
高速バスと電車を使い、JR東海飯田線沿線のいわゆる
”秘境駅巡り”をしてきました。
実はJR北海道の小幌駅に行こうとも思っていたのですが、今回はスケジュールの都合で飯田線を選びました。
しかし丁度同じ日に
小幌駅で乗客置き去りという、乗り鉄にとってはご褒美な事件があったそうで、やっぱり今回は北海道に行っておけばよかったかなとちょっと後悔もしました。
ところで飯田線は電車の本数が少なくて、効率よく回るならマイカーで行った方が便利なのですが、車でたどり着けない場所に駅があったり、少しでも地方線の運営に貢献したいことから、多少効率を犠牲にしてでも、敢えて慣れない時刻表とにらめっこをしながら乗り鉄をしてきました^^;
新宿から早朝始発の高速バスで飯田駅につき、そこから早速秘境駅の千代駅に向かう予定でしたが、飯田駅に止まっていた電車が途中の天竜峡駅止まりだったので、どうせなら天竜峡で食事でもしようと乗ったのですが、平日のためあまりお店は開いていませんでした。天竜峡駅は有人駅で千代駅までの切符を購入しましたが、140円区間なのに新幹線みたいな切符を発行してくれました。
千代駅に到着しました。ここでは次の電車まで2時間半の時間があります。
たまたま保守係員がいたのと、近くに人が住んでいる気配もあり、また携帯の電波も入るのでそれほど孤独感もありません。今来た線路を振り返るとトンネルの横に廃トンネルらしき物が見えましたが、ググるとこのあたりには昔 砂利運搬線が通っていたらしいです。
駅の周辺はなかなかいい雰囲気です。散歩したらもの凄い毛並みの猫が居ましたが、近づいて見ると皮膚病とかでは無いようでした。寝ぐせでしょうかねw
秘境駅として観光スポットとなっているからでしょうか、誰がやってくれているのか分かりませんが、駅のホームや待合室はとても清掃が行き届いていました。
各秘境駅にはボランティアで連絡ノートが配置されています。古い方は表紙が外れていましたが、ちょうどセロテープを持っていたので補修しました。自分も書き込みしましたが、どうせなら消しゴムスタンプでも持ってくれば良かったと後悔しました。
駅の裏に自転車置場がありましたが、時間があったので落ち葉を清掃しました。
清掃してもまだ30分くらい余ったので次の金野駅まで歩いたらどうかとナビで調べると、直線距離は1km少し程度ですが、道路は迂回して8.4kmもあり、徒歩での移動は断念しました。
金野駅です。ここでは次の電車まで1時間半の時間があります。
駅前の朽ちた自転車置き場がシュールです。この駅は駅前まで車が入れるようです。
散歩の軽量化のため、着替えなどの非貴重品はケースに入れてワイヤロックしました。
ペンチでもあれば簡単に切られてしまいますが、ここなら人も居ないので大丈夫でしょう。
崖に落石柵や新しい落石跡が多数あります。よく道路標識で”落石注意”ってありますが、あれは
”落ちてくる石を避けろ”って意味ではなく、”道路に石が落ちてるかもよ”という警告なのでしょうね。
崖を登ると廃屋が見えましたが、新しい焚火の跡がありましたので、近くに持ち主が居るのかもしれません。今回冬季改修中のため宿泊できませんでしたが、金野駅近くには
ジジ王国という宿泊所があり、シーズン時にはここを拠点として駅巡りする人も多いそうです。
1日目は
平岡駅併設の温泉付き駅宿に泊まりました。
川村カ子トという人の写真が展示してあったので調べたら北海道の測量士で、当時難航していた飯田線全線開通のため招へいされたそうです。
今でこそ秘境駅などと呼ばれていますが、戦前は人で賑わったそうです。戦前の方が人口は少なかったと思いますが、多くの人が地方から首都圏に集中し過疎化が進んだのかもしれませんね。
泊った宿は平岡駅の上階にありますが、夜は横で行われていた保線作業を見たりしていました。
早起きして飯田線を少し逆戻りして田本駅に到着しました。ここでは1.5時間あります。
この駅は今回巡礼した駅の1~2位を争うインパクトがありました。
ここは崖の横にへばり付くようにして設置された駅で、駅の上まで行くのに獣道みたいな山道を30分くらい登ります。写真はかなり端折っていますが、落石や倒木の跡もあり、結構ハードな道です。
しかし集落まで登ると自販機があるのが嬉しいです。この駅は2012年時点で通勤と通学で1人づつ利用してるそうですが、毎日この山道を歩いているので結構な脚力が付くのではないでしょうかw
なおも時間が余ったので備え付けの竹ボーキで駅ホームの落ち葉や砂を清掃しました。
為栗駅(してぐり)に移動しました。ここでは2時間半あります。
ここは天竜川のダム湖沿いにあり、夏はキャンプなどに利用されるそうです。
駅の山側に民家があるのですが、家の周囲に道路は通っていないですし、崖側の線路には踏切も無いので、あのお家の人はどのようにして外と行き来しているのか謎です。
無人駅間では車掌さんにキップを発行してもらいます。降車時回収のため、束の間の所有です。
駅沿いにトンネルがあるのですが、飯田線のトンネルは車両の隙間ギリギリで退避スペースがほとんど無いので、決して侵入してはいけません。
また線路沿いの柵に電線が仕込んでましたが、おそらく落石検知ケーブルではないかと察します。
あと線路を見ると山側に積んである砂利は樹脂で固められていましたが、おそらく落石で山側の砂利がレールの上に飛散して、置き石状態になるのを防ぐためではないかと想像します。
駅周辺を散歩しましたが、歩いて20分くらいのところにあるレストランは3月まで冬季休業中でした。
次は中井侍駅に移動します。ここでは1時間半あります。
崖沿いに設置された駅で、周囲はお茶を栽培する農家が多いようでした。
天竜川の対岸に行って駅の写真を撮影するため橋を渡って一周しましたが、途中で時間が足りないことに気付き半分くらいの距離はマラソンペースで走りました。後で調べたら8km近くありましたが、走っている最中はあまり疲れを感じませんでした(翌日軽く筋肉痛になりましたが)。
走っている最中撮影しましたが、ここも頻繁に落石があるようで、よく道の真ん中に石が落ちていましたので、パンク防止のため道路脇に寄せました。崖下に落ちた岩は木に引っ掛かっていましたが、その下には線路がありますが私ではどうしようもないので落ちないよう祈るしかありません。
線路沿いに廃トンネルがありましたが、これも千代駅にあったような砂利運搬線かもしれません。
駅ノートを読むとやや上から目線の添削がしてありましたが、地元の人がノートを提供してくれて、時々目を通すようです。ここもイラストがありましたが、
全国の駅を廻り描かれてる方のようです。
次は小和田駅に移動しました。秘境駅としては有名処ですが、平日のため私1人しかいません。
ここは携帯電波も道路も繋がっていませんので、事故など起こさないよう一層の注意が必要です。
ところで待避線のような分岐があったのですが、ポイント部のレールが変です。これでは切り替え出来ませんので、見かけだけ作ったのでしょうか。
他の駅に比べしっかりした木造駅舎で、かつては有人駅だったのでしょうか。
掲示やネットの情報では住人が居るとのことですが、当日散策した限りでは人の気配は感じられませんでした。駅ノートは昭和57年よりあり、秘境駅として長く認知されていることが分かりました。
駅のすぐ下には家?作業場?がありましたが、人の気配はありませんでした。
ただ一般的な廃墟のように荒れても居ませんでしたので、ちょっとよく分かりません。
道路も無いのにどうやってここまで運んだのか分からない廃ミゼットもありましたが、足回り部品が取っ払ってあったので、もしかしたら部品取りしてリアカーでも作ろうとしたのではないでしょうか?
(それでもどうやってここまでミゼットを持ってきたのかは謎のままですが)
暗くなってきたので駅舎に戻って中で電車を待ちました。
じっとしていると寒いので駅舎の掃除でもしようかと思ったのですが、ここも飯田線の他の駅の例に漏れずとても清掃が行き届いており、私が特に何かする余地はありませんでした。
無人駅なので電車が近づくと自動的に警告音とLEDが光ります。
小和田から浜松まで行って、そこから夜行バスで東京に帰ります。小和田⇒浜松で3時間半くらい掛かりますが、今回の旅行で時間の感覚がおかしくなったのか、特に長いとも思いませんでした。
話は全然変わりますが、昔から電車のカーテンのレールの上側の切欠きは何であるのか長年疑問に思っていましたが、今回眺めていたらネジ穴であることに気付きました。
今回平日のためか、訪問した秘境駅で地元の人と会ったり会話することは1回もありませんでした(千代駅で猫に遭いましたが)。道中ずっと1人で居たためか、独り言が増えた気がします(笑