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岩手の宮古市に半日ほどの用事が出来たので、この機会に現地に１泊して１日半で三陸鉄道に乗ってきました。

三陸鉄道は津波で大きな被害を受けた後に全面復旧したということは知っていましたが、ダイヤ以外はあまり下調べもせず、当初は単に”乗り鉄”目的で行ったのですが、復旧の背景などを調べているうちに、災害からの復興につき改めて考えるきっかけにもなりました。

三陸鉄道は岩手県海沿いの北と南に路線があり、今回乗ったのは北リアス線(宮古～久慈)です。

支払の手間などを省くためフリーキップを利用しましたが、列車本数が少ないので、多くの駅を回るために逆方向の列車や、バス、タクシー、徒歩なども併用しました。

最初の方は秘境っぽい駅だったので、いつものように秘境感を味わっていましたが、１日目の最後に行った島越駅（しまのこし）は『津波で集落ごと流されてしまったため基礎から再構築されました』とタクシーの運転手さんより教えてもらいました。



島越駅はすでに完成をしていたため、新築同様の駅舎を見ただけではあまり実感が湧かないまま、宿泊予定のホテルに向かいましたが、途中 駅の売店でドキュメンタリー漫画があったので購入してホテルで読んだところ、路線が復旧するまでの途中経過がよく描かれており、その日に何となく見た駅の風景も相まって、復旧までの背景がジワジワと頭の中を巡りました。



翌日改めて再確認するため島越駅に行ったのですが、海岸側に降りて見上げると旧駅舎の痕跡と新駅舎が一望出来て感慨深かったです。ただ駅周辺を散歩したところ、いまだ津波被害の痕跡が数多く残されており、まだ復興半ばという感じがしました。

三陸鉄道の復旧には、国の災害復興予算のほか、国内外の寄付や支援も活用されたそうです。



多額の費用を掛けて赤字ローカル線を復旧して対費用効果があるのかという議論は今でもあるそうですが、被災地にとって目玉の施設が復旧することが復興の励みになることもあるそうで、例えば広島の路面電車は原爆投下３日後に運行を再開したこともその一例だそうです。

今回熊本の地震でも鉄道や道路は甚大な被害を受けたそうですが、基幹交通が復旧することで移動の便が良くなるだけでなく 復興の下支えにもなると考えますので、早期の復旧を願っています。