬だそうで、暖房を入れると航続距離が極端に短くなってしまうらしい。キャンピングカーなどに装備する、ガソリンや灯油が燃料のエアヒーターを、リーフにつけてる人もネットで見かけた。
リーフはノルウェーでも売れてるそうだが、北欧の寒さには耐えられるんだろうか?
今度は真冬にも試乗してみたいものだ。
ウインカーの電子音はかまわないけど、ピコピコと鳴るテンポが早く、
せわしない感じがした。もう少しゆっくりなテンポのほうが、車に
合ってるんじゃないだろうか。
ペダル。ショートストロークというのか、ブレーキは踏みしろが浅く、
踏力でコントロールするタイプだった。慣れかもしれないが、ふんわり停車させるのが難しく、カックンブレーキになってしまう。
6日間借りたが、最後までふんわり停車できなかった。
パーキングは足踏み式。前期は自動パーキングだったそうな。
特徴的なマウス風のシフトレバー。青い部分は光らない。
最近のハイブリッド車に多い、中立に戻るタイプで、レバーを見ただけでは
ポジションがわからない。インジゲーターがシフト後方にあるが、
見えにくい。レバーの感触はプラスチックっぽくてあまりよくなかった。
Nにするには、レバーを右に少しホールドする必要がある。
ドライバーの中には、信号待ちで必ずNにする癖がある人もいるが、
そういう人たちからNに入れにくいと苦情は来ないんだろうか?
メーターは左側にバッテリー温度表示がある。
熱すぎても寒すぎても、充電に時間がかかるそうだ。
中央緑色の、車の全長を測ってるようなマークは、走行可能ですよという
表示。
速度計や時間は2階建てメーターの上にあり、視認しやすい。
シフトポジション表示も、上のほうに欲しかった。
ピアノブラック風のパネルだけど、テカテカして反射が目に入るし、
指紋も目立つし車内にはあんまり向いてないじゃないだろうか?
アウトランダーPHEVも似たような感じだったので、これが流行なのか。
エアコンやナビ操作はすべてボタン。ダイヤルのほうが操作しやすいと思う。
リーフオーナーには、会費を払うとさまざまな特典のつくサービスがあるそうで、ナビに表示される充電ポイントの更新も、そのサービスに含まれる。法人だと加入できないのか、試乗車のナビは更新されてなかった。
その代わりというか、充電ポイントを紹介したディーラー手作りの冊子が備え付けてあり、便利だった。
ライトを点けたときのスイッチ類照明はアンバーだった。
せっかく随所に青いモチーフを使っているのだから、
照明も青にしたらどうかと思ったんだけど、日産は赤い照明とか
決まってるのかな?
「車の上にスピーカー」のスイッチは、低速走行時警告音のオフスイッチ。
走りだしたとき、ヒ~という甲高い音がどこからか聞こえてきて、
音が変化するんだけど、それが走行音と比例しないので気持ち悪かったのだが、この警告音だった。警告音を切っても、微かな高周波音は残る。
エンジン音がないので、外部への警告音は必要だと思うけど、
高周波みたいな音で老人に聞こえるんだろうか?
といって、野太い音にすると、EVの静粛性が失われてしまうし、難しいところである。
警告音スイッチを切っても、システムを再起動するとまたデフォルトの警告音オンに戻る。これは三菱アイ・ミーブも同じであった。
グラブボックスは奥が深い。奥の部分は、パネルが切り取れるような造形になってるように見える。
シフトレバーの前のほうにUSBソケットがあり、MP3が聞けた。
手前はシートヒーターのスイッチ。上は12Vソケット。
三角窓(三角ではないが)がついていた。
こんな小さいのあってもなくても変わらないだろと思っていたが、
あると安心感が違う。Cピラーにもつけて欲しい。
後方視界。リヤガラスが小さく、Cピラーも太いので視界は悪い。
試乗車はバックモニターなしだったが、絶対必要だと思う。
日産自慢のアラウンドモニターも試してみたかったな。
後席にもシートヒーターがついていた。相当寒いのであろう。
スイッチは助手席横にある。
室内は広いんだけど、後席に座ったとき、つま先を前席の下に入れる空間がない。床下は電池が詰まっている。
後席のセンタートンネルは、まるでFR車のようである。
ここにも何かのコントローラーが入ってるらしい。
トランクは深め。右にある黒いバッグには、200V用の充電ケーブルが収納されている。バッグは上下のフックでしっかり固定されている。
トランクのカーペットをめくるとまっ平ら。これでは充電ケーブルを見えないようにしまえないわけだ。
右の黒いフックはバッグ固定用。
三角板をしまう場所もないな。
トランクの床を二重底にして、下に隠すという方法もあったはず。
後席を倒した状態。赤いのは自前の三角板。
ジャッキとパンク修理キットは、横のパネルに押し込められていた。
6日間でけっこう距離を走ったが、静粛性はロードノイズのせいでいまいち。
エアコンを切り、周りに車がいない状態での信号待ちではシーンとするが、走りだすとヒ~という外部への警告音やモーターのウィーンという音、タイヤのザーという音などで騒がしい。
加速はすごくいい。高速の合流で、不用意にアクセルを開けるとタイヤが鳴ったほど。ノーマルモードではアクセルに敏感すぎるほどなので、エコモードでちょうどよかった。
変速機がないので、段付きのないどこまでも伸びるような加速感である。
後退は、モーターを逆回転させてるのだと思うんだけど、バックでも最高速まで出るんだろうか?
肝心の航続距離なんだが、満充電で160キロぐらいか。
余裕をみて、70~80キロ走ったところで急速充電するようにしていた。
40~50%から、80%超までだいたい30分ぐらいかかるのだが、これが長い。リーフはアウトランダーPHEVと違って、急速充電中でもシステム起動できるので、AMラジオでも聞こうかと思ってたんだけど、充電器からのノイズでAMラジオは入らなかったw FMや地デジは入った。
平日は、充電スポットで他車とかち合うことはなかったが、休日は長く待たされることはなかったものの、充電前後に車がいることがあった。
EVの普及率が低い現在でこれだから、充電器の数がこれから増えていっても、EVが順調に増えたとしたら充電待ちの可能性は高い。
1台30分として、2台いたら1時間待たないといけない。
現在のところ、山陽道は岡山を過ぎると九州まで急速充電器がないので論外なのだが、高速PA/SA、道の駅に設置するのは当然として、ガソリンスタンドにも欲しいと思った。
自分はスタンドで給油するときに、空気圧チェックや窓を拭いたりしてるのだけど、EVドライバーはどうしてるんだろうか?
ガソリンも買わずに空気圧チェックだけさせろというのも図々しいし、
空気圧計や窓ふきウェスが備え付けてある急速充電器ももちろんない。
充電器のあるスタンドチェーンがあればいいんだけど、スタンドも経営苦しいところ多いだろうし、1回の充電で30分も占拠されては、500円ぐらいではとても採算取れないだろうし難しいところだ。
余談であるが、エネオスウイングのロゴマークはEV風に見えないだろうか?EWがEVに見えるし、横線も電気コードみたいで、走行中、充電器のマークと勘違いしそうになった。
リーフの航続距離からして、近い距離での通勤、近場での買い物や子どもの送り迎えなど、コミューター的な使い方をする人が多いと思うが、
それだとリーフの大きなボディサイズは合ってないんじゃないだろうか。
メイン市場が外国なので、外国に合わせてるんだと思うけど、
三菱と日産が共同開発中というアイミーブの後継車に期待したい。
将来的に、電池の容量はさらに大きくなり、充電効率もよくなって充電時間も短くなると思われるが、そうすると必然的に充電のときに大電流が流れることになる。今のチャデモでは、だいたい100Aほど流れているようだが、これが何倍にもなるんじゃないだろうか。そうすると、チャデモの規格では容量オーバーになり、新しい規格が必要になるかもしれない。