っもー。
登場人物は架空で地名などもすべて架空ですよ。
それに今まで以上にフィクションです。
安心してください。みんなうつってますよ。
今日は夕日が見えるかと思ったのに。
どんよりと曇った灰色の夕暮れかー。
ここはNGTだ。
そーめったに晴れはしない。
隣で歌いながらよくわからない踊りを踊っている親友とは対照的に今日は波が穏やかだ。
親友と中学時代にちゃりでよくきた海岸だけど、今はもう34。
しかしながら親友のO子がやっていることは当時とさほど変わっていない。
さっきまで泣きそうな顔してたのに、今は無邪気に踊っている。
そんなO子をみてると思わず海に突き落としたくなるが、彼女は光の速さで泳ぐので3秒後には同じ場所で踊っているだろうしそれに私はもう大人だ。不毛なことはしない。
ピンボケさせてしまうとは情けない韮山のライバルよ。
今日は珍しくO子からの呼び出しだった。
どーしたんだろ。
電話の声が少し震えてたし、ラインではなく電話なところが何かを予感させるに充分だった。
私は夕飯の買い物はさておき急いで向かった。
O子が昔肩で風をきって歩いていた千代橋からの景色は昔と大分変わった。
当時国家権力に追われO子と一緒に逃げ込んだ藪はもうすでになくなってしまった。
朝はあんな青空だったのに今は鉛色の空。
O子の心境のようで少し心配でもある。
橋を渡ればもうすぐ目的地の関谷浜である。
待ち合わせといえば私たちの中では関谷浜なのは澁谷でハチ公なのと同様な程度には当然である。
そこに忠犬タマ公前という選択肢はない。
町からくると関谷浜って砂丘を越えないといけないのだが、チャリだと結構きつい。
O子はいつも「勝負なっ!」とかいって一番乗りしてたっけ。
どんだけ勝負好きだよ。
と思ってはいたけどO子には誰も勝てなかったな。
今日はどうかと思ったら、やっぱりもういた。
なんだか今にも鉛色の涙を流しそうな顔して海を見つめている。
そして私の顔を見たとたんゲリラ豪雨のような激しさで話し出した。
どーも色々たまっていることがあるようだ。
仕事の事、バイトのこと、人間関係、岩関係、ラーメン関係。
話があっちに飛んだりこっちに飛んだりするのはいつものことである。
彼女は本当に繊細だ。
繊細というより、普通の人よりセンサーがたくさんついているんよね。
鋼のハートとか自分で言うけどそうではない
ただ回復が少し早いだけなんよ。
男勝りとか、そう見えるが、こんなに女の子な人間を私は見たことがない。
ひとしきり話し終わった後O子の顔は少なくとも目の前の暗澹とした日本海よりは晴れやかだった。
O子の表情は見ていて飽きない。
一瞬たりとも同じ表情はしていない。
それだけ表情に出やすいともいえる。
今もまだ何か話し足りなそうな、あるいは目の前のフナ虫の動きを素早く追うハンター的な表情だ。
ほーら。
なんだか普段はあまり話してくれない車の話をしだしたよっ。
「ドリフト」だの「ライバル」だのよくわからないがO子の表情は触れることができる程度には柔らかになってきた。
写真とか見せてもらったけど、O子こんなことできるんね。
かっこいいわ。
「だすけクラッチ蹴ったっけね」
とかいわれてもわからないが、お前が蹴るのは喧嘩相手だけじゃねーんだな。
まぁそのO子のいうライバルも壁だの机だの殴って怪我してるっていってたしまぁそういうことなんだろう。
それにしても楽しそうだ。
「しもべがさぁ、ライバル追っかけまわして運転中なんにはら抱えてわらいそーだったわー」
とかいってケタケタ笑ってる。
さっきまで泣きそうだったのは何だったんだろう。
O子の話を聞いてわかったのは、
彼女は本当にB型を愛してやまないことと
彼女にとって色んな事を犠牲にして全力で続けてきたクルマでのライバルはただそこにいた存在ではなく勝ち取ってきたも同然で原動力といってもいいほど大切な存在だってこと。
それにしてもそんな大切なライバルならもう少し丁寧に扱えっては思うよ。
彼女、頭はいいのに行動原理は単純だ。
水がある→泳ぐ
木がある→登る
藪がある→身を隠す
むかつく→叩き潰す
腕相撲→腕をへし折る
ラーメン→食べる
カピバラ→毛を抜いてみる
鹿→角を押さえ込む
熊→またがる
ライバルが反抗する→いじめる←(今ココ)
そうなのだ。
O子は男勝りというよりは
中身が小学生なだけなのだ。34だけど。
ただ普通の人より色々能力が高いからそう見られる。
そしてそれは男女というのはまったく関係ない。
人並み以上に優しいし人並み以上に強い。
だから頼れるし事実何度も助けられた。
彼女はふとつぶやいた
「本当はずーっと一緒に走りたいだけだっけね」
やっぱり小学生だ。34だけど。
こうなった以上ライバルは一生ライバルをやめられないだろう。
そんなO子は純粋だし美しい。
それはダイヤの輝きというよりは、まるで玉虫色に光るカナブンのようにだ。
そして一緒にいて心強いし何故かまもってあげたくもなる。
私は親友として彼女の成長を見守る責務がある。もう34だけど。
彼女と親友で本当に良かった。
そしてそんな彼女が認めたライバルっていったいどんな人物なのか興味がある。
今度新潟に呼び出したっていうからあってみたいものだ。
そして今なのだ。
泣きそうだったO子、何故か今隣で踊っている。
いったいなんなん?
それにさっきおっきな目を真剣に見開いて
「なじらろ?」
と手に握らされた・・・
これはいったい何なのか。
肝心ところで説明がないのは彼女の悪い癖だ。
漆黒になりつつある日本海を目前にして私は心に決めた。
やっぱり一度海に突き落としてみよう。
終
えーっと、まず第一に。
おこらないでくださいね。。。
一番最初に書いたのに一番最後にUPなのはそういうわけですよ・・・
悪ふざけが過ぎました。TMG
フィクションですよーフィクション。
架空のO子さんと架空の親友さんのお話です。
皆様が本庄や間瀬でお忙しいだろうころを見計らいUPさせて頂きまして、ということで光の速さシリーズは終了です。
長年のご愛顧感謝いたします。
それではごきげんよう。さようならー。
とりあえず公開範囲はふたりだけにしときましたよー。
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サーキット | クルマ
Posted at
2016/07/16 07:37:33