9月5日(土)。
土曜日はオオドオリ大学の女子大生となり、
酪農体験講座に参加してきました。
参加者はスタッフ入れて10名。
酪農の飼料の会社の人だったり、
仕事の取引先が乳製品の会社だからだったり、
今まで関東で援農をしていて、北海道に来て酪農にも触れてみたい人だったり、
ただ牛乳が大好きだからだったり、
ブログのネタが欲しかったからだったり(←私)、
参加動機は色々。
馬は昔から牧場見学に行ったり、
馬牧場経営の人に恋をしたり色々ご縁があったんだけど、
意外と牛との接点は今までなかったのですよ。
札幌市民ホール集合って書いてたけど、調べたら今はわくわくホリデーホールという名前っぽい。

こんなイベントがあって人めっちゃ多いし…
オオドオリ大学のスタッフらしき人たちが見つからないよー(ノД`)
事務局に電話してもつながらないよー(ノД`)
時間ギリギリでようやく発見!焦った…orz
車に相乗りして、ぶーんと。

江別の関ファームさんにお世話になりました。
ご挨拶と自己紹介をして、まずは牛舎へ。
ハエはいるけど、臭いが全然気にならないなぁ。
足を消毒して入りますよー。
こちらの牛舎は大人のお母さんたちと、仔牛たち。

1頭1頭の体調をきちんと管理。

仔牛にミルクをあげる。
生きるための力強さ。
たまにガツンと頭突きするのは、お母さんの乳房を刺激してホルモンを出させるみたい。
でも、生まれてすぐ離されるから、
お母さんの乳房の感触を知らないんだね。

バンビみたいなこの茶色いジャージー牛の仔は、オス。
お肉になります。
ちなみにホルスタインの仔の方がジャージーより倍近く大きく生まれるみたい。
40㎏だって!
馬のお産みたいに人がつきっきりではなく、スポンと生まれるらしい。
朝牛舎に行って、
「ハッ、気配!!('Д')」
と思ったら仔牛が通路に立ってたりするんだって。(笑)

ミルクがなくなると指をじゃぶじゃぶ吸われてベタベタになる(´Д` )
前歯の上の歯がないから痛くないよー。
お乳が出ないのに、ひたすらみんなの指をじゃぶじゃぶ吸ってます。
舌や上あごがざらざらしてこちょばい(*´艸`)
隣の牛舎は5ヶ月以上の若牛。
最初の人工授精が14ヶ月ぐらいだから、それまでの牛かな。
ロールから干し草をむしって若牛に干草をあげようとするも、
警戒されて手からは食べてくれないのでぐいぐい押し付ける。迷惑。(笑)
エサの説明をしていただく。
しっかり乾燥した草はこうしてロールにし、
水分が多いものは腐ってしまうのでビニールで包んで酸素を絶ち乳酸発酵させます。

昔のサイロの代わりですね。
草だけでは栄養がまかなえないので配合飼料も与えます。

牛乳の甘さにはこのコーンの甘さも含まれているそうですよ。
やはりカロリーが高いものを美味しいと思うのは人間と同じなのか、
説明のためにこの飼料を手に取ったのを見て、牛たちのテンションが上がってザワザワしだした。(笑)

でっかーい\(^o^)/
さっきの牛舎に戻る。

朝の搾乳を終えたマダムたちがまったり。
ベテランお母さんのお乳を搾乳させていただく。
若いお母さんだと、蹴っ飛ばされたりするらしいガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル
少し搾って古いお乳を出す→乳頭を刺激しておっぱいを張らせる→殺菌。
本来はここで搾乳機を付けて直接バルクに送られ、殺菌以降は人の手が触れないように衛生的に管理されています。
搾乳機
バルク
あの温かいお乳がここで1時間で4℃まで冷やされて、出荷まで温度管理されます。

おっぱいが想像以上にふわふわ柔らかくてあったかい~(*^o^*)
搾ったらホットミルクが出てきたよ。(笑)

こちらのお母さん方はお産を2~3回してお乳の質や量が低下して、現役を退かれた方々…
例えば…味付き焼肉とかになります。

さすがに自分で搾ったのは飲めないけど、
朝搾って少し加熱しただけの牛乳をいただく。
おかわりしまくり!\(^o^)/
ちょうどローリーが牛乳の集荷に来られましたよ~。

ドライバーさんが味や成分のチェックもします。
責任重大!
飲みながら、少しお勉強。
牛の体の話や、経済の話など。
牛乳は血液からできているのは、人間も一緒。
1リットルの牛乳を出すのに、400リットルの血が乳房を循環します。
1日30リットル近く作られ、糞尿は40㎏ぐらい…水分がぶがぶ飲まないとね。(^^;
江別のような都市近郊酪農と、地方の酪農の違い。
大雑把にいうと、都市近郊は飲用、地方は加工用として主に使われます。流通の都合ですね。
加工用は飲用より乳価が低いわけですが、その差額は国からの補助でまかなわれています。
北海道ではホクレンに出荷する農家が多いのですが、
こちらの牧場はサツラクに加入されています。
サツラクって会社名と思ってたけど、組合なんだねー。
参加して、酪農に対するイメージがまるっきり覆りました。
こちらは繋ぎ飼育で、放牧させず牛舎内も歩かせず、24時間繋ぎっぱなしです。
正直、最初は放牧じゃないのかとがっかりして可哀想と思いましたし、
放牧牛の方が美味しい牛乳と思っていました。
草しか食べない牛の牛乳は、臭くて飲めないということ。
配合飼料の量の管理もしっかりしないと、牛が栄養不足になってしまうこと。
例えば搾乳機に自分で歩いていくような、牛舎内を歩かせる飼育は繋ぎ飼育より平均寿命が短いこと。
足腰を痛めると、処分になるからだそうです。
ただ、採用している農家もあるということは、
牛のストレス軽減とかそういうメリットはあるのかもしれませんね。
濃厚な牛乳が美味しいと思いがちですが、
ホルスタインで脂肪分5.0など変に濃厚な牛乳は牛に無理をさせて脂肪肝になり乳脂肪ではなく体脂肪が出てしまっているということ。せいぜい4.0だそうです。
脂肪分が高い牛乳を作るには、他の種類の牛のお乳を混ぜたりするそうです。

10月に肉として出荷予定の黒毛和牛も1頭いました。
いわゆる「サシ」というのは老化現象であり、
しかし出荷年齢は若いので、草を与えず配合飼料からもビタミンを絶ってビタミン欠乏状態にさせているということ。
脂身が黄色いのは古いのかと思っていましたが、
牧草を与えるとカロチンが堆積して黄色くなるとのこと。
発色剤を使わないと赤黒い色ですが、
発色剤を使うことで傷みにくくなるメリットもある。
自然な飼育方法=人間が喜ぶ品質ではないんですね。
農家さんによっても考え方は色々あると言われてました。
それを選ぶのは、我々消費者です。
素敵なご夫婦で終始にこやかに、とてもわかりやすく説明していただきました。
生殺与奪権を人間が握っているからこそ、
できる限り牛が快適に、健康に暮らせるように工夫されています。
経済動物と接する感謝の気持ちの話を聞いて、感動して思わず涙ぐんでしまいました。
よーし、もっと牛乳飲むで!\(^o^)/