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イイね!
2012年04月24日

90年代にあった恐怖のディーゼルオーバーランが復活の兆しを(゚Д゚;)

ちょっと最近思うところがあったので長文お許しください。


ガソリンエンジンは”混合気”、”圧縮”、”火花”の3つが良ければエンジンは掛かるのですが、
圧縮熱点火のディーゼルは”混合気””圧縮”の2つが良ければ基本エンジンは掛かります。

昔日産キャラバンやアトラスに搭載されていたTD系ディーゼルエンジンでよくあったのですが、
メンテ不良でシリンダー壁に傷が付いたりして圧縮漏れが大きくなると、ブローバイガスが増加
して、それに巻き込まれたオイルがインテークマニホールド経由で燃焼室に入り異常燃焼が発生。

エンジンには常に大量の燃料が供給され、アクセルがベタ踏みになったのと同じ状態になり、
そうなるとアクセルを閉じようとキーを抜こうとエンジンは凄い轟音を上げながら回り続けます。

かなりいい加減な絵ですが、簡略な概要を示すと下の図の右側がそんな感じの状態です


街でこういう状態になっているキャラバンやアトラスを3~4回見かけたことがあるのですが、
駆け寄ってみると全てのドライバーさんはパニックになり、車から抜いたキーを私に差し出し
「エ、エ、エンジンが止まりません!!」と叫んでいました。

経験したことある方はお分かりと思いますが、予期せぬエンジンの吹け上がりは、今まで操って
いた車が、まるで自分に牙を向けて襲い掛かって来るんじゃないかと思うくらい迫力があります。

普通の人ならあまりの轟音でパニックになり、エンジンがぶっ壊れるか車両火災になるまで
車に近寄ることはおろか、何も出来ないケースが殆どです。

この場合、マニュアル車であれば、冷静になってブレーキをしっかり踏みながら4速位
に入れてゆっくりクラッチを繋げば、エンスト状態になり何とかエンジンを止められます。

だからもし街でディーゼルエンジンが吹け上がってパニクってる人を見かけたら、もし
それがMT車であれば、この方法でエンジンを止めてあげることが出来ます。



その後00年代から出回り始めたディーゼルエンジンはブローバイの取り位置が変わったりして、
条件が変わったのか、そういうトラブルが発生しにくくなったような気がします(感覚的にですが)。

しかし最近になって、また予期せぬエンジン吹け上がり発生の話を耳にするようになりました。

どうやら最近のディーゼルエンジンは排気中の黒煙低減のためマフラーにフィルター(DPF)が
装着されているのですが、しばらく使ってDPFにススが溜まると、それをDPF内で燃焼させるため
インジェクターから多めに燃料を噴射して、排気に軽油の生ガスを混ぜて燃焼を促進したりします。

しかし排気に混ぜるはずの軽油が一部エンジンオイルに混入し(オイルダイリューション)、
かさが増えたエンジンオイルが、ブローバイガスの取り口からインテークマニホールドを経由して
燃焼室に侵入し⇒エンジン吹け上がり⇒さらにブローバイガス増加⇒さらに吹け上がり
という状態になっているようです。


さらに問題なのは、最近のトラックやライトバンはAT車が増えているので、その場合は
ブレーキを踏みながらクラッチを繋いでエンジンを止める手段が通用しません。


今後の危機管理のため、AT車で吹け上がりが起こった場合の対処法を色々調べてみたのですが、
自動車メーカーでエンジン実験をしている人に聞いてみたら、たまにエンジン実験中に予期せぬ
エンジン吹け上がり現象が起こることがあるそうで、ただ実験では丸裸のベンチエンジンなので、
エアダクトを外しインテークパイプにウエスを突っ込み、エンジンを窒息状態にして”良い圧縮”
を取り除くことで、何とかエンジンを止めることが出来るそうです。

しかし車載状態でエンジン吹け上がりが起こった場合、特にトラックやライトバン等のキャブ
オーバー車はどこにエアクリーナーがあるのさえすぐには分かりませんから、吸気系にウエスを
詰めるのはかなり困難で、かつ回転物が近くにあるのでそれは非常に危険と思われます。


どうやらATのディーゼル車で予期せぬエンジン吹け上がりが発生した場合は、オイルが減るか
エンジンが壊れて止まるか、車両火災になるまで安全な場所で見守るしかなさそうです。

エンジンがオーバーランして壊れる場合、エンジン内部で壊れる分にはまだいいのですが、時々
コンロッドとかメタルの破片がシリンダーブロックを突き破って外に飛んでくることがあります。

破片は整備工場の屋根を突き破るほどの威力がある時もあり、人間に当ったら大変ですので、
この場合は、エンジン回転方向の円周上に立たない、というのが具体的な防御策です。
FR車なら車の側面が危険ということになります。



でも、車がエンジンブローするのをただ見ていても仕方が無いので、後続車に危険を知らせるとか、
消火器を用意するとか、消防車の手配をするとか、野次馬を避難させるとかの仕事はありますが。
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Posted at 2012/04/24 00:08:32

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この記事へのコメント

2012年4月24日 2:10
ディーゼルでの経験はないですが・・「エ、エ、エンジンが止まりません!!」の気持ち痛いほど分かります。

実家に居た頃2サイクルのバイクで雪道通勤中にキャブが凍りつき、アクセルが戻らず(強制開閉じゃないタイプにて)焼玉エンジンと化した事が何度かw
仰るとおりで初回はパニックになり、キーを抜いて傍らでオロオロ・・
暫くして燃料コックに気が付いてやっとエンジンが・・
2回目からは慣れたもので、これまた仰るとおりでクラッチを使ってエンジンを止めました♪
コメントへの返答
2012年4月24日 12:19
私も高校生の頃2ストのバイクでこれに似た経験をしていたので、社会人になって整備士をやってるときにの状態になっても、ギアを入れて滞りなくエンストさせることが出来ました^^

私の場合はややエンジンオーバーヒート気味の状態で、アクセルワイヤーを引っ張りすぎて始動テストして、ランオン(焼玉と同じですね^^)して吹け上がりました。
プラグコードを抜いてもエンジンが止まらないので、パニックで5秒くらい固まりました(爆
2012年4月24日 6:31
この際、スロットルつけて、イグニッションオフで、全閉ですかね。f^_^;
あとNOSみたいに、炭ガスをインマに噴射装置とか…


本当かどうか解りませんが、ちょ~昔のディーゼルエンジンはエンストさせて止めると聞いた事が?。


コメントへの返答
2012年4月24日 12:23
さすが!ご名答です^^v
昔のディーゼルエンジンは吸気パイプにバタフライ弁が付いていて、エンジンを止める際はそれを閉じて吸気を絞ってエンストさせていました。
その後燃料ポンプに燃料遮断のソレノイドバルブが付いたのと、吸気抵抗を減らすためバタフライバルブは廃止になりました。
こんな不具合が多発するなら、メーカーは安全策のためバタ弁を復活させるべきですよね!
2012年4月24日 8:08
デコンプレバー付けるしかないのでは?
コメントへの返答
2012年4月24日 12:25
シリンダーヘッドを改造してデコンプを後付するのは大変ですが、例えば既存のパワータードのバルブをソレノイドで開けっ放しにするとかして圧縮を逃すという手はありますね^^
2012年4月24日 12:22
車両10台中3台がこの症状の職場に居たことがありました。
とうぜん新入りが一番最初に覚える最優先事項でした。
懐かしいです。
コメントへの返答
2012年4月24日 12:28
ブローバイの取り口によって変わるのでしょうか、
そういえばオイル交換の際、エンジンによってはジョッキで勢い良くオイルを入れ過ぎるとブローバイ経由でシリンダーにオイルが流れ、ウォーター(オイル)ハンマーでエンジンをおシャカにしてしまうケースもありましたね。これはシリンダヘッドのオイル通り穴の大きさに拠ると思いますが。
2012年4月24日 22:00
Σヽ(゚Д゚; )ノ
ウチの新しいリフトエンジンがTD27だ!!(笑)

そういえばディーゼルエンジンって圧縮空気内で自己着火させるから燃える物が入ればエンジン回り続けるんですよね・・・コワイコワイ。

ちなみに以前職場にあったトラクターは燃料カットソレノイドのコネクターが抜け掛かっていて道路走行中段差なんか良い勢いで越えると衝撃でエンジンが止まるとかいう逆のあり得ないことが置きましたw

・・・ミッションとクラッチが電気仕掛けだったのでエンジン止まるともうね・・・(笑)
コメントへの返答
2012年4月24日 23:02
まつさんブログのリフトの写真見て「なつかし~!」と思ったのはそのあたりです(爆

ただこの症状は”メンテ不良”が大前提ですので、まつさんが居るうちは大丈夫だと思います!
具体的にはオイルが水飴のようになるまで使って、シリンダーが傷だらけになってからオイル交換をして、その後のエンジン始動1発目でこの症状が出ることが多かったようです。

コモンレールで無くて構内専用なら灯油でも大丈夫じゃないでしょうか。オイル交換さえ守れば頑丈なエンジンでしたよ^^
2012年4月25日 0:46
こんばんは。
はじめまして、イイねから来ました。

えー、元物流会社に勤務してましたw。
TD27のキャラバン 泣かされましたね・・・・
このディーゼリングもですが、オイル食い、ポンプの不調・・・・
古くなるととんでもない目に遭いますね・・・・
アトラスのTD42もギア入れて止めてました。 たまに止まらなくなるんでw。

今のディーゼルエンジン、DPFついてからいろいろと面倒という事を聞きました。
アドブルー入れる車もそれはそれだし、このススを焼くときにうるさいので困るとか。
こういった現象があるんですねー。 確かにこれじゃエンジン止めようがないですね。
パワータードのバルブ開けっぱなしにするか電磁リターダを緊急出力で逆転させて止めるくらいしか・・・
思いつかないですw。

新機軸盛り込んでもいろいろあるんですね。
 
コメントへの返答
2012年4月26日 0:32
はじめまして、コメントありがとうございます^^
やはり他でも多発していましたか・・・実際はブローバイは絵の通りで無く、シリンダヘッドから取っていたと思いますし、OHVなのでそうそうオイルが流れる環境ではないと思ったのですが、分からないものですね。
このあたりが盗難率でハイエースに差を付けられている所以かもしれません(笑

ディーゼルはまだまだ完成度が低いので、DPFも過渡的な対策にすぎないと考えています。最近マツダから出た乗用車ディーゼルはDPF無しですが、良い判断だったと思います。
欧州みたいにNOx出しまくりOKなら楽ですが、燃えすぎてもダメ燃えなくてもダメの二律背反の条件では難しいですね(+_+)

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