私の車人生を大きく変えた本

やっと、やっとネットオークションで落とせました＾＾；

２０年くらい前に持っていたスタントマンの本で、自分のドライビングに対する考え方に大きな影響を与えたのですが、友人に貸したままどこかに行ってしまい、さらに廃盤になってしまったので、しばらくネットオークションに張り付いてやっと中古品を仕留めることが出来ました。

西部警察など主に石原ドラマのカースタントを担当したマイクスタントマンチーム代表三石千尋さんが書いたスタント種明かし本なのですが、スタント技術、運転テクニック、事故から体を守る方法、運転マナーなど写真付きで解説しており、とりわけカーアクションドラマ世代の私にとって、とても共感できる内容でした。

色々あるのですが、スタントに使われる車は廃車間近のポンコツが多く、さらにタクシー上がり車はコラムシフト、ステッキパーキングレバー、フラットレザーシートなど、スタントの運転に向かない車がほとんどだそうで、それでも指示通りカースタントを演じる、という内容はとても感銘を受けました。

だから、今でも車で速く走りたいと思ったら、『車を改造して速くする』ことよりも、『車が持っている性能を引き出す』ことにウェイトを置いた考え方でいます。

ところで『種明かし本』と書いていながら結構詳しく書いているので、読んでいるとまるで練習すれば自分にも出来るのではないかと錯覚してしまうところが面白いのですが、実際に車やバイクで競技をするようになって、この本に書いてある通りにやったらうまく出来たこともよくありました。


廃盤で版権にご迷惑も掛からないと思いますのでちょっと中身をご紹介したいと思います。

まずロングディスタンスジャンプのやり方
これは幅２８ｍの川を飛び越えるスタントで、ドラマではそのまま走り去っていましたが、後の西部警察ⅡのOPで、潰れたＺがひっくり返って道路を滑っているシーンが使われていたと思いました。
ジャンプ台進入は110キロで、飛ぶ瞬間のアクセルワークが空中の姿勢に大きく影響するそうです。
落下時背中に電流が走ったそうで、怪我しないよう車内で取る受け身が非常に重要だそうです。



次にキャリアカージャンプ
よく国道沿いのディーラーで車の積降ししてるキャリアカーを見るとこのシーンを思い出します。
これは60キロで進入するそうですが、車体とキャリアカーの枠の隙間が10センチくらいしか無いので、かなりの困難と度胸を要したようです。



次にロールオーバー
カーアクションシーンの定番です。
最近テレビ見てませんが、今のテレビドラマでまともなカーアクションシーンあるんでしょうか
屋根が地面に付く瞬間に助手席側に寝転がり、屋根が潰れるのに備えるんだそうです。
だからシートベルトはノーマルの２点か３点の方が都合がいいそうです



次はジャンピングロールオーバー
対向車の先端にジャンプ台を設け、オフセット衝突させてジャンプさせながら横転させる技術です
ドライバーの安全のため対向車は左ハンドルの外車を使ったそうですが、ジャンプする方は右ハンドルなのでリスクは高いです。これも西部警察Ⅱのオープニングに使われたと思いましたが、当時は石原慎太郎が運輸大臣だったからか、今なら公道の使用許可が出ないかも＾＾；



片輪走行のやり方
ナンバー付で壊していい車を持っていた事はほとんど無かったのでこの練習をしたことはありませんが、リンクサーキットで片輪が浮いた瞬間に、この本に書いてあったことが走馬灯のように頭をよぎって横転を回避することが出来ました（そのかわりクラッシュパッドに当たりましたがｗ）。
ちなみにＬＳＤ無しなのでデフはピニオン溶接してロック、タイヤ空気圧は4キロ位にするそうです



ＦＲ車の前進＆後退スピンターン
兄がジムカーナにはまっていたので私もよく練習会に連れて行ってもらった時にサイドターンはやりましたが、ＦＲ車やバックスピンターンはあまり経験がありませんでした。
セドリックでバックスピンターンの練習をすることが出来ましたが、この本はＭＴなのに対しセドリックはＡＴなので、応用を効かせる必要がありました。
結構タイヤが減ったりＡＴに負担が掛かるので、練習するなら心してやらないといけません＾＾；



ＦＦ車のスピンターンとバイクの転倒
ＦＦはドラシャの強度も考慮する必要がありますが、路面μや車体のモーメントと相談して狭い道でもバックターン出来ます。例えば氷上走行会でスピンしてしまった場合、バックターンで方向を変えて、そのまま前進に変速すれば短時間で復帰できます。
バイクは基本的に転倒しないよう体に叩き込んでいるので、わざと転倒するスタントは、本能に反する動きで、かなり高度な技術だと思います。



ジャンプと追突 する/される時の心構え
『ジャンプ時はステアリングを直進にする』は耐久ダートの時に心がけたことです
追突する/される時ですが、当然ギリギリまで追突しないよう頑張るのも当然ですが、もうダメだとなった際は頭を助手席側に倒して寝た方がダメージが少ないそうです。ただ追突する側に限っては、今の車はエアバッグやベルトテンショナーが付いてるので どうとも言えませんが。



オートバイロングジャンプ
映画月光仮面の吹替時の写真で、大型トラックのアルミバンを飛び越えて海に落ちるスタントです。
（映画ではそのまま走り去るように編集されたそうです）
私はモトクロスやってましたが、高さ２ｍ飛んだら感覚的に５ｍ位飛んでるほどの恐怖感ですので、
とんでもない高さのジャンプだと思います。高さ６ｍって３階ですが、落ちたら怪我しますからねｗ



体のトレーニング
視力、平衡感覚、体力トレーニングの紹介です。スタントマンは体力や柔軟性が必須なようです
体力や柔軟性が低いと集中力も下がりますし、事故しても怪我しやすくなりますし。
そういえばサーキット走行前はクラッシュ時の怪我抑制のため柔軟運動をするようにしています。
１輪車はバイクの運転に大きく寄与しましたので、乗られている方には是非お勧めしたい訓練です。