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有名女優の息子が犯罪を犯して、留置場に入っている息子に代わって母親が会見したニュースが話題になっています。

自分はこの数年テレビを見ておらず、高畑淳子と松居一代が同じ人かと思っていたくらい無知ですので、この事件や背景については延べられませんが、ニュースの記事を読んで 以前時間があった時に通った地裁の裁判傍聴を思い出しました。

刑事事件で起訴されると裁判になり、原告側、被告側、そして必要があれば証人が法廷に立って証言を行うのですが、それ以外に被告の更生の期待や、情状酌量する余地がないかを検討する機会があり、その際には主に被告の近親者などが出廷して証言することがあります。

多くの場合は被告の母親が出廷していましたが、母親が出廷できない場合は兄弟だったり、職場の上司が親族に代わって出廷して証言していたこともありました。

おそらく出廷前にどのような発言をすべきか/するべきではないか、など弁護士と打ち合わせをしているとは思うのですが、出廷して証言した母親の中には、真摯に被害者へ謝罪や親としての反省の気持ちを述べたり、また憔悴や号泣して途中で発言できなくなる親も居ましたが、しかしその一方、まるで他人事のように飄々と発言する親も居て、世の中色々な人が居るものだと思いました。


当時法廷で記録したメモを読み直すと、下記の２ケースを思い出しました。

強制わいせつ（深夜帰宅途中の女性を襲う）

被告は20代前半の男、40代の母親が出廷し過去の生い立ちや今後の更生策などについて証言。

しかし『仕事で忙しいのに警察から呼ばれて困りました』とか、『ええびっくりしちゃいましたよー』『どうしたら良いんでしょうかねー私も知りたいですー』とか、同じ女性が被害を受けたというのに、この母親はまるで他人事と感じているような印象でした。

後日の判決結果は確認していませんが、あんな発言するならむしろ出廷しない方が良かったんじゃないかと感じました。


道路交通法違反（50キロ超速度違反１回、同100キロ超１回）

学生で未成年でしたが、法廷では実名で進められ、意外にも傍聴人の制限もありませんでした。
免許取得後２か月で親の高級外車を運転して、友達を乗せ高速道路のオービスに２回引っ掛かり、
撮影したオービスの画像の回収にはタイムラグがあるため、後日両違反につき検挙される。

40代の母親が出廷したのですが、割と普通の家庭のようで、親の管理が行き届いていなかった、などの反省を延べたりしていました。

しかし今後の更生策を問われた際、『家には外車と小型車があるので、今後はスピードが出ない小型車しか運転させません』って証言していて、あまり車や交通に詳しくなさそうな人だから仕方なかったのかもしれませんが、再発防止策としてはちょっとピントがズレていたかなとも感じました。
（そもそも被告が次回免許を取れるのはいつになるのか分かりませんが）


今回のニュースのコメントで『成人なので親は法律上関係ない』という書込みが多く見られましたが、
確かにそうではあるのですが、実際裁判になると親族や関係者に出廷してもらうこともよくあるので、
親族･友人・職場含めた周囲との関係は、出来れば大事にしておいた方が良いと感じました。

出廷は義務ではないので、中には親族や周囲に見放されて誰にも来てもらえない被告も居ました。
こうなると情状酌量の根拠が無くなってしまうので、同じ背景でも罪が重くなる傾向があるようです。