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静岡に行った勢いで名古屋経由で奈良に行って日本最長の路線バス『八木新宮特急バス』に乗ってみました。

このバスは乗車時に整理券を取って、降車時に払う普通の路線バスですが、奈良の大和八木駅と和歌山の新宮駅間の１６７ｋｍを６時間２０分かけて走る変態路線です。

どの辺が『特急』なのかよく分かりませんが１日３本も出ていて、下手なローカル線より走っています。

どっち方向に乗っても良かったのですが、時間の関係上、今回は南下方向の路線に乗りました。



路線が出来て最近５０周年だそうですが、一時期廃止も危ぶまれたものの、沿線の自治体の補助で何とか維持されているそうです。当日メイン路線の乗客は、自分と日本人女性と外国人女性２名の僅か４名でした（後半にハイキング客で満席近くなりましたが）。

好きな席に座れる状況ですが、一般的に好まれる最前席はお譲りして、最後部席に座りました。
最後部席はエンジン音に加えオーバーハングで振動も大きいので快適とは言えませんが、エンジンや車体の挙動などを把握しやすい、第二のバスオタク席とも言えます。

運転士さんの運転が極めて上手で、クラッチ断続、ギア選択、凸凹道対応、運行ダイヤなどどれもパーフェクトでしたので、後日バス会社ＨＰのお問い合わせフォームに賛辞コメントを送りました。



渓谷沿いも走りましたが、色々工事をしていましたので、将来路線も少し変わるかもしれません。

自分はこういう旅行に耐性があるので時間があれば往復でも乗っていられましたが、観光バスに比べ座席が薄く、乗車時間も長いので、貧乏旅行に慣れていない人には少し厳しいかもしれません。

当日は残念ながら終始横なぐりの雨であまり視界は良くありませんでしたが、乗り降り自由のフリーパスもあるそうですので、また機会を作って乗ってバス停周囲を散策もしてみたいと思います。



帰りは終点の新宮駅から鉄道で鳥羽を経由し、夜行バスで自宅のある埼玉まで戻りました。

新宮→鳥羽は時間があったので鈍行列車を利用しましたが、４時間くらい掛かってしまいました。
地方のディーゼル車は古い旧型車両というイメージでしたが、おろしたての臭いがする新車でした。
しかしせっかくの新車なのにこの車両には自分含めて４人くらいしか乗っていませんでしたｗ

その後鳥羽から大宮まで夜行バスを利用して１０時間くらい掛かりましたので、この日は名古屋から埼玉まで、バスと列車で通算２４時間くらい乗りっぱなしでした。途中飽きたらスマフォをいじったりしていましたが、スマフォは時間が経つのが早く、バッテリーさえあれば時間ワープに効果的ですね。

川崎の工場見学をした後、陽気が暖かかったので突然気が向いて自宅に戻らず静岡に乗り鉄の旅に出掛けました。

節約のため鈍行列車で掛川に行き、まずは天竜浜名湖鉄道に乗りました。

ここは無人駅が続く第三セクター線ですが、日中でもそこそこ乗車があり秘境感はあまりありませんが、沿線には加茂荘花鳥園やヤマハテクニカルセンター(教習所)があります。

今回のメインは天竜二俣駅で毎日行われる転車台と設備の見学です。ここは日本で唯一今もリアルに業務で使用されている転車台で、毎日円形の整備車庫に車両を出し入れしているそうです。

ただ、転車台を製造した会社が今は現存せず、部品が無いのでだましだまし使用しているそうです。
また長崎の鉄道で廃止になった転車台を譲り受けて、部品取り用にして何とか凌いでいるとのこと。




同じ天竜二俣駅に資料展示館があり、見学コースに参加すると見せてもらえます。
昔は蒸気機関車も走っていたそうで、運転後はススで真っ黒になるので風呂もありました。
時代が時代だから仕方ありませんが、じん肺などの健康被害は大丈夫だったのでしょうか。

手回しボール盤は１人では難しいと思うので２人作業だったのでしょうか。
沿線の林の間伐などは両引きノコギリを使ったそうですが、途上国で使っているのを見た
ことがありますが、２名で押引するので互いの息が合っていないと難しい高度な作業です。



レールの展示では刻印の意味とかも表示されていましたが、新品の表面はザラザラした鋳肌調で
これではゴロゴロしてしまうので、実際に使用する時は表面を平滑に削るのかもしれませんね。



続いて金谷に移動し、２回目の大井川鐡道です。今回はさらに踏み込み途中駅で降りて散策です。
日本一短いトンネルが近くにある地名(じな)駅は、駅から北を見るとそのトンネルが見えました。
昔線路上に索道(運搬リフト)が通っていた名残りだそうですが、トンネル上部には野生の草木が
大量に生えていて時代を感じます。斜め切りした構造で見る角度によって形状が変わります。

地名駅は最近まで近くに発電所跡もあったそうなのですが、行ったら既にさら地になってました。
ネットで見つけた数年前のブログでもボロボロで崩れそうだったと書かれていますので、安全の
ため解体されてしまったようです。残念ですが、こればかりは仕方ありませんね。



その後奥地に進み、澤間駅に寄りました。最近は鉄道の車両や景色を見るほかに、駅訪問者が
自由に記載する駅ノートを読むのも面白くなってきました。この駅は横に砂利や鉱石などを降ろす
ホッパー跡があるのですが、おそらくこの下に貨物車を引き入れてガラガラと荷台に落としたもの
と思われます。ただホッパーまでどう砂利を運んだかは周囲が草木で覆われ今は分かりません。



大井川鐡道は各地の中古鉄道車両を使っていますが、ネットには”動態保存のため塗装してい
ない”と書かれていましたが、実際は塗装代節約が主なんじゃないでしょうか（笑

運転席にドラレコみたいな装置が付いていました。当日は始発ということもあり乗車率は５％程度
でしたが、大量の新聞紙が積まれていました。地方の鉄道に乗ると副業で荷物も運ぶのですね。
(そういえば銚子電鉄も野菜とか運んでいたのを思い出します)

ところで踏切でレールの接触部が外側になっていましたが、レールが傾いているのでしょうか。
あと今回初めて石炭を触りましたが、イメージより重量感があって石っぽかったです。朝露で
湿っていましたが、ライターで炙ったらすぐに燻りましたので、意外と燃えやすい印象でした。



今回１日では回れませんでしたのでホテルに寄りました。大手チェーンのホテルだと品質も
安定しているのですが、なるべく地元にお金を落としたいので自分は出来るだけ地場資本
のホテルに泊まるようにしています。ただ、どこの地方ホテルも設備の老朽化が進み、この
ホテルでは換気扇を点けると轟音が響きました。

確認すると浴室の換気扇内部のファンがホコリで完全に詰まり回るだけで排気してません。
湿気で固まったホコリは歯ブラシを使っても払うことが出来なかったので、その旨アンケート
に記載しました。そういえば部屋がカビっぽいのは換気が十分に行われていなかったから
かもしれません。ただこのホテルは接客は良いので、もう１回利用して様子見する予定です。