事故物件

最近不動産サイトに掲載されていた事故物件アパートに、
オバＱが掲載されていたことで少し話題になったようです。

ただ、こういう話も記事にするとどうしてもチャカした内容になってしまいますね。


１０年ほど前の話ですが、私はいわゆる事故物件アパートに住んでいた事があります。

前の居住者は学生の頃の友人でした。

卒業後も時々遊んだりしていたこともあったのですが、１年ほど連絡をしてないなと思っていた頃にご家族から電話があり、アパートの部屋で自殺していたそうで、葬儀に来てくださいという話でした。

涼しい季節だったのと死後２日ほどで発見されたため、遺体の外見にほとんど傷みはなく、お棺の中の顔を見てもまだ生きているのではないかと思えるほど顔色もよくて驚きました。
私の方は意外と動揺は無く涙も出ませんでしたが、実感が無いと言ったのが正直なところでした。

さて現実に立ち返り、今自分に何かできる事は無いかと考えたのですが、さすがに死んだ人を生き返らせることは出来ませんが、残されたご親族の負担を減らすことはできるのでは、とか色々考えているうちに思ったのが『そういえばアパートの部屋どうすんだろう？』

葬儀後の食事中にご両親に聞いたら、部屋どころか家財道具でさえどうするかまだ決まっていないとのことで、それならば部屋と家財道具合わせて引き継いでもいいですよと告げて、その後トントン拍子に話が進み、入居することとなりました。

ただ大家さんと借受人で契約しているという形式上、友人との契約は一旦解除し、その後に私が現状の部屋で新たに契約するというスタイルになりました。
契約時は不動産屋さんでしたが、告知義務に沿って、改めて前居住者の自殺を告知されました。
家賃は大家さんにお任せしていたところ、大家さんの方からの申し出で少し安くしてくれました。

契約期間は２年でしたので最低でもその期間は住み続けようと考えていたのですが、あっという間に２年過ぎて、更新の時期となりました。私の方は仕事や生活の環境などが変化し、そのアパートに住み続ける理由もあまり無くなったので、契約終了と共に引っ越ししました。

契約時の告知義務はありますが、どこまで後の契約者まで告知しなくてはならないか、までは規定されていないそうですので、大体の不動産屋さんでは”次の入居者”（この場合は私）のみに告知しているケースがほとんどのようです。つまり、世間一般的な解釈では、私はお役目御免となりました。

ちなみに引っ越ししてから１か月後くらいにそのアパートの近くを通ることがあったので車の中から見たところ、既に次の入居者が入っていました。たぶん入居者さんはこの話を知らないと思いますｗ