コル注のブログ一覧

最近の若い人を頭ごなしに「ゆとり世代」とバカにしていた人の車のエンジンルームを見たらＳＥＶが一杯貼ってあって、お前こそバカだな (＾▽＾)σ と思ったのは もはや数年前のオフ会の話でしたが、そういう私も高校生くらいの頃はワケの分からない電装チューンにトライして小金をドブに捨てたりしたのは以前ブログでご紹介したとおりです。

そういえばその前の中学生くらいの頃は、カセットテープのグレードにプラシーボ効果を感じ、爪に火を灯して貯めたお金をドブに捨てたこともあります。

当時は洋楽が流行っていて私はフィルコリンズが好きだったので、姉から払下げてもらったウォークマンで毎日のように洋楽を聞いていましたが、やはりどうせ聞くならもっといい音で聞きたいと、ウォークマンのヘッドやピンチローラーを必要以上に磨いたり、テープに録音する時のボリュームで試行錯誤したり（小さすぎるとノイズが目立ち、大きすぎると音が割れる）、ドルビーノイズリダクションを入れるのか入れないかで悩んだり、基本的にはいま車でやってることと変わらないようなことをしていたのですが（笑）、ある程度やり尽くすと、今度はカセットテープのグレードが気になるようになります。

当時のソニーのテープのグレードは下からＣＨＦ→ＢＨＦ→ＡＨＦ→ＵＣＸ→ＤＵＡＤ(クロム)→メタルで
ひとつ上がるごとに１００円位高くなったように思います。

特に中学生くらいの経済力ではこの１００円の差が微妙に大きく、さらにテープの裏には周波数特性というよく分からないグラフが載っていて、とりあえずこのグラフの上に行けばハイグレードなのかと勝手に判断基準に加え、結局テープを１本買うのに電気屋のオーディオ売り場で１時間くらい悩んでいたこともあります（それも青春ですがｗ）。



なぜか実家にはソニーのＢＨＦがたくさんあったので勝手に自分用に使ったりしていましたが、ＢＨＦの音質に飽き足らず 次のステップに手を出したくなっていた時に臨時収入があったので、奮発してついに夢の最上級[メタルテープ]を購入することが出来ました。

今まで鍛えたありったけの自己流技術でＬＰアルバム(笑)から録音して、やはりお金を出しただけあって音質がいいと認めざるを得なかったのか、「さすがはメタルテープ！」と、かなりの満足感を得てテープが擦り切れるまで聞いていました。


しかしその後、中学校で合唱コンクールがあり、放送委員だった私は録音担当となりました。
学校から支給されたカセットテープは最低グレードのＣＨＦだったので、放送委員の友人同士でバカにしていたのですが、学校支給の安物のラジカセで普通に合唱を録音して再生したところ、音質がむちゃくちゃ良くて驚きました。

そこそこのステレオ機材で気合入れて録音した最高級テープの音質が、最廉価テープに完敗です。
多分音楽室で録音したので録音環境が良かったのでしょう。
もちろんテープのグレードが高級ならもっと音質が上がるかもしれませんが、録音環境さえ良ければテープのグレードなんて微々たるものであると思い、テープのグレードにムダ金を使った自分に反省したものですが、今思えばその”反省”をした瞬間が、プラシーボから解放されて客観的な視点を取り戻した瞬間なのかな、なんて思います。

それでも見る目のない友人は「やっぱりＣＨＦの音質はダメだなぁ」と言い続けていましたが（笑