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二つの月のブログ一覧

2008年08月24日 イイね!

音楽ブログ Op.31

久方ぶりの音楽ブログです。
ホントに久し振りで、タイトルの作品番号も何番だっけ??って感じでしたが(汗)。

今回は、『荒城の月』や『花』などの歌曲で名の知られた日本人作曲家、
滝廉太郎(1879~1903)の曲を取り上げてみたいと思います。

滝廉太郎は、22才の時に二人目の日本人音楽家としてライプツィヒに留学しましたが、
そのわずか2ヵ月後に肺結核を発病、1年後に帰国して療養しますが、1903年、
24歳の誕生日を待たずに短い生涯を閉じました。
その病から療養中の作品は殆どが焼却されてしまっていて、他にどんな作品があったのか、
今となっては知るすべもありません。

数少ないピアノ曲の1つ『憾(うらみ)』。
日本人のピアノ独奏作品として、最も古いもののひとつといわれる曲ですが、
あまり良くない印象を持つこのタイトルは、“残念”とか“後悔”といった意味を含んでいるとか。
彼の死の3ヶ月前に書かれたこの曲は、作曲された背景や付けられたタイトルを考えると、
重たく暗い曲のイメージを持ちますが、実際の曲は単純なリズムと和声で書かれています。

今回はあまり深読みをせずに、作曲者自身が書いた指示(最初に書かれている曲想表示と
強弱)に従って(弾いてるうちに変わってきた部分も少しはありますが)弾いてみました。

上手く弾けるほど弾きこめませんでしたが、良かったらお聴き下さいね。
2分30秒ほどの演奏になってます。

と、その前に、今回の動画は音声と画面がずれてます。(音声の方が遅れてます。なんで!?)
それをご承知の上でお聴きください。
できれば、画面を見ないで聴くだけにしていただいた方が有り難い(汗)
んで、あまり上手く弾けてないし、ずれているので、後ほど動画は削除させていただきますね。

2015年12月19日 動画編集いたしました。

ちなみに、日付の変わった今日、8月24日は滝廉太郎の誕生日です。
(もっと上手く弾いてよ~って、怒られるはず^^;)






Posted at 2008/08/24 00:27:20 | コメント(9) | トラックバック(0) | ピアノ曲 | 音楽/映画/テレビ
2006年08月31日 イイね!

音楽ブログ Op.26  晩夏の夜に。

今回はフィンランドの作曲家ヘイノ・カスキ(1885~1957)のピアノ曲
『夜の海辺にて Op.34-1』をご紹介します。

カスキは、叙情的な美しい旋律をもつ曲を数多く作曲していますが、
フィンランドという国が、ロシア統治下にあって第一次世界大戦を経て、
独立するまでの激動の時代においては、カスキの音楽を受け入れる余裕は
無かったであろう事から、時として「忘れられた作曲家」といわれます。
資料を探してみても殆ど無く、CDと今回使った楽譜くらいのものでした。

この曲、数年前に地元のとあるホールのロビーコンサートに出演したときに弾きました。
季節はちょうど6月、梅雨の時期ということだったので、そんな雰囲気の曲がないかなぁ~と
探していたんですが、ドイツやフランス、イタリアの雨の雰囲気に
当時私が感じていた日本の梅雨のイメージにぴったりのものがありませんでした。

家にある楽譜を引っ張り出して考えていたところに、買ったままになっていたカスキの楽譜が。
ピアニストの舘野 泉さんのご尽力で北欧の作曲家の楽曲が紹介され、
楽譜も充実し始めた頃で、たまたま楽譜売り場で見つけて、珍しさから購入したものでした。
雨をイメージしてはいませんが(すでにずれてる?)、曲を弾いてみた感じが良かったので、
これを選曲しました。

このロビーコンサートでは曲紹介のナレーションが入るのですが、
曲の説明を兼ねた原稿を書かなくてはならなくて、
何かないかな、と探していたときに見つけたのが、
私がHNにしている東山魁夷画伯の「二つの月」でした。

この絵も、この絵に添えられた画伯自身の手によるエッセイも、
曲にピッタリ(画の舞台がフィンランドなのも同じ)だと思ったので
それを参考に書いたことがありました。

このように、今回改めて弾いてみたわけですが、
以前弾いた時とはイメージが随分変わってるな・・・というのを、最初に思いました。
一言に「夜の海辺」といっても、季節、時間帯などによって随分と雰囲気が変わりますよね。
この辺りは恒例の深夜ドライブの賜物かと思っている次第ですが・・・。
(いや~、行かなくちゃダメよね~、深夜ドライブ♪)

以前は「二つの月」の舞台、北欧の白夜のイメージだったので、
夜とはいえ辺りの様子は全部見えているんですよね。
深夜ドライブに行った時の海は、明かりといえばせいぜい街灯くらい、
天候によっては打ち寄せる波も、沖に停泊する船の明かりも見えず、
暗闇の中からひたすら波の音だけが聞こえる・・・かと思えば、
月明かりで仄かではあるけれど白く輝く海が目の前に広がる。
また単純に海といっても、そのシチュエーション・・・港や、浜辺、切り立った崖など。
その風景の中に人が居るのかどうか、海を見ている自分でさえも、
その風景の中に居るのかどうか・・・。
もっと言ってしまえば、その風景は現実に目の前に広がるのか、単なる想像の世界なのか。
夜の海というだけで、人それぞれのイメージが浮かぶと思います。

この曲は難易度は高くないので、だれでも手軽に弾けるがために、
解釈が幾通りにもあって難しいなぁ、と思いました。
どうにでも解釈できるというと、結局まとまらず・・・orzって事にもなりかねません。

浜辺に打ち寄せる波の音をBGMにして、美しいけれど
どこか悲しげな旋律が流れ、深い想いとともに海の中に沈んでゆく。
波の上を渡る風の心地よさに身を任せる。
暗闇の中からは静かに打ち寄せる波の音がどこからとも無く聞こえてきた。
やがて雲が切れ、月明かりが海を照らし出し・・・・・。
ホントにどうにでも解釈できるな~。 

動画は、9月1日午後10時25分をもちまして削除させていただきました。
つたない演奏でしたが、聴いて下さった皆様、ありがとうございました。

ここで言っておきますが、私が恒例にしている深夜ドライブは、
上にも書きましたが音楽ブログを書くに当たって必要なものなんですよ。
決して趣味なんかじゃありませんよ~。 
ブログ書くために仕方なく、仕方な~く行ってるんですからね~。

あ、それからひとつお知らせ。
8月とはいえ、少し遊びすぎました。
また、しばらく修行に戻りますので、よろしくです。



参考資料
CD:舘野泉 夜の海辺にて(カスキ作品集) (WPCS 6307)
楽譜:カスキ ピアノ作品集(全音楽譜出版社)




Posted at 2006/08/31 23:19:15 | コメント(4) | トラックバック(0) | ピアノ曲 | 音楽/映画/テレビ
2006年08月31日 イイね!

リクエストにお応えして  その1

フィルダ君の快気祝い(??)って事で、

以前より お友達のこの方 からリクエストのあったこの曲。

思い切ってアップしてみまっす。

↓↓ こちらをどうぞ。




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この曲、侮れません。 結構難しいかも・・・・・隠れた名曲ですねっ♪

皆様、ご講評の程、よろしくお願いいたします。


Posted at 2006/08/31 15:42:39 | コメント(13) | トラックバック(0) | ピアノ曲 | 音楽/映画/テレビ
2006年04月03日 イイね!

ヴィクトル・ハルトマンの思い出 番外編

さて、シリーズ最後の番外編ですが、CDや大雑把な私見など述べていきたいと思います。


今回は、オーケストラ(以下オケと略します)版がラヴェル編曲のものと
アシュケナージ編曲のもの、それからオリジナルのピアノ版を(私の好みで勝手に)
使用したわけですが、ラヴェル版については「オケといえばこれ !!」ってくらいに有名なので、
耳にするのは殆どこれだと思います。
ラヴェルのオーケストレーションは、派手で聴き甲斐があるので、
聴いたなぁ~って感じがしますね。

私も最初に聴いたのが、このラヴェル編曲版で、高校生の頃、
地元のアマチュアオーケストラのコンサートでした。
なのでオケの曲かと思ってました。
もっともラヴェル以前・以後も多くの作曲家等がオケ編曲版を書いていますが、
今では殆ど耳にする機会はありません。
聴き比べてみたいので、CDとかコンサートとかで聴けると良いのですが。

こういったものは一番最初に聴いたものの印象が強く、
後から聴いたものは「何だか好きになれないぞ」ってことになりやすいのですが、
その後ピアノ曲だったのを知って、早速楽譜(今回資料として使ったものです)を購入して
弾いてみたら、意外とすんなりなじめたのを憶えています。

「やっぱりこの曲はオケ版でなくちゃ。」という方もおられると思いますが、
私自身がピアノ弾きなので、そういうところも関係していると思いますけど。

当時は何故かわからなかったし、それ以上追求することもしませんでしたが、
今までにも何回か遊びで弾いたりして(実は発表会とかで弾こうかと、
無謀なことを考えた時もあったり)思ったのは、ムソルグスキー自身、
ピアノ曲としてこの曲を書いたのではないか、と言うことです。

ピアノの音色でないと表せない曲、ピアノの音域による音色の違いなどもありますが、
何より、ピアノの倍音が求められている曲なのかな、と思いました。

少し専門的な話になりますが、しばらくご辛抱下さいね。
旋律を演奏する楽器(声も)を普通に演奏して出る音を「楽音」と言いますが、
この楽音は、いくつもの「倍音」を含んでいます。
この倍音とは、ある高さの音を出した時に同時に発生する音で、
「基本となる音の周波数の整数倍(2、3、4、5・・・・・倍)の周波数を持つ音」と
定義されています。

例えば100Hzの音を基本(基音)とする場合、
200、300、400Hz・・・の音が倍音になるわけですが、
同じ音でも楽器によって音色が異なるのは、この倍音のバランスが異なるからです。
もっとも、人間の耳にははっきりと聴き分けられるものではないですが、
演奏音を聴く時は倍音も聴いている、というわけです。

この倍音については、大学入試科目に楽典というのがあって、
本の最初に載っていたんですが、その時は訳もわからず丸暗記してましたが、
今になると大事なことだったんだな、というのが良くわかります。
やっぱり、勉強は続けないとダメねぇ~。

アシュケナージ版は、ラヴェル版と違ってオケのボリュームはないですが、
ピアノ版をそのままオケにするとこんな感じなんだろうなって言うのがよくわかります。
アシュケナージ自身、ピアノ版を何度も弾いているピアニストなので、
ラヴェル版はうるさくて、ちょっとね・・・って仰る方にはお勧めのものです。

それから、あまり触れませんでしたが、EL&P版の『展覧会の絵』。
プログレを聴いたのはこれが初めてで詳しくは知りませんし、
シンセサイザー、ギター、ドラムなどの楽器についてもあまり知識はありませんので、
そちらについてはあれこれ語れませんが、アレンジについては、
とても興味深く聴かせて頂きました。

特に『古城』のコード進行をそのまま用いて、全く違うメロディーをつけるとか、
『ブルーズ・ヴァリエーション』のアドリブ(?)とか、
「試しにやってみよう」と思ったりしました。

オリジナルにはないので途中では省きましたが、
このアルバムには歌詞のついた『賢人』という曲があって、
このメロディーの歌い出しの1小節がグリーグの『ソルヴェイグの歌』と同じなので、
国民楽派繋がりの選曲なのかな~と思いましたが、よく聴いたら違ってました。

歌詞のついた曲、特に2つ目の『プロムナード』と最後の『キエフの大門』は、
オリジナルの曲を伴奏に使い、その上にメロディーを乗せた形になっていますが、
この方法はモーツァルトにもあるんですね。

何番か忘れましたが、ピアノ・ソナタの楽章1つを
そのままヴァイオリン・ソナタの伴奏に使っているものがあります。
探せば他の作曲家も同じようにしているものがあるはず。
あと、クラシックではないですがGacktの曲にもあります。

それから、このアルバムには最後にアンコールでしょうか、
『ナットロッカー』という曲が収録されていて、
これはチャイコフスキーの『バレエ音楽 くるみ割り人形』の中の「中国の踊り」の
冒頭のリズムと音形をベースにしてアレンジされています。
こちらも、こういう使い方もあるんだ~と思って聴きました。
タイトルは『くるみ割り人形(ナットクラッカー)』をもじったのかな、と思いましたが、
どうなんでしょう?


え~~っと、長々とわかりにくい(しかもまとまっていない。)文章を書いてしまいましたが、
『展覧会の絵』はこれで終わりです。

間違っている部分も多々あるかと思いますので、お気付きの方はご指摘下さいませ。

それから、この曲を勉強するきっかけを与えて下さったお友達の★KK9☆。様。
末筆になりましたが、この場を借りて御礼申し上げます。
とても良い勉強をさせていただきました。ありがとうございました。


このあとは、お友達からまたリクエストを頂いたので、
そちらに取り掛かってみようかと思います(何にするかは言わないでおこう)。
皆様もご存知の曲かと思いますので、準備等、しばしお時間をいただきたいと思います。

これから、「音楽シリーズ」ってタイトルにしようかなぁ・・・。


オリジナル(ピアノ)版はこちらで試聴できます。
関連URLでは、エマーソン・レイク&パーマー版が試聴できます。
ご興味がある方は、お聴き下さいね。


参考資料
 クラシック音楽辞典(平凡社)
 ピアノ名曲辞典(ドレミ楽譜出版社)
 その他参考資料はこちら



Posted at 2006/04/03 02:10:11 | コメント(2) | トラックバック(0) | ピアノ曲 | 音楽/映画/テレビ
2006年04月01日 イイね!

ヴィクトル・ハルトマンの思い出 Part3

第3回目は『第8曲 カタコンブ』からですね。

前回までと同じように、ピアノ(以下P)版、ラヴェル(以下R)版、
アシュケナージ(以下A)版、エマーソン・レイク&パーマー(以下E)版を用いたいと思います。


第8曲 カタコンブ

カタコンブとは古代ローマ時代、パリに作られた地下墳墓で、キリスト教公認前の
ヨーロッパ各地で、密かに信仰を守り抜いた信徒たちが眠っているそうです。

強弱の変化が激しく、地下の暗闇で何処からともなく聴こえる音、
例えば染み出た地下水の滴る音、壁から土の欠片が崩れる音、
どこかから入った風のうなる音などが、幽かではあるがあちこちに響き、
反響を重ね、音色を変え、壁に吸い込まれて消えていくような、
長く伸ばす和音で構成されている曲です。

この曲には、実はピアノでは物理的に演奏不可能な箇所があります「譜例№3」 なのですが、
このcresc.はピアノではできません。電子ピアノや他の楽器なら可能ですが・・・。
ここは解釈が分かれるところなのですが、単に「これはピアノでは弾けない。
だからオーケストレーションを始めから意識して作曲した」と言ってしまうのではなく、
減衰せざるを得ない音を、次の音に向かって力を溜めていくかのように
聴かせなければならない、つまり人間の耳には音として認識できないけれど、
三半規管の奥でうねりとして残るような、そしてそのうねりが次第に増していくような
状態が求められているのかなぁ、と思ってしまいます。
弾き手としては非常に難しいことなんですが。

この曲の自筆譜の余白に、作曲者自身の手で
「ラテン語のテキストの方がよいだろう:
死せるハルトマンの独創的精神が私を髑髏の方へと導き、髑髏に呼びかける。
それから髑髏はゆっくりと輝き始める。」と書かれています。
ここにある髑髏というのは、こちら(絵№6)では少し見難いですが、左下の隅に描かれているもので、
ムソルグスキーはこれをハルトマンの言葉に見立てたのでしょうか、
髑髏が一瞬強い光を放つような和音と、その光が弱まっていくのを感じさせる音の減衰で、
次の部分へと進みます。


死者の言葉による死者との対話

この曲はプロムナードを変奏させたメロディーとなっています。
カタコンブの静寂の中で、どこからともなく死者ハルトマンと
生者ムソルグスキーの対話が聞こえてくるような曲です。

幽かではあるが永遠に続くようなトレモロは、先の髑髏の放つ光でしょうか。
そして変奏されたプロムナードが、死者ハルトマンの言葉。
生者であればきっと、プロムナードそのままのメロディーで表わされるのではないでしょうか。

ここで二人が何を話したか。
それは最後の2つの曲について、なのではないかなと思っています。


第9曲 鶏の足の上の小屋(バーバ・ヤーガの小屋)

ロシアの伝説に登場する魔法使いの老婆、バーバ・ヤーガが
箒に乗って空を飛ぶ様子を表しています。
このバーバ・ヤーガは鶏の足の上に立つ小屋「絵№7」に住んでいると言われています。

最初は遠くから気配だけが感じられ、それが次第に近付くに従い切迫感が増して、
魔女が箒に乗って飛んできたかと思うと、急上昇そして急降下するように聴こえます。
この辺りは、P版では中低音域で両手のユニゾンでジグザグした動きを
結構なテンポで弾いたかと思うと右手が高音域まで跳躍し、
そこからまた中音域まで降りて来る、非常に慌しいというか忙しいというか、そんな感じです。
まるで魔女が地上にいる人間をからかって、鼻先すれすれの所を飛び廻るような感じですね。

ここでやっと魔女の姿をはっきり捉えられたかと思うと、またすぐに上昇したり下降したり・・・。
このあとの部分は昔、どこかの局のニュース番組のテーマ曲になっていましたね。
確か番組と番組の間でやっている4、5分のローカルニュースだったような記憶がありますが。
これについて覚えておられる方は、是非お知らせ下さいませ。
こういう事って気になりだすと、わかるまで気持ち悪いんです。

E版では、ここまでが「第8曲 バーバ・ヤーガの小屋」となっています。

これに続く部分は、それまでの空を飛びまわり、人をからかって楽しんでいるような
魔女ではなく、少し不気味な空気を醸し出す魔女になったかのようです。
暗闇で息を潜めてこちらの動きを窺っているような魔女でしょうか。
暗闇のどこに何がいるかわからない状況って、怖いものですよね。
しかも、何処からともなく音だけが聞こえてくる感じ。

その音は次第にはっきりしたものになり、再び冒頭と同じ部分が繰り返され、
そのまま魔女の箒に乗せられ、最後の曲の舞台、キエフへと連れて行かれます。

E版では、中間部分は「第9曲 バーバ・ヤーガの呪い」となっていて歌詞がつけられています。
この後の再現部分は「第10曲 バーバ・ヤーガの小屋」となっています。


第10曲 キエフの大門(ボガティル門)

ロシア(ウクライナ共和国)の古都キエフ。
ロシアに始めて統一王朝ができたときの都で、9世紀から東西交易の拠点としてさかえ、
10世紀末、キエフ大公ウラジーミルがキリスト教を国教とし、
ロシアとその文化の礎をこの地に築きました。

11世紀のキエフ市街は城壁と5つの城門で囲まれ、
特に黄金門は都の象徴として威容を誇ったといわれていて、
ロシア民族にとって重要な意味を持つ門だそうです。

現在この門は、1982年に復元され11世紀のままの姿となっていますが、
ハルトマンが生きていた頃は、破壊され荒れ果てたままになっていました。
こちら(絵№8)は黄金門の再建のために描かれたデッサンで、
ロシア正教とロシア民族の誇りを示しています。
あいにく門の建設は実現されること無く終わりましたが、
彼の作品の中ではもっとも大きな評価を得ています。

冒頭のメロディーは、和音の響きに支えられた線の太いロシア的旋律で始まります。
P版ではピアノが良く響く中低音で描かれていて、門の壮大さを表しているかのようです。

そんな門を見ていると、どこからとも無くコラールが静かに聴こえてきます。
コラールというのは、本来はドイツ・プロテスタント教会の讃美歌を言いますが、
ロシア正教の場合はなんていうんでしょうか? ここは、あまりツッコまないで下さい。

門の存在とロシア正教のコラールを繰り返していると、
次は、門の上部にある鐘が鳴り始めます。
この鐘の音、オーケストラではもちろん鐘を使っていますが、ピアノで弾いても
それとわかる音色になるので、弾く側としては個人的にはすごく好きな部分ですね。

鳴り続ける鐘の音に、プロムナードのメロディーが今度は華やかに重なっていきます。
音域が広がり、和音の厚みと空間の広がりは更に増し、最後に門のメロディーが奏でられ、
この組曲全体を締めくくるのにふさわしい雄大さとなっています。

R版では、特に最後はとにかく全部の楽器を派手に鳴らそうって感じになっていますが、
それはそれでよいかと(鳴らし過ぎだ、って言う人もいますが)。
A版では、R版では殆ど聴き取れない低音で弾く装飾音をかなり聴かせています。
この装飾音については、番外編の方で書かせて頂きたいと思います。
E版では、メロディーに歌詞がつけられていますが、殆ど編曲なしで演奏されていますね。


これで全曲の紹介は終わりですが、次回またまた番外編として参考にしたCDや、
その他私見を述べさせていただきたいと思います。
本当は、今回で全部まとめようと思ったんですが、
やっぱり長くなってしまったので次回持ち越しさせて頂きます。

今回も読んでくださった皆様、お疲れ様でした。


オリジナル(ピアノ)版はこちらで試聴できます。
関連URLでは、エマーソン・レイク&パーマー版が試聴できます。
ご興味がある方は、お聴き下さいね。


参考資料
 クラシック音楽辞典(平凡社)
 ピアノ名曲辞典(ドレミ楽譜出版社)
 その他参考資料はこちら



Posted at 2006/04/01 14:31:29 | コメント(5) | トラックバック(0) | ピアノ曲 | 音楽/映画/テレビ

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「@ボォさん 1度行ってみたいんですよね。ドクターイエロー(T4)見ましたかー?」
何シテル?   05/20 16:44
最近はなかなかゆっくりログインする時間も取れていませんが、極たまに何してるでつぶやいたりしますので生存確認はそちらでお願いします~。
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