
昭和58年の暮れも押し迫った、12月28日。
亡き親父の2台目の新車、5代目FF Σが納車された日でした。
この日のことは、30年経った今でも忘れられないですね~。
この日の昼間に7年親父が愛用したグランドファミリアと引き換えにΣが納車され、夕方に母方の祖父が倒れて、その日のうちに東名~名神を使って岐阜の祖父宅へ・・・。
新車が届いて嬉しい場面ですが、祖父が危篤とあっては喜んでもいられません。
このあと、祖父は命はとりとめたものの、寝たきりとなり何度も、岐阜までの見舞いへの足となってくれたのが、このクルマでした。
最初の印象はとにかく室内の広さで、ミニバン全盛の今と違ってセダンでこれだけの広さを持っていたのは同クラスでは、トヨタのカムリ、ビスタ以外なかったと思います。
また、とても静かだったことも印象的でした。
三菱もこの頃、このΣに限らずどのクラスでも静粛性は自慢だったようで、カタログを見るとよく
100Km/h時の騒音値が載っていたものです。
「ポルシェも採用のサイレントシャフト」なんて文字もよく踊ってましたwww

CMと違って高倉健さんは、どこにも出てこないカタログです。

Σに限らず、この昭和58年に登場したクルマの特徴といえば、やはりドアミラーでしょうね。
また空力に注力した結果のソフトシェイプ、みたいなワードもよく出ていました。
このドアミラー、ツーリング、ターボ系などの「若い」キャラクターのグレードに標準でフェンダーミラーはオプション。
ロイヤル、スーパーサルーン系の「アダルト」なグレードにはフェンダーミラーのみと分けていたのは、この時代ならではですね。(初期モデル)

フロントウインドゥの傾斜がキツイ現代車と違って、インパネの奥行きが「薄い」のに改めて驚きます。
そのせいか、今のミニバンのどこまでも先に続くwアッパーインパネが気になってしょうがありません(笑)
ウイングコラムスイッチと呼ばれる、サテライトスイッチも特徴の一つですね。

このカタログはE10系のごく初期のものなので、1800キャブ、1800インジェクションターボ、2000キャブ、2000インジェクションターボのみがラインに載っています。
「ELECTRO JET」という三菱独特の言い回しがww懐かしい!!
リアウインドウの下部に誇らしげ(?)に「ELECTRO JET」とステッカーが貼ってあったっけ・・・。
ウチの親父は、1800の下から3番目のLX-Touringというグレードでしたが、このLX-Touringというグレードには、三菱謹製(?)のスーパーシフトが選べる唯一のグレードだったんですね。
手練なドライバーには、なかなか好評だったスーパーシフトですが、やはり一般人には使いにくい、使い方がよくワカラン、という声も多かったようで量販車であるこのΣでは、すっかり日陰な(笑)存在に。
それに、このLX-Touringも他にオーソドックスな5速マニュアル、3速ATがあり、親父は当然のように5速を選びましたwwww

しかし、従来のシフトレバーがそれぞれ独立していたものとは違って、通常のシフトレバーの前部にスイッチのように配されたのは、何だかカッコよかった。
カタログにも詳しい説明がなされていませんが、クラッチを切らずにスーパーシフトを操作すると、「POWER」「ECON」にそれぞれリザーブされた状態となり、次にメインのシフト(クラッチを切る)をした際に同時にリザーブしていた方へ移行できる、というマニアックというかへ○タイな機構だった、と何かの記事で知りましたwww
ちなみに、普通の5速は全般にギア比が高すぎて走りづらい、と親父はこぼしてましたがこの時代も現在ほどではないですが、10モード、60Km/h定地走行といった燃費値数字のための愚策だったのでしょうか。
後に「サイクロンエンジン」が搭載された後期では、ギア比も「普通」に落とされ走りやすかったようです。

ウチのクルマとは関係ないですが、最高級グレード「ロイヤル」です。

イイですね~、デジパネwwww
また車高調整付き電子制御サスペンション、電子制御エンジンマウントなどのハイテックwwwな装備もロイヤルの特権ですね。
今では軽自動車にも当たり前なオートライトも、当時はクラウンやセドリック・グロリアなどのハイオーナーカーのみに装備されていましたから、ミドルクラスのΣに装備されたのは、ちょっとした話題でした。

上記にも記したように、初期のカタログですのでバリエーションもそれほど多くはありません。
後にディーゼルターボや1600、シリウスダッシュの搭載やハードトップの追加、また珍しくサンルーフが唯一標準で装備されたスーパーツーリングEXTRAなどという一風変わったグレードの追加など、膨大なバリエーションになっていくこのΣでしたが、ドイツでは「ゴールデンステアリング賞」を獲得したりと評価されながらも、日本ではハイソカーブームが吹き荒ぶ中、パッとしないまま、次期モデルのE30系ギャラン、ハードトップの後継であるディアマンテへとバトンをつなぐことになります。

この写真の真ん中が親父が乗っていたLX-Touringです。色はこの1つ上の写真の右、1番上の2000Super Saloon EXTRAの
「シャトーベージュ」。
このカタログのLX-Touringの色の「カプチーノブラウン」と親父とお袋は迷っていたっけ(笑)
今でもこのクルマの広さと、新車時特有のあの匂いが懐かしく感じられます。
個人的な長話にお付き合い下さり、ありがとうございました。
Posted at 2013/12/28 21:36:52 | |
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